Lei e un fiore. (番外編 / リゾット)
name setting
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おじゃましまぁす…。」
恐る恐る入室を果たす恋人の家…。
Lei e un fiore.
Notte(夜)
youの家で親子丼を食べた日、食後の予定が特に何もなかった2人。
翌日はお返しにリゾットが手料理を振舞うことになったため、どうせなら長い時間共にいたいという彼の希望により、リゾットの家に泊まることになった。
「面白味も何も無い家だが、自由に寛いでくれ。」
「家に面白味は求めませんが……確かにこれは…モデルルームですね。」
「そうなんだ……本当に。基本的に前の仕事の生活スタイルが抜けないというか……寝に帰るだけになっているというか…。」
モデルルームのようだと例えたが、実際はそれ以上に殺風景だ。
かつてのパッショーネのボスから与えられていた任務に関して、詳しくは知らないが、
広いリビングスペースにTVと大き目のソファと小さなテーブルのみ…という様子を見る限り、
いつでも後腐れ無く引っ越せるようにしているようにしか見えなかった。
それは常に居場所を転々としてきた癖のような気がして、youは何とも言えない気持ちになる。
「ちょっと……寂しいですね。」
「そうだろうな……キミの部屋はあたたかな雰囲気だった。」
「でも、とても広いし綺麗です。」
「昔はもっと小汚くて狭い家だったんだが、こっちに越してきた……そこは新生パッショーネ様様、というヤツだな。」
「それは良かったですね。」
「まぁ、結局事務所で過ごす時間の方が多いから、帰ってきて何をするでもなく、食事をして寝るだけ…の家だけどな。」
「広いのに勿体なぁい……リゾット、お部屋探索していいですか?」
「ああ、どこでも好きに見てもらって構わない。」
「わーい。」
そう言って喜ぶと、すぐにyouはフローリングの床をパタパタと歩き出す。
そう多くはないが、いくつかの扉があり、開くとそこはお風呂場だったり、クローゼットだったり…。
「やっぱ海外はユニットバスなんですね…あ、広いのにやっぱバスタブ無いんだ…。」
「日本にはバスタブがある家が多いのか?」
「多いっていうか、どの家にもほぼほぼありますよ基本的に日本人は毎日入りますし……たまには脚伸ばしてバスタブに浸かりたいものです。」
「子どもも大人も毎日浸かるのか……凄いな。」
「そうですね、沸かし返すの面倒で一緒に入ったり。」
「一緒に?!誰と?!」
「えっ?!か、家族では?お父さんお母さんとか、兄弟姉妹とか…。」
「お父さんと?!!youも入っていたのか…?!」
「えぇ?!そこ引っ掛かるトコなの?!えっと、まぁ…でも基本的にはどのご家庭も思春期あたりから1人で入るようになるんじゃないかな…。」
「マンマミーア…。」
「そこまで驚かれるとは……文化の違いって凄いわ…。」
シャワーでサッと入浴を済ませるこの地では長風呂という感覚どころか、バスタブ設置すら無い家も多いようで、
そんな中で、家庭とはいえど老若男女問わず共に入浴の時間を共有するという文化は驚嘆に値するものだったらしい…。
「オレはショックで倒れそうだ。」
「そんなにも……んー、でも…大人になってから親兄弟と入るのは少し珍しいと思いますよ。すっごく仲が良いんだなって思うけど……。」
「仲が良い?いや…信じられない…。」
「そ、それに、大人になったら皆恋人と入るんじゃないかな?」
「・・・・。」
「(……知らんけど…。)」
日本の入浴事情に引き続きショックを受け続けているリゾットだったが、
youの「大人になったら恋人とお風呂に入る」という言葉を耳にし、
即座に自分の家の風呂場にバスタブが入るかどうかを脳内計算していたのは、彼のみぞ知る…。
