your palm, my cheek (DIO)
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それは
覚醒の日
your palm, my cheek
あなたは思っていたよりずっと温かい。
「youさん……先程から何をなさっているんですか…正直ちょっと煩いですよ。」
「う~~…え?何がです?」
「何がもクソもあるもんですか……その唸り声ですよ。」
「あー…ごめんなさい…ちょっと力んでたもので…。」
「・・・大きい方ならここで踏ん張らずトイレへ行ってください。」
「誰がトイレやねん!!//」
真っ赤な顔でテレンスにツッコミを入れたyou。
次いで、唸り声の理由はトイレではない!と全力で否定しに掛かった。
「違います!トイレじゃないです!テレンスさんのバカ!//」
「おや、違うのですか。」
「違いますッ!これはスタンドを出す練習なのですっ!」
「スタンドの…練習?」
「そう!」
「それで唸ってたんですか?」
「う…唸るって……まぁ、ちょっと頑張って超サイヤ人になる勢いでですね…。」
「ちょっと力んだだけで超サイヤ人になれるならナッパもラディッツも初見で悟空に勝ってますよ。」
「意外!それはマニアックな切返しッ!!」
「ジャパニーズコミックスは中々興味深いですからね、メジャーなものは既にチェック済みですよ。」
「わたし、テレンスさんとは「心の友」と書いて「しんゆう」になれる気がする。」
「私もです。」
ピシガシグッグッ…と、お互いの手を合わせて同意を示すyouとテレンス。
(どういう動作なのかは言わずもがな…)
「それにしても…」と、本日の夕食の下拵えをしていたテレンスがふいにその手を止め、
youの表情をチラリと覗き見るようにして言った。
「youさん、あなたはDIO様にスタンドについて学ぶことを禁止されたハズでは?」
「ぅっ…な、なぜそれを…。」
「何故って……DIO様がそう仰っていたので。」
確かに、ほんの数日前にDIOとの賭けに敗れたyouは、
彼の命令として「スタンドを学ぼうとするな」と言われたばかりであった。
「でも今のは本格的にじゃなくて、軽い気持ちでですね?」
「でしょうね。そんなに軽い気持ちで目覚められては困ります。」
「す、すみません…失礼な言い方をしてしまいました。」
「それは別に構いません…寧ろ逆で……やはりわたしもDIO様同様、あなたにスタンド使いにはなってほしくない。」
「…テレンスさん…。」
「戸惑うばかりで……能力によっては享受するまでに時を要しますし……辛いだけです。」
淡々と受け答えしていたテレンスが、この言葉に関しては過去、自分がスタンドに目覚めたときのことを思い出したのか…何とも切な気な表情で呟いた。
そんな彼の様子に、何と声を掛けていいものか戸惑っていると、
すぐに気を取り直したテレンスが再び仕込みの材料を扱い始めながら、軽く笑う。
「まぁ、その様子じゃ一向に目覚める気配はありませんが、一応DIO様にご報告させていただきますね。」
「げっ!だ、だめ!だめですテレンスさん!」
「主の命令ですから。」
「お、お願いしますッツ!!後生ですからぁ~!」
「DIO様に知られるのが怖いんですか?」
「そりゃぁ……どんな我儘聞かされるか分かったモンじゃないですもん!」
「そうですか…では、本当にやめておかれた方がいい……貴女も軽く踏ん張っただけで死にたくはないでしょう?」
「は?」
「私がDIO様からそう聞かされているように、側近であるヴァニラもまた同じような話をされているハズですから。」
そんなテレンスの言葉にyouはゾッと背筋を凍らせる。
テレンスだからちゃんと冗談を交えて会話ができるが、相手がヴァニラとなるとそうはいかない。
DIO様の命は絶対!をモットーに生きる彼にyouが違反していることが知れれば、とんでもない事になるのは明白だ。
テレンスが言う通り、命さえ危ないかもしれない…。
身の危険を感じたyouはコクコクと頷き「分かりました!」と半泣きでテレンスに言葉を返すのだった…。
「では、そろそろ調理場を出ていただきましょうか…もうあと数時間で夕飯にしますから。」
「何かお手伝いしなくていいですか?」
「ええ、大丈夫ですよ。いつもお気遣いありがとうございます。」
「じゃぁ、とりあえず部屋に戻ります。」
「ああ、それならDIO様を起こしていただけますか?」
「そっか、もう日暮ですしね。」
