■Fiori e Vino. (リゾット)
name setting
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「(youが……オレの腕の中にいるなんて…。)」
これは何という僥倖か…と、リゾットは目を閉じて幸せを噛み締めた。
Fiori e Vino.
明日も覚めない夢を見る
念願叶って、ついにyouの恋人という地位を獲得したリゾット…。
名実ともに彼女に対して行動や言動の許容範囲が大幅に広がった。
それはつまるところ、彼女が思い悩んでいた夜の営みのことも含めてではあるのだが…。
想いが通じ合った瞬間から、彼女の中ではそういった情欲の熱は何処へかと消え失せてしまったのか、幸せそうに目を閉じてリゾットに身体を預けている。
「リゾット…。」
「ん?」
「リゾットの腕の中は幸せな気持ちになれます……守られている安堵感が凄い。」
「そうか……オレはなかなか落ち着かないな。」
「何故?」
「そりゃあ恋人が自分の腕の中にいるんだ……勿論穏やかな気持ちにもなるが、それ以上に触れたい衝動が先に立つ。」
「は、離れましょうか。」
「いや、いい………もう少し、youを堪能していたい。」
「・・・はい。」
要望に応え、離れることはぜず、逆にすり寄るようにしてリゾットの胸に顔を埋めるyou。
仕草や行動、言動の一つひとつが可愛いと……リゾットは欲目全開で一度抱きしめる力を強めたのだが、
そも、そんなことをされると、当初の発言通り触れたいという衝動に心の天秤が傾いてしまうワケで…。
「you………今日はどうする?」
「……どう、とは…?」
「自分の家に戻るか…?」
「戻らないと……リゾット、困りますよね…。」
「まぁ……この先に進めないのであれば、そうなるな…。」
「そ、それは……えっと…//」
「いや、いい。今は気持ちが通い合っただけでも満足すべきだと思っている。」
「リゾット…。」
「帰りたくないと言われたら、それはそれで……肉体的には辛いものの、精神的には嬉しいんだ………なんとしてでも鋼鉄の意思で性欲は制御する。」
自分にはそれが出来得る…と、血管が浮き出そうな程グッと拳を握って覚悟を示すリゾット。
youは内心、彼のためを思うのであればこのまま身を委ねるべきだろうと理解はしているのだが、如何せんイタリアに来てからずっと、そのような色恋沙汰には無関係であったこともあり、心身共に自分の在り方に自信が無いことが先に立ってしまう…。
ゆるりと身体を離して、youは申し訳なさそうにリゾットを見つめ「ごめんなさい」と詫びた。
「ごめんなさいリゾット……わたし、その……、まだ実感が湧かなくて……色々、怖くて…。」
「ああ、気にするな……ちゃんと夢じゃあないって分かるまで、日を置いても構わない。」
「リゾット……はい。」
最後に軽くチュ、と額にキスを落としてリゾットはその場から立ち上がり、彼女に手を差し伸べる。
「すぐそこだが、玄関まで送ろう。」
「はい…。」
リゾットの手を取り、立ち上がったyou。
2人はリゾットの家を出て、アパートの廊下で再び向かい合った。
「それじゃぁおやすみ、you。」
「おやすみなさい、リゾット…。」
「・・・。」
「・・・。」
向かい合って、どちらも動かずに言葉を無くすので、お互いに詰まる言葉を何とか引き出そうとするのだが…。
「えっと、あのリゾット!」
「you、その…!」
「はわわ、どうぞどうぞ!」
「な、何だ?どうした?」
「・・・。」
「・・・。」
被りに被った言葉と沈黙のタイミングが絶妙で、思わず目を併せて笑ってしまう2人。
ようやくいつもの調子に戻れたな、と……リゾットが先導して言葉を紡ぐ。
「ああ、すまない……何もこんなに緊張する必要なんて無かったな……思春期のガキでもあるまいし。」
「で、ですよね…。」
「いつも通りで、いいのにな。」
「はい……いつも通りが、いいです。」
「だが、そうだな……you、明日からはもっと沢山一緒の時間を作ろう……夕飯もそうだが、買い物をしたり、映画を見たり、旅行をしたり……抱きしめたり、キスをしたり………そういう時間を、キミと作っていきたい。」
「うれしい……です。」
youの言葉を聞き届け、リゾットがそっと彼女の身体を抱き寄せる。
トクトクと鼓動の音に耳を傾け、目を閉じていると、リゾットからまたポツリと甘い言葉が落とされた。
「誰かとこんなに離れがたいと思ったのは初めてだ………。」
「それは多分……わ……わたしも、です……。」
「そうか……グラッツェ、you。」
「今度こそ本当に、おやすみなさい、リゾット…。」
「ああ、おやすみ……you、どうか良い夢を。」
最後まで自分の安寧を気遣った言葉を選んでくれるリゾットに、youは小さく「グラッツェ」と感謝を述べる。
勿論、恋人同士として別れ際に何をすべきか……ということを雰囲気や今までの経験で察したところもあるのだろうが、少しの間見つめ合った後、まるで魔法に掛けられたように無意識に目を瞑ったyou…。
当然のように振ってきたリゾットの優しい口付けを受け入れるのだった。
明日も覚めない夢を見る
words from:yu-a
*。゜.*。゜.*。゜.*