そんなこんなで、お風呂場見学を終え、次いで向かったのはリゾットの寝室。
扉を開くとベッドとサイドテーブル、そして中型の本棚のみのシンプルな部屋が現れた。
「ベッドがすごく…おおきいです…これキングサイズでは…。」
「本当は置き場と値段の問題もあってワンサイズ小さくしたかったんだが……オレの体格の問題でな…致し方なく。」
「確かに……シングルとか完全に足が出ちゃいますね。」
「悲しいかな、そうなんだ…。」
購入した時の事を思い出しているのか、はぁー…と、ほんのり悲し気な溜息を吐いたリゾット。
その反対に、youは足がはみ出した彼の姿を想像してクスクス笑う。
「何故笑う?」
「何でもないですよ。」
「そうか?まぁ、いいが……さて、何か飲み物でも用意しよう。」
「あっ、キッチン見たいです!」
リゾットの後ろをぴょこぴょことヒヨコのように付いて歩くyou。
キッチンに入ると、こちらもとても綺麗に掃除されていて驚くが、何より凄いと思わせたものは調味料や道具の数々だった。
「わぁ、凄い綺麗…それに見たことない調味料がいっぱい……リゾットは結構自炊されるんですね。」
「うーん……まぁ、他の連中に比べるとする方なんじゃあないか…多分。」
「わぁ……リゾットの手料理が楽しみです…!」
「それは……期待に応えられるよう、頑張らないとな。」
「ふふー。」
「それはそうと、何にする?と言ってもエスプレッソかラッテ、あとは紅茶と水くらいしか無いが…。」
「あ、お水で結構ですよ!歯磨きしてきましたし。」
「そうだったのか……じゃぁ、用意するからソファに掛けていてくれ。」
「はい、ありがとうございます。」
恐らくリゾットは水以外の何かを飲む気なのだろう、少し準備をすると示唆され、
youは言われた通りにリビングのソファに腰掛けて待つことにした。
数分後、2つ分の飲み物を持ってリゾットがやってきて、youの隣に腰掛ける。
「本当に水で良かったのか?」
「ええ、ありがとうございます!」
「すまないな、何も暇を潰せるものがなくて…。」
「トランプでもします?」
「いや……やりたいならそれでもいいが…。」
「冗談です……わたしはこうやってリゾットとお話できるだけで十分ですから。」
「you……ありがとう。」
相変わらず嬉しいことを言ってくれると、リゾットは満たされた気持ちでいっぱいになる。
youの肩に手を伸ばして、体をそっと抱き寄せた。
「トランプか……だが、割といい案かもしれん。」
「ん?」
「それで風呂に入る順番を決めるのはどうだ?暇も潰せるし、割と妙案な気がする。」
「あ、楽しそう!」
「ちょっと待っていてくれ。取ってこよう。」
そう言ってリゾットは立ち上がり、自室からトランプを取って戻ってくる。
この殺風景で何も無い部屋に何故トランプはあるのかと疑問に思って質問してみたところ、
彼曰く、いつだったかチームメンバーが数名遊びに来たことがあり、その時酒盛りの席で遊んだ時に使ったもの…らしい。
メローネが買って来て、そのまま置いて帰ったとのこと。
返却せずにもらってもらっておいて良かったと、リゾットが取り出したそれを見てyouは目を丸くする。
「何か少ない!!」
「少ない?いや…確かに40枚あったはず…。」
「52枚じゃなくて!?てか絵柄可愛い…筒子(ピンズ)がある…。」
「ピンズが何かは知らんが……そんなに枚数は無いぞ…。」
「まさかトランプ文化も違うんですかぁ?!」
「そうなのか、それは驚いたな…。」
「知らなかった……でも、枚数違ってもジョーカー無くてもババ抜きはできますしね…正確にはジジ抜きですが。」
「そうだな……3回勝負、先に2回勝った方が先に風呂、それでいいか?」
「Si!」