「はい。」
「じゃぁ、行ってきます!」
テレンスのいた調理場を後にして、廊下に出たyou…。
昼過ぎなのに薄暗い通路を歩き、部屋へ向かう途中…。
いつか聞いた、youにとっては、できればあまり聞きたくない声が自分を呼び止める。
「生きておったか…。」
「っ……ェ……エンヤお婆ちゃん…。」
カツコツと杖と靴の音が交互に響き、それが段々と近づいてくる。
一歩彼女が進むたび、一歩youが後ずさる…
それを続けて、いよいよ壁に突き当たった2人…。
「矢に射抜かれて無事に目覚めたんだねぇ…。」
「お…おかげさまで…。」
「それで…お前はどんな能力を得た?」
「そ…それは…。」
「ほーほー、一丁前に能力を隠すつもりかい?占いついでだ、DIO様にとって有益なスタンドかどうかワシが判別してやるよ…。」
「・・・!」
「さぁ、さっさとスタンドをお出しッツ!!」
「っ……DIOさ…っ!」
クワっと目を見開き、エンヤ婆がいつも手に持つ杖の先をyouへと向ければ、
辺りに何とも居心地の悪い、不気味さを感じる霧が生じる…。
霧の中にフッと形を成し、すぐにまた離散するそのスタンドの姿を目にし、youの背筋がゾッと凍り付く…。
エンヤ婆のそれは王冠を被った巨大な骸骨の姿のスタンドだった。
「ハンデをくれてやる!ワシのスタンドは「ジャスティス(正義)」!霧を操り幻覚を見せることができる。まぁ、能力の触りに過ぎないがね……さぁ、迎え撃つ対策を取りな!!」
「そ、そんな……だってわたし…!!」
今にも恐怖に屈して泣き出しそうなyouの耳に、まるで天の助けのような声が響く…。
「you…?!」
「DIOさん!!」
「!!?」
日が暮れたのと同時に自ら起きたのだろう、上の階へ昇る階段の先に現れたDIOだったが、
眼下で距離を取って相対するyouとエンヤ婆の姿を目にして至極驚いているようだった。
トントンと階段を足早に下り、youへとDIOが駆け寄ると、
そうは問屋が卸さないとばかりに、エンヤ婆が霧をスタンドの姿へ集約し、youへと嗾(けしか)けた。
DIO自身も、どういう状況なのか理解できないところが大きかったようだ…。
己がスタンドを発動することを失念していたのか、彼女を守ることを優先させたのかは分からないが、
エンヤ婆の霧が向かってくる中、DIOはyouの元へと飛び込んできた。
「エンヤ婆……youに何を!」
「DIOさんッ!!」
後に確認したところによると、霧自体に攻撃性は皆無なのでDIOやyouが怪我をすることはなかったのだが、
youは兎に角無我夢中で、ただ一つだけ『DIOと安全なところへ逃げなければ』と考え、泣きながらDIOの元へ走った。
そして、DIOの腕にyouの手が触れた刹那…辺りは闇に包まれた…。
・
・
・
・
「・・・っ…!」
「・・・ここは…。」
youとDIO…。
各々が辺りをぐるりと見渡し、小さく呟いた。
そこは、見渡す限りの闇を静寂で包んだような世界…。
「…真っ暗…。」
「ここは…亜空間、か…?」
「亜空間…?」
「ヴァニラのスタンドのようなブラックホール的な場所……ではないようだが…。」
床も無く、天井も、右も左も無い其処で、
漂うようにしてDIOが静かに分析を始める…。
ひとまずは状況確認を優先したのだろう…。
DIOはそっとyou声を掛けた。
「you、どういうことだ…何故エンヤに攻撃されていた?」
「分かりません……多分…わたしがスタンドに目覚めたと思ってらっしゃるんだと…思います。」
「成程な…。」
「DIOさんにとって有益なスタンドかどうか見極める…って、言ってましたから…。」
「これが、そうか……有益なのかまだよくは分からんが…。」
「え?」
きょとん、と不思議そうな顔をしてDIOを見上げるyouに、
彼は辺りの漆黒を見渡して「ああ」と呟く。
「この亜空間を作り出しているのは、お前のスタンドだろう……ホラ。」
「~~!!?!」
「わたしが言うのも何だが、やはりスタンドは摩訶不思議な姿をしているな。それは何だ、鳥か?」
「ぎゃっ!!?な、何?!!」
「鳥は鳥でも……お前のそれは梟のようだが……。」
DIOの喩えは確かに的を得ていて、you#も改めて自分の右肩に出現しているスタンドを見て思わず納得してしまった。
ピタリと固まったように動かずに文字通り宙に浮いているソレは、少し機械染みた姿で無機質に感じられる。
目は頑(かたく)なに閉じられたままで、まるで長い長い眠りに就いているようだった。
