Lei e un fiore. (番外編 / メローネ)
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いや、イヤ、嫌
もう 何も聞きたくない
もう どんな言葉も聞きたくない
Lei e un fiore.
trattamento(治療)
youとイルーゾォが鏡の中に入って数分…。
リゾットはすぐさま暴漢達の車種とナンバーの照合を開始し、
ソルベは昔取った杵柄で、以前のストリートチルドレン仲間に情報提供をメッセージで呼びかける。
床に蹲ったままのメローネに、ギアッチョがタオルを投げて寄越した時…。
鏡の中からイルーゾォが顔を出した。
「……ジェラート。」
「イルーゾォ!」
「さっきバスタブに湯を張っただろう?デカい鍋か何かでお湯とタオルをあるだけ持ってきてくれ。」
「分かった、他には?」
「救急箱だな……軟膏なんかもあればいいが…。」
「大丈夫、オレそういうの経験者だから、常にストックしてるんだ。」
「・・・そうか……いや、助かるわ。頼む。」
「あ、あと着替えが要るよね?オレのは小さいと思うけど、ソルベのシャツとパンツならちょうどいいくらいと思うし、一緒に持っていくね。」
以前いた孤児院で虐待を受けていたことが役立つ日が来ようとは夢にも思わなかった、とジェラートは悲しく笑う。
また、それを経験したことがあるから「大丈夫」という言葉に、
「youのどのような姿を見ても、意識を保っていられる」
…という意味合いが含まれていることを、その場に居合わせた全員に理解させた。
それからすぐにテキパキと言われた通りに必要なものの準備を済ませ、
ジェラートはイルーゾォの鏡をドアのようにコンコンとノックして、彼を呼び出す。
ジェラートの呼びかけにイルーゾォはすぐに反応し、2人で鏡の中へと消えていった…。
イルーゾォとジェラートがyouの手当に当たっている中、
未だその場から動けないでいるメローネにギアッチョが呼び掛ける…。
「おいメローネ、いつまでそこでへたり込んでんだ!邪魔だから退け!」
「……はは…酷いな、ギアッチョは……オレ、こう見えても今結構ギリギリで生きてる感じなくらい傷付いてんだけどなァ…。」
「バカかテメェはよぉお!!そりゃどう考えたってyouの台詞だろぉが!!!」
「……そう…それもそうか……。」
「今まで仲良くしてたのに急に原因も分からず突き放されてヨォ……やっとお前と膝付き合わせて話せるって嬉々として迎えにいった結果がこれだ。これはお前らの問題だから、オレはオメーを責める気は微塵もねェ。ねェが……!」
「・・・何だよ。」
「何でアイツがこんな目に遭ったかは知っとけ、テメェは!」
「なん…ッ?!」
ギアッチョの特性とも言えるが、話している最中にどうにも我慢ができなくなったらしい。
バキッ!っと音を立てて、メローネの頬に拳をヒットさせ、床に倒れ込んだメローネにとどめを刺す…。
「youはお前を迎えに行ったんだよ!」
「ッ……オレだって迎えに来てると知っていたら…!」
「知ってたら、アイツから逃げなかったって100%言えのかよ?!」
「!!」
「またのらりくらり躱して「別のバスに乗った」とか「直帰することにした」って絶対言わずに、2時間も駅で待ってたyouにちゃんと向き合ってたハズだってオメェ、断言できんのかよ、あぁ?」
「それは…。」
「youは黙って待ってれば事務所にお前が戻ってくることは知ってたがなァ……オメェが傘持ってないからって……。」
「何、だって?」
「・・・。」
「馬鹿なんじゃあないか……you……そんな、バカな理由、あるか?何で…そんな……オレみたいな人間に…。」
「知るかンなこと…お前だから、そうしようと思ったんだろ……。」
「ぅ……っ、…あ…何で、どうして、だよ…。」
ギアッチョから、何故彼女が独り歩きが危なくなるような時間まで駅で待っていたのかを知らされ、
更なる罪悪感にとうとう堪えられなくなったメローネは嗚咽を堪えながらも、涙を溢れさせた…。
以前、自分がまだ未熟だった時期に、任務に失敗して悔し泣きをしたことはあった気がするが、
この男に関して言えば、泣ている姿を見たのは初めてかもしれない、とギアッチョはメローネを見下ろす…。
いつだって飄々と、任務に成功しようが失敗しようが何処か他人事というか…。
基本的に自分の興味のあるものにしかその喜怒哀楽を表に出さない。
そんな歪な感情で、歪なスタンド能力を行使するこの男が、
(ギアッチョの知り得る限りでは)恐らく初めて、自分を責めて泣いている。
これは都合のいい予想だが、自分の前だから、メローネは「こう」なっているのだと、考える。
