石田三成
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もう一度出会うことができたなら
もう二度とその手を離さない
the our story
あれはいつだったか、確か明治の初め頃。
私はこの世で最も尊い存在であった秀吉様と半兵衛様にお会いすることが出来た。
あの、忌まわしき戦国の世とは違い、一生涯お遣えすることができた…。
あの時代はそう、私の至福の時間だった。
秀吉様には過去のご記憶は無かったが、半兵衛様にはあった。
そんな半兵衛様から言われたのは、youのことであった。
you。
戦国の世に生を得ていた頃、半兵衛様にお仕えしていた女。
今尚私が探し続けている、唯一の人間。
半兵衛様と秀吉様がいなくなられても私が自らを殺すことが無かったのは、
偏に家康への復讐心と、私を支える刑部とyouの存在があったからだ。
「三成君…次はyouにも、会えるといいね。」
最期の時、半兵衛様は私にそう言った。
その時、秀吉様や半兵衛様にも出会えた私は、次の世ではきっとyouにも会えると思っていた。
しかし、十になり二十になってもyouに出会うことは無かった。
この時代にはきっとyouはいないのだろう…。
そう思い、この時代でyouを探すことを諦めかけた時だった。
「ミョウジyouと申します…至らないところが多々あるかと思いますが、何卒ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします!」
彼女は現代で私の務める会社の新入社員として入ってきた。
「石田三成だ。」
「ミョウジyouです、本日からよろしくお願いします、石田先輩!」
そして暫くの間、私の元で研修を行うことになった。
つまりは過去の話を聞く絶好の機会というわけだ。
果たしてyouは…私の事を覚えているのだろうか…。
入社して数週間が経った・・・。
人付き合いがあまり得意ではない私にとって、youと普通に話ができるようになるのはかなりの時間を要したが
それでも最近やっと昔の…あの頃のように気負いせず話すことができるようになってきた。
youは昔と変わらずよく笑い、そして優しい女だった。
私が好いていたあの頃と同じだ。
ある時ふいに話題が最近流行り(?)のスピリチュアルなものになった時…。
これは好機と、私はyouに話題を振った。
「前世・・・ですか?」
「ああ…お前は信じるか、そういうものを。」
「うーん……先輩は?」
「私は………信じる。」
「えー!意外です!そういう信憑性の無いもの、てっきり興味ないかと思ってました!」
「・・・自分でもそう思う。」
「もしかして、前世の記憶とかあったりするとか?!」
「・・・ある。」
「え。」
「と、言ったら?」
じっと逸らすことなくyouを見つめ、問いかける。
彼女は驚いているのか、何度も何度も瞬きをしてから答えた。
「えっと……聞いてみたい、かな。」
「そうか…。」
「・・・先輩?」
「では、それらしい話をしてやろう。」
「あはは、それらしいって…何ですかそれ。」
「それらしいは、それらしい…だ。真か偽かはお前の判断に任せる。」
「えー!?」
「それほどに精巧な作りの話だと思うぞ。」
「うわ、ちょっと楽しみ!」
早く教えてください、とyouに催促され、私は口を開いた…。
・
・
・
・
時は戦国
数多の権力者が日の本各地に国を乱立させていた群雄割拠の時代に、その男は在った。
この世で最も敬愛する存在である豊臣秀吉、そしてその右腕である竹中半兵衛の元
命短くも最期まで意思強く在った男がいた。
名を石田三成と云う。
彼には大谷吉継という無二の友がいた。
そして、もう一人…。
竹中半兵衛の元で軍略を教わっているyou、という一人の女。
三成にとって、彼等が自分を取り巻く全てであり、失うことのできない数少ない絆であった。
しかし、ある日突然にその絆はいとも簡単に綻びを見せる。
以前からずっと病を患っていた竹中半兵衛がこの世を去り、豊臣政権が揺らいだ。
彼を師と仰ぎ、その軍略を学んでいたyouは深く嘆き、悲しみ、
三成は自分も泣きたいのを堪え、ずっと彼女を支え続けた。
三成がずっと傍にいて慰め続けた甲斐あって、何とかyouが己を取り戻し
