Lei e un fiore. (番外編 / メローネ)
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「ああ!ボンジョルノ、you!」
「ボンジョルノ、メローネ。」
ああ、何だか久しぶりに
朝の挨拶を笑顔で交わしている
Lei e un fiore.
Ho perso la testa per te!(Addicted To You!)
休み明け、事務所に出勤して玄関から廊下へ入ると、これから外勤の任務で出て行くメローネと鉢合わせた。
彼は立ち止まり、キラキラした瞳でyouの手を両手で掴み、その手の甲に軽くキスをする…。
「出掛ける前にキミに会えるなんて、最高にツイてるな!ディ・モールトかわいいオレのテゾーロ……朝からキミに朗報があるんだ!詳しく話をしたいんだが…すまない、もう行かないと!任務の時間に間に合わない!本当にディ・モールト残念だ!!」
「朝から慌ただしいね、気を付けていってらっしゃい。」
「もしかしたらリゾットの方からその話があるかもしれないが…。」
「リゾットから……?」
「ああ……でも、今日の任務はそう長引かないはずだからきっと定時には戻って来れるはず。また話そう、you!」
最後に「チャオ!」と投げキッスをしてバタバタと事務所を出て行くメローネ。
病み上がりだというのに、なかなかのテンションと元気っぷりだな…と感心しながらその背中を見送るyou。
それから彼女が事務所に入れば、待ってましたとばかりに出勤者のメンバーらがyouに声を掛ける。
「おっ、来やがったなァ~ガッティーナ!」
「あ、ボンジョルノ、you!兄貴、youが来ましたぜィ?!」
「メローネがまた肝心な事話さねぇでそそくさ任務に出て行きやがってよぉ……皆してお前のこと待ってたんだぜぇ、ガッティーナ!!」
「そうそう、ホルマジオの言う通り!この間の雨の日なんで仮眠室のベッドで2人で寝てたの?!何かあったんだよね?メローネから「とりあえずyouと話せるようになった」とは聞いてるけどよぅ…。」
ホルマジオとペッシが朝の挨拶もそこそこに、グイグイと聞きたい本題を投げ掛けて来る…。
少し困った顔をで「えぇ…」と呟けば、コーヒーカップを片手に事務所の奥から現れたプロシュートに挨拶をされた。
「おう、ボンジョルノ、you……体調はもういいのか?」
「プロシュート!ボンジョルノ、ええ、体調はもう大丈夫。ただの風邪でした。」
「そうか……まぁ、無理すんなよ?」
「はい、ありがとうございます。あと、休んじゃってすみませんでした。」
「ンなこと気にすんな……無理して体調不良が長引く方が悪いだろ…。」
「…ですね。気を付けます。」
挨拶の後は病み上がりの自分の体調を心配してくれる言葉が続き、
今しがたのホルマジオとペッシとは大違い、プロシュートは意外にもお気遣いの紳士的であった…と思ったのも束の間…。
「で、オメーら結局「どう」なんってんだよ。あ?」
「全然お気遣いの紳士じゃなかった…。」
「あ?」
「何でもないです…。」
至近距離で立ち止まられ、上からジト目で詳細を語るよう告げて来る圧は物凄いもので…。
youは眉をハの字にして「えぇぇ…」と情けない声をあげるのだった…。
「とりあえず、一緒のベッドで寝てた日に、メローネと言葉が通じない状態で喧嘩のようなものをしまして…。」
「言葉が通じねぇのにか?器用だなオメーら…。」
「それで、メローネが雨の中外に飛び出して行ったのをわたしが追いかけた時に、記憶がフラッシュバックしまして…。」
「!!」
「そのまま倒れちゃったんですけど、メローネが事務所に連れて帰ってくれて……目覚めたらその時にはもうメローネの言葉が分かるようになってて…。」
「・・・。」
「メローネはわたしを傷付けるのが怖くて、離れようとしたって話してくれて……でも、わたしが今まで通り傍にいたいって強く言ったから……色々話して、仲直りできた感じです。」
