run! rabbit run! (承太郎)
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これは確信。
心に決めた人
送信者:空条 承太郎
件名:no title
本文
人狩いこうぜ。
マナーモードで音の聞き分けができなかったが、
メッセージが届き、youは携帯を開く。
送信者は空条承太郎。
彼は今のところ所謂ガラケーなるものスマートフォンに変える気は無いらしく、
youにメッセージを送ってくる時はメール機能を使っている。
不便にも思えるが、彼にとっては「電話とメールさえできれば十分」なのだそうだ。
スマートフォンの多機能を勧める花京院をその言葉で一蹴していた時、承太郎らしいと彼に言わしめ、
また、youも同じ感想を抱いたことは記憶に新しい。
「(ゲームの誘い…次は空きなのかな?ていうか誤変換凄いな!怖いよ承太郎くん!)」
そう、あの日、花京院と一緒に空条家に泊まりにいって以来、
元々仲間だった花京院だけでなく承太郎からもゲームのお誘いがくるようになったのだ。
講義中ではあったが、教室の広さと受講生の数は一人ひとりを目立たなくさせるには十分な環境だ。
流石に堂々と机の上に置いての返信はできなかったが、俯いて機器を操作するのはそう難しくなかった。
慣れた手つきでメールを起動させ、承太郎へ返信を行うyou。
宛先:空条 承太郎
件名:人は狩っちゃダメだよ
本文
いつやりますか?
承太郎くん、次は空きなの?
トン、と送信のボタンをタップし、メッセージを送った。
数分後、その返事が返ってきた。
授業終了まであと10分。
送信者:空条 承太郎
件名:no title
本文
漢字間違ってた。
次は空き。
youも空きなら食堂か空き教室かで。
オレの今いる教室、次空きだ。
承太郎らしいシンプルな文面。
彼から送られてくるメールには顔文字などはほとんど無く、基本的には改行、読点、句読点のみだ。
分かりやすいのは分かりやすいが、感情が読み取れない部分は難儀するところである。
何気ない遣り取りの一文で怒らせてしまったと勘違いしたこと数多。
宛先:空条 承太郎
件名:no title
本文
じゃぁ、そっちに行くね。
教室教えてください☆
('-'*)ヨロシク♪
そしてちょうど、承太郎が自分の居場所を知らせるメッセージを送ってきたタイミングで、講義終了の鐘が鳴った。
送信者:空条 承太郎
件名:no title
本文 C棟 302
送られてきた居場所を確認し、そう遠くないことが分かって少しだけ嬉しくなるyou。
広い学内では目的の場所が遠ければ移動にも労力と時間が必要なため、今回のように近ければ近いほど有難い。
宛先:空条 承太郎
件名:no title
本文 隣の棟だからすぐ着くと思います。
典明くんも一緒?
そのまま承太郎の元へ向かってもよかったが、確認のメッセージを送っておいた方が丁寧かと思っての送信だった。
何気なく添え付けで送った一文が、これから大問題となろうとは…一体誰が予想できただろうか…。
今までスムーズにメールの返信が送られてきていたが、花京院はいるのかという質問は返ってくることなく、
それがもうすぐ直接会うから送ってこないのだろう、と…安直に考えていたyou。
そうこうしている間にC棟の302教室に到着した。
ドアを開け、中高生の教室程の広さの教室に入ると、広い背中が視界に飛び込んできた。
流石、195cm程の体格となると、大人用の机も椅子も何だか小さく見えてしまい、youは呼びかけることも忘れてまじまじとその光景に見入っていた。
「you?」
「あっ、承太郎くん……ごめん、ぼーっとしてた。」
「とりあえず座れよ。あと、これ。」
後ろ手にドアを閉め、承太郎の元に歩み寄れば少しだけ汗をかいたペットボトルを渡された。
「お前の分。」
「え、このお茶?」
「待ってる間、コーヒー買うついでに買ってきた。」
「ご、ごめんね待たせて!」
「いや、待ってない。近くの自販機だからな。」
「でも…ありがとう。」
「ああ。」
「ちょうど何か買おうかなって思ってたから嬉しい。早速いただきます!」
「そりゃよかった。」