「・・・戦闘向きではなさそうだな。」
「・・・ええ、見るからに。」
「ふむ……まぁ、それはさておき…まずはこの状況だな。」
「…ごめんなさい……巻き込んでしまって…。」
「構わん。寧ろスタンドに無知なお前が一人ではここから生還できる可能性が低くなる。わたしも一緒で幸いだと思え。」
「DIOさん…。」
「自分と定めた対象を亜空間へ飛ばす能力か……なかなか有益だな…。気になるのはこの場所だが…いや、だが、やはり先ずは戻る方法か。」
ブツブツとyouのスタンドについて一人言の見解を続けるDIO。
が、しかし…。
スタンドの持ち主本人は全く別の事に考えを巡らせていたようだ。
「うん!やっぱりそうだよね。」
「ん?」
「きっと……たとえ真っ暗闇でも、荒れ果てた荒野でも……どんな場所でもわたし…DIOさんと一緒なら、いいや。」
「・・・you…。」
「DIOさんが一緒にいてくれるなら、それでいい。」
スタンドの能力やステイタスを真剣に考えていたDIOだったが、
気付けばどんな状況下でも変わらないyouの在り方に思わず口元が緩んでいた。
「そうだな……きっと、わたしも同じだ。」
「だからもう、怖くない。」
「!」
ゆっくりと向かい合って、彼女を抱きしめようと伸ばしたDIOの手が急停止する。
youが小首を傾げると、彼は目を大きく見開いて、言った。
「you、上を見ろ…星だ。」
「え……あ、本当だ……ここ、まさか宇宙だったの!?でも息できてる…。」
「ふむ…宇宙…。」
「……あっ!流れ星!」
「ほう……綺麗だな。」
「うん!本当に綺麗……星がどんどん増えてく…。」
「増えている…?」
「増えてるよ。」
「満天の星空に流星群……。」
「きれーい…。」
眼下や天上、ありとあらゆる方面でヒュンヒュンと星が行き交う。
まるでガラス張りの空間を丸ごと覆うプラネタリウムにいるようだと、youは感嘆している。
「…you。」
「ん・・・?」
「此処が何処であれ、この先何処へも行けなくても、わたしはお前が傍にいればそれでいい。」
「で…DIOさん…?!//」
「you…。」
「な、な、どうしたんですか?!何かDIOさんがそれを言うのは…らしくないというか…//」
「では、聞くが・・・わたしらしい、とは?」
「んーと…どちらかというとこのまま此処に留まろうとするのではなくて…。」
「・・・。」
「どちらかというと「道を切り拓いてやるからオレ様に付いて来い!」みたいな…?」
「ほう……。」
「感じが…。」
「するのか?」
「します。」
「ふむ、合っているな。」
コクリと一つ縦に首を振り、しかし「この場合はその限りではない」とキッパリ言い切ったDIO。
「しかしだ、今の言葉もわたしがお前に道を拓いてやるためのものなのだ。」
「え…?」
「まぁ、推測に過ぎんが…。」
「よく…分かりません。」
「では、続きだ。you。」
「はい?」
「たとえこの先…何が起こっても、わたしはお前を裏切らない。」
「え……本当に…?」
「ああ、約束しよう。」
「わたしも、DIOさんを裏切ったりしないよ。」
「何処へも行かないか?」
「行かないよ。」
「元の世界へは?」
「戻る方法があっても…戻らないかな。だって、DIOさんが一緒じゃなきゃ…意味ないもの。」
「そうか…では、最後にひとつ。」
「最後…?」
「お前はわたしと、何処へ行きたい?」
「・・・それが最後?」
「ああ。」
「変なの。」
「いいから・・・恐らく一番重要だ。」
「そうだなぁ…。」
DIOの問いにyouは「うーん」と真剣に悩み始める。
その間約1分ほど。
そして、出した結論…。
彼女は目を閉じて、まるで情景を瞼の裏に映し出しているかのように饒舌にその場所を示す。
「お日様の下がいいな。」
「・・・・。」
「あったかくて、気持ちいい風が吹いてて、いつもギスギスしてる人もやさしくなれちゃうような感じのとこ。」
「ギスギス…一応聞くが、それはわたしの事か…?」
「いや、ヴァニラさん。」
「・・・。」
「そう、そう!!春の日本とか!河川敷に菜の花がいっぱい咲いてると綺麗なんだよねー…DIOさんに見せたいな。」
「・・・ああ、日本は桜とテレンスに聞いたが…この景色も美しいな。」
「え…。」
何を言っているのだろうと、youが目を開くと…そこは、一面の黄色の菜の花畑だった。
思い描いた場所通りの、河川敷の、菜の花畑。
「うそ…。」
「これがお前がわたしに見せたかった景色か?」
