stay by my side (花京院)
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優しいだけが男じゃない
君のお陰で覚醒しました
stay by my side
少しだけ素直になれる夜
「ねぇyou、明日何か用事ある?」
「ううん、何も無いよ?」
「そっか……あのさ…もし、あれなら……その……。」
「??」
いつものように部屋でまったりと寛いでいたのだが、
唐突に明日の予定を尋ねられたので、何も無いと言えば、急に言葉に詰まり気味になった幼馴染……を見て首を傾げるyou。
「典くん…?」
「あ、いや……何ていうか……。」
「うん?」
「……久しぶりに…家に泊まっていかないかな…とか……思って…。」
「典くんの家に?」
「う、うん…。」
「わたしが?」
「う、うん…。」
「・・・・。」
「・・・・。」
言葉に詰まった理由が何となく理解できたyou。
しかしながら、それは彼女にとって別段驚くような提案でもなかったので、
にっこりと笑みを浮かべて軽く返事を返した。
「うん、いいよ。」
「そうだよね、やっぱり家に帰るよね………って、えぇ?!」
「何で驚くの…。」
「いや、だって!」
「典くんの家に泊まるの久しぶりだね。いつぶりかな……小学校以来?」
「何で動揺しないの?!」
「何で動揺するの?」
花京院が用意してくれたお茶菓子(煎餅)に徐(おもむろ)に手を伸ばし、
バリバリと食べながらyouは首を横に傾げる。
「いや……だって……。」
「だって…?」
「・・・・。」
「いや……ううん…何でもない…。」
「変な典くん。」
「ああ、もう何かいいんだ……僕が我慢すればいい事なんだ……。」
「??」
「2人しかいないけど、夕飯はどうする?どこかに食べに行く?それとも何か作る?」
「え、ママさんいないの?!わたしママさんのご飯が食べたかったのに!!」
「え、そこ?!」
今日一番驚いた顔をするyouに対して驚く花京院…。
しかし、youにとっては、彼氏の家にお泊まりのお誘いよりサプライズ度合いが高かったらしい…。
今や隣で煎餅を齧るのも止めて、本気でガッカリしている。
「こ、今度母さんには言っておくから……youがそう言ってたって言ったら喜んで作ると思うし。」
「うわーん、是非ぜひお願いしますー!」
「はぁ…。」
「じゃぁ、しょうがない……折角だから2人で何か作ろうよ。」
「うん、分かった。youは何が食べたい?」
「うーん……わたしは麺がいい。パスタとか饂飩とか蕎麦とか!」
「ああ、じゃぁ折角だし……ちょっと具にこだわったパスタにしようか。」
「はーい!」
「もう少ししたら買い物に行こうか。」
「うん!帰りに家に寄っていい?着替え取ってくる。」
「うん。」
そんなこんなで、近所のスーパーに買い出しに出掛け、帰りにyouの家に寄った。
youが泊まるための荷物を準備する間、花京院は通されたリビングで待つ事になったのだが、
彼女の家族が不在であるにも関わらず何となくそわそわしてしまうのだった。
「おまたせー、行こうか。」
「あ、うん……you、家族に連絡は?」
「ん、今用意してる間に電話しといた。典くん家に泊まるーって。」
「僕の家に泊まるって言ったの?!」
「え?!違うの?!」
「いや、そうだけど!普通は……ああ、もういいや……何か言ってた?」
「久しぶりねーって。」
「うん…そう、なんだけど…。」
「ご迷惑掛けないようにって。」
「うん…。」
「典くんのお母さんによろしくって。」
「もしかして……母さんは今日いないって…言った?」
「言ってないよ。今度ママさんのご飯お呼ばれする時に言っちゃう。」
「グッジョブ。」
「?」
「何でもない、行こうか。」
「うん。」
最後の砦だけは何とか守れたと、ホッと安堵する花京院であった…。
