■Fiori e Vino. (リゾット)
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「最近何だか楽しそうだな、you!」
「えっ、そうですか?」
事務所で書類を整理している最中、そう声を掛けられた。
Fiori e Vino.
寂しさは「大切」の理由
声を掛けてきたのはナランチャ・ギルガ。
ボスであるジョルノより1つ上の年齢らしいが、落ち着いた物腰と態度で人と接するジョルノに対し、
ナランチャはその明朗さと人懐っこさが特徴的なところもあり、実年齢よりかなり幼く見える。
ジョルノやブチャラティらはyouに対してイタリアーノを前面に押し出し、可憐な花のように接してくれるが、
ナランチャはそれこそ弟や同級生や幼馴染のような、あるいは背伸びをして妹分の面倒を見る兄のように気軽に話ができる相手である。
そんな彼だからこそ、彼女を身近でよく見ており、観察眼が鋭いところもあるのだろう…。
ここ最近で、彼女が「変わった」と、問いかけた。
「何か良いことでもあったのかよ?引っ越した時はえらく塞ぎ込んでたから、心配してたんだぜー?」
「ナランチャ……ありがとう。そうなんだ、今は元気なの!」
「いいことあった?」
「あった!引っ越し先で初めてお友達ができたの。」
「おおっ!そっかぁ、そりゃあ良かったな!」
「はいっ!」
「いや~、youがアパート(寮)出てくって聞いた時にはちょっとハラハラしてたけど……そぉかぁ…。」
「その節は本当に……ナランチャとフーゴ、一番心配してくれてたもんね、嬉しかったです。」
「そりゃあお前……youは女だし、平和ボケしてるから心配だったんだよ……今もだけど。てか、全員心配してた。」
「うう……危機管理が行き届いてなくてスミマセン…。」
そしてこの台詞だ…。
親しい同僚たち(しかも全員)から、危機管理能力が乏しいと思われていたとは…。
見ず知らずの隣人であったリゾットから注意されるのも無理ないな…と、人知れず自省するyouだった。
「それで、友達ってどんなヤツなんだ?!美人か?」
「お隣さんなんですけど、すっごくお顔の美しい人ですよ!睫毛が長くて、黒目が凄く大きくて……それに、とても親切な方です!」
「おおお!いいじゃん、ミスタとかアバッキオに言うなよ、絶対「会いたい」って言い出すから。」
「ふふ、そうですねぇ。」
「じゃぁ、最近はその友達と出掛けたりしてるから、楽しそうなんだな?」
「そう、ですね……うん、きっとそうです。」
「そうかぁ……へへっ、何か安心した!友達出来て良かったな!!」
「はいっ!いつもわたしのこと、気に掛けてくださってありがとうございます、ナランチャ!」
そうして、お互いニコニコと嬉しそうな笑顔で会話を終え、youは物品の買い出しへ出掛けていった。
それから暫くし、事務所に残ったナランチャが一人で作業していると、そこへミスタとブチャラティが帰ってきたため、ナランチャは早速彼らにyouのとの会話を喜々として話し出す。
「……って感じで、youは最近元気みたいなんだ。いやー、一人暮らしすることになって兄貴分としては心配だったけど。」
「ナランチャが兄貴分……プッフー!!」
「なっ、何がおかしいんだよミスタ!このやろー!!」
「いや、だって……なぁ、ブチャラティー!?」
ナランチャの言葉に笑いが込み上げ、思わず吹き出すミスタ。
愉快そうな遣り取りが目の前に繰り広げられているのに、何かしら思案していた様子のブチャラティは、2人の会話を話半分で聞いていたようで、
ミスタに呼び掛けられたというのに、彼らに視線を送って軽めに笑いながら「ああ、そうだな…」と生返事を返した。
その様子にナランチャとミスタは顔を合せ、小首を傾げて頭に疑問符を浮かべる。
「ブチャラティ…?」
「ああ、いや……良かったなと思って…。」
「だよなぁ!youが嬉しそうで安心したよな!」
ぱぁっと明るい笑顔でyouのことを話すナランチャとは異なり、ブチャラティは肩の荷が下りたような安堵の表情で息を吐いた。
その理由を察したミスタ。
彼もまた「そうだよなァ」と呟いてブチャラティに声を掛ける。
「やっとお隣さんが美人のお姉さんだって分かって一安心だ。」
「美人かどうかはさておき……親切な人だったなら良かったと思う、本当に。」
「睫毛が長くて黒目の大きな美女か……いいなァ…。」
「ミスタ……youが困るから「会わせてくれ」なんて言うんじゃあないぞ。」
「分ぁーーかってるって……ま、兎にも角にもこれで肩の荷が下りたな。」
「ああ。だがyouのことなので、まだまだ心配ではあるが…。」
「・・・同感。」
以前、隣人が男性か女性かが分からないために、もし男だったらyouが危険な目に遭わないかと心配していたミスタとブチャラティ。
実際にはyouは隣人のリゾットのことを「美しい人」とは言ったものの「女性」とは一言も言っておらず、ここで先入観による大いなる誤解が生じているのだが、それは誰も知る由もなく…。
ナランチャといい、彼等といい……youに対しては並々ならぬ思い入れがある様子。
恐らくは彼女がパッショーネの保護下に置かれることになった理由がその根源ではあるのだろう。
「でもよぉー、その友達とばっか遊んで、オレたちと遊んでくれなくなるのは……オレ、嫌だなぁ。」
「何だナランチャ、影ながら見守る兄貴分じゃあなかったのか?」
「うっ……そうなんだけどよォ、ブチャラティー…。」
「オレ達が寂しくなってどうするんだ、まぁ、分からなくもないが。」
「だ、だろぉ?」
「ああ、オレ達もオレ達でyouを誘って飯でも行こう。」
「うんうん!!」
ブチャラティのフォローの言葉に、しょぼくれた拗ね顔を浮かべていたナランチャが見事に復活を果たす。
ブチャラティも言っていたが、先刻「自分はyouの兄貴分」だと豪語していたのにも関わらず、彼女が構ってくれなくなると寂しいと言葉と態度に出すナランチャは、矢張り兄貴分には程遠いなと、面白そうに笑ってしまうミスタであった。
寂しさは「大切」の理由
words from:yu-a
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