プロシュートやホルマジオ、イルーゾォなどには決して見せないであろう姿…。
そう思うと、ギアッチョもこれ以上はメローネを責めるまいと、座り込んだ彼の前に手を差し伸べた。
「youの為に沸かしといた風呂だけどよ……多分アイツは怪我で入れそうにねェから……おめェが入ってこい、メローネ。」
「・・・。」
「水道代高ェんだからよ……冷めて捨てるのは勿体無ェだろ。」
ギアッチョが溜息交じりにそう言うと、メローネがそっと手を握り返したので、
ぐっと引っ張り上げて、そのままメローネを立たせると、彼の背中をバン!と叩いた。
「行ってこい!」
「……グラッツェ、ギアッチョ…。」
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それからメローネはギアッチョに促され、珍しくもバスタブの湯に浸かってのバスタイムを過ごす。
何もかも雨でずぶ濡れだったため、風呂に入る前に全ての衣類を乾燥機に掛けることも忘れずに。
それからメローネが再びリビングに戻って、同じく雨に濡れていたリゾットにバスルームを明け渡した。
この時点で彼等が事務所にyouを連れ帰ってきてから結構な時間が経過していたが、
それでもまだ鏡の中からは何の反応も無かった。
最終的にリゾットがバスタイムを終えてリビングに戻って来て暫くして、
やっと鏡の中からイルーゾォが表の世界へと戻ってきた。
「イルーゾォ、youは…?」
「リーダー……。」
「状態を把握したい、教えてくれ。」
「…骨が折れたりはしていないが……打撲や殴打の痕が酷い。腕やら脚やら…顔も…腫れと痛みが引くまで数週間掛かると思う。病院で診てもらった方が治りは早いかもしれないが、ここで看病してやれる範囲ではある。」
「そうか……。」
「とりあえず、仮眠室に運べばいいか?」
「そうだな…そうしよう。」
youの容態を伝えたイルーゾォ。
ひとまず今日のところは事務所から動かさずにおくと判断したリゾットに従い鏡の中に再び入っていった後、
youを抱きかかえて、ジェラートと共にリビングに戻って来た。
無数に巻かれた包帯があまりに痛々しく、思わず手当をしたイルーゾォとジェラ―ト以外の面々の眉間に皺が寄る。
例えるなら、以前のパッショーネの時の任務で、報酬の割に合わない程複雑なミッションを任された時の表情に似ていた。
同時に、彼女のその華奢な身体でどれほどの痛みと苦しみ、恐怖を体験することになったのかと考えて
一同は最終的に各々気付かぬままに憎悪に塗れた表情を浮かべてしまい、ジェラートに「皆、顔が怖い」と指摘されてしまうのだった。
それから、イルーゾォが仮眠室のベッドに彼女の身体を横たえて、丁寧に布団を被せてやっていた頃。
リビングで待つ間、ジェラートが「youのところに行ってあげなよ」とメローネに声を掛けた。
「心配なんでしょ、傍にいてあげたら?」
「そうしたいのは山々なんだが……今の精神状態では彼女の怪我を直視できそうにない…さっきも頭に血が上って加害者の奴等を殺しに行こうとして、そこにいる皆に止められたくらいなんだ。」
「そう…そっか…。」
「申し訳ないが、ジェラート…キミに看病を頼んでいいか?」
「勿論だよ。」
「グラッツェ。」
ジェラートはメローネにぎゅっとハグをすると、彼の背をぽんぽんと叩いてその心を労わった。
メローネの、彼女から距離を置こうとする行為に一同思うところはあったが、
現時点ではメローネの言い分も理解できてしまうため、何も言わずに黙している様子…。
そんな折、youをベッドに寝かせてきたイルーゾォがリビングに戻って来て、
開口一発、リゾットに向かって言った言葉はこうだ。
「…何がどうなってyouがこうなったのか、マジで何も分からんが……とりあえずクズの暴漢野郎を捕まえて無残に鏡の中で嬲り殺すってのはおれの中での決定事項だ。」
「落ち着け、イルーゾォ…。」
「だってよ、リーダー……!」
「分かってる。先程犯人の特定は済んだ。ソルベの協力もあって、早々に見つけることができた。明日にでもオレが動く。」
「お、おれも…!!」
「イルーゾォ。」
「ぐ…っ…。」
「お前がいてくれて本当に助かった。本当にだ。」
「…分かった、全てアンタに任せる…。」
「ああ、ありがとう、イルーゾォ。」
そう感謝を伝えて、リゾットはイルーゾォの肩をポンと叩く。
複雑そうな表情を浮かべたまま、それは変化することなくイルーゾォはハァ…と大きな溜息を吐いた。
「このままここにいても何もしてやれねェからな……歯痒いばかりだが、おれは帰るぜ。」
「ああ、分かった。」
「おれの能力が必要な時は連絡してくれ。」
