天空闘技場編
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「やぁ、お待たせ◆」
「・・・?」
このイケメンのお兄さんは
一体どこのどなたでしょう?
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ゴウカクxノxライン
05:dining together
「you…?」
「え…と……?」
「もしかして、随分待たせてしまった?」
「あの…お兄さんは……………ヒソカさん?」
「うん、そうだよ?」
「ぶっふぁおぉ?!」
「凄まじい驚き方だね◆」
お洒落着で盛大なリアクションを取るyou。
ヒソカはそれを見てくつくつ笑った。
「すっ、すみません!あの…いつもの感じと全然違ったので…その、驚いて…。」
youが驚くのも無理の無い話なのだ。
いつものヒソカはオールバックで髪を後ろに流し、顔に化粧を施している。
右目の下に星の、左目の下に涙のペイントが際立ったポイントだ。
服も一般的なものではなく、よくスートがあしらわれたカラフルな道化衣装を着用している。
それが今はどうだ。
髪は特にセットすることなく前髪を下ろし、高価そうな漆黒のスーツを身に纏っている。
ヒソカ自体はメイクをしてもしなくても整った顔立ちではあるのだが、いつもの姿とあまりにも掛け離れている為、
youは声を掛けられてもすぐには彼だと気付かなかったのである。
ペコペコと何度も謝るyouをくすくす笑って、フォローする。
「別にいいよ♠別人みたいだってよく言われるし♣」
「うう…//」
「あ、youはどっちのボクの方が好み?」
「へっ?!」
「雰囲気とかさ♥」
「んー…わたしは…どちらも「ヒソカさん」であればいいです。」
「!」
「どうしました?」
「あ…いや……ううん、嬉しいな、と思って。」
ありのままの姿が好きだと、女は言う。
ありのままは殺人奇術師の姿だ、それ以外は気持ち悪いと、友は言う。
「(初めて言われたけど…嬉しいものだねェ♥)」
「ヒソカさん?」
「ううん、なんでもないよ…それより…。」
「?」
「髪、巻いてきたんだね…可愛いよ♥」
「あ、ありがとうございます//」
「服も似合ってる♥」
「ありがとうございます…ひ、ヒソカさんも大変す、素敵です…っ!」
「ウン♠ありがと♥……じゃぁ、行こうか◆」
「はっ、はい!//」
ヒソカにエスコートされてやってきたのは闘技場近くにある市内の高級レストラン。
席に着いた途端、youが慌てた様子でヒソカに問いかけてきた。
「ひっ、ヒソカさん!ドレスコード無いなんて…嘘吐きましたね?!」
「クックック……このお店、本当に無いんだよ?でも、普段着だとやっぱり浮いて、それでもキミに怒られると思ったから一応お洒落してね、って言ったのさ♥」
「……!」
「結果オーライ、でしょ♠」
「うう~!!//」
「まぁまぁ、料理は美味しいから、機嫌直してよ◆あっ、ほら、早速来たみたい♥」
膨れっ面のyouを宥めたのは何とも美味しそうな料理たち。
前菜から始まりスープやメインディッシュ…と、料理が常に彼女の表情を笑顔にしていた。
「美味しいかい?」
「はいっ!とっても!//」
「そう…それはよかった★」
「前菜もこのお肉も、全部すっごく美味しいです//」
「うん、キミってすっごく…美味しそう♥」
「え?」
「あっ、ウン、美味しいそうに食べるよね、って♥」
「ええっ?!そ、そうですか?!しまった、そんなに真剣な顔で食べてたのか…恥ずかしい…//」
「クックック…♠」
勿論ヒソカの本心ではyou自身のことを吟味していたわけで、
取り繕った言葉など薄っぺらな建前に過ぎない。
彼女が目を閉じ、舌鼓を打っているうちに何度舌なめずりをしたことか…。
「そういえば、ヒソカさん。」
「ん?」
「昨年の試験では、合格者の説明会にはいらっしゃらなかったですけど…。」
「ああ…去年は落ちたよ、色々あってね◆」
「い、色々ですか…。」
「ウン、でもちゃんと今年受かったから♣」
「そうなんですね!おめでとうございますっ!」
「ありがとう♥」
「あっ、じゃぁどっちかっていうと今日はわたしよりヒソカさんの合格祝いって感じじゃないですか!」
「くくく…そうかもね…でも、そうか…それなら、youはボクの先輩ってことになるんだね★」
「せせせ先輩?!そそそんな!恐れ多いッツ//」
「そんなに焦ることないのに……可愛いなぁ、ボクのセンパイは♥」
「~っ!ひ、ヒソカさんっ!//」
「ぷ…くく…っ、ああ~……ゴメンね、youって何か、ついイジメたくなっちゃう♥」
「いっ、意地悪禁止っ!//」
「ハイハイ♥」