渡されたペットボトルの封を開け、2,3口飲んで「おいしい、ありがとう」と承太郎に感謝するyou。
承太郎はそれに小さく「いや…」と呟いた後、閃いたようにyouに問いかけた。
「あ、そうだ……お前、好きな飲み物何だ?」
「え?」
「飲めないモノとかあるか?」
「特に無いけど……ドリアンサイダーとか…?」
「何だそれくそマズそうだな。」
「うん、あんまり美味しくなかった。それ以外なら大体何でも…。」
「いや、それ普通売ってなくねェか?いや、まぁ……いいか。コーヒーも紅茶も大丈夫か?」
「うん。」
「砂糖とミルクは?」
「入ってた方がより好みかな。」
「分かった。」
「承太郎くんは?やっぱりコーヒー?」
「ああ、俺はブラックだけどな。」
「そういえばいつも何も入れないよね。」
「あと、渋い緑茶とか。」
「凄く似合う。」
「何だ、じじ臭いって言いてェのか?」
「そそそ、そんなんじゃないよ!ほら、承太郎くんの家って純和風だし、何かその…和服とか似合いそうだなって!!」
わたわたと必死でフォローという弁解を入れるyou。
承太郎としては軽い冗談のつもりで反論したのだが、彼女にとっては凄まれたと感じたらしい。
やはり2人だと気を緩められないようで、それに気づいてしまった承太郎が深い溜息を吐いた。
「そういえば……返事返してなかったな。」
「え?」
「最後のヤツ。花京院はいるのか、って。」
「ああ、いないみたいだね。それとも遅れてくるの?」
「花京院がいないと……嫌か?」
「え?」
話題を変えられて安堵したかと思えば、今度は先程の比ではないくらいの緊張がyouに走った。
視線を上げると、穴が空くくらいじっと承太郎に見つめられていたからだ。
「っ…じょ…たろ…くん??」
「俺と2人で会うのは嫌か?」
「そんなことは……ありますんよ…。」
「どっちだよ。」
「(ギャー!相手間違えたー!これ冗談通じない人だったわー!)」
「おい、you。」
「ひっ、は、はい!」
「嫌なのか?」
「嫌…じゃないけど…その…。」
「何だ、理由があるならハッキリ言え。」
「き……緊張します…。」
「・・・。」
「じょ…承太郎くん大っきいし…クールだし……あと、かっこいい…から…。」
「それが…2人だと困る理由、か??」
わけが分からない、とばかりに首を傾げる承太郎。
195cmとはいえ、この反応は少しばかり可愛らしい。
いよいよ俯いて顔を上げなくなったyouの頭上から、はぁ…と何度目かの深い溜息が聞こえた。
「どうしたらいい?お前が2人でいても困らなくなるには、どうすればいい?ああ、もちろん「会わない」選択肢は無しで、だが。」
「・・・。」
「これは俺にはどうにもできん。だからお前が…」
「…と、もい……す。」
「・・・あ?…悪ィ、えっと、何て?」
「もっと……たくさん……承太郎くんとお話しできれば…いいと、思います…//」
「!?」
「もっと、承太郎くんのこと分かったら、理解できたら……そしたら……自然にできるはず・・・だよね?」
「・・・!!」
恐る恐る顔を上げ、ゆっくりと承太郎と視線を合わせたyou。
承太郎を「怖い」と思う気持ちと「素敵」に思う気持ちが入り混じり、
少し潤んだ瞳と「恥ずかしい」と頬を赤らめている彼女の表情は何とも言えず愛らしく、承太郎の胸を射抜いた。
それはもうドギャァアアン!!とかズギュウウウン!と…。
「はうっ!」
「え、じょ、承太郎くん!?」
「お前に……決めた…!」
「ポケモン?」
「違う、お前と言い花京院といい……ちったぁゲーム脳から離れろ。」
「ご、ごめんなさい…。」
「そういうことじゃなくて……今、改めて分かった。」
「何が…?」
小首を傾げるyouの両肩に承太郎が手を伸ばす…。
そのままぐっと掴んで視線を合わせて告げた。
「やっぱり、もうお前しか見えねェわ、俺。」
「え。」
「youが好きだ。」
「?!!」
1度目はお互い「理解不能」の状態だったが、これは2度目なのだ。
ただ一つ、今確かな事。
承太郎の瞳は本気(と書いてマジと読む)、だ。
ご冗談でしょ!!!
words from:yu-a
title by:Fortune Fate様
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