ジョルノ
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珍しいこともあるものだ。
ジョルノが風邪を引くなんて。
処方薬より良く効くくすり
普段から、健康管理には気を配っているようだったし、
食生活も偏りなく、睡眠だってきちんと取っていたはずだ。
「けど、風邪って引くものなんだね。」
「そのようです…。」
ケホ…と、咳き込みながら、ぼーっとした表情でジョルノが声を漏らした。
それを心配そうに見ていたyou。
そっと傍に寄ってジョルノのベッドに腰掛けた。
「大丈夫、つらい?」
「呼吸は問題ありませんが…ゴホ……咽喉(ノド)は完全にやられましたね。」
「無理して喋らない方がいいよ…ゆっくり休んで。」
「ありがとう、そうします。」
「少し待ってて…飲み物作ってくる。」
「あ………は、い……ゲホッ。」
「?」
何か言いたげなジョルノだったが、続く言葉は特にないようで…。
沈黙したため、youはジョルノの部屋を後にした。
数分後、飲み物を作って再び部屋に戻ったyou。
「ジョルノー、入るねー。」
「you…。」
「飲み物作ってきたよ。」
「態々すみません…感謝します。」
「はい、やっぱりノド痛めてる時は蜂蜜でしょ!」
ベッドサイドにあるテーブルにトレイを置き、
ジョルノに作ってきたドリンクを手渡した。
暖められたマグカップから、湯気が漂い、
周囲に紅茶と蜂蜜の心地好い香りが広がる…。
(尤も、ジョルノは風邪で鼻が利かないので分からないのだが)
「いただきます」と小さく呟き、ゆっくりとカップを傾ける…。
「ハニージンジャーティーですか……美味しいです。」
にこりと笑みを浮かべ、youに「ありがとうございます」と感謝の言葉を伝える。
普段なら普通に流すのだろうが、風邪で弱っているジョルノが何となく儚げで、
youはぎゅっと胸を締め付けられる気分だった。
「…風邪、早く良くなるといいね。」
「そうですね……ゴホッ。」
「病院とか…行かなくて平気?」
「ただの風邪です……大丈夫でしょう。」
「でも、病院で処方薬をもらった方がすぐ治るかもしれないよ?」
「ふふ…。」
「な、何で笑うの?」
真面目に会話を続けていたはずなのに、何故かどうしてジョルノが突然笑い出すので、
youは頭に疑問符をいくつも浮かべ、首を傾げた。
そんな彼女の姿に、一層笑みを深め、彼は口を開く…。
「いや、かわいいな、と思って。」
「はい?」
「うれしくって。だから、病院は行かないんです。」
「じょ、ジョルノ…?」
風邪の熱で頭でも沸いたのだろうか…と。
風邪引いて苦しくて、咽喉を痛めて辛いはずなのに、彼はそれを嬉しいと言う。
「やっぱり今すぐ病院へ!!」
「ごほっ……失礼ですね。」
軽くムッとした表情でツッコミを入れられ、更に戸惑うyou。
「僕が言っているのは、キミが可愛いということですよ、you。」
「ま、ますます分からない。」
「本当に…かわいい人ですね。」
ジョルノはクスクスと笑い、ベッドに腰掛けて、不思議そうな顔で自分を見つめてくる恋人の頬に手を伸ばした。
「キミが心配してくれるのが嬉しいんです。甲斐甲斐しく世話を焼いてくれることが…。」
「ジョルノ…!」
「もちろんいつも可愛いと思っていますが、こういう時は格別です。多少身体が辛いくらい、全然甘んじて受け入れられます。」
ジョルの自身は紙の上では日本人だが、イタリア育ちが彼を形成するベースになっているため、
趣向、習慣もほぼイタリア人なのだろう……本人は無自覚だろうが、そのルックスでその台詞の数々は卑怯というものだと…youは切に思うのだった。
そんなワケで、ジョルノ以上に顔を赤くしたyouだったが、
更に追い討ちをかけるようにジョルノの言葉は続く…。
「コホ……強いて言うなら…病院で処方薬をもらうより、この家でyouが傍にいてくれる方がずっとずっと効きますよ。」
「・・・っ//」
「なので…僕は病院へは行きません。」
「もう…。」
「youが治してくれますから。」
「あー…えっと、ジョルノさん…ジョルノさん…。」
「はい。」
そーっと右手を挙げ、苦笑を浮かべながらジョルノを見るyou…。
かの人はというと、綺麗に笑みを浮かべ「なんでしょうか?」と尋ね返してくる。