「グラッツェ・ミッレ、イルーゾォ。」
恐らく、騒動になる前に既に仕事は終わらせていたのだろう。
イルーゾォは一同に「帰る」と宣言し、最後の去り際にメローネの背をバン!と叩くと、そのまま事務所を出て行った。
「あ、リーダー、イルーゾォが帰っちゃったから報告はオレがするんだけど、さっきyouを手当してて、多分なんだけど…ちょっと熱っぽい気がする。」
「そうか……店にいたんだとは思うが、2時間以上外にいたし、その後も思いっきり外で雨に打たれたからかもしれん…分かった、今日はオレが此処に残ろう。」
「ありがとう、リーダーがいてくれたらオレも心強い!」
「ジェラートこそ、傷の手当や着替えなど、ありがとう。お陰で助かった。」
「えへへ…。」
リゾットにその頭をポンポンと撫でるように労いの言葉と共に叩かれ、照れくさそうに笑うジェラート。
「ジェラート、youは熱があるのか?」
メローネが少し眉をひそめて、不安そうに尋ねてきたので、ジェラートはコクリと頷き、丁寧に状況を説明を始める。
「え、あ、うん……さっき測ったら微熱があって……今やっと布団に入れたけど、身体を温めるのが遅くなっちゃったからね……もしかしたらこれから熱が上がっちゃうかも…。」
「そうか……オレも今日は事務所に泊まっていいか?」
「ソファか雑魚寝だけど、いいの?」
「ああ、構わない。」
事務所の中に自分とソルベに与えられた部屋は貸せないし、仮眠室のベッドは現在youが使用中だ。
残る場所はリビングのソファか、その辺にブランケットに包まって寝てね、という意味だが、
メローネはそれでも構わないと頷く。
「オレがいたところで何も変わらないんだが……一人でいると本当に…無意識に母体でも探しに行きそうでさ…。」
ぽつりと呟いた言葉に、リゾットがピクリと反応する。
「ん、だから泊まるんだって……誰かいれば多分…何処にも行かないと思うから…。」
「・・・。」
「リゾット、顔、怖い。」
「誰の所為だと…。」
「ギアッチョぉ…。」
先程、制裁を食らったはずだが、それでも矢張りスタンドを使いそうだと零すメローネに、眉間の皴が寄ったリゾット…。
元、ではあるが、暗殺チームのまとめ役だった男の凄味というのは伊達ではないようで、
視線だけで射殺せるような鋭い眼差しを向けられ、メローネは困ったように同僚に呼びかける…。
「ギアッチョはどうするんだ…?」
「あ?あぁ……そうだな……オレも残るわ。」
「え、あぁ…そう…。」
「報告書の提出が残ってるしな。それに、もしyouが熱出すかもしれねェってことは、オレのスタンドが役に立つかもしれねェしなァ…。」
「そうか……うん、それはディ・モールト…素晴らしいね。」
自分のものと比べる事はせずとも、今までも単純に人の持つ能力を羨むことはあった。
しかしながら、youが苦しんでいる時に彼女の役に立てること…
こんなにも自分以外の能力を羨ましいと思うことはメローネにとって今までで初めての経験だった…。
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何度止めてって叫んだか分からない
でもその度に「煩い」「騒ぐな」「黙れ」って殴られるから
次第に抵抗ができなくなっていった
そのうち抵抗「できない」のか「しない」のかも
自分では分からなくなってきて
ずっと泣きながら「助けて」しか言えなくなったんだけど
その呟きさえ邪魔になったみたいで
口を押さえられて
それで……
『Ay,que rico…!!!』
『Estoy de puta madre…!』
気持ちいいわけない
何が最高の気分なの
イタリア語じゃないとか
これはスペイン語かなとか
そんなどうでもいいことを考えていないと
体中が痛くて痛くて
それでもやっぱり全然気なんか紛れなくて
『Me mola mogollon!』
ああもう
いや、イヤ、嫌
もう 何も聞きたくない
もう どんな言葉も聞きたくない
だから わたし
最後にはやっぱり
彼のことを考えてしまった
会いたいと思って
話したいと思って
また、前みたいに笑って…
名前を呼んでほしかったな
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体温が冷えた所為で体調を崩し、それからyouは高熱と、現実に起こった件の悪夢の所為で三日三晩魘され続け…、
やっと目覚めた時には、文字通り「全てのこと」を忘れてしまっていた。
trattamento
治療
words from:yu-a
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