「うん・・・そう、なんだけど……なんで?!」
「このスタンドの能力だろう…お前の思い描く亜空間を作り出す…恐らく、そんなところか。」
「すごい…。」
「ああ、単独での戦闘には向いていないが……防御としては最大級の類だろう。」
「・・・そんなの関係ないです…これ…すごいです…!」
「(関係ないって…。)」
すっと、youの頬を涙が伝う。
勿論、予想外の反応にDIOは驚き、彼女に描け寄った。
「な、何故泣く!?」
「だって…っ……どこでも行けるかもしれないんですよ!?」
「ああ、恐らく行けるだろう、まぁ…亜空間だから…架空世界だが…お前の行きたいところに。」
「DIOさんと、行けるんですよ?」
「!!」
「ピラミッドもスフィンクスも一緒に見れる……太陽の下で、一緒に行けるの。」
「you……。」
「本物の太陽じゃないし、本物のピラミッドでもないけど…。」
「言ったはずだ……何処であれ、この先何処へも行けなくても、わたしはお前が傍にいればそれでいい。と…。」
「DIOさん…。」
「ん?」
「わたし、スタンド使いになれてよかった…っ。」
「ああ、そうだな……。」
「DIOさん。」
「今度は何だ…?」
「…えーと………褒めてくれたり…する?」
「ふっ……。」
一瞬だけ、吹き出すように笑った後、DIOは「勿論だ」と言ってyouの体を抱き上げた。
「わ!わ!た、高いですっ!!」
「よくやった、you……本当に…。」
「・・・はいっ!」
そのまま、地に降ろすと同時にDIOはyouを抱きしめ、youはDIOの背に腕を回す…。
「もう、真の意味でお前を手放せなくなってしまったな…。」
「覚醒しなかったら手放してました?」
「いや……それも無理だ。手放そうとした時期もあったが……気付けばあっという間に絆されていたよ…。」
「・・・。」
「あまり関わらず、ただの客人として扱っていたハズだったんだが…。」
「そうだったんですか??」
「そうだ。冷めた態度だったハズだ。」
「ううん、DIOさんは思っていたよりずっと温かいです……はじめから。」
「・・・。」
「わたし、その温度が好きです……これからもずーっと。」
「・・・吸血鬼は体温無いぞ。」
「違う、心の。」
「・・・それならば、わたしも…。」
自分の胸に顔を預けるyouの髪をそっと撫でると、
彼女は身体を離すことなく、顔だけを上に向けた。
その額に軽くキスを落とし、DIOは思いがけず本心から綺麗な言葉を零す。
「お前の心はいつも陽のように暖かだ。」
「たまに冷たくなりますが。」
「そこも含めて、youの存在を愛している。」
「うぅ・・・幸せだなぁ。」
「ヴァニラやテレンス達には悪いが……もう暫く何も考えず此処にいるとするか。」
「・・・賛成。」
菜の花畑の次は何処をDIOに見せようか…。
youは人知れず、それはそれは楽しそうに次なる目的地のイメージを始めた。
ずっと ずっと
あなたと一緒にいたいです
you
(決めたっ!)
DIO
(何をだ?)
you
(スタンドの能力です!)
DIO
(ほう。わたしのスタンドはエンヤにタロットの世界を示すと言われ名付けられたが…。)
you
(フクロウの作り出す世界なので、Owl City(アウル シティー)!)
DIO
(いいのではないか?)
you
(じゃぁ、スタンドの名前はDIOさんが決めてください。)
DIO
(わたしが決めていいのか?)
you
(はい!)
DIO
(・・・例えば「ターミネーター・オフクロウ」とかでもいいのか?)
you
(うわー、咄嗟に考えたにしては妙にクオリティを出してきましたね。)
DIO
(いや、わたしも今のは……ダサ(い)・ハイクオリティさに自分で驚いている。)
you
(ここにきてDIOさんのセンスが分かりませんが……本気ならいいです。でも、冗談ならもう口ききません。)
DIO
(勿論冗談だが……うーむ…。)
you
(・・・・。)
DIO
(Meteor Shower(メテオシャワー)…。)
you
(えっと……「流星群」の意味…ですよね、何で…?)
DIO
(この能力で、お前が初めに見つけた景色だ。分かりやすくていいだろう?)
you
(わぁ…ありがとうございます…!!)
words from:yu-a
title by:Fortune Fate様
*。゜.*。゜.*。゜.*
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