もしも、両親が不在だと言ってしまったのであれば、その場合の彼女の親の反応も気になるところではあるが、
波風は立てない方が得策である…そう人知れず脳内で頷きながら、花京院は玄関へと向かう。
彼女の家とそう離れていない花京院家に戻ってきた時にはもう夕暮れで、
2人はすぐにキッチンで夕飯を作ることとなった。
「パスタ、パスタっ!」
「トマト、クリーム、和風…どれがいい?全部できるよ。」
「えっとね、クリーム!」
「じゃぁ、ソースは僕が作っていい?パスタにはちょっと自信あるんだ。」
「ほんと?じゃぁ、是非お願いします!典明パスタ楽しみ!」
「ハハ、じゃぁyouのために腕によりをかけますか。」
「ふふ…じゃあ、お湯沸かすねー。」
そう言って鍋に水を溜め始めたyouの姿を目にし、花京院はハッと目を見張る。
そしてバタバタとその場を離れたかと思えば、何かを握り締めてキッチンへと戻ってきた…。
「youッ!!」
「な、何?!」
「コレを着るんだ!!」
「こ、これは…。」
「エプロンだよ!!」
「典くんのママさんの?」
「そう。」
「いいの、借りて?」
「いいよ!寧ろ着て!」
「わ、わかった……ていうか典くん目ェ怖い。」
ギラギラした目で鼻息荒くエプロンを押し付けてくる花京院に若干引きながらも、
youは言われた通りにエプロンを身に付け、彼に向き合った。
「っ…かわ……!//」
「典くん、後ろのリボン結んでー?」
「うん…!」
くるりと後ろを向いて「お願い」と呟いたyou。
自分と比べて小さなその背中をじっと見つめ、花京院は腰のリボンを結ぶではなく、
後ろから彼女の身体をぎゅっと抱きしめた。
「の、典くん?」
「やばい……凄く可愛い。」
「エプロン?」
「…を着たyou。」
「えっと…お湯沸かすよ。」
「うん…。」
抱きしめられていると動き辛いため、水を入れた大鍋を火にかけるのも少し怖かったが、
それくらいの動作なら何とか問題なくこなすことができた。
だがしかし、次は食材をカットする作業。
流石に手元が狂って怪我に繋がる恐れがあるため「危ないよ」という彼女の言葉に渋々身体を離す花京院だった。
「どんな感じで切る?適当にいい?」
「ん、代わろうか。」
「じゃぁ、お願いします。」
「まだ冷蔵庫に他の野菜あるから、サラダ作ってくれる?」
「はーい。」
花京院の中では、今回どんなパスタソースにするのか、大方のイメージがあるようだ。
youとまな板の前のポジションを交代し、包丁を握った。
youは広いキッチンの別のスペースを借りて、隣同士でサラダを作り始める。
トントンと小気味良い板の音が鳴り、ふいにyouが視線を向けると
楽しそうに食材をカットする幼馴染の横顔が目に映り、思わず自分も顔が綻んだ。
その視線に気付いて、花京院が隣を見遣ると、そこには自分に優しい笑みを向ける恋人。
「ど、どうしたのyou…僕の顔に何か付いてる?」
「ううん、何も。」
「そ…そう…。」
「ただ…カッコいいなぁーって。」
「ブッ!!」
「典くんきたない!」
「ご、ごめ……ちょっと驚いて…//」
途端に顔を赤くさせ、硬直する花京院にyouはくすくすと笑った。
「でも、そういう反応する時は可愛い。」
「はは…どっちかと言うとカッコいいの方が嬉しいな…。」
「でも、それはいつも思ってるよ?さっきだって……うん…//」
「さっき…?」
ふいっと花京院から顔を逸らし、ほんのり頬を赤く染めるyou。
次いで小首を傾げる花京院に嬉しい呟きが聞こえてきた…。
「…抱きしめられた時、典くんすごく……逞しいなぁって…//」
「っ……や、ば…//」
「何かずっと…ぎゅっとしててもらいたいなって…思ったりした。」
「youッ…!!」
「は、はい?」
突然、小さく呟いていた自分の声と対比した大きな声で名前を呼ばれ、youは肩を振るわせる。