「「仲直り」ねェ……。」
「仲直りです!」
「まさかとは思うが……そん時オメーら、ソルベとジェラートが事務所にいるのに、おっぱじめたワケじゃあねーだろうな…?」
「な、何をですか??何を始めるって??」
「あ?sesso(セックス)に決まってんだろ。だから同じベッドで寝てたんじゃねーのかって皆気になってんだよ。」
「すすすす、するワケないじゃないですか!!!メローネのこと思い出したからって、そ、そんな関係じゃないでしょう!」
「だからそれを聞いてんだろ。」
「プロシュート、それはセクハラですよ!訴えて勝ちますよ!それより前にリゾットに報告させてもらいますからね?!査定に響きますよ?!」
「ぐぁっ?!何でだよ、オレだけじゃあねーだろうが!!」
「そんな具体的なセクハラ発言してきたのはプロシュートじゃないですか!」
耳まで真っ赤にしてプロシュートに抗議する姿を見る限り、
彼女は絶対にそんな痴態をこの事務所で晒してはいないということは明白だったが、
キャンキャンと涙目で子犬のように必死で意思表示するyouが可愛かったので、
フォローもせず静観するホルマジオとペッシであった…。
そんな中、ガチャリと事務室のドアが開き、入って来たのは…。
「何だ、朝から騒がしいな……you、もう体調は問題ないのか?」
「「リゾット!!」」
「???」
「ボンジョルノ、リゾット!ていうか聞いてください!朝から皆がわたしにセクハ…もがっ?!!」
プロシュートに背を向けて、リゾットに彼の事を抗議しようとするyouの手を強制的に手で塞いだプロシュート。
「おいおいおい、バンビーナ、そいつァ悪手だぞオメーよぉ……分かった、もうこれ以上は深くは聞かねぇ。」
「もんもーもも?(本当ですか?)」
「ああ、マジだ。減俸もアルマーニのスーツを朝からメタリカの血で汚されるのも勘弁だ……流石のオレでも。」
「ももももも(分かりました)。」
プロシュートの手が離れ、口が解放されたが、youはひとまずリゾットに告げ口はしない様子。
少しだけ安堵した表情を浮かべ、プロシュートは「悪かった」と彼女の頭をワシワシと撫でた。
「そろそろ行くか、準備しろよペッシ!」
「あっ、本当だ!もう出る時間!準備しやす、兄貴ッツ!!」
外勤の面々が出て行く時間になっていたようで、プロシュートとペッシが外回りの準備を始める。
同じようにホルマジオも自分の席から立ち上がり「しょ~がねぇ~なぁ…オレも準備するか」と事務室を出て行った。
とりあえずホルマジオ達にはある程度の説明ができたと判断しても良いだろうとyouは勝手ながら思う。
後はギアッチョとイルーゾォに尋ねられた際に、同じように当たり障りのない説明で納得してもらうことにして、
下品な質問には答えずにリゾットの名前を出すとしよう…と、人知れず心に決めるyouだった…。
結論として、チームの皆としては彼等の言い分である「メローネはyouを傷付けるのが怖くて、離れようとしたけど、youが傍にいたいと言って問答した結果、仲直りできた」を享受してくれることとなる。
勿論そこで最終的に2人が恋愛関係に至ったのかどうかなどはチームの面々の気になるとことではあったが、
追及して(主にメローネから)生々しい現実を都度都度報告……否、自慢されるのもイラっとするし、
本人たちが少しでも隠しておこうとするのなら、「恋人同士の2人」より「仲の良い同僚の2人」と認識していた方が、正直仕事がやりやすい。
何より、記憶が戻ったことやメローネとの話を深くまで追求するということは、
あの日彼女が遭遇したあまりにも不幸な事故の記憶まで思い出したのかを確認し、説明させることになる…。
いくらこの治安の良くない国と地域で、しかもかつての仕事でアンダーグラウンドな立ち位置で仕事をしてきて、