「百歩譲って、わたしの看病でジョルノが復帰できたとします。」
「はい。」
「その時、ウイルス、わたしに移ってる可能性、非常に高くないですか?」
「非常に高いですね。」
ジョルノはにっこりと、笑顔でそう答えた。
ガクッと首を下に折り、youはワナワナと震えながら反論する。
「っ……素早く薬で治した方が…お互いのためでは?」
「いやです。」
「じょ…」
「いやです。」
「ル」
「いやです。病院は行きません……ケホケホ。」
「ジョルノーっ!いつからそんなワガママっ子に?!」
「ゴホ……あはは、やだなぁ、きっと風邪の所為ですよ。」
「はぁ…もういい…わたしが健康管理に気をつかえばいい、そういうことよね。」
溜息混じりに諦めの言葉を吐くyouに、ジョルノの明るい声が届く。
「大丈夫ですよ、youが風邪を引いたら今度は僕が甲斐甲斐しく面倒を看ますから。」
「そんな面倒を掛けさせたくないから、風邪を引きたくないと言ってるの。ジョルノ、色々忙しいでしょ。」
「you…!」
じーんと、感激したような表情を向けられたかと思えば、
一瞬のうちにyouの体はジョルノに抱きしめられていた。
「ちょ、ちょっと、ジョルノ!?//」
「あぁ、もう本当にキミって人は……!」
すりすりと頬を寄せられ、目一杯愛情表現される。
次いで、勢い良く体を離されたかと思えば、
これでもかというほど真面目な顔でとんでもない事を言われた…。
「そうなった時もyouを放っておくワケないじゃないですか!本部もアジトも現場も一緒に連れて行って看病しますから!」
「病院に行かせてくださいジョルノ様。」
「いやです!」
断固拒否とばかりに強い口調で却下されたのだが、
その後、何故かジョルノの顔は眉間に眉を寄せて不安そうな表情を創り上げた。
風邪で弱っているからなのか分からないが、
それはいつも強気な彼らしくない言葉と表情で…。
「僕だってyouにとっての処方薬以上の価値のある男になりたいです。」
その意外な光景にyouは何度も瞬きを繰り広げた。
そして…。
「あー、もう…っ//」
「?」
「ジョルノは処方薬なんかよりずっと価値あります!」
「・・・ごほ。」
ぎゅっとジョルノの手を握り、you自身も真摯に受け答えた。
その姿に偽りは無いと感じ取ってくれたのだろう…。
ジョルノは眉間の皺を解き、嬉しそうに目を細めた。
「ありがとうございます、you。」
「はい、じゃぁ、もうこのハナシはおしまい!ほら、早く休む!//」
急に照れくさくなったのか、youは無理矢理ジョルノの身体をベッドに押し戻す。
それに対しては特に反抗する事はなく、ジョルノも大人しく布団を被った。
「あの…you…。」
「まだ何か?」
「大人しく寝ますから……手を繋いでほしいです。」
「・・・はいはい。」
急に年相応の雰囲気になったジョルノを意外そうにガン見した後、
彼らしくはないが、それはそれで可愛いと思ったのだろう…。
youはふっと笑みを浮かべてジョルノの伸ばした手を取った。
「おやすみなさい、ジョルノ。」
「おやすみなさい、you。」
そう言って目を閉じたジョルノの額にそっとキスでも落とそうかと…。
考えて、また照れくさくなるyouなのであった。
傍にいるだけで
効き目は絶大
ジョルノ
(何故、何故なんです、どうして風邪移ってないんですか!?)
you
(え…何でって…何ででしょうね。)
ジョルノ
(熱で弱ったyouを見たか……看病したかったのに。)
you
(今、見たかったって…。)
ジョルノ
(なのにどうして!ずっとあんなに傍にいたのに!)
you
(やっぱし、健康管理じゃない?)
ジョルノ
(チッ……。)
you
(今、舌打ち……。)
ジョルノ
(やはりあの時、無理矢理舌捻じ込んでキスしておくべきでした。)
you
(!!!??)
ジョルノ
(弱って押し倒す力が無かったとはいえ…大変惜しい事をしました。)
you
(お願いだからもう黙ろうか、ジョルノ。)
words from:yu-a
title by:Fortune Fate様
あなたの言葉が好きでした
素敵なお題をありがとうございました
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