■Fiori e Vino. (リゾット)
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「わたし、リゾットのことが好きです。」
そう、彼女は言った。
Fiori e Vino.
その恋が成就する時
その日…。
リゾットといつものように夕飯の約束をした日……解散する時になって泣き出してしまったyou。
その心の内を聞いて、力になりたいという理由でリゾットは自分の家に彼女を招いて話を聞いていたのだが、泣いてしまう一番の理由を教えてほしいと言ったところで飛び出したのが冒頭の台詞だった。
自分の腕の中で、涙を浮かべながら告白をしてきた、意中の相手を見下ろすリゾット…。
「you……それは………本当なのか?」
「はい…。」
「ええと………………グラッツェ、とても……とても嬉しい。」
心の底から有難い言葉ではあったが、色々と予想外でもあり、リゾットとしては自分から彼女に気持ちを伝えたかったというところもあり、少し言葉を詰まらせた後、それでも嬉しい言葉には変わりない……と、優しく微笑んでyouの頬をそっと撫ぜた。
「オレも、you……キミのことがとても好きだ。」
「……っ…!」
愛おしそうにyouを見つめ、自身もその気持ちを全力で伝えた……のだが、彼女は再び大粒の涙をボロボロと零し、顔を伏せてしまった。
「ち…がう、………リゾットのは……違う……わたしのと、違うの…っ…。」
「何が違うんだ…?」
何も違うことは無いのだと、彼女に伝えるためにリゾットはゆっくりと彼女の髪を撫でながら、自分の胸の内を伝え始めた。
「もし、キミの言う「違う」というのが「友人として好き」という意味合いを示唆しているのであれば……それは間違っている。」
「ふ…ぇ。」
「オレは親しい友としてキミのことが好きなんじゃあなくて、一人の女性としてキミのことが好きなんだ。」
「……ううっ……!!」
「外見も好ましく思っているが、何よりいつも身体を気遣ってくれるところや、気持ちを推し量ってくれるところ……キミの温かい言葉にいつも心が救われる………だが、いただけない部分もあってな、誰彼信用し過ぎてしまって、見ていて危なっかしい……そういうところも含めて、好きなったキミを……オレが守りたいんだ。だから、オレの好きはそういう好き、だ。」
「・・・。」
「本当は今よりずっと前からそういう気持ちを抱いていたが……断られるのが怖くて、秘めていた。隣に住んでいるから、気まずくなって会わなくなるのも嫌だったし、キミと一緒に出掛けることができなくなるのは……寂しいと思った。」
「リゾット…ぉ…。」
「だから、もしそういう意味で「違う」と言っているなら…。」
「あ、ぅ……うれしい…けど、そう…じゃなくて……違うんです……っ。」
「・・・。」
「わたしの好きは、リゾットのと違うくて……わたしの好きは…っ、汚れてるんです…っ…。」
「汚れている??」
何を示唆しているのか分からない、と…。
リゾットは微かに眉を潜ませながらも、彼女の頬に伝う涙を指で拭う。
すると、youは頬に添えたリゾットの手に自分の手を添えた。
「わたしも、リゾットが一人の男性として好き……です。」
「ん…。」
「白銀の髪とか、不思議な瞳がとっても綺麗……他にも沢山好きなところがあって…。」
「グラッツェ。」
「低くて穏やかな声、とか……大きな手、広い背中も男性らしくて素敵です。」
「グラ……ええと、グラッツェ……‥キミにそう言われるととても照れるな。」
「何より好きなのはリゾットの気遣いでした……初めて会った時に怪訝な顔をしながらも菓子折りを受け取ってくれたり…。さっきリゾットが言ってましたけど、わたしは頑張っても自己防衛能力値が上がらないようで……毎度、身を案じて用心するよう注意してくれたり……そういうところに惹かれました。」
「つまりyouも、オレと同じように……外見だけでなく内面も好きになったということだな?」
リゾットの言葉にyouはコクリと大きく頷く。
それなら、お互い何も問題はないだろうと、彼は彼女を抱き寄せようとしたのだが…。
youは細い腕をリゾットの胸にトン…と当てて、抱擁をやんわりと拒否した…。
「you……?」
「だめ……わたし、汚いから……リゾットに向ける気持ちが、汚れてるから……ダメです、好きなってもらえない…。」
