your palm, my cheek (DIO)
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「……何だ、ベッドサイドにyouからの……手紙か?ンッン~~…どれどれ、寝起きのわたしにどんな愛を書き記し……。」
『探さないでください you』
「テレーーーーンスッツッツ!!!」
your palm, my cheek
黙って背中だけ貸して
「時には…こういうセンチに浸りたい時もあるのです…と、一人呟いてみる。」
「一人ではない。わたしがいる。」
DIOの館から北西に暫くのところにある大きな公園。
youが視界の先にある噴水を見つめながら呟くと、今までずっと黙って背中合わせに座っていたンドゥールがそうツッコミを入れた。
「ンドゥールさん…それは何て言うか凄い……スケコマしぃ~さんの吐く台詞ですよ。」
「…そうなのか?」
「え、うん……少なくともわたしはそう思います。」
「それはいかんな……わたしはDIO様のものに手を出すつもりは微塵も無い。」
「うん。ていうかわたしモノじゃないんで。」
「それは失礼した。」
「まぁ…うん、いいのだけれど。」
「・・・。」
「・・・。」
口数の少ないンドゥールとの会話は予想通り、あまり弾まない。
弾まないからこそ、曝け出せる胸の内がある…。
「あぁー…何か、今いてくれてるのがンドゥールさんでよかった…。DIOさんじゃ黙って背中なんて貸してくれないだろうし…。」
「そうか?DIO様は…きちんと君の悩みに付き合っているような気がするが…。」
「はい…でも、ほら……「黙って」傍にいてくれることでこう……救われたりする時、あるでしょ?今、そんな感じなんです。」
「・・・そうか……まぁ、私で役に立てているのならいいが…。」
「ええ、十分に。でも、すみません。付いてきてもらって申し訳ない。」
「そう思うのであれば早くDIO様の元へ戻ってくれると有難いのだが。」
「うん…別に……戻りたくないとかじゃないんです。ちゃんと戻るし、戻りたい。」
「では聞こう…何故、君は此処にいる?」
「…うーん、色々あるけど、やっぱり一番に説明できる言葉だと…悲しくなったからです。」
「その様子だと、わたしが尋ねたところで明確な理由は返って来なさそうだな…君自身、心が乱れている。ということだろう?」
「そうそう、なんか・・・カオスです。」
「混沌、か。」
静かに一言呟いて、ンドゥールはyouの言葉を待つ。
すると、彼の読み通り、彼女は独り事のような相談をぽつぽつと口にし出した。
「・・・ここに、いてもいいのかなぁ。」
「・・其れは…この場所の事か?それとも…DIO様の傍に…ということか?」
「両方です。ンドゥールさんも知ってますよね、わたしが…ここの人間じゃないってこと。」
「ああ。聞き及んでいる。」
「だから、ふとした時に…こういう不安定な感じになるんですよ。気持ちが。」
「・・・成程。」
「ココにいたい気持ちと、帰りたい気持ちと……DIOさんの傍にいたい気持ちと、いてもいいか不安になる気持ちと……。」
「・・・。」
「いつまでいられるか……って。考えて……不安に、なる。時がある。」
「それは…。」
さて、どうすべきか。
答えてしまっても構わないが、自分が言ったところで現状は何も変わらないだろう。
なにせ、彼女が欲しているのは…他でもなく、自分の主からの声、言葉なのだから…。
ンドゥールはそう一人で脳内完結し、自嘲気味に笑うと
背筋を伸ばせ!と言わんばかりの凛とした声でyouへ言葉を返した。
「わたしに尋ねるべき問いではない。」
「・・・。」
「君が欲しい言葉、居場所、心の在処……それは我が主にしか、君に与える事ができない代物だ。」
「うん…。」
「帰ろう、you・・・もう、夜も遅い。DIO様も起きている頃だ。」
そう言って立ち上がったンドゥールが差し伸べた手を見つめ、youはフルフルと首を横に振った。
そして、目の見えない彼のためにきちんと口で告げる。
「ううん、もう少し…今度は一人でここにいる。」