これからは半兵衛の代わりに豊臣を軍略で支えると微笑んだのも束の間…。
次に絆は決定的な程に解かれていった。
豊臣の傘下に入っていた徳川が裏切り、秀吉を手に掛けたのだ。
それ以来、怒り狂った三成はただただ盲目的に徳川を殺すことだけを生きる目的とし、
大谷やyouの言う助言や意見にも耳を貸さなくなった。
大谷は三成のすることにただ頷き、彼のしたいように膳立てする。
しかし、youはそれをいつもよく思ってはおらず、
誰も三成に対して意見をしなくなってからも、彼女だけは三成に自分の意見を訴え続けた。
三成はそれを疎ましく思いながら、反発し、来る天下分け目の関ヶ原の戦いへと向かっていき、
終に最後の最期まで彼女の意見に耳を貸すことは無かった。
それもそのはずだったと、確かに言える。
なぜなら、彼女はずっと戦を止めることはできないのかと三成に懇願していたのだから。
数で圧倒的に不利な西軍は、戦を起こしたところで徳川率いる東軍の数には到底敵わないだろう。
それならば、徳川に下ることにはなるが人々の無為の死を防ぐことができる道を選べと。
秀吉の仇を取りたい気持ちは痛いほど分かるが、守らなければならないのは忠義だけでいいのか、
「豊臣」が生き残ることが大事なのではないのかと…それをずっと訴えかけてきたのだ。
しかし、それは遂に叶わず…。
youは三成と共に関ヶ原へと赴くこととなった…。
そして、今まさに出陣しようとする三成をyouが引きとめる…。
「三成さま…ううん、三成……お願い、今ならまだ間に合う……戦は止まれる。ここで止まれば徳川殿もきっと…。」
「きっと、何だ……貴様は今更何を言っている、you…?」
「わたしはずっと言ってた!たとえ徳川に下ろうと、秀吉さまや半兵衛さまが守りたかった「豊臣」を残すことが一番大事だと思うと!」
「秀吉様在っての豊臣なのだ!!私は…私はそれを全て奪った家康が憎い……憎くて憎くてたまらない!!」
「そんなの自分勝手過ぎる!」
「あの男が秀吉様を殺さなければ、豊臣は豊臣でいられた!私の心も平穏だったッツ!」
「三成…。」
「それを何だ、あの男は…人の絆を奪いながら己が絆を説く……そんな矛盾があるか?そんな男に秀吉様の国は渡さない!」
「それでもわたしは……戦を止める事を勧めます。」
「貴様ッ、you…!!」
「だってわたしは、三成と……三成、に……。」
「その程度か…。」
「え…。」
「所詮貴様もその程度か。」
「三成…?」
「豊臣への貢献は!秀吉様への忠義は!半兵衛様への恩義は、その程度だったのかと言っている!!」
「な…、何言ってるの?そんなはずない!」
「お前だけはと……信じていたのに!」
三成にキッと鋭い視線で射抜かれ、言葉を噤めば、追い討ちを掛けるように彼は言った。
「貴様は半兵衛様の御遺志を継いだのではなかったのか!」
「半兵衛さま教えはちゃんとわたしの中に在ります!」
「ならば何故憎むべき対象を許す!?何故大罪を犯した家康にこちらが許しを請う必要があるのだ!そんな無様な生き方を学ぶために貴様は半兵衛様の元にいたというのか?!」
「違います!半兵衛さまはいつだって秀吉さまと…秀吉さまがここまで育ててきた「豊臣」を愛しておられた!だからわたしは、何よりも彼らが愛したこの「豊臣」を守りたいの!」
「話にならんな……そんな欺瞞で私が納得するとでも思っているのか?」
「三成…どうして?総大将になって変わってしまった。」
「私はいつだって私のままだ。だから私は家康を殺す。」
ぎゅう…と、指先が鬱血するほど強く拳を握り、そう宣言した三成。
youは呟くように言葉を漏らした…。
「三成は…いつだって優しかったのに。」
「私が…優しい?」
「わたしの恩人であり師でもある半兵衛さまが亡くなられて、三成はずっとわたしを支えてくれた。」
「・・・・。」
「三成にとってはそれはわたしを想ってのことでなく、ただ次に秀吉さまを支える軍師だから、そうしたの?」
「・・・・・。」
「わたしが半兵衛さまの死を乗り越えられたのは、三成のお陰なのに……わたしは、半兵衛さまの代わりに必死で秀吉さまを支えようとする三成を支えたいと想った。だからわたしは今、此処に居るのに……。」
「だとすれば……だとすれば尚の事、総大将である私の言う事に逆らうな…ッツ!」
「…!!」
