■Fiori e Vino. (リゾット)
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もう後戻りはできない。
ただ、この想いを成就させるだけ。
Fiori e Vino.
一日のおわりに思い返すのは
「あぁ、今日も楽しかったです!」
先程リゾットと映画を観た後、食事をして帰ってきたyou。
上着を脱いで、荷物を所定の場所に置くと、キッチンで飲み物の準備をする。
何を飲もうか悩んだが、もうお風呂に入って、歯を磨いて、着替えて寝るだけ…という時間なので、カフェインは避けるべきかと考え、最終的に日本人らしく緑茶に決めた。
日本のものが売ってあるショップでたまたま見つけて購入した桜色の茶筒を取り出すと、茶葉の残りが少なくなっていることに気付き、明日にでも買いに行こうかと、脳内で予定を組んだ。
「お茶より先にお風呂にしようかな……。」
どうやら、風呂から上がってお湯を入れるだけの状態にしておこうと思ったらしく、ティーポットに茶葉のみ適量に出して、蓋をしてそのままバスルームへ向かったyou。
それが最悪な事態を招くとも知らずに…。
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カチャリ…と、僅かな開錠の音。
もし、誰かがリビングにいたとしても聞こえるか聞こえないか分からないくらいの僅かな音だ。
ましてや、現在入浴中のyouの耳にその音が届くハズもなく…。
リビングは無人で、バスルームから聞こえる音で、家主が入浴中であることが判断できるこの状況下……スッとリビングに現れた人の影…。
「youは…風呂か……別段音を抑えて入室する必要も無かったな…。」
ポツリと呟いたその人物は、今しがた「おやすみ」と挨拶を交わして別れたばかりの彼女の隣人であるリゾット・ネエロその人であった。
彼は同じチームで人を老化させる能力を持つプロシュートと同様、
「鉄分を操る」という特異なスタンド能力を用いて、彼女の部屋の鍵を開錠し、その応用で光学迷彩のように姿をくらませて入室を果たしていた。
キョロキョロと部屋を見回すと、間取りは殆どと隣同士で変わらないが、女性らしくあたたかな雰囲気の内装が全く自分の家とは異なっており、その彼女らしさにふわりとリゾットに笑みが零れる…。
「そうだ……そうグズグズもしていられん…。」
ハッと、本来の目的を思い出し、リゾットはキッチンへと向かう…。
グラスやコップの1つくらい、すぐに使用するために置いてあるだろうと思っていたが、
置いてあるどころか、ご丁寧に「今からお茶を飲みます」という状態でティーポットまでが準備されていた。
リゾットはポケットから薬剤を取り出すと、ティーポットの茶漉し部分を引き上げて、ポットの底にその白い粉末を全て撒き入れた。
「匂いは無いだろうが……少し苦みを感じるかもしれんな…。」
その点だけが少し心配だが、どうしようもないのだ…と、困ったような表情を浮かべたリゾット。
その表情だけを見れば、苦い薬を嫌う子どもに「風邪を治す為に我慢できるだろうか」と諭すような雰囲気だったが、
実際には、こっそり薬を盛ったことが苦味で彼女にバレてしまわないかどうかが心配だ…というもの…。
ただ、それが露呈しようがしまいが、もう行動に移してしまっている以上、中止することができないわけで…。
リゾットはyouがその場に戻ってくるまでに再び己がスタンド能力で姿を消した。
それから約15分、20分程経った頃に入浴を済ませたyouがリビングへ戻ってきた。
気持ちもさっぱりしたようで、上機嫌でキッチンへと入ったyou。
準備していたポットにお湯を入れて、少し蒸らしてカップにそれを注ぐ…。
「む…お風呂上りに熱い緑茶か……やっぱり少し冷まそうかな……ていうか先に気付くべきだったな……。」
自分のミスチョイスに自身でツッコミを入れ、少し悩んだ後、youはその場を離れた。
その後すぐにバスルームからドライヤーの音が聞こえてきたため、お茶を冷ます間に髪を乾かしにいったことが窺い知れた。
隠れて様子を伺っていたリゾットは、youの独り言に「可愛いな」と思ったり、
風呂上り特有の濡れた髪や上気した顔が色っぽい…などと、彼女のプライベートシーンの観察に充実感を得ていた…。
凡そ10分かそこらでyouは髪をきちんと乾かして戻り、ちょうど良い温度になったお茶を持ってリビングへと向かう。
それからテーブルにお茶を置き、携帯を扱ったり、仕事の予定が書かれた手帳などを確認したりして時間を過ごしたところで、youに猛烈な眠気が襲ってきた。
「ふぁあ……何か急に眠くなってきた……そろそろ寝ようかな。」
テーブルに散らばった筆記用具や手帳を鞄に仕舞い、カップを洗ってからリビングの電気を消して寝室へと向かうと、そのまま倒れ込むようにベッドに体を預けた。
「イタリアで初めての映画館、楽しかったな……リゾットはちょっと意地悪だったけど………まぁ、ご馳走してもらったから許す!………ふふ、また一緒に出掛けたいな。」
寝しなに今日一日のことを思い出して、感想を述べると、youはそのまま目をゆっくり閉じた。
「怖い夢、見ないといいなぁ…。」
まぁ、寝入ってしまってからは分からないが、少なくとも現時点で今日の映画の怖いシーンを思い出しながら寝る必要はないようだ……そのくらいの眠気で、youはすぐに夢の中に入っていってしまった。
一日のおわりに思い返すのは
words from:yu-a
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