run! rabbit run! (承太郎)
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ちょっとkwsk!
と、友人が身を乗り出した
原因に心当たりはありませんか?
気になる異性がいる、と告げた承太郎を見つめ、花京院は目をこれでもかという程見開いた。
「承太郎…まさか、そんな……だっ、誰!?誰、君の気になる子って!!」
「…名字。」
「名字…って…名字って……名字you?」
「…ああ。知ってるのか?」
「いや…うん、まぁ……ちょっとね。」
頬をぽりぽりと掻きながら言葉を濁す花京院に、承太郎は少し首を傾げる。
関係性を尋ねた方が良いのかと思い悩んでいると、花京院の方から先に「何故」と問いかけてきた。
「どうして名字…さんなの?」
「そこんとこなんだが、オレにもよく分からん。」
「うわ、出たよその台詞。」
「仕方無いだろう…本当によく分からないんだから…。」
「原因に心当たりは?気になったきっかけは?」
「・・・何か…変な女だったから…。」
「具体的には?」
「……そうめんを……食ってた。」
「は?」
「学校で・・・素麺を持ってきて食ってた。弁当だぞ、ありえん…。まぁ、友達とのノリかもしれんが…。」
「それは…確かにありえない…。」
これはときめいて気になるというよりは、寧ろ珍妙という意味で気になる類なのではないだろうか、と考えた花京院だったが、
承太郎の顔は(デフォルトかもしればいが)至って真顔なので、聞き手の花京院も真面目に受け答えをしようと無言で頷いた。
「で、何でまたそんな不思議な名字さんが気になって、最近一層凄い胸が苦しいの?」
「昨年からいくつか同じ授業はあったんだが…。」
「うん。」
「ちょっと前・・・名字がある授業でのレポート回収担当の日があったんだが…。」
「ふんふん…。」
承太郎いわく…。
それは、承太郎が名字youと同じ授業を取っていることを再確認した出来事。
昨年の夏、素麺事件で彼女が少し気になる人物としてインプットされて暫く。
つい最近だが、何らかの授業でレポートを提出しており、教授の添削後、その次の授業中に配ったのだそうだ。
しかしながら、其の日「授業に出る」…という学生の義務を放棄した承太郎はその時間そこに居らず、
皆がレポートを受け取った随分後……具体的に言うと授業終了10分前頃に顔を出したらしい。
(承太郎いわく、その授業はそんなに大事な授業ではないから…とのこと。)
授業開始から教室にいると、周囲を女生徒に囲まれてしまうため、それを避けて…ということのようだが、
今にして思えば彼女とのこれからの遣り取りに於いてはそれが逆効果だったようで…。
終わり頃、そっと教室に入り、さり気なく出ようと廊下に出ると、
そこにはまるでアイドルの出待ちか!?というように、数人の女生徒がスタンバっていた。
入っていた時にはこんなにも数多くの女生徒などいなかったハズなのに、一体何処から様子を伺っていたのか…。
そういったところも気に食わなかった承太郎は、いつものように周囲で黄色い声で騒ぐ女生徒を一喝。
「やかましいッ!うっとおしいぞオ!」
それはそれはかなりの凄みなのだが、承太郎のファンである彼女達にはあまり効果が無いらしく、
その後もキャァキャァと周りを取り囲み続ける。
力づくで…というワケにもいかず「教授に呼ばれているから」と理由付ければ、
やっとのことで「それじゃぁしょうがないわね」と、解放されるに至った。
やれやれという風に軽い溜息を吐けば「空条くん」と、再びの高音ボイスが承太郎の耳に届いた。
まだ他にもいたのか!と、拳をグーにしてスタンドを出さんばかりの迫力で振り向きざまに怒声を浴びせた。
「いいかげんにしろッ!うっとおしいぞ!このアマ!!」
「ごごおおごおごめんなさいいいいい!!!」
「!?」
「こここ…ころっ(殺されるっ!)のっ…ぅ…!」
「あ……と…(ヤベェ…)」
「レポート…かっ、返すだけだから…!い、今の授業…く、空条くんだけ……い、いなくて…っ!」
「あ…ああ…。」
最早目も上げられないのだろう…。
承太郎が大声で怒鳴った相手こそ、彼が不思議で気になる存在だと思っていた名字youその人であった。
ブルブル震える手で差し出されたレポートを受け取り、承太郎はとりあえず彼女に謝ろうとしたのだが…。
「……えっと…お前…(素麺女・・・名字)。」
「ヒッ……!?」
「・・・スマン。」
「い……いえ…っ……!」
「!!」
「ごっ、ゴメンナサイイイイッツ!!!!」
「おいっ……って早ッツ!!!」
一見鈍くさそうな彼女だが、驚くべき速さでその場を走り……否、承太郎の前から逃げ去った。
しかし、重要なのはそのスピードではなく、その一瞬前の泣き顔。
恐らくは承太郎に謝罪されたことに驚いたのもあったのだろう…。
まるで小動物のように震えて涙を浮かべるその表情は何とも言えない感情を承太郎に芽生えさせた。
・
・
・
・
「…庇護したい…が、加虐もしたい。と。」
「まぁ……そうだな。」
「承太郎……。」
「ん。」
「それ、多分……恋だよ。」
「なん……だと…!?」
「プレイギャルゲーEDフルコンプ、百戦錬磨の僕が言うんだ……間違いないよ…。」
「何を言っているのか分からんが、何か凄そうだな……花京院、お前…。」
「だけど困ったね……今の話を聞く限りじゃ、完全に名字さんには恐れられているみたいだ…。」
「・・・。」
「ここは僕が人肌脱ぐしかなさそうだね。」
「お前が?」
「うん。」
「僕、名字さんとは知り合いだから。」
にっこりと笑う花京院のまさかの言葉に、承太郎は大きく口を開けて停止するのだった。
なん・・・だと・・?!
words from:yu-a
title by:Fortune Fate様
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