再びyouが花京院に視線を向けるより先に、
ぐっと両腕を掴まれ、そのまま口を塞がれた。勿論花京院の唇で。
「んっ」と鼻で息をするような音をさせながら、2人は目を閉じて深い口付けを交わす…。
「ふぁ…。」
「…you……。」
「典くん…。」
「ああ、もう……ダメだ……もう夜なのに……パスタ作らなきゃなのに…。」
「う、ん…。」
「少しだけ!!」
「?!」
「少しだけ素直になってもいいかな…?」
「ど……どうぞ…?」
「嫌ならホント……ほんとに…聞き流してくれていいから。」
「うん…?」
未だ、両腕は掴まれたまま。
キスを終えた角度のまま。
焦がれるような瞳で、請う様な声色で、紅潮した顔で花京院は言葉を零した。
「・・・youを……抱きた、い……とか…///」
「!!//」
「ごめん…色々順番オカシくて……でも、ちょっとダメだった…。」
「だ、だめって…?」
「youが……可愛くて。」
「っ、…//」
「僕のこと……ちょっとは男として頼りにしてくれてるのかなって思って…嬉しくて。」
「お、思ってるよ、いつも!」
「そう……ありがとう。」
恋熱に駆られ、赤く染まった頬のままで嬉しそうに微笑む花京院。
それがあまりにも自然に「性」を彷彿とさせて、youも気付かないうちにまた、顔を赤く染めていた。
「夜寝る時だって我慢するつもりだったんだけど……ごめん、意志薄弱だ…。」
「典くん…。」
「you…悪いけどお風呂沸かしてきてくれる?多分…離れないとマズい。」
「う…うん………わかった。」
「僕はこのままパスタ作るから。」
「・・・。」
少し辛そうに笑い、調理を再開させる花京院。
youは彼の善意を汲み取り、バスルームへと歩き出した…。
はずだった。
「っわ?!」
「…っ…!!//」
「you、危ない!僕包丁持って…!!」
「置いて、こっち向いて……。」
「あ、うん…。」
後ろから急にドッと抱きつかれ、色々と動揺を隠しきれない花京院が恐る恐る後ろを振り向くと
それに合わせてゆるゆると腰に回していた腕を解き、耳まで赤く染めた愛しい恋人が視界に映った。
どうしたのかと問い掛ける前に、ぎゅっと腕の部分のシャツを握られる。
少し震えているのは羞恥心からか、どうだろうか、花京院には分からない。
「ぇ、と……you…?」
「いいよ……わたし…。」
「え?」
「わたし、典くんならいい。」
「!!」
「典くんが好きだから……いい。」
「そ…それって……つまり、その……//」
「う、ん…//」
「youのこと……抱……えっと…ゴメン!ちょっと率直に言わせて…。」
御互いに腕を掴み合うような体勢を取り、
花京院はスッと深呼吸し、澄んだ瞳を携え、言った。
「youのこと……身体ごと愛していいの?」
「……いいよ…//」
「っ……あり、がと…//」
どちらかというと色恋に鈍感なyouにはきちんと理解してもらう必要があると思ってのことだったが、その懸念は全くの稀有だったようだ。
彼女はちゃんと「YES」と発した。
ほっと安堵し、礼を述べた後、天にも昇るような幸福感に満たされる花京院…。
だが、何故かそれと同時に急に頭に昇った熱が、血が、すっと平静を取り戻す感覚を覚えた。
「でも、やっぱり今はいい。」
「え?!」
「ちゃんと、ご飯食べよう?」
「え…えっと……いいの?典くん……しなくて…。」
「ん?」
「いや……わたしはその…典くんが辛くないなら…いいんだけど…。」
「何か勘違いしてる?」
「ふぇ?」
「しないとは言ってない。今はしないってだけで。」
「・・・。」
「許可もらえたんだから……するに決まってる。」
「の…典くん?」
「ずっと抱きたかったんだから!」
「・・・//」
「ただ、youがいいよって言ってくれたから余裕ができたみたい。」
「えぇ?!」
「まずはご飯、お風呂、歯磨きして…それからにしよう。」
「えっと…え、え?」
