Lei e un fiore. (番外編 / リゾット)
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「何か……聞こえませんか?」
リゾット宅のソファで2人で寛いでいる最中、youがそう言った。
Lei e un fiore.
Metallica(メタリカ)
「…何か聞こえるか?」
「気の所為かな……TVの音じゃなかったような…。」
「オレには聞こえなかったが……この部屋に何かいるとうことか?」
「何サラッと怖い事言ってるんですか!!」
「冗談だ……特に何の気配も無いようだから、安心していい。」
「(気配って…気配って……!!)」
サラリと自分の研ぎ澄まされた第六感には何も引っ掛からないと言ってのけたリゾット。
それ自体が一般人の感覚とはかけ離れているので、怖いのですが…と、言いたくなるyouだったが、そこはそれ、スルーすることに決めた…。
ひとまずはもう何も聞こえない様子だが、少し気味が悪くなってyouは場所を移動する。
広いソファで大股を広げて座っていたリゾットの間に、ちょこんと膝を閉じて座りなおすyou。
彼女がそうした理由も、これからしてほしいことも、何となく察することができるリゾットは、
その行為がまた可愛くて後ろから抱きしめ、その肩に顎を乗せる。
「怖くなったのか?」
「ひぇっ……み、耳元でしゃべらないでください…!//」
「オレのパーソナルスペースに入ってきたのはyouだろう?」
「~~!!」
耳元に掛かる髪の上に軽くリップ音を立てて口付けながら、片腕をyouの服の中へ滑り込ませる。
リゾットの大きな手は少しばかり温度が低く、youはびくっと背筋を伸ばして反応してしまう…。
「リゾット……手…つめたい…。」
「ああ、youの身体で温めてくれ。」
「っ…ん!!//」
リゾットの手が服の中でゆっくりと動いて、くすぐったいやら、冷たいやらで、ぎゅっと目を瞑っていると、ふいに耳にリゾットのものではない「何か」の声が入ってきて、youは思わず閉じた目を見開いた。
「何?やっぱり何か聞こえた!!」
「?!」
「やだやだやだやだ、何なになに?!こわい!!リゾット、こわい!!」
「お、落ち着け…!」
今までのピンク色の気配は何処へやら…。
驚嘆と恐怖の顔色でyouは体をくるりと回転させ、リゾットに抱き着いた。
体全体が動いたこともあって、リゾットの手は彼女の服の外へと出されたので、そのまま両手でyouの身体を抱きとめた。
「何が聞こえたんだ??」
「リゾットは聞こえなかったの?!何か、なんて言ってるか分からないけど「ロォ~~~!」って!!」
「ろ、ロぉ――??」
涙目で訴えかけるyouに、リゾットは困惑した顔を浮かべるのだが、それはすぐに解消されることとなる。
「そう、すっごく微かだけど、何か変な声で!「ろぉおー!」って!」
「(ん…待てよ……それはもしや…。)」
「ねぇ、聞こえてるの、わたしだけなの?!」
「分かった、恐らくは………「コイツ」の声だ。」
「?」
youの前に差し出されたのはリゾットの長い人差し指。
その行為の意味が分からずに、youは目をぱちぱちと瞬かせて、視線だけリゾットを見上げる…。
「「コイツ」って…?」
「youには見えるだろう?」
「んん・・・ひ…ひゃああっ…!?」
まるでギャグ漫画のように両手を挙げて後ろに仰け反ったyouは、そのまま低めのソファからゴスッと音を立てて滑り落ちた。
リゾットは一瞬驚いた表情を浮かべたものの、すぐに「大丈夫か?」とyouに手を差し伸べる。
「っ~~!!」
その差し伸べられた手を両手でガシッと掴み、youはぐぐっと顔を近付ける…。
というのも、そのリゾットの手…正確には人差し指に蠢く「何か」をよく見るために、だ。
先程指を見せられた時にも一瞬は視界に入ったものだったが、彼女はそれを虫か何かと思って驚き、後ろに倒れ込んだ。
そして、今じっくりそれを凝視してみると、虫ではなく、何か奇妙な形をした謎の生き物が一匹、リゾットの指の上で踊るように小さく小さく動いており、youに聞こえていた声で小さく「ロォォード」と呻いている。
「こここここれななななんです?!」
「オレのスタンド能力が具現化したモノ…と言えばいいのか……兎に角、これが「メタリカ」の本体のようなものだ。」
「メタリカはその…鉄分を操る能力ですよね?」
「まぁ、凄くざっくり言うとな。」
「こんな……こんなサイズで、こんな姿をしていたのですね…。」
「基本的にオレの体内にいる状態だから、youが本体を見る機会は今まで無かったな……。」
「では、何故今、顕現されているので??」
「微かに血が滲んでいる。多分、気付かないうちに紙か何かで指を切ったんだろう…。」
「そうだったんですか……何と言いますか……何と言いますかその……とても…かわいいですね…。」
「・・・そうだろうか。」
「ええ。」
未だリゾットの手を握ったままコクコクと頷き、youはメタリカに向かって話し掛ける…。
「こ、こんにちはメタリカさん…!」
「ロォォード…。」
「はじめまして、わたし、リゾットの恋人のyouと言います…!」
