run! rabbit run! (承太郎)
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少しだけ
君の笑顔に近づけた
(気がする)
瞳はキラキラしていますか?
「you!!アンタ生きてたのね!!」
「どういうことさ。」
真面目に驚いた顔をしてくる友人の言葉に思わず冷静にツッコんだ。
どうやら、昨日の承太郎との追いかけっこ(と呼ぶにはガチ過ぎるが…)のことを言っているらしい。
「あの後、鬼の形相の空条君に声掛けられてさぁ!マジでアンタ殺されると思ったわ!」
「いや、わたしもそう思ったよ実際……。」
「とりあえず無事みたいでよかった。」
「ありがとう。生き延びた。」
「じゃぁ、わたし次の講義行くから!」
「うん、またね!」
そんな話をしながら、友人は次の教室へと去って行った。
次は確か…と、時間割を確認しようと鞄から携帯を取り出したところで、野太い声に名を呼ばれる。
「you。」
「わ!く、くうじょ……承太郎くん…。」
「次はゼミだろ、今日は教授都合で休講らしいぜ。」
「えっ、そうなの?」
「ああ。今朝から掲示板に貼り出してあった。」
「そっか。見てなかった…教えてくれてありがとう。」
「いや…。」
「じゃぁ、次は空きコマだね。承太郎くんは何する予定?」
「予定なんて無いぜ。ただ暇なだけだ。」
「えっと…それ何もしないってこと?」
「さぁな。」
「えー…。」
「お前は?何するんだ、これから。」
「んー…どうしよう、次空いてる友達のトコ行こうかな…。」
「俺がいるじゃねェか。」
「え。」
「あ?」
「そっ……そうだね!そうだよね!じっ、承太郎くんがいるよね!」
「ああ、いるぜ。」
そういえば昨日から友達になったのだった…と、慌てふためくyou。
しかし、いったいこの無口な巨人と約1時間半もの時間をどう過ごせばいいものか、
いや、無理だ…と一人で一瞬のうちに思考を巡らせ、結論付ける。
冷や汗が流れ出そうな勢いで俯くyouに、頭上から思い掛けない提案が落とされた。
「カフェにでも行くか?」
「え?」
「学外のだけどな。」
「え?え?」
「学内のは騒がしいから、入学してすぐ…外で落ち着けるトコ探したんだよ。花京院とよく行ってる。そこでもいいか?」
「う、うん。」
「決まりだな。」
言うや否や、颯爽とその場から歩き出す承太郎。
youは慌てて後に続いた。
・
・
・
・
正門を出て10分も掛からずに、目的の喫茶店へと着いた。
そこは少しだけ裏路地に入ったところにある、しっとりとした雰囲気の店だった。
建ってからまだ新しいようだが、店主の趣向か、オールドファッションカフェの様相に仕上げられている。
「素敵なお店。」
「だろ?学生もちらほらいるようだが、裏手にあるからか、騒ぐようなヤツが来ないんだ。」
「本当に騒がしいの嫌いなんだね。」
「まぁな……あ、でもインドの喧騒はなかなか面白くて好きだぜ?」
「え、インド行ったことあるの?」
「ああ、あるぜ。まぁ、インドだけじゃねェけど…。」
「他にはどんなところに行ったの?」
「香港からシンガポールだろ、マレーシアとー…パキスタンか?あとどこだ?ああ、サウジアラビア。で、エジプトか。」
「すっ…ごーい!!凄いね!海外旅行好きなの?一人旅?」
「いや、一回の旅だぜ。陸路。」
「嘘でしょ、承太郎くん!!」
「いやマジで。」
「だって陸路って……え、日本からエジプトまで?」
「ああ。」
「ひぁー!な、何日くらい掛かって?!」
「50日。」
「いつ?」
「高3ん時。」
「ふぁあ……すごい!すごい!」
「(目ェ…きらきらして……くっ…か、かわ…!!)」
今まで怯えて小さく反応を返すだけだったyouが、承太郎の話に興味を持ったようで、羨望の眼差しを向けてくる。
視線が合わさったことも相まって、珍しく照れた承太郎が帽子を目深に被りなおした。
「何しに行ったの?自分探し、とか??」
「あー………。」
「??」
「鬼退治?」
「いや、わたしに聞かれても…。」
「ま、そんなところだ。」
「そ、そう…(深くツッコむなってこと、だよね?)。」
言われずとも何かを悟り、それ以上youが承太郎に言及することはなかった。
承太郎もその察しの良さを汲み取ると共に、ありがたく享受させてもらうことにし、
話題変えに、と…youにスッとメニュー表を差し出した。
「あ、そだね…そろそろ何か頼もうか。」
「ああ、そうだな。俺はいつもコーヒーだが……お前、何にする?」
「えっとー…折角だし、甘いもの食べたいなー。」
「好きなモン頼んでいいぞ。奢るから。」
「え。」
「こないだ困らせたからな……その詫びだ。」
「でも、もうそれは…。」
「いいから決めろ。そういうの、ケリ付けとかねェと何か気分が悪ィんだよ……。」
「そう、なの?」
「ああ。」
「難儀な性格だね。」
「自分でもそう思う。」
「でも、何か分かる。」
「ほぅ?」
「空条くん……ううん、承太郎くんてそんなイメージ、ある。」
「そうか?」
「うん。」
「で、何にすんだ?」
「あっ、えっとねー…どうしよう、これは食べ過ぎかな…でもこっちも捨てがたい…んと…。」
メニュー表を開いて注文する品を選び始めたyou。
それから5分弱。
店員に注文をして、youがおずおずと承太郎に謝罪した。
「ごめんね、迷っちゃって…。」
「いや、いい。そんなに時間掛かってないぞ?それに……何か知らんが全然苦にならなかった。」
「え?何が?」
「待つの。」
「ごめん、承太郎くんはコーヒーだけなのに…。」
「メニューとにらみ合いしてるyou見てたから、面白かったぜ。」
「ブッ!!」
「泣きそうな顔もいいが、今みたいにきらきらした目ェしてる時もいいな。」
「はっ?!!//」
「次は笑った顔か…。」
「・・・はぁ?//」
恐らく、彼には気を引きたいとか打算や計算は微塵も無いようだ。
なぜなら、youは真っ赤な顔で困ったように承太郎を見上げたが、
当の本人は「どうした?顔が赤いが」などと、首を傾げていたので。
親密度は高まりましたか?
words from:yu-a
title by:Fortune Fate様
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