Lei e un fiore. (番外編 / リゾット)
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「おまたせしました!」
どーん!という効果音(口頭)付きで、リゾットの前に提供されたのは親子丼だった。
Lei e un fiore.
insieme a te(一緒に)
翌日がお互い休みという日が再びやってきて、
日本食をyouの家で食べるという兼ねてからの約束を果たす日がやってきた。
「日本食、お口に合うか分かりませんが…。」
少し深めの皿に盛られ、ふんわりとタマゴでとじられた鶏肉とご飯が、ほかほかと湯気を出している。
youから親子丼なるものがどういうものかというのは耳にしていたが、実際見た感じも香りもとても美味しそだとリゾットは思った。
渡されたスプーンで一口食べてみるとこれがとても見た目通りとても美味しかったので、思わず感嘆してしまう。
「Buonissimo…!(すごく美味い…!)」
「わ、よかったぁ~。」
「日本食……侮っていた…美味い、これは美味い。」
「うんうん、イタリアってご飯何でも美味しいですもんねぇ~、リゾットのお口に合って良かったです!」
「オレが日本に行きたくなるくらいだから、youはもっと恋しくなったんじゃあないのか?」
「まぁ、日本食と日本のトイレは本当に恋しいですねぇ…。」
「(何故トイレ…?)」
「でも、もうちょっとくらい平気かな!ジェラートもパニーニもピッツァもパスタも…イタリアのご飯だって、どれもとっても美味しいですし…。」
「ふふ、それはどうも。」
「それに、イタリアにはリゾットがいてくれるから……寂しくない。」
「you…。」
そんな嬉しいことを言われると、衝動的に彼女を抱きしめたくなるワケで…。
今はテーブルで向か合って食事をしているのだが、そのテーブルが邪魔だと思ってしまうリゾットであった。
「ところで、ネットで調べたんですけど、イタリアのお米と日本のお米って食感とかとても似てるらしいんですよー!だから日本食って結構作れそうだなって思ったのです。」
「そうなのか、知らなかった。」
「この辺海の幸も豊富ですし、今度は海鮮丼とか天丼もアリかもしれません…。」
「どんなものか分からないが、期待している。」
「はい、その時はまた一緒に食べてくださいね。」
「勿論、ご馳走になるつもりだ……だが、ふむ…。」
「ん?」
「いや、作ってもらってばかりでは申し訳ないなと思ってな…。」
「いやいや、まだ親子丼しか作ってないですけどね。」
大袈裟だなぁ、と笑いながらyouは箸で親子丼を食べ進めていく。
リゾットはそれを器用だなと眺め、スプーンを口へ運んだ。
それからしばらく2人で他愛もない会話をしながら食事を終え、
youは食器を洗い、リゾットはリビングスペースのソファで彼女の片付けが終わるのを待つ。
部屋を眺めてみると、彼女がイタリアへ来て暫く経過した事が分かるな…と、リゾットは思った。
彼女の好きな色がハッキリと分かる部屋には、
可愛いものが好きなのだろう…雑貨やぬいぐるみなどが点々と置いてある。
同時に、今更ながらだが、自分とは全く異なる人生を歩んできた、毛色の異なる相手だ…とも。
「…触れると壊してしまいそう、だな。」
「何がですか?そんなデリケートなものは置いてなかったはずですけども…。」
「you、終わったのか?」
「はい。」
「すまないな、ご馳走になった上に洗い物までさせてしまって。」
「座っててくださいって言ったのわたしですし、気にしないでください。それより、これから何しましょう…ご飯にお誘いしたのはいいけど、他に何も考えてなかったや。」
「まだ8時か……そうだ、you…これからオレの家に来ないか?」
「え、今からですか?」
「ああ。今日はyouに日本食を作ってもらっただろう、だから今度はオレがイタリアの家庭料理でもご馳走しようかと思ってな。」
「えっ!食べたい!!」
リゾットの提案にパァっと目を輝かせるyou。
だが、ふと考え、その表情は困惑したものへと変化する。
「んん?でも、今ご飯食べましたよね…わたしたち。」
「ああ、明日の話だ。」
「ああ、明日の話か!」
「そうだ。」
「んん?でも、リゾットさっき「今から家に行く」って言ってませんでした?」
「ああ、言った。」
「何しにリゾットの家に行くんです?」
「何しにって……オレの家に泊まって、明日一緒に食事をすればいいだろうと思ったんだ。」
「・・・。」
「何か問題があるだろうか?」
いや、問題だらけだよ!!と、心の底からツッコミたい気持ちでいっぱいのyouだったが、彼女の思う以上にリゾットは真面目な顔をしている…。
「な……何を持っていけばいいですかね…??」
「持っていくもの??着替えなどではないか?」
「そ、そうですよね……えっと…えっと……は、歯ブラシとか、化粧道具とか…。」
「you…?」
泊まることに関して、必要なものを自分なりに確認しようとしているようだが、
その目はどことなく焦点が合っておらず、何故かどんどんと彼女の顔が焦ったものになっていくので、
流石のリゾットも彼女が何に対して動揺しているかに気付いた様子。
「you、あのな……そんなに心配しなくても、オレは何もしない。」
「なななななにもって何がでですか?!//」
「い、いきなり素が出たな!」
というツッコミを思わず入れてしまう程の、youの慌てぶりである。
はぁーっと、大きく溜息を吐き、リゾットは彼女の頭をわしわしと撫でた。
「youが嫌がることはするつもりはない…まぁ、多少は厳しいかもしれんが、それもオレは我慢できるよ。」
「っ…で、も…。」
「誘ったのは単純に……長く君といたかっただけ…それだけだ。」
「リゾット…。」
「そういうことなんだが…。」
「じゃぁ……行かないとですね……わたしも、もうちょっと長くリゾットと一緒にいたい。」
えへへ、と恥ずかしそうに笑うyouに愛しさしか感じない…。
リゾットは目を細めて彼女の頭を引き続き撫でて、そっと抱き寄せる。
体格差からすっぽりと腕の中に納まったyouの耳元に唇を寄せ、一言だけ言葉を付け足した。
「まぁ、尤(もっと)も、youの方が我慢できない場合はオレも遠慮するつもりはないがな…。」
「(そ…それな!!)」
リゾットの醸し出す色気は半端ないものがあると最近常に思うようになっているyou。
自分の貞操観念の問題ばかり気にしてはいたが、よくよく考えると自分自身も同様の気持ちを彼に抱く可能性もゼロではないわけで…。
ただただ、宿泊の準備を整えている間も、リゾットの家に向かっている間も、
ずっと「ヤバいな」と、語彙力の低い言葉だけを脳内で繰り返すことになるyouなのであった…。
insieme a te
キミと一緒に
words from:yu-a
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