「しかし……一人は危険だ。君も知っているように、ここは治安がとても悪い。」
「うん、でも……ココにいる。いるって、伝えてほしいな。」
「・・・・。」
それは、DIOに…と、尋ねずとも分る答えは不要だろう。
ンドゥールは手に持つ杖でコツンとyouの頭を叩くと、ふわりと綺麗な笑みを作った。
「館の玄関で出くわしたのがわたしでよかったな……幸いわたしのスタンドは遠距離操作型。しかも誂(あつら)えたように水もあるようだ。」
「!!」
ンドゥールが杖で地面をトンと突けば、地面から水が湧き上がり
あっという間にyouの周りを水のカーテンが覆う。
DIOやヴァニラのように目に見えないパターンとは違い、
今回のそれは彼のスタンド能力だと、非常に理解がし易かった。
「音で大体分るが、こうしておけば迂闊に近づく者もいないだろう。」
「すごーい、シャボン玉の中にいるみたい。」
「迎えがくるまで…動くんじゃないぞ。」
「うん……来て、くれるといいなぁ、お迎え。」
「そうだな、お目当ての方が迎えに来るか…使いが来るか。」
「うん…何かヴァニラさん来る気がしてきました…。」
「・・・それは……いや、…うん、あり得るかもしれんが…。」
「うぅ…。」
「DIO様の手を煩わせるわけにはまいりません!!」などと力説して、ヴァニラがあのままの姿でやって来そうな気がしてブルッと肩を震わせるyouであった。
「いや、ヴァニラさんだって十分嬉しい…うれしいです、けど、でも…。」
「分っている。DIO様がいいのだろう?」
「いえ、あの格好が嫌なんです。」
「・・・そうか。」
心の中で「そこかよ!!」と盛大にツッコミを入れているのかいないのか…。
平素冷静なンドゥールは表情を変えることなく、そのまま館へと戻っていった…。
それから暫く、一人で水幕の中から夜空を見上げていたyou。
色んな考えが頭をめぐり、めぐったところで、聞き知った…いや、聞きたかった人の声が響いた。
「こんなところにいたのか、you。」
「ぁ・・・DIOさんだ。」
「ンドゥールのスタンドに守られていると聞いて納得はできたが……徘徊する馬鹿な奴らに絡まれていないかと心配したぞ。」
「意外と大丈夫でした。」
「・・帰るぞ。」
ンドゥールが異常な程の地獄耳なのかスタンドの効能でDIOの声を認識したのか、
兎に角、どういう仕組みか遠くにいるンドゥールの命によりスタンドが解除され、水幕が消えた。
(正確には地面に染み込んだ、だが。)
その光景に「わお」と軽く驚いた後、youはその場から立ち上がりDIOに話し掛ける。
「今日ね、アレッシーさんに悪戯されたんですよ。」
「何ッツ!!?」
「あー、DIOさんがいつも考えているような卑猥な悪戯じゃなくて、スタンド?の。」
「・・セト神か。」
「凄いですねあれ!ちゃんと元に戻してもらえましたけど…中学生くらいにまで戻っちゃいましたよ!あ、えっと…14才くらい?」
「そ…それはさぞ……愛らし……コ゛クリ…。」
「いやぁ…何ていうか…おバカでした…中二病な時期というヤツで……穴があったら入りたくなった。」
「病気だったのか?」
「ええ……人生に黒歴史を残す恐ろしい流行り病でしたよ…。」
「流行り病か……よく生き残れたな。」
冗談混じりの内容に真面目に受け応えてくれるDIOが面白くて、思わず吹き出して笑いそうになるyouだった。
そして、一呼吸置いた後、呟く。
「それでね、精神的にも少しだけ子どもの頃と混ざってしまったから、結構パニックだった。」
「アレッシーの奴め…。」
「わたしがちょっと体験したいなんて言っちゃったからですねー…。」
てへ、と軽く舌を見せて笑うyouを見て、DIOは「ああ、問題は特に無さそうだ」と安心する…。
しかし、次の瞬間彼女が見せた辛そうな表情に、彼はすぐに目を見開くこととなった。
「それで…頭ん中ごっちゃごちゃで……何だろう、ホームシック?みたいな……周りに知ってる人がいないから…急に寂しくなっちゃって。」
「・・・。」
「DIOさんとかテレンスさんとかいれば…まだ少しはマシだったんでしょうケド…居たのアレッシーさんですからね。」
「・・・。」
