Lei e un fiore. (番外編 / リゾット)
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「もし、別の能力になるとしたら、誰の能力がいいですか?」
思えば、そんな事考えたことも無かった気がする
Lei e un fiore.
abilita(能力)
どうしてそういう話になったのか、その経緯はよく覚えていないが、
現在youはリゾットの家でスタンド能力に関して尋ねている最中である。
能力者にしてみれば、自分や他人の能力を話すことは基本的にタブー…というのが暗黙の了解である。
尋ねてられた相手が人畜無害な恋人という点と、現在のパッショーネに於いては
以前のように殺伐とした日常を送るワケではないこともあり、気が緩んだというところもあるのだろう。
「大分時間は掛かりましたが、一応、メローネ以外のチームの皆さんの能力は把握できてます…本当に皆さん個性豊かですよね。可愛いなと思うものもあれば、怖いなと思うのもあって。」
「(あ、緩んでたのオレだけじゃあないみたいで良かった。)」
イタリアに赴任して暫く経過して、やっと皆の能力を知ったとリゾットに話すyou。
メローネに関しては確かに本人も周囲も口を噤むところがあるので、知らないのも無理はないが、
自分が思っている以上にチーム全員が彼女の纏う穏やかな雰囲気に絆されていたのだと知り、彼等も自分と同様に心が暗殺稼業から離れていっていることに対する安堵だったり、
上司として、リスク対策を怠る気の緩みを指摘したい気になったり、ちょっと複雑な気分になるリゾットであった。
「もし、別の能力になるとしたら、誰の能力がいいですか?」
「ふむ……そんなこと、考えたことも無かったが……皆それぞれメリットとデメリットがあるからな…。youは?」
「えっと、まずホルマジオの「リトル・フィート」で小さくなって、アリエッティみたいにドールハウスでちょっと生活してみたいのと、犬猫に乗ってみたいのと、皆のポケットに入ってみたいです。」
「それはまた…随分と可愛い使い方だな。」
恋人の子供のような発想に思わずくすっと笑みが零れる。
世界中が彼女のような考え方で能力を使うのであれば、血で血を洗うような闘争も起こらないだろう、とも。
ともすれば、他の能力に関してはどんな使い方をするのだろうと、ふいに興味が湧いて問うてみることにした。
「じゃぁ、イルーゾォの「マン・イン・ザ・ミラー」はどうだ?」
「いいですよね、自分だけの世界に入れるって。リゾットに叱られた時なんかに活用できそうです。」
「叱られるようなことをするのか、youは。」
「うーん……しないよう善処しますが…。」
「だが、正直…今はイルーゾォの能力が結構羨ましかったりするぞ、オレは。」
「えっ、そうなんですか?」
「ああ、youと2人きりで鏡の世界へ入ってしまえば、誰にも邪魔されずに過ごせるだろう?」
「…何処で何するつもりなんですか……。」
「言ってもいいのか?」
「いえ、言わなくていいです……というか、別に…鏡の中に入らなくても……今だって2人きりですケド。」
「まだ明るいが、youは襲われたい願望でもあるのか?」
「なーい!そういうんじゃないです!こうやってお隣にいられるだけで……あったかくて幸せですってことです!」
「・・・平和だな。」
「はい。」
リビングのソファに並んで座っている距離を詰め、youはリゾットに寄り掛かる。
小さく掛かった体重に幸せを感じ、目を閉じて、片腕を伸ばして彼女の肩を抱き寄せた。
その状態でも、更に質問は続く…。
「ペッシの「ビーチ・ボーイ」とプロシュートの「ザ・グレイトフル・デッド」はどうだ?」
「あ、それはちょっと難しいですよね……ペッシの能力は何かを見つけるのにはとってもいいと思いますけど……プロシュートの能力はちょっと怖いです。」
「そうだろうな……youなら、不良に絡まれた時にでも使ってやれ。」
「(くだらないことに使うなってプロシュートに怒られそう…。)」