そういった事件や事故を見聞きし、遭遇する事に慣れているとはいえ、その当事者が目を掛けている大事な仲間であれば話は別物。
兎に角と、そういった要因の中、彼女の心を守ること…そこが彼らの最優先事項となったため、
結果的にチームの面々から見た2人の関係性はハッキリとは分からない不透明なもので
「多分デキてるんじゃあないか?もしくはメローネが開き直って猛アタック中なのだろう」くらいの認識で落ち着いて、
ある程度詳しい内情を知る者はジェラ―トのみ…ということとなった。
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「…と言う感じで、ホルマジオとプロシュートとペッシはリゾットのお陰でわたしの話に納得してくれました。」
「ディ・モールト!リゾットの現れるタイミングが最高だ!」
「本当にね、助かりました…。」
仕事を終えて、今日は以前メローネがyouを連れて行ったことのあるトラットリアで夕飯を摂ることにしたため、
今はテーブル席で美味しそうなパスタやピッツァに囲まれながら、youがメローネに本日の出来事を話している最中だ。
話がひと段落したので、アツアツのピッツァを手に取り、美味しそうに頬張るyou。
口に入れた瞬間、目が見開いてその後うっとりと幸せそうな表情を浮かべると、
彼女のその蕩けそうな表情をメローネがうっとりと眺めて舌なめずりをするという流れ…。
もし、自分の気持ち蓋をして、今まで通りの「ただの仲の良い同僚」を続けることを選んでいれば、
この表情を見る度に、どれ程の胸の痛みに苦しまなければならなかっただろうと思うと、
今後の不安は消せずとも、共にいることを選んで良かったと…メローネは心の底から思うのだった。
「んむ、あ、そういえばメローネ、今日は朝から何か良いことがあったの?朗報があるの何のって…。」
「あぁっ!そうだった!目の前のベッラがあまりにも美味しそうにピッツァを食べるものだから、ついつい話すのも忘れて見惚れてしまっていた…!」
「えっ、どの人?どの人?!」
「は?」
恐らくは自分ではなくメローネの視界に映る…即ち、自分より後ろの席にいる誰か別の女性と思ったらしい…
彼女はコソコソと後ろを向きつつ、真後ろやその向こうに視線を這わせる…。
「何してるんだ、キミ…?」
「えっ、メローネの視線を奪う程のイタリアンベッラてどれ程かと気になって…!でもどの人?おじさんしかいなさそう…。」
「あのな……キミの国ではどうだか知らないが、目の前に恋人がいて他の女を褒める男が何処にいる?この国でそんな男がいたら、間違いなく平手打ち喰らってヒステリックな大喧嘩が始まるぞ…。」
「なんと…!」
「you以外の女をオレが褒めるワケないじゃあないか……そもそも今のオレにはyou以外の女が女に見えない(相変わらずベイビィの母体候補には見えるが…)。これ、マジで言ってるんだが……割と重症だと思わないか?」
「それは…重症だね…。」
「そういうこと。ベッラやカリーナ、アドラビーレ、センスアーレ…その他の誉め言葉の全てはオレにとって全部youのための言葉だからちゃん理解しておいてくれよ。」
「うぅ……恥ずかしい…自己肯定感の低い、褒められ慣れてない日本人、ここに極まれり…。」
「ベネ!毎回褒めるたびにそんな顔されたらもう、ディ・モールト……たまらないな。」
恥ずかしそうに顔を赤らめて俯いたyouを見て、ゾクゾクと背筋を震わせて再び目の前で舌なめずりをするメローネ…。
…を見て、ドン引きし、恥じらいが何処かへすっ飛んでいったyou。
彼女のその冷ややかな視線にも、また口角を上げてしまいそうになったが、
そこはぐっと我慢して、にこやかな顔で話題を切り替える事にする。
「それはそうと、今朝の話だよな……キミ、今日事務所でリゾットに何か話を聞いたかい?」
「え、いえ、特に何も…。」
「そうか……まぁ、まだ結構先の話だしな。」