「家に…帰りたくなったの。」
youはDIOを見つめ、そう告げた。
暫し黙って彼女を見つめ返し、DIOはそっとその細い身体を抱き寄せる…。
「今も、そうか?」
「今は…大丈夫。もう元に戻ったし…ンドゥールさんと話したし、一人で考えたし……それに、DIOさんが…此処に来てくれたから。」
「・・・そうか。」
「うん。」
DIOの腕の中でそっと目を閉じ、youは口を開く。
「あのね、DIOさん…。」
「何だ?」
「わたし……ココにいていい?」
「わたしは…お前が帰りたいと言っても元の世界など…帰さないつもりだったが。」
「そっか……じゃぁ、ずっとDIOさんの傍にいてもいいかな?」
「いいのか?前々から…その言葉、もう撤回は効かんぞ。」
「えっと・・・うん、はい。」
「・・・。」
満点の星が広がる夜。
昼間はあんなにも太陽が強く輝き、じりじりと暑く皮膚を焦がすというのに、
今はもう風さえ無く、2人を取り巻くその温度は低かった。
広場は酷く静かで、周囲には誰もいないらしい。
それは、まるでこの夜の世界に2人しか生き物がいないかのようだった。
身体を少し離し、youはDIOをじっと見上げる。
「わたし…何があってもずっと…ずっと、DIOさんの傍にいたい。」
「お前を……手放すつもりなど、毛頭無かったがな。」
「…ん。」
「こちらから命じる手間が省けたワケだ。」
「ふふ……そうなるね。」
「ああ。」
「もし…もしも、もしもよ?わたしが…元いた場所に戻らなきゃいけない時がきたら…その時は…。」
「この手を……掴んで離さない。」
「えっと…。」
「何とかする。」
「な、何とか??」
youの口から「その答えに感心できない」という呆れたような声が漏れる。
しかしながら、DIO本人は全くどうして当然のようにくつくつと笑った。
「留めるか引き戻すか何とかするさ。最悪…そうだな、お前の世界へ行ってやる。このDIOがだ。光栄に思え!」
「!!」
「その時はきちんと……最高級の持成しをするのだぞ。んん?」
「そう……だね。」
この世界を捨ててもいい。
つまりはそういうことだと…理解するが早いか、youの頬に涙が伝った。
「またか……。」
「あはっ……またみたいです。」
「お前の涙は枯る事を知らんのか…。」
「んー…DIOさんが泣かすから……。」
「目を擦るな…。」
「んぅ……でもこれは…嬉しい涙だから…。」
「・・・嬉しくても何でも…味は変わらん。」
「ん。」
目尻に伸ばしたyouの手を絡め取ると、DIOは彼女の涙をペロリと舐めた。
「あまい?」
「馬鹿を言え……。」
「ふふ。」
「…帰るぞ、you。」
「はい。」
そうしてyouは、差し伸べられた大きな手をそっと掴んだ。
貴方がくれる言葉でないと
意味が無いらしい
you
(でもよかった……DIOさんがお迎えに来てくれて。)
DIO
(わたし以外に誰が来るのだ……あぁ、まぁ…テレンスは来るだろうが。)
you
(え、いや……「DIO様の手を煩わせるわけにはまいりません!!」とかゴリ押しでヴァニラさんが来るかも…とか思ってたから。)
DIO
(あぁ、それは出ていく時に言われたが…断ったぞ。)
you
(え、マジすか…DIOさんGJ。)
DIO
(お前は、わたしが迎えに来てほしいと思っている…そう思ったからな!)
you
(あの格好で外出るとかマジ公衆猥褻罪で捕まりますよね、って!)
DIO
(お前はヴァニラを何だと思っているのだ…。)
you
(え、DIOさんそんな事を考えて…//)
DIO
(待て待て!話が交錯している!)
you
(えーと、つまり、ヴァニラさんが来なくてよかったという事ですよね!?)
DIO
(・・・・。)
you
(・・・・。)
DIO
(まぁ・・・そうだな。)
you
(はい!ヴァニラさんのお気持ちだけ受け取っておきましょう!)
DIO
(そう…だな。)
you
(そうです!)
words from:yu-a
title by:Fortune Fate様
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