「半兵衛様ならば秀吉様の言われることを絶対だと言われる!貴様もそうすればいい!嗚呼本当にそうだ!ここにいるのが貴様でなく半兵衛様ならばよかった!」
「っ…!!半兵衛さまは間違っていると感じたことは全て秀吉さまにお話していた!わたしはいつも半兵衛さまが大好きで、傍にいたから分かるもの!!」
「!!」
「させたいように膳立てするだけじゃ、世の中は動かないのよ!」
「黙れ!黙れ黙れッツ!!そんなに半兵衛様を尊(たっと)ぶなら貴様も共に死すればよかっただろう!!そんな腑抜けた貴様の軍略など最早私には不要だッツ!!」
「!!」
「…っ!」
今の自分の状況を模したような言葉を的確に放たれ、三成は癇癪を起こした…。
飛び出した言葉は収集することなど不可能で、ただ誰よりも三成を想うyouの心を射抜く…。
それ以降の反論は無かったものの、youは何も言わずに涙を流していた…。
言ってしまった言葉に自責を感じながらも、取り繕う術を持たない三成はただそれを見て苦しそうな顔を浮かべるだけ…。
「…家康には渡さん。」
最後にそう一言残し、三成は陣を出た。
・
・
・
・
関ヶ原での戦いはわずか一夜にして決着が就いた。
その結果は家康率いる東軍の勝利。
西軍に属していた小早川軍がその最中に裏切り、東軍に付いたことは大きな痛手だったと後世の人々は語る。
彼が裏切りを起こしたこととで、兵の数で目に見えて劣っていた西軍に勝利の兆しが無くなると、
その後を追うように他の武将達が次々と東軍に寝返ったのだ。
小早川の裏切りを早くから予想していた大谷だったが、それに誘発される武将が予想以上に多かった。
遂に彼は追い詰められた末、自ら命を絶った…。
その知らせは三成に大きな衝撃を与え、大きな柱であった大谷吉継を失った西軍は最終的に大敗を喫した。
秀吉の仇を取れず、大事な友を失った上に三成を待っていたのは更なる悲劇だった…。
戦が終結し、三成は傷付きながらも何とか自軍の陣へと戻ってきた。
「三成様!ご無事でございましたか!」
「・・・。」
「はっ!腕から血が!誰か、早く医師を!!」
「騒ぐな…掠っただけだ…。」
「しかし三成様!」
「いい、それより早くこの地を撤退するよう、残った者に伝えろ。」
「はっ!!」
「それから……youはどこだ…。」
「you様ですか?you様は布陣の図がある場にずっと篭られて…誰も入るなと。」
「誰も入れるな…だと?」
「は、はい…!」
「……まさか。」
一抹の不安が過り、三成は駆け足でyouの元へと赴いた。
布で囲われた布陣の図がある間の暖簾を勢い良く捲くれば、倒れているyouの姿が飛び込んでくる。
驚嘆して目を大きく広げ、youの身体を抱き上げると、
三成の手にドロリと生暖かい赤色が纏わり付いた…。
その紅が血液だと気付き、身体を見る三成…。
それは未だ彼女の腹からドクドクと流れ出しており、少し離れた場所に彼女がいつも持っていた護刀が投げ出されていた。
いつだったか遠い昔、半兵衛に貰ったと喜んでいた護刀…。
「youッ!!しっかりしろ!!」
揺さぶって声を荒げても返事は無く、脈は止まって動かない…。
三成は既に彼女は事切れていることを知った。
「何故…何故こんなことを!何故、自刃など!!?」
尋ねても返事は無く、ただyouの血が三成の真白な陣羽織を紅く染め上げていく。
三成の大声は外まで聞こえていたらしい、バタバタと兵達が中に入り
その惨劇に皆一様に目を大きく見開いた…。
「you様ッツ!!?」
「三成様、you様は何故このような!?」
「こ…これは…!三成様…これを!!」
部下の一人が布陣を広げた机から一枚の紙を広げて三成に差し出す…。
震える手で掴めば一部分、墨の黒と血の紅が混じった…。
三成さまへ
大事なる戦の最中、わたしの身勝手をどうかお許しください
これを三成さまがその手に取って読んでくださっているのであれば、西軍は勝ったのでしょうか
天下が取れたのならわたくしは不要…もう戦などしなくてもいいのですから
どうか死んでいった者達のため、裏切りの無い誰も悲しまない平安の世を築いてください
さて、もし仮に、西軍が負けたこととあっても、わたしは此の場に居りは出来ません
このまま傍に居ても三成さまの役に立てないと…
三成さまが判断したのなら、そこでわたしの生きる意味は潰えてしまった
貴方がわたしを支えてくれたように