「どういう意味か分からない………が、キミを好きになるかどうかを決めるのはキミじゃあないハズだ。」
「わたし……っリゾットの低い声を聞くと……ぞくぞくするようになって…。」
「え…?」
「大きな手で撫でられたり、手を握られると……顔が熱くなって……もっと色んなところ、触ってほしいって…。」
「!!?」
「広い胸板とか、背中……見てると、ぎゅうって抱きしめてほしい、抱き着きたいって……思うようになってしまったんです…。」
「ちょ……ま…///」
そう告げて、耳まで真っ赤に染め上げ、肩を震わせ涙を零すyou。
この時点でやっと、リゾットは彼女の言わんとしていることと、自分が行ってきた計画が完全に成就したことを理解した…。
ともすれば、これから取る対応も、選ぶ言葉ももう決まっているようなもので、リゾットは心の底から歓喜した。
「それで、近頃リゾットと別れた後は変な夢まで見るようになって……だからもう、イヤなんです……家に帰るの、眠るの……夢を見るの…。」
「それで今日は家に帰りたくないと言ったワケか………ところで、どんな夢を見るんだ?」
「そっ、それは………具体的には同じではないですし、夢なので覚えていなかったりもするので……//」
「成程、卑猥な夢なのか。」
「なななんで分かっ……ちが、あの……!!///」
「まぁ、話の前後から察するにそれ以外考えにくいしな………。」
「うう……。」
「気にすること無いだろう、そんなこと。」
「気にします、気にしますよ!………だって、リゾットに申し訳なくて…!!」
ぐっと手を握りしめて、youは首をブンブンと横に振る。
「そんな夢の所為でリゾットのこと好きになっていったんじゃないかって思うし、何より純粋に「素敵だ」と思っていたリゾットの低い声とか、大きな手とか、広い背中を………そういう目で見てしまうことが本当に申し訳なくて、とても悲しくて……辛くて。」
「you…。」
「だから、こんな……きたない気持ちじゃ………っんふ…?!!?」
言葉の途中で、youの両頬に両手が添えられたかと思えば、そのままリゾットの顔が近付いて彼女の口を唇で塞いだ。
それは愛おしむようにというよりは、愛しさが抑えられずに溢れ出たような口付けで…。
想像以上に素直で可愛い彼女の思考回路と、リゾットに伝えてきた想いは、彼の答えを「言葉」ではなくその「本能」で叩きだしてしまったようだった。
喋っている途中で塞ぎ込まれたため、リゾットの舌が無遠慮に口内に侵入しており、戸惑うyouのそれをいとも簡単に絡め取り、蹂躙する…。
遂には、頬に添えた手さえ、youを逃がさないようにするためか、彼女の後頭部にその片方を移動させた…。
「んん……っふ……ぁ…//」
「は…っ…。」
どのくらいの間唇を重ねていたのか…兎に角リゾットが「もういいだろう」と思うくらいの時間なので、息継ぎもままならないyouにとってはとても長い時間…。
最後にグチュリ…と、生々しい音を立てて唇が離れる。
まるで距離が離れることを惜しむように細く透明な糸の橋がツ…と2人の唇に掛かって、すぐに消えた。
酸素を取り入れるため、はぁはぁと肩で息をしているyouは頬を赤く染め上げて、トロンと熱を帯びた瞳でただただ無言でリゾットを見上げる…。
「はー……っ、りぞ、っと…//」
「キミは………何て綺麗なんだ…。」
「は……っ…?」
人の話を聞いていたのか?と、一瞬だけ眉を潜ませたyouの身体を抱き寄せ、思いっきりぎゅっと抱きしめるリゾット。
本当は両手で身体を押し返したかったようだが、濃厚な口付けで全身に力が入らないyouには抵抗する力も無いようで、なすがままにされている。
「色々と話したいことがある………呼吸が落ち着くまで待つから……もう少しこのままでいさせてくれ。」
「・・・は、ぃ…。」
願ったり叶ったりというべきか、お互いその方が都合が良いという提案を出してきたリゾットに、youもコクリと頷き承諾する…。
それから暫くの間、少なくとも今しがたキスをした時間よりは長く……お互いの温度を直に感じることにするのだった…。
その恋が成就する時
words from:yu-a
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