■Lei e un fiore. (本編 / 暗殺チーム)
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「着いて早々こんなことになって本当にすまない…。」
それは項垂れた所属長の言葉…。
Lei e un fiore.
02:Benvenuta!(ようこそ!)
youが職場となる特殊任務依頼チームの事務所に到着し、自己紹介を終えるや否や、
チームメンバーの提案によって歓迎会を行うこととなり、現在、近くのバールで各々グラスを手にしていた。
そして着席した店のソファでリゾットがyouに向かって吐き出した言葉が冒頭のものであった。
「お、お気になさらずに…わたしとしては歓迎会なんて有難い事ですし…!!」
「色々と、話しておきたいことがあったんだが…今はもういい、気にせず飲もう…。」
「わたしは全然、確認事項は必要だと思いますし。」
「いや、仕事の話はしないでおこう。折角、君の歓迎会なのだから。」
「・・・はい!ありがとうございます!」
最終的なリゾットの気遣いにyouは嬉しそうに微笑んだ。
彼等の話が纏まるのを待っていたのか、その後でメローネの声がその場に響く。
「えーと、じゃぁいいかな……何はなくとも、youちゃんの歓迎を祝して~~乾杯!」
「「乾杯!!」」
各々グラスを目線の上ほどに掲げ、乾杯の掛け声を放ち、
「Alla nostra salute!(我々の健康を祝して!)」とお互い決まり文句を添えて、グラスを軽く当てていく。
「Alla vostra salute, you!(キミの健康を祝って)」
「Alla nostra salute, Melone.(メローネの健康を祝って)」
「……ねぇ、2つほど尋ねたいことがあるんだけど、いいかな?」
「2つ…?はい、何でしょうかメローネさん。」
「メローネでいいよ、メローネって呼んで。」
「じゃぁ、メローネ。」
「ベネ!ああ、えっと……君、ボスから紹介されてずっと思ってたんだけど……留学でもしてた?すっごくイタリア語上手くない?まるでずっとここに住んでたみたい。」
「ああ、それはですね…。」
メローネからの質問に答えようとした刹那、周囲のメンバーも「オレも思ってた」と「聞きたかった」と声を上げた。
そこから、全員彼女に視線が向けられ、急に静かになった周囲に少し戸惑いながらも説明をし始める…。
「それは先ほどジョルノくん…、ボスが言っていた『有益な能力』そのものなんです。」
「それってつまり…スタンド能力ってこと?」
「そのようですね、ボスはそうだと言っていました。」
メローネの問いに、youがそう答えた瞬間、周囲に漂う雰囲気が変化した。
陽が落ちて暗くなったイタリアのバールには沢山の人々が集まっていたが、
彼等にはその喧騒は耳に入らず、さぁ、次は誰が、何を尋ねるのか。もしくは、先に彼女から何かしらの説明が付け足されるのか…と、短い転機を待つ…。
スタンド能力、常人には持ちえない異能を備えた者は基本的に互いが脅威の対象となる。
彼等のようにそれなりに長い付き合いを交わしてきて、各々の能力に関しても知り得ている間柄ならまだしも、
目の前の相手は、たとえ女であっても自分らにとって「敵」になるのではないか…と、全員が全身で警戒網を張る。
寧ろ、彼女の纏うあまりにも「一般人」の雰囲気に流されていたが、
事務所にいるときから既に警戒をしておくべきだったと全員が後悔したくらいだ。
が、しかし…。
「わたし、世界中の人たちと言葉を交わすことができるんですよー!」
「「は?」」
「イタリア、フランス、スペイン、中国、アラビア、スワヒリ語!とか!英語はクイーンズもどちらも、方言も聞き分けられます!」
「「はぁ。」」
「あっ、でも少し制限もあって、相対して話したり、実際耳に届いたり、文字を目にしないとダメなんです。」
「「はぁ…。」」
何て平和ボケした能力なんだ…と、その場にいる誰しもが奇しくも一致する感想を抱くこととなった。
メローネに至っては、2つ目の質問がスタンド能力のことだったこともあり、
もう何を言葉にしていいのやら、考えあぐねて言葉を詰まらせている有様。
そんな中、ボスの言う彼女の能力の有益さに気付いたのはリゾット。
自分の身を守る術が皆無な点に関しては惜しい部分も大きいが、
国外での任務がある際に同行させれば、これほど使い勝手の良い能力はない、と。
「you、本当にどんな言葉もわかるのか?」
「森の奥の部族でも!多分ですけど、きっと宇宙人とも会話成立すると思います…!」
「・・・成程。」
「面接にとても有利!とか思ってましたけど…まさか天下のSPW財団に就職できた上に海外勤務なんて…。」
「めんせつ…。」
「これがスタンド能力というものだとは、ジョルノくんに会うまで知りませんでした。あっ、そうそう、スタンド能力に『ワット・ア・ワンダフルワールド』って名前付けてくれたのもジョルノくんなんですよー。」
「その…お前の能力は世界中の言語が理解できる…(だけ)で合っているか?」
「はい、合ってます!」
「…分かった。ありがとう。」
「お陰で皆さんとこうやって、ちゃんとお話できます!それはとっても嬉しいことです…。」
「・・・そうだな。」