わたしも貴方を支えたかった
それも叶わぬことならば、貴方の傍に居れないならば
わたしは此の関ヶ原にて眠る外、道は無いので御座います
それでは、然様ならでございます、三成様
貴方がどうかこれ以上に苦しむことがありませんように…
ずっとずっと、幼き頃から三成さまをお慕い申し上げておりました
you
ぱたぱたと、透明な雫が地面に落ちる。
自分は泣いているのだと気付いた瞬間にはもう、ただ三成は「嗚呼呼」と叫んでいた。
嗚
呼
呼
「(まだ、あたたかい…)」
呼
呼
「(私が、殺した)」
呼
呼
「(この世で一番護りたかった存在を)」
呼
呼
嗚呼、と…ただその一文字だけを口から放ち、三成は泣き崩れた。
幼い頃からずっと共に在り、武将と軍師補佐という立場は違えど
言わずも、確認せずも、その心は一番互いが理解できていると思っていた。
だからずっと、たとえ負け戦で死す事になろうとも共に在るのだと思っていた。
それがいつの間にか、違っていただけのこと。
そしてそれを違えたのは、他の誰でもない…自分の所為だということに三成がようやく気付いただけのこと。
それが石田三成にとっての全ての終焉だっただけの話。
関ヶ原の終結によって、家康率いる東軍の勝利の知らせが日の本中を駆け巡る…。
三成は戦場で命こそ取り留めたものの、全ての支えであった大谷とyouを失ったことで
この世の生への執着を完全に手放してしまっていた。
部下や西軍に留まった武将達が何とか背中を押して彼を逃がすものの、
終にその身は東軍の追捕隊に捕縛され、家康の元へと護送されることとなった。
「三成…。」
「秀吉様…私はまた、貴方にお会いできるのが楽しみです。」
「・・・。」
「刑部……また、茶会を開こう…。」
「・・・。」
「半兵衛様…私はずっと…貴方が羨ましかった。」
「・・・?」
「秀吉様の右腕で…冷静で、お優しく、聡明で……youに、好かれていて…。」
「・・・。」
「私は貴方になりたかった。」
「・・・。」
「でも、最後に、やっと私は…私で在れて良かったと、思えました。」
「・・・。」
「youが……私を好いていると、言ってくれました。」
「・・・ッツ!?」
「知った時には、もう…youはもう、この世には居りませんでしたが…。」
「…みつ、なり…っ!」
「半兵衛様、申し訳御座いません……私は最期に貴方の大事なyouを傷付けてしまいました。」
「・・・!」
「今、謝りに…参ります。」
「っ、く…!」
「you……すまない、私も誰よりお前の事を好いていた。」
「っ…すまないっ、すまない、三成!」
「・・・隣で泣くな鬱陶しい、早く殺れ、貴様の顔など見たくもない、家康。」
「すまない、三成……必ず日の本全土を太平の世に導く…っ!」
筑摩江や
芦間に灯す かがり火と
ともに消えゆく 我が身なりけり
芦の間に燃えている篝火のように、自分の命ももう潰えるのだと…。
ただ、その心境を六条河原で詠い、三成の首は落とされた。
それがこの物語の結末。
・
・
・
・
「すごい……凄いお話ですね!先輩!」
「・・・。」
「you」という名は伏せて、三成は全てを語った。
youは目を輝かせながら、三成に問いかける…。
「逸話…じゃないですよね?確か豊臣秀吉って病で亡くなったって言われてますし。」
「・・・表向きはな。」
「わ、またそんな意味深なこと言う!先輩冗談とか言わないから言葉に信憑性が高過ぎですって!」
「・・・。」
「石田三成の隠れた恋かぁ……凄く切ないお話でした。」
「フルネームで言うと私の事のように思える。」
「あっ、そっか…すいません……えーと…もしかして、先輩の話ですか、これ?」
「さぁな。」
「むむ……でも、逸話じゃないだろうし……そんな女軍師の話は聞いたことないし…。」
「その女は石田三成と同じ、秀吉さ…秀吉の子飼いで半兵衛様に見出され召抱えられた存在。だから苗字が無い。」
「なるほど、それにその時代女性は平等ではないし…それは歴史の波に飲まれちゃいますね。」
「その女は・・・youという。」
「え…。」
目を点にして、首を傾げるyou。
三成の言わんとしている意味が理解できず、ただ頭に疑問符を浮かべている。
正面から顔を覗き込み、三成はyouの頬に手を添えた…。
「すまなかった、you……。」
「え、ちょ…。」