こうして、特に意味もない風呂の順番を決めるための、左程白熱もしないトランプ勝負が始まった…。
意外だったのが、こういった勝負に一見強そうなリゾットだったが、特別強いというわけではない…という事実。
いや、ポーカー等の心理戦や大富豪などの戦略戦であれば得意とするところがあるのだろうが、
今回はジジ抜きということで、どれがジョーカーに当たるか判明するのが最後になってから…という、
若干、運否天賦という類の勝負内容だったためだろう。
初回こそ勝利してyouを焦らせたものの、そののちの2回、3回戦に関してはどちらもyouが勝利を収めることとなった。
「やったー!リゾットに勝ったー!」
「負けてしまったな。」
「でもいいんですかね…家主より先にお風呂いただいてしまって…。」
「それを決める勝負だっただろう?気にせず入ってくると良い。」
「ん、分かりました!行ってきます!」
「ああ。ドライヤーやタオルは棚に入っている。シャンプーなども、好きに使ってくれて構わない。」
「グラッツェです!」
youは持ってきた荷物…というかお泊りセットをそのままネエロ家のバスルームに持っていく。
さて、彼女がシャワーを浴びている間、何をして時間を潰そうかとリゾットが考えようとした矢先、何故かつかつかとyouがリビングへ戻ってきた。困った顔をして。
「どうした、you……シャワーの出し方が分からないか?」
「いや、それ以前の話でして!」
「??」
「パジャマ忘れました…。」
「あー……オレの服を着ると良い。持ってこよう。」
スタスタと自室へ向かい、リゾットは自分の普段使っている服を持ってきてくれた。
トレーニング用のものと思われる上下のジャケットとスウェットパンツ。
クセが無く、とても無難で有難いチョイスに、彼のさり気無い気遣いが見て取れる。
「サイズが合わんとは思うが…使ってくれ。」
「とんでもない、有難くお借りしますー!!」
「ああ、行ってらっしゃい。」
「いってきまーす!」
再び、風呂(といってもシャワーだが)に入るべく、バスルームへと向かっていったyou。
シャワー自体にそこまで時間は掛からないだろうが、髪を乾かすまで含めると少し間があくだろう。
リゾットはそう考え、寝室から読みかけだった本を持ってきて、飲み物を淹れ直すことにした。
それから約20分程だろうか、だいたいリゾットの予想通りの時間でyouがリビングへと戻ってきたのだが…。
「リゾット、お風呂ありがとうございました!あと、そしてやっぱり服はサイズが合わないで……ス…っ。」
「!!」
戻ってきた彼女に「おかえり」の一言でも掛けてやろうと、くるりと後ろを振り返った瞬間、
サイズの合わなかった彼のスウェットパンツがyouの腰からストーーン!と落ちてくるシーンを目撃。
思わずブフッと吹き出した。
「あわわ…す、すみません!すみません!決してウケを取ろうとしたわけでは!!」
「いや、分かっている……ちょっとタイミングが良すぎて…っくく…。」
「(おお、リゾットがツボっている…。)」
「ああ、面白かった……そうだな、流石にアンダーウェアは無理がある……っふ。」
「・・・。」
未だ余韻が残る様子で、笑いを何とか抑えてリゾットはyouの元へ歩み寄る。
再び頑張ってスウェットを引き上げようとするyouに、待ったを掛けた。
「無理して着なくていい…歩き辛いだろう?寒くないなら下だけ回収しておく。」
「す、すみません……折角用意してくれたのに…。」
「そんなこと気にするな。反対に、転ぶと危ない。渡してくれ。」
「はぁい…。」
リゾットに促され、その場でブカブカのスウェットパンツを脱いだyou。
しかしながら、この遣り取りで最終的にしまったと思ったのはリゾットの方で、
アンダーウェアを預かり、目の前のyouの姿を改めて見直すと、今までの吹き出す程の笑いもサッと何処ぞかへ一瞬で消え去った。