彼女は恐らく、自分以外のスタンド能力者を知らず、その実態を見たこともないのだろうと、リゾットのみならずチーム全員がそのように悟った。
「(でなければ、このように無防備に自分の能力を説明して笑い掛けることなどできはしない…。)」
殺気までとはいかずとも、自分たちの警戒信号に一切気付くことなく、
メローネと自分の隣で嬉しそうに「なので、これからよろしくお願いします」と話しているyouを見て、そう確信したリゾットは、手に持ったアペロール(※)に軽く口付けた。
(※食前酒の一種)
「ところでメローネ、2つ目の質問は?」
「えっ、あー…いや、2つ目は能力の話を聞こうと思ってたからなぁ……もう解決?みたいな…。」
「ああ、なるほど…。」
「じゃぁ、他にも気になる事聞いていい?」
「うん、どうぞどうぞ!!」
「youってどんな男がタイプ?ていうか結婚はしてないよね?恋人いるの?いた?別れてきた?」
「・・・ブッ!!」
「ぶっちゃけこの中で誰がタイプ?オレってアリ?ナシ?あと、念のため聞くけどボスのオンナってワケじゃあないよね?ね?」
「あああありますぇんよ!!///」
「あら………真っ赤。」
メローネのプライベートまっしぐらな怒涛の質問に、1つ1つ答えることもできずに初心な反応が顔に出てしまうyou。
元々そのようなノリに合せてテンションを上げるような性格には見えなかったが、
本当にその通りだったようで、全員がその様子を観察し「やっぱりね」といった表情でyouの返答を待つ。
「ど、どうしたらいいですか……どこから答えれば…?!//」
「ベネ!youってピュアで可愛いね!で、結婚は?」
「してません…。」
「ベネ!恋人は?」
「いません。」
「ベネ!この中で誰がタイプ?」
「わ、わかりません……ついさっき会ったばかりですし…!//」
「まぁ、確かに。じゃぁ、顔だけでもいいよ?」
「皆さんとっても美しい顔(かんばせ)をお持ちだと思います…!」
「Grazie!(ありがと!)じゃぁじゃぁ、オレってアリ?ナシ?」
「アリナシの基準が分かりませんよ……でも…。」
「でも…?」
「でも、メローネはこうやって沢山わたしにお話してくれるから……凄く嬉しい。ありがとう、優しいんだね、メローネ。」
「え……あ…うん……ドウイタシマシテ…!!//」
「あ、あと、ジョルノくんとはそういう関係じゃないです……当然ながら。」
「ははは……だよね!」
どこまで新人をからかえば済むのだろうか、と…一同がメローネに対して呆れの溜息を吐きかけたのだが、
まさか、youの切り返しで、メローネはの方がたじろぐとは…。
普段あまり表情を変えないリゾットでさえも少し驚いて目を見開いている。
「わたしも、皆さんのことが知りたいです!」
「いいよ、何でも聞いてー!いいよね、皆ー!」
「じゃぁじゃぁ、プロシュートさん!」
おずおずと、youが呼び掛けたのはプロシュート。
まさか自分が何か尋ねられるとは思っていなかったようで、長い睫毛を何度かパチパチと上下させ、プロシュートは「オレか?」と聞き返す。
「はい!ええ!」
「Desidera, bella bambina?(何かご用で、可愛いお嬢さん?)」
「うわやばいかっこいい……あの、ええと…緊張して聞きたいこと飛んでった…ああ…//」
「ん?」
「えっと…プロシュートさんはとってもお洒落ですよね、ポケットチーフはグッチだし、時計ブルガリだし、流石イタリア的な!どんなトコでお買い物してるのかなって……わたし、買えないけど。」
「…知りたいか?」
「はい、是非!!」
「じゃぁ、今度の休みに連れてってやるから、プライベート用の連絡先教えろ。」
「あっ、はい!」
そうやって流れるように女性の連絡先を入手するプロシュート。
すかさず他の面々から待ったが掛かる…。
「いやいやいやちょっと待って!!ズルくない?!スマートすぎるって!」
「流石プロシュートの兄貴ッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!」
納得いかない!と悔しがるメローネと、プロシュートに尊敬の眼差しを向けるペッシ。
主にペッシ以外は「ダメだ!」とか「許可しないィィー!」と否定の言葉で騒いでいるが、
youは微塵も気にする事なく、ニコニコと嬉しそうにプロシュートと連絡先を交換する。
「ありがとうございます、プロシュートさん!イタリアでのメモリのいちばんめ…嬉しい!!」
「おいおい、オレのバンビーナ、可愛いコト言ってくれるじゃぁねェの…。」
「えへへ…。」
「you、オレのことはプロシュートでいい。何ならamoreでもtesoroでも問題ない。」
「っ……そ、それはちょっと……め、免疫不足……//」
再び顔を真っ赤にして俯くyou。
生粋のイタリア男達からしてみると、これは大変にからかい甲斐のある相手である。
すぐに断るでも、靡くでもないその反応は現地人からするととても奇妙にも思えたが、大半は「何かめっちゃ新鮮な反応!」と、好意的に受け取られたよう。
少なくとも、その場にいた全員が自分の個人用の携帯を表に出す程には。
「とりあえず皆と連絡先交換しない?」と、メローネの言葉に彼女は嬉しそうに、今日一番大きく頷くのだった。
Benvenuta!
ようこそ!
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