「その間中、ドキドキしてるyouのこと、見てたいから。」
「はぁっ?!//」
驚嘆するyouに「勿論僕もドキドキするけど」と笑う花京院。
悪いが全然ドキドキしているようには見えない…寧ろ楽しそうにしている節が見え、youは思わず顔が引き攣った。
「典くん…な、何か…ちょっと意地悪な感じが…。」
「うん。」
「?!」
「あれ、you…知ってたよね、僕がどっちかと言うとSだって。」
「いやいやいや!だって、今までずっと優しくて…ハッ!」
「まぁ、流石にもう分別ある大人だからね……最近はyouが好き過ぎて、誰かに取られるんじゃないかって、あんまり余裕無かったし…。」
「ち、中学の時…。」
「ああ、うん、そう…今ね、そんな感覚。」
「さ…最悪だ…。」
先程の初心な表情は何処へやら…今はニコニコと余裕の笑みを浮かべる花京院。
youは思い出していた…。
その昔、ちょうど思春期の頃…幼馴染ということでずっと一緒にいた2人が少し距離を置いたことがあった頃を…。
所謂「厨二病」が蔓延するその時期、それはちゃんと花京院にも訪れていた。
同じクラスの男子達に幼馴染ということで一緒にいる事をからかわれ、
女とつるんで女々しい、大人しく女性的というレッテルを貼られるのを嫌がった花京院に冷たく突き放されたのだ。
一緒に登下校することはおろか、話し掛けても無視される日々が約一年。
流石のクラスメイト達が絶賛無視期間が半年に及ぶ頃に「そろそろ声を掛けてやれ」と言うのも敢えてスルーし、
ようやく次の学年に上がった頃に「今までごめんね」と声を掛けてきた花京院。
嬉しいやら悔しいやらでわんわん泣いた後に「どうしてこんなことをしたのか?」と問えば、
彼は感慨深そうに言ったのだ…「僕ののことで泣いてるyouが可愛く思えて」と。
その時の笑みと…今のそれは悲しいかな、全く同じであった。
「の…典くん…。」
「ん?」
「意地悪でも何でもいいけど……ほんとに、無視だけはしないで…トラウマだから。」
「う…それは本当にごめん……。」
「態とでも…もう典くんにとっての透明人間だけはいやだよ…。」
「うん……分かってる。てか……無視なんてできない…ずっとyouに触れていたいくらいなんだから。」
「典くん…//」
「you…。」
腕を引いて、ぎゅっとyouの身体を抱き寄せた。
「今は平気だけど、でもきっと余裕無くなる……。」
「え…?」
「youとセックスする時。」
「それは……わたしも…//」
「ちょっと怖いな。」
「うん。」
「youのこと……幸せにできればいいんだけど…。」
「典くん…。」
「えっと、あ、その時だけじゃないよ?!普段もね?」
「わたし、典くんがそう考えてくれてるって分かるだけで、幸せよ。」
「you……ああ、もう!//」
最終的に、相も変わらず自分好みドストライクの言葉を放つ幼馴染に、
花京院は「大好きだ!」ときつく抱きしめるほか無いのだ。
二重に素直になりましたが
何か問題でも?
花京院
(どう?パスタ…美味しかった?)
you
(すっごく美味しかった!典くんいいお嫁さんになれるよ…!)
花京院
(いや、嫁ではないから…。)
you
(婿?)
花京院
(うん、youのね。)
you
(あはは……今気付いたけど、それこそ何か新婚みたいだね。)
花京院
(え…僕、料理してる時からずっと思ってたけど…。)
you
(え。)
花京院
(・・・・。)
you
(えーと……何かごめん?)
花京院
(…新婚といえば裸エプロンに一緒にお風呂、パジャマ脱いだらベビードールだと思わない、you?)
you
(わたし食器片付けるね!!)
words from:yu-a
title by:Fortune Fate様
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