サイズの合わない上着はゆったり着ているという表現ではなく、本当にその状況の通り「リゾットの服を着ているyou」といった状態。
合わない肩幅が下にずれ込み、袖は有り余って指先すら出ておらず、
膝上を推測するより、股下を推測する方が早いと思われる丈、そしてそこからスラリと床へ伸びた脚…。
2人の体格差がハッキリ分かり、加えて更に下半身の目のやり場に非情に困る。
あまりまじまじと観察すると嫌われる要因になるかもと思い、リゾットはサッと目を逸らし、
回収したアンダーウェアの片付けついでに自分もシャワーを浴びてくるからと、その場を去ることにした。
「オレもシャワーを浴びてくるから、youは待っていてくれ。」
「はい、いってらっしゃい。」
「家の中のものは好きに使ってもらっていい…と言っても殆ど何も無いが…。」
「確かに…。」
「何か飲みたかったら冷蔵庫の中も勝手に開けてくれ。」
「お気遣い感謝です。」
「じゃぁ、行ってくる。」
「はーい。」
ひらひらと手を振り、バスルームへ入っていくリゾットを見送るyou。
パタンと扉が閉まった後、さて何をするかと腕を組んだ…。
一方のリゾットはというと…。
「無理だ……無理矢理襲うことはしないと言ったが……言ったんだが……何でそんな事言ったんだ、オレは…。」
鏡の前で「はぁぁーーーっ…」と盛大な溜息を吐き、頭を抱えてしゃがみ込む。
切実に、2時間時間を戻せるならば禁欲発言は撤回するし、30分前に戻せるなら多少大きかろうとガウンを貸す。
「いやでも、ガウンはガウンで前を開けば全部見えるから……って何を言っているんだオレは!!」
最終的に、行き着いた状況に於いてタラレバを重ねたところで何も改善はしないわけで…。
入浴中、風呂から上がったら彼女にスカート代わりにタオルでも巻いてもらうしかないかと、
とんでもなくダサい結論しか見つけられないまま、バスルームを出ることになってしまった。
*。゜.*。゜.*。゜.*
「you…?」
外に出たはいいが、リビングのソファにyouの姿が見つからない。
何処へ行ったのかと、部屋をキョロキョロ見回してキッチンにも目を遣るが、そちらにもいない様子。
他の部屋といっても、あとは寝室しか無いため、首を傾げながらリゾットは自室のドアを開いた。
「此処にいたのか…。」
寝室のベッドの上に転がっている恋人の姿を見て、
家の外に出たわけではなかったことに多少の安心感を得て安堵の息を吐いたのも束の間…。
彼女の「状態」を確認して、リゾットは再び頭を抱える事となる…。
「you、寝ているのか…?」
「んーリゾット……おかえりなさぃ…。」
眠りかけていたらしく、何とか意識を引き戻したような声色で返事を返してきた。
ただ、起き上がる気力が出ないようで、脚を少し折りたたんで横になったままで会話を続けてくる。
「勝手に寝室に入って御免なさい…。」
「構わない…どこでも好きに使っていいと言ったのはオレだ。」
「リビングで待とうと思ったんだけど……ん……何だかちょっと寂しくて…。」
「そうか…。」
一向に起き上がる気配が無さそうなので、リゾットはそっとベッドの上のyouの傍に腰を下ろし、
そっと彼女の頭を撫でる…。
「ここ…リゾットのにおいがして…あと、借りた服も……だから、ここにいたくって…。」
「ッ…!」
「…しあわせ…。」
小さな声で呟き、ぎゅっと布団を掴むyou…。
普段自分が使う分には相応のサイズだと思っていたベッドも、身を縮こませて横たわる女性にはとても広いと感じる。
その広いベッドの上で自分の普段着用する服の上着のみを着ている恋人は、その姿だけでも大層な破壊力を持つのに、
更に短い丈から惜しみなく曝け出された脚線美をアートのようにベッドの上に放り投げている。