再び膨れたものの、ヒソカが乾杯の時から絶妙なタイミングでワインを勧めてくるので、
それで何度となく気分は落ち着きを取り戻す。
ただ、その副作用として、デザートを食べ終わった時には壮絶な眠気に襲われることとなっていた。
「ヒソカさん…やばいです…。」
「ん?どうしたの?」
「すごく眠いです!」
「うん、見れば分かる◆」
席を立つや否や、そう宣言したyouの目はほぼ閉じかけている…。
最後のデザートを食べている時の会話などは凄まじくカオス状態で、
最早何の会話をしているのか分からなかった程だ。
よくここまで持った方だろう…。
(余談だが、その会話にヒソカは腹を抱えて笑いを堪えていた。)
「(だって試合についての会話で突然「Bダッシュしたままジャンプするんです」とか言い出すし…ああ、思い出しただけでもう…♣)ブプーッ//」
「むぅ?」
「あぁ、ごめんよ…行こうか♠」
「ふぁぃ…。」
覚束無い…というまではないが、少々不安なためヒソカはyouの手を引いて歩き出す。
会計場所までくると、少し緊張が戻ったのか慌てた様子で「自分も払う」と言い出した。
「いいよ、youのハンター試験合格祝いだから♥」
「いや、それを言うならヒソカさんでしょう…。」
「んー…じゃぁ200階クラス1勝のお祝い?」
「あ、相手棄権なんですけどっ?!」
「でも1勝は1勝だよ、ハイ、おめでとう~♥」
「ありがとうございますー!……って、ちょっと!」
「もうカード切っちゃった★」
「ヒソカさんっ!!」
「さ、行くよ◆」
youの背中に手を添え、レストランを後にする。
帰り道、何度か支払いの意思を伝えたが取り合ってはもらえなかった。
「わたし、ヒソカさんにいただいてばかりで…申し訳ないです…。」
「そう?ボク何かあげたっけ?」
「トランプ…。」
「そんな…紙切れ1枚とご飯で…大袈裟な◆」
「わたしにとっては大袈裟じゃないのです!あれはあの日からわたしのお守りになってくれたんですから。」
「キミって……。」
「?」
「ううん、何でもない♣」
自分とは真逆の生き物のようだと、心底思った。
別段言うべきことでもなかったので、ヒソカはそれは口にはしなかったが、
此処に居るのが不自然なその存在が今自分の隣に在るのだということを確かめるように、
未だ握られている手にそっと力を込めた…。
「ヒソカさん……わたし、何かヒソカさんにお返ししたいです…。」
「それくらいで…本当に気にしなくていいよ◆」
「今度何か奢らせてください…ホント。」
「クックッ……それなら他のものがいいなぁ♠」
「え、何ですか?!」
「キス、とか♥」
「な、何を言っていらっしゃいますかっ?!//」
「え、だからさ……。」
その瞬間、ぐいっとyouの腕を引っ張りメインストリートから路地裏へと引き込んだ。
薄暗い街頭の下、眠気でフラフラしているyouの身体を抱き寄せ、密着させる…。
「キス、してほしいな♥」
「ゃ…ぁの!それはその、ちょっと…ム、り…//」
「え~…。」
「いや、えーって言われてもですね…//」
「残念◆じゃぁ、分かったよ……you、上向いて?」
「?」
「うん、そうそう……じゃぁ、口直しに美味しいものあげるから口開けてごらん?」
「えっ!ありがとうございますっ!あーー……んふぁっ?!!//」
「美味しいもの」というのは全くの嘘で…(否、人によっては嘘でもなくなるのだが)、
口の中に入れられたのはヒソカの舌。
恐らくは我慢の限界を超えたのだろう…。
「キスしたい」という衝動を抑えられず、断りを享受したように見せ掛けての不意打ちだった。
「ふぁ…//」
「ん…♥」
逃げられないように両頬にがっちり手を沿え、角度を変えて何度も深く口付けるヒソカ。
慣れていない所為もあるのか、youは酸素が足りず顔を歪ませる…。
だが、その苦しそうに涙を浮かべている表情さえも彼にとっては感情の起爆剤にしかならないようだ。
「っは…ぁ…//」
「(ああ…どうしよう……止まらなくなっちゃう…♥)」
「っ…!」
「!!」
ハッとして唇を離せば、とろりと…まるで蜂蜜のように2人の口から唾液が伝う。
youが呼吸困難になる寸でのところでキスを止めることができたらしい…。
らしいが、彼女の意識は既に無く…ふらりとヒソカの胸の中に倒れこんできた。
「やっちゃった…◆」
「はぁ…っ…//」
「御馳走様you……キミ、ご飯より美味しかったかも♥」
くったりと寄り掛かるyouの髪をよしよしと撫でた後、ヒソカはその身体を抱え上げた。
「眠り姫はボクのお部屋にお泊り決定だね♥」
それはそれは嬉しそうに、笑うのだった。
words from:yu-a
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