「あとはギアッチョの「ホワイト・アルバム」だが…。」
「はい!もうギアッチョの能力は本当に素敵だと思います!!」
「食いつきが凄いな!」
「だってだって!冬季オリンピックの選手軽く目指せるし……夏でもスケートし放題どころか快適間違い無しだし、絶対札幌雪まつりに貢献できますし!」
「お、おお…。」
「何よりリアルにアナ雪ごっこができるんですよ!!!」
「(くだらないことに使うなってギアッチョにキレられるヤツだな…。)
そんな願望をギアッチョ本人に伝えようものなら、2秒後に罵声が飛んでくること待った無しだろう。
それを想像すると背筋も凍るというものだが、隣にいる彼女はそれはもう目をキラキラ輝かせて「すごくないですか?!」と同意を求めてくる。
想像上のブチ切れた部下と、現実の可愛い恋人……どちらに天秤を傾けるかなど、そんなことは比較にもならない。
リゾットは脳内から「くっだらねェことに人の能力を使おうとしてんじゃあねェエエよォオ!!」と目を血走らせて怒る巻き毛の部下の想像を抹消し、隣で自分に寄り掛かる恋人に「そうだな」と綺麗な笑みを向けた。
「どれもこれも、youが使用者なら全員が幸せになれる気がするな…総じて。」
「そういうことに使わないんですか、皆さん?」
「いや、まぁ……うん…。」
まさか暗殺に応用していましたと告げるワケにもいかず…言葉を言い淀むリゾット。
youはそれを察してかどうかは不明だが、ポンっと次の話題へと話を進める。
「最後はリゾットの「メタリカ」ですね。」
「ああ、そういえば…そうだな。オレの能力はどう使うつもりなんだ?」
「アートです!!メタルアート一択!作れるのか分からないですが!」
「その発想は無かった。」
成程、シンプルかつ安直なアイディアだとリゾットは感心する。
鉄分を纏って姿をくらませたり、切断された自身の身を繋げたり、剃刀や鋏を生成して相手を傷付けるということは、置かれた環境によって開拓されていったものだと、改めて実感するくらいの衝撃…。
「(いや、だが…鋏や剃刀もある種メタルアートのようなものか…。)」
「欲しいなぁ…リゾットの等身大メタルスタチュー…。」
「な、何だそれは!何処に飾るつもりだんだ?!」
「え、わたしの家…。」
「気持ち悪いからやめなさい!」
「そんなことないのに……あ、でも錆びたらやだな。」
「そういう問題じゃあないだろう……どういう需要だ…。」
「毎日リゾットといられるという…。」
「それならここに住めばいいだろう……オレがキミのところへ行ってもいいが……兎に角、鉄像なんてやめなさい。何かスターウォーズみたいだし…。」
「ハリソン・フォードもリゾットもカッコいいから、良い案だと思うんだけどなぁ…。」
「しれっとハン・ソロを混ぜるんじゃあない…。」
「でも一番素敵なのはリゾットですけど。」
「・・・グラッツェ。」
何だか上手く丸め込まれた気がしないでもないが、結局のところ、youには等身大の像を作る能力もないワケで…。
最終的に嬉しい言葉を貰えたので良しとするリゾットであった。
「わたしはリゾットで最後だったけど、リゾットはわたしの能力というスタンドも選択肢にありますよ。」
「ん?」
「世界中、色んな国の人とお話…してみたいですか?」
「話してみたいというよりは、配属当初にキミ自身が言っていた「便利」という点では欲しいと感じるな。出張先で都度通訳が入るのが面倒だったりするし…。」
「なるほど…。ですが、わたしの能力はお譲りすることはできませんね。」
「そうだな……って、え、ダメ?」
「はい、ダメです。」
「間髪入れずに拒否とは…。」
基本的に、能力は譲るも譲らないもないのだが「誰かの能力を得られるなら」という話に於いて、
まさか能力の持ち主に拒否されるとは思わず、リゾットは目を丸くして彼女を見た。
youはそんなリゾットを見つめ返すと、それはもうハッキリきっぱりと「NO」と頷く。
「リゾットがわたしの能力で世界中の方と喋れたら……絶対モテるのでダメです。」