「ロォォォー…。」
「…今後ともよろしくお願いいたしますね。」
メタリカ本体をとても可愛いと思っているらしく、へにゃりと緩んだ笑みを浮かべてリゾットの手にずっと話しかけている(ように見える)you。
メタリカ本体に、彼女に対する個別の思念は皆無に等しく、もし何か思うことがあるにしてもそれは結果的に本体を操るリゾットの思念に他ならない。
そんなワケで、真剣にメタリカに自己紹介をしているyouは他のスタンド使いからしてみると大変滑稽に見えるのだろうが、
そこはそう…恋人を目に入れても痛くないくらい可愛いと思っているリゾットからすれば、脳内で悶絶するくらいには彼女の行為が愛おしいワケで…。
「無理・・・可愛い・・・好きだ・・・何だ「メタリカさん」って・・・。」
「リゾット…?」
「いかん…オレの語彙力が物凄い勢いで欠落していく…。」
「あっ!メタリカさんっ!!」
「良かった……傷が浅くて本当に良かった…(色んな意味で)。」
「消えちゃった…。」
自然治癒なのか、はたまたリゾットが鉄分を操ったのか…いずれにせよ、彼の指にいたメタリカの姿がフッと消えてしまい、リゾットは安堵の息を吐き、youは残念そうな溜息を吐いた。
「リゾットが怪我をしないことは大事ですが……メタリカさんにはまた会いたいです。」
「指の怪我くらいなら出ても数体だから可愛いかもしれんが、大怪我の時は群生したように見えるから皆には不評だぞ。」
「ぐ、群生…!!」
「ああ。」
「そっかぁ……でも……っふふ…。」
「何がおかしいんだ?」
「え、だって……リゾット自体はこんなに大きくて男らしいのに、スタンドのメタリカさんはあんなに小さくて可愛いから……何かギャップがすごくて…。」
「見た目弱そうで悪かったな。」
「全然です!メタリカさんを含めて、リゾットがもっともっと好きになりました!」
「それはどうも。」
多少、自身のスタンドの姿に関して傷付くところがあったのか、少しだけ言葉に棘を生やすリゾットだったが、そんなものはyouのいつもの言葉と態度ですぐに浄化される。
「今までもリゾットが好きだったから、これ以上好きになれないと思ってたのに……スタンドの姿を拝見しただけで、もっと好きになるって……本当、どうすればいいんでしょうね。」
「・・・。」
「これからも、メタリカさんを見る度にきっと、リゾットを改めて好きになると思います。」
「・・・。」
そしてまた語彙力が死に掛けるリゾット…。
彼の脳内の解説を敢えて行うのであれば、また嬉しい言葉で「好き」だと言ってくれるのなら、
とりあえず今すぐに剃刀を体内から生成してできた傷口からまたメタリカを顕現させますが、やっていいですか?という気持ちと、
いやいや、そんなことをすればそのえげつない光景にyouが良くて号泣、悪くて失神、最悪フラれる可能性も出るので止めておこうという気持ちがせめぎ合っていた。
余談だが、体内に在中しているようなものなので、その気になれば肩やら頭やらから怪我せずとも体現させることはできるのだろうが、
すぐに出せるとそれはそれで彼女からの有難味が薄れるだろうから避けようとしているのは、恐らくリゾット自身、無意識にである。
「あっ!でも、決してリゾットに怪我してほしいとかじゃあないんで、そこ、勘違いしないでくださいね?!」
「あ、ああ……そうだな(危なかった!剃刀体内で生成しなくてよかった!!)」
「メタリカさんに会えなくても、リゾットを好きなのは変わりませんから。」
「・・・本当か?」
「え?ええ、勿論です!!」
「そうか…。」
フム…と、何か考えるような仕草を見せて、リゾットは眼下から自分を見上げてくる恋人に問いかける。
「では、本当にメタリカ抜きでもオレを好きなのか教えてくれないか?」
「何ですそれ、わたし、どうしたらいいんですか?」
フローリングに座り込んだままのyouの身体をひょいと抱き上げ、寝室へ移動し始めるリゾット。
リゾットの脳内がどう葛藤していたか知る由もないyouは、今の会話でどうしてそうなったのかが分からず、困惑の表情で「え?え?」と頭に疑問符を浮かべている。
「メタリカに邪魔されて中断された…先程の続きをしたいんだが……構わないか?」
「か、構わなくない!ダメ!//」
「そうか……残念だ…youはメタリカが顕現していないオレのことは好きではないんだな。」
「何ですかその子どもみたいな理屈は!!//」
「残念だ…。」
「うううう!!!」
「とても残念だ。」
「もぉおお!!拗ねるリゾットなんて……卑怯だ……もぉ…好き……!!//」
「それで?」
「・・・続き、して…。」
「グラッツェ、ティ アド―ロ、you。」
そう答えてくれることは知っていました…とばかりに、youの頬に口付けるリゾット。
まんまと言いなりになった自身に悔しがるyouだったが、自分を抱き上げている恋人の幸せそうな表情を見てしまい、もうそれ以上何も言及できなくなるのであった…。
Metallica
ロォォード…。
words from:yu-a
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