「仕事の話だよね……何の話なの?」
「ああ、リゾットに頼んで外勤任務をメインに入れてもらっていたが、来月の半ばの仕事を最後に、その後はまた内勤メインでの仕事に変わることになった!要は外勤の終わりが決まったってことだ。」
勿論完全に無くなるワケではなく、今まで通り内勤メイン、たまに必要なシーンで外勤を依頼される…。
つまりは、従来のメローネの勤務体系に戻る…といった話だった。
「確かにそれは朗報です、外勤は危ない任務も多いみたいだから、良かった!」
「まぁ、依頼は色々なんだが……またyouの傍で仕事ができそうで、もう既に嬉しいオレがいる。」
「ふふ、そうだね。」
「そして、それだけが朗報ではないぞ!なんと、最後の依頼はフィレンツェ2泊3日の出張任務だ!」
「う…羨ましい……フィレンツェ行ってみたいです…!」
「しかも最終日はフリーというじゃあないか!最早ちょっとした旅行気分だな!」
「本当、でもそっか……少なくとも最後の外勤の任務で3日はメローネに会えないんだ……ちょっとだけ寂しいね。」
「え。」
「気を付けて行ってきて、お土産はトスカーナのサラミがいいです……美味しいってミスタさんが言ってた…。」
「いや、違う!そうじゃあないんだ!そうだけど、そうじゃあない!」
「??」
「っていうか……っ寂しいって……!」
急に何故か顔を赤くして口元を押さえたり、しかし声色は焦った様子で
動揺し始めたメローネに、youが小首を傾げる。
「メローネ?」
「youは出張でオレに会えないと寂しいって思ってくれるのか…?」
「え、うん……わたし、メローネの笑った顔好きだから、見れないと寂しいって思うな。」
「あっ……あー……あぁ………むり……Ho perso la testa per te…~~!!」
「え、ごめん、聞こえない…。」
「いや、気にしないでくれ、それより出張のことなんだが…。」
「うん?」
「出張はオレだけじゃなく、キミも行くんだよ、一緒に。」
「えっ?」
「出張2日目に任務のメインにあたる立食パーティーがあって、1日目はその会場の事前調査と関係者への挨拶、3日目は特に何の任務も無くフリーの2泊3日フィレンツェ出張だ。」
「えっと…。」
「事前調査はオレ一人で問題ないけど、関係者への挨拶とパーティーはyouに付いて来て通訳してもらうことになると思うからさ。英語はイケるけど、流石にフランス、ドイツあたりは困るからね…。」
「ああ、成程……。」
「ちゃんとリーダーにも確認取ってるから、そのうち話があると思う。というか、通訳でyouを連れて行くか?って打診してくれたのもリゾットだしな……もうオレ絶対リゾットに足向けて寝れないよ。」
「そう、なんだ……。」
「あれ、嬉しくない?」
「い、いえ……そんなことは…!ただ、ちょっとびっくり…して。」
「…ていうか寧ろイヤだったり…する?!」
「え、そ、そんな…。」
「大丈夫、絶対夜這いとかしないから!シたいけど!ちょっと夜中にベッドに忍び込んで添い寝とかするかもしれないけど、大丈夫、絶対襲ったりしない!ディ・モールト、シたいけど!!布団の中でオレの猛りが鎮まらなくても、絶対理性を失くしたりしないぞ!大丈夫だ!オレは!youを!大事にしたい!」
「ではせめて心の声は心に秘めたままでいてほしかった…。」
「恋人に嘘を吐くのはディ・モールト良くないだろう?」
「えぇ…。」
思いも掛けない出張話に驚いたのも束の間…。
フィレンツェには行きたいし、メローネとの出張は確かに朗報なのだが、
素直に喜べない要因もまた目の前の恋人にあるという現実に、思わず遠い目をしてしまうyouなのであった…。
Ho perso la testa per te!
Addicted To You!
words from:yu-a
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