せめて布団の中で寝ていてくれればと何度考えても状況は変わらず、
リゾットはゴクリと生唾を飲んでyouの傍に横になった…。
「you、このまま寝るか?」
「んぅ…何かしますか?」
「何かって…?」
「テレビ見たり…?」
「いや、それは遠慮しておく……テレビよりyouを見ていたい。」
「それは…恥ずかしいので却下です…。」
「残念だ…では、何をしようか。」
「リゾットは何かしたいことありますか…起きてお茶しますか…?」
「いや、したいことは1つだが……youには言わずにおく。」
「んぅー…?」
「眠そうだな……。」
「うん…ちょっと…。」
「だが、流石にこのままじゃあ風邪を引くぞ……綺麗な脚だが、布団に仕舞わないと…。」
「!!」
耳元でそう囁かれ、伸ばされたリゾットの手がするりとyouの太腿を滑る。
聴覚と触覚を同時に刺激され、思わずぞわりと彼女の背中が反った。
「ぁ…リゾット…。」
「本当に同じシャンプーを使ったのか?youの髪の方がいい匂いだ。」
「リゾット……か、顔が近いです…//」
「まぁ…近付けているから…。」
「あ、あまり苛めないでください……リゾット顔、綺麗過ぎて辛いからぁ…//」
「どういう理屈だそれは……まったく、プロシュートじゃあないが、困ったバンビーナだ。」
「精神的に大人じゃないのはやっぱり良くないですよね…とは思うんですけど。」
「いや、youならそれも可愛く思える……欲目だな。」
「欲目ですねぇ……でも、うれしい。」
会話のキャッチボールを行うことで、少し覚醒したらしい。
youは半身を起こし、リゾットもそれに続く。
ベッドの上に2人で座り、顔を見合わせる…。
「起きちゃいましたね。」
「そうだな…。」
「何しましょうか。」
「何、というわけではないんだが…。」
「はい。」
「抱きしめてもいいだろうか。」
「それはええと……はい、どうぞ。」
少し恥ずかしそうに明後日な方向を見つつ、youはバッと両腕を広げた。
一瞬驚き、でも嬉しそうにリゾットは彼女の体をぎゅうっと抱きすくめた。
お互いの身体に両腕を回せば、直にぬくもりが伝わり、幸せを感じる…。
ずっとこうしていたい、と思ったのは確かなのだが、
それ以上にお互い色んな事に気付いていき、それ以外の気持ちが沸々と湧き上がる…。
「(な、なんか……。)」
「(…いい匂いがするな。)」
「(あ、リゾット、ガウン着てる…そして胸筋直に顔に当たってる…!)」
「(それに、とても柔らかい…。)」
どちらからともなく、そっと体を離した時には2人してボーっと熱に浮かされたような顔をしていた。
「り、リゾットの身体はカタイですね!こう…流石というか…!!//」
「youの身体は柔らかい。ずっと触っていたかったが…。」
「イタリアに来て美味しいもの食べすぎちゃったかなー…あはは…!!」
「そうか…美味い飯か……他にイタリアに来てよかったと思う事はあったか?星空や遺跡も気に入っていたな。」
「え、それはリゾットに出会えたことですけど…。」
「・・・。」
「・・・。」
「そ、そういう話じゃなくてですかね!!?ご、ごめんなさい!えっと……っん!!?//」
このままでは精神的に我慢が難しいと、無意識に話題を逸らそうとしたリゾットだったが、
通常運転でお送りされた彼好みの恋人の言葉(破壊力EX)でトドメを刺されたらしい…。
気付けば再びyouの身体を引き寄せて、後頭部をガッチリ掴んで深く深く口付けを落としていた。
「ん…っ!」
「っ……は…‥you…。」
「はっ、は…ぁ…//」
「すまない……嬉しくて……。」
「びっくり、しました……//」
「嫌だっただろうか…。」
「そんなこと思うワケないって…分かってるくせに……リゾットはずるいです。」
「そんなことはない……嫌われないかと常に不安だ。」