「・・・。」
「つまり、リゾットが通訳なしで出張したらそういう事が起こるかもしれないので、ダメなんです。」
「お、おい…。」
「そうだ、通訳さん!わたしが一緒に出張すれば出張先の通訳さんは不要ですよ!」
「~~ッ!//」
そういうことなので、自分の能力はリゾットに求められて、渡すことができたとしてもダメなのだと、彼女が力説する。
だったら最初から尋ねなければよかったのではないかとも思うが、それは最早問題ではない。
そのあまりに愛しい嫉妬心が嬉し過ぎて、思わず締まりのない笑みが口元に表れてしまうのを手で隠し、リゾットは彼女から顔を逸らす。
「……独占欲強すぎてダメですね。我儘を言い過ぎてリゾットを困らせるのは本意ではないですし…我慢です。って、聞いてますか、聞いてますかリゾット?」
「ああ……聞いている。」
「なので、わたしの能力以外でどんな能力が欲しいなって思いますか?」
「そうだな……やはりイルーゾォの能力だな。」
「(リゾットの身体大きいから鏡の破片とかってつっかえたりしないのかな…。)」
その時には既に「もしもリゾットがイルーゾォの能力を持っていたら」という想像をしていたため、
リゾットの答えにさほど驚いたり反応することは無かったyou。
何も彼女が大きな反応を示さなかったため、というワケではないが、
リゾットは何故その能力を欲したのかということを彼女に話し始める。
「やはり、鏡の世界にyouと2人で入りたいと思った。」
「ですから、それはお家でも…。」
「閉じ込めてしまいたいんだ。」
「え。」
「鏡の世界に閉じ込めて、ずっと…オレだけを見てほしいと…願ってしまいたくなる。」
「リゾット…。」
「多分、オレの方がきっと……youの何倍も独占欲が強い。」
「…じゃぁ、お互い様ですね。」
「そうかもしれないな。」
そう、お互い顔を見合わせて笑った後、自然とリゾットは唇を落とし、youはそっと目を閉じた。
「(…まいったな、本当に……汚れ仕事に慣れ切った、かつての自分をこんなにも後悔する日がくるなんて…。)」
「明日も、明後日も、それから先の毎日も、リゾットに会えたらいいなと思うくらい、リゾットが好きです。」
「明日、も…明後日も…。」
「はい!」
「(過去は消せない、が……明日も、明後日も、その先の毎日も、彼女を幸せにする……オレが作らなければならない未来…いや、選択して作れる、未来。)」
へにゃりと、気の緩んだ飼い猫のように笑うyou。
消せない過去を憂うより、今の自分を信じて好きになるべきと、いつぞや彼女に言われた事を思い出す。
「じゃぁ、明日も明後日も、その先も……youに会わないとな。」
「えへへ、会ってください。」
「勿論だ。」
「ありがとうございます、リゾット。」
「こちらこそだ……you、ところで…。」
「ん?」
「すまないが、今は離れてもらった方がいいかもしれん。」
「え…ど、どうして…。」
「さっきからyouがあまりにも可愛いことばかり言うものだから……そろそろ理性が危ない。」
「い、いつから?!!!」
「キミが自分の能力は渡せないと言った辺りから…ほぼずっとだ。」
「わお。」
「日の高いうちから盛るのもどうかと思ったし……それに、キミはずっと素直な想いでオレの言葉を聞いていただろうから申し訳なくてな…。」
「リゾット……わたし…。」
「ん?」
「今はリゾットに求められるの……嬉しい、ですよ。」
「え…と…。」
「リゾットの独占欲、しっかり感じたいです!」
そう言って、ウン!と軽く頷いた後、真っ赤な顔でリゾットに向かって両手を広げるyou。
またも、口元に手を当てて顔を逸らしたリゾットだったが、
大きく息を吸い込んだ後、youの方へ向き直り、広げた両腕に飛び込……否、そのまま押し倒した。
abilita
その能力で好きを示すよ
words from:yu-a
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