「ずっと…私を支えてくれていたのに、私はそれに甘んじて我を貫いた。」
「みつ…。」
「それが、お前を死に追いやることになろうなど……っ。」
「えと…。」
「戦に勝っても、負けても……お前と共に居られれば、それでよかったのだと……今は思える。」
「・・・ぁ。」
「何故、素直に幼い頃から好いていると言えなかったのか…ずっと後悔していた。」
「は…。」
「youを…愛していた。」
「…っ、は…。」
「今も……お前だけを好いている、ずっと…きっと……これから、何度生まれ変わっても。」
「み…つ、な…っ。」
大粒の涙がアスファルトに零れ落ちる。
丸い円を描いたそれが乾くまで待つことは要らなかった。
「みつなり」と搾り出すようにか細い声で名前を呼び、youは三成の首に腕を伸ばす…。
「…今度はちゃんと…あたたかい。」
「う、ん…。」
「すまなかった。」
「いいの……たとえ忘れたままでも……わたしはきっと同じことを繰り返すから。」
「繰り返す…?」
「辛くても、痛くても…何度でも、三成に恋をする……きっと、絶対。」
「微笑え、you……。」
「へ…?」
「もう、辛くなどさせん。」
「っ…ふ。」
「ずっと隣で微笑っていろ。」
くしゃりと泣き笑いのyouの顔を映したのだが、すぐにその顔はぐにゃりと歪んだ。
三成が嗚呼、自分は泣いているのだと気付いた時、何故か不意に笑みが零れる…。
嬉しくて、嬉しくて、2人は泣きながら、笑って…。
引き寄せられるように、ただその額をぴたりとあわせた。
やっと見つけた
私の居場所
家康
(忠勝…三成の顔を見たか?)
忠勝
(・・・。)
家康
(…微笑ってた。)
忠勝
(・・・。)
家康
(秀吉公や竹中殿…そして、you殿に、会いに行ったんだろうな。)
忠勝
(・・・・。)
家康
(うん…うん、決めたぞ忠勝!)
忠勝
(・・・?)
家康
(ワシは必ず、百年も二百年も続くような太平の世を築く!)
忠勝
(・・・!)
家康
(そうすれば、次に三成とyou殿が生まれてきた時…今度こそ2人は幸せになれるだろう?)
忠勝
(・・・。)
家康
(ワシは三成の全てを奪ったのだから、その全てをいつかの今度に全部、返したいんだ。)
忠勝
(・・・・。)
家康
(なぁ、三成…。)
オワリニ
物凄く、わたしこれ好きかも。
自分で言うのはアレですが、今回は元ネタがありますので
それが言えちゃいます(笑)
鶫さんリクエスト
■戦国BASARAの石田三成
■いつものふんわり系
■転生(戦国→現代)
■シリアス・甘
■内容
三成は記憶があり、ヒロインに無し(最後は思い出す)
ヒロインは豊臣の軍師で半兵衛の弟子
三成は戦国時代の時にヒロインを深く傷付け、後悔している(傷付けた内容はお任せ)
戦国も現代も両思い
戦国は悲恋な感じで現代で結ばれる
メッセージを受け取った時に、
傷付けた内容が決まらないことには、書き出せないなぁ…とか思っていましたが
意外とすんなりアイディアが浮かびました!
自分の軽いメモとしては
半兵衛様程の力量は無いかもしれないけど、三成のために全力を尽くしてきたという意味合いの言葉。
しかし三成は頭に血が昇ってヒロインを罵倒。
「ここにいるのが貴様でなく半兵衛様ならばよかった」とか
「そんなに半兵衛様を尊(たっと)ぶなら共に死すればよかっただろう!」とか。色々。
そのまま陣に残され、ヒロインは自害
(置手紙に「三成の事を愛してた」ということと「これで天下が取れたのなら私は不要」ということ
「取れなくて、このまま傍に居ても役に立てないと三成が判断したのなら私の生きる意味は潰えてしまった」という理由を書く)
西軍は負けて一時陣に帰還した三成はそれを読んで後悔と自責の念に駆られる
というものを取り込み、出来上がりました。
本当は小さい頃にまんじゅうを取られてわだかまりができた…。
というエピソードにしようかと思っていたんですが…。
まんじゅうにしなくて良かったと切実に思っております。
リクエスト通り、とまではいかなかったかもしれませんが…。
読んで、感想などいただければ幸いです。
それでは、10万ヒット企画参加ありがとうございました。
心より感謝いたします。
今後ともTriangleをよろしくお願いいたします。
words from:yu-a
*。゜.*。゜.*。゜.*