「そう、なんですか…?わたし、リゾットのこと不安にさせてます…?」
「いや……そうではないが……。」
口付けた後、恐る恐る身体を離すと、目の前には飼い主に叱られた小動物のようにしょぼん…と、申し訳なさそうな表情を浮かべるyou。
だが、君が気に病むことではなく、自分の所為だと、リゾットは言う…。
「ただ……大事にできるかという不安も大きい。オレは……本来、キミのように綺麗な人に好かれる資格も無い男だからな…。」
「リゾット…?」
「キミは知らないだろうが、元々のオレは本当に最低最悪な人間なんだ。」
「ちょっとストップです……それは、昔のリゾットの話は……わたしが聞いてもいいことですか?全部話せることですか?」
急に、次々と自分を卑下する言葉を口にするリゾットをyouが遮る…。
その瞳は先ほどまでの弱々しいものではなく、厳しい表情でじっと芯のある視線…。
彼女は新生パッショーネのボスであるジョルノから、彼のチームの以前の仕事に関して詳しくは伝えられていなかったが、
ただ「公にできる仕事ではなかった」、「以前のことは気にせずに今の仕事を助けてあげてくれ」とだけ言われていた。
それはつまるところ「以前の仕事内容は詮索してはいけない」という意味合いで…。
チームの面々やそのリーダーであるリゾットだけでなく、彼等のボスであるジョルノから釘を刺されていることを迂闊に聞いてしまえば、彼等の立場が危うくなることがあるのではないか…。
そう思って、待ったを掛けた。
「…いや、伝えられるものではないな……個人的には知ってほしくもない事だ。」
「じゃぁ、これからも言っちゃダメですよ。」
「・・・。」
「昔のことは確かに知りたいですけど、リゾットが言いたくないなら聞きません。」
「・・・。」
「その時の自分の悪口も然りですよ、よくありません。」
「わ、悪口…。」
「昔の自分を叱るより、今の自分を褒めてあげましょうよ。」
「!!」
「リゾットはこんなに素敵なのに、ずっと嫌いな部分ばかりを憎んだら、今のリゾットが可哀想。」
youはそう言ってリゾットの手を取り、両手で包む。
ふんわり、穏やかな彼女の表情に、鼻の奥がツンとなって涙腺が緩んでしまいそうになる…。
それをぐっと堪え、リゾットは「ありがとう」と感謝を伝えた。
「グラッツェ、you……オレ以上にオレのことを想ってくれて。」
「プレーゴ、リゾット。だって、リゾットはわたしの好きな人だから……あ、でも、もしわたしが同じように自分を卑下することがあったら、叱ってね。」
「ああ、そうしよう。」
「あと、もう1つお願いがあるんですけど…。」
「何だ…?」
「もう1回キスしてほしいんです……けど。」
「そうか……困ったな。」
「えっ!だ、だめですか…!!」
「ダメだ…。」
「えぇぇ…!!!」
「本当に全く、どうしてくれるんだ……1回じゃあ済みそうにない。」
「え?……えぇぇ…!」
「Ti amo tanto….」
「わ……うん……わたしもです、大好き…。」
「…Vedi come sono pazo di te?」
「え、今何て……声が小さくて…。」
「さぁ、何を言ったか……自分でももう認識できないくらい……兎に角キミとキスがしたい。」
「も、リゾットぉ…//」
「数えようか。」
「絶対イヤです…//」
「冗談だ……おいで、you。」
大きく広げたリゾットの両腕に飛び込んで、ぎゅうっと抱き付く。
予告通り1回では済まないキスが落とされ始めるが、お互い、頭の中で5回を数えたくらいで既に相手のことしか考えられなくなり、それから先は数字という概念さえも手放すのだった。
Vedi come sono pazo di te?
オレが…どんなにキミに夢中か分かるか?
words from:yu-a
*。゜.*。゜.*。゜.*