番外編
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!attention!
モブとしてオリジナルの男性キャラが出ます。
「you、だよな?」
「え?」
不意打ちで声を掛けられた相手は…
Passing mark
ゴウカクxノxライン
Jealousy, Then Selfishness.
番外編
「ほら、やっぱりyouだ!久しぶりだな~…あ、オレのこと覚えてるか?!オレだよ、オレ!ハンター試験の同期!」
「あ!ハヤテくん?!」
「そう!」
明るく声を掛けられた相手は、まさかのハンター試験を受験した時の同期であった。
グループワークのような試験で数人で協力して合格を目指した時に同じ班になった一人で、
関わった時間はそこまで長くはなかったが、良い関係性を築けた相手…。
同じ班の中で合格した者が2人だけだったため、それもよりお互いを印象付けていた。
「久しぶり!本当に、試験以来だね!」
「まさかお前が天空闘技場にいるなんてな……念の修行、だよな?」
「うん、まさに!」
「じゃ、一緒だ。オレも念の修行。今どこまで覚えた?オレは応用技から必殺技に転化させたくて、つい今しがたここ(200階クラス)にきたトコ。」
「わたしも同じようなものかな。」
「そっか、いや~…知り合いがいて安心した!しかも試験の同期!」
「でも、ココではもしかしたら戦うことになるかもだよ~?」
「そっか、あの時だけは仲間だったけど、ココではそうかもしれないよな……ま、そうなった時はよろしくな!」
「こちらこそ!」
「あ、そうだ、連絡先を交換してもらってもいいか?来たばっかりだから右も左も分からないつーか…。」
「いいよ、戦わない方がいい人とか、コテンパンにノしてほしい人もいるしね!!」
「し、施設の話じゃなくて、闘技場選手のハナシかよ……んでも、そういう情報もスゲー助かる!」
「はい、これわたしの情報。」
「さんきゅ。」
携帯を取り出し、お互いの情報を交換する2人…。
その日以降、youはハヤテに天空闘技場の施設案内や周辺の役立つ情報などを提供したりして連絡を取ったり、会って話したりすることも増えていった。
そんなある日…。
「初戦相手が決まったんだ。相手の戦い方とか見ておいた方がいいと思って、試合観戦しようと思うんだけど、you、よかったら一緒に観戦して対策練ってくれない?」
「あ、対戦相手ってサダソさん?それともギドさん?もしかしてリールベルトって人?」
「い、いや……違うけど?あー…もしかして、200階来た時に声掛けてきたあの3人組…?」
「そう!やっぱり…ハヤテくんも声掛けられたんだね…。」
「ああ、でもキッパリ断った。」
「え、それで逃げられたの?!」
「ん?ああ。「初戦の相手はプロハンターであるオレの念の師匠って決まってるんで」って嘘吐いたら秒で退散した。」
「ぐぁっ!何という機転の利かせよう!!ハヤテくん凄い!」
念を覚えたて、もしくは念を知らずに200階入りを果たした新人を相手に勝ち点稼ぎをする輩であると即座に見抜き、
「自分にはバックに念の師匠がいる」と伝えることで、念は習得済みであることと、
自分の念修行を正しく導く指導者が同行していて、それは明らかに君らより格上であると表現することで、
ちょっかいを掛けられるのを回避したというスマートな対処方法。
そうできなかった過去の自分を顧みて「その手があったか!」と悔しそうに嘆くyou。
「そ、だから相手は全然別のヤツだよ。調べても別に悪い評価のない、武闘家タイプの相手だった。」
「そうなんだ。」
「どんな戦い方するのかとか、色々見たくて、付き合ってもらえると有難いんだけど…どう?」
「もちろんいいよ!後で日程教えて?あ、チケ代払うね、いくら?」
「いいよ、オレが誘ったし…寧ろ対策考えてもらわないとだからな!」
「そういうことなら…ありがたく!」
「おう!日程は後で携帯に送っておく。じゃあ、当日はその時間に合わせて部屋まで迎えに行くから、待ってて。」
「うん、分かった。」
初戦の相手の戦う試合を観戦するという約束を交わして、解散した2人。
そんな、平和に過ごしていた同期の桜だったが、
その平穏に不穏な影が忍び寄っていることを、2人はまだ気付かないでいた…。
・
・
・
・
「や♥」
「ヒソカさん!?」
部屋のインターホンが鳴り、youが外へ出てみると、そこにいたのは知り合いの奇術師であった。
「どうしたんですか、急に……何か御用でしょうか?」
「特に理由も御用も無いよ、ただyouに会いたくなっただけさ♥」
「ふふ、ありがとうございます。」
「youは何してたの?今日何か予定とか、ある?無ければボクと…」
ヒソカが「一緒に過ごさない?」と言い終える前に、
重ねるようにして「おーい!」と、廊下に明るい男性の声が響いた。
男性はタタタ…と、youとヒソカに駆け寄り、声を掛ける。
「you、迎えに来た……って、いうか……誰?」
「えっと…!」
試合観戦の当日、突如訪れたヒソカに鉢合わせることとなったハヤテ…。
長身でガタイが良く、しかも道化の化粧に奇抜な格好という…
目の前のヒソカという圧倒的存在感に色々な意味でゴクリと唾を飲む…。
「…キミこそ誰だい?」
「あ、っとスンマセン!オレは…。」
顔は笑っているが、そのオーラは冷ややかで…。
明らかに歓迎されていないのを察してハヤテが困ったように頬を掻く…。
youもその雰囲気を察し、温度を中和するように穏やかな声で、お互いの紹介をすることにした。
「ええと、ハヤテくん、こちらはヒソカさん。天空闘技場の選手で、わたしの恩人みたいな人なの。」
「そっか……てかめっちゃデッカ……ガタイいいっすね…すげー強そう…。」
「うん、すごく。もうあと2、3回勝てばフロアマスターなんだよ~。」
「おお、凄い強いんですね!オレもがんばろ。」
ヒソカのオーラに気圧されないよう、朗々とした態度でヒソカを立てるハヤテ。
「ヒソカさん、彼はハヤテくんです。ハンター試験の同期生で、グループワークの試験で一緒に協力した友人です。」
「そう…友達、ね…♣」
「今日は、今度ハヤテくんが対戦する相手の試合を見学することになってまして、これから試合を観戦する予定なんです。」
「成程…♠」
「なので、今日は…。」
そこまで言ったところで、ハヤテが「あ!」と、自分の腕時計を確認して大きな声を出す。
「you、準備できてるか?もうそろそろ開場時間だ!」
「あ、本当!財布も携帯も持ってるし、何かあればすぐ戻ってこれるから、このまま行こうか。」
「おっけー、じゃあ行こう!じゃあ、ヒソカさん、またお会いしましょう!」
ペコっと綺麗に45度の角度でお辞儀をすると、ハヤテはyouの手を取って廊下を走りだす。
youも同じように一礼して「後でご連絡しますね!」と告げて走っていく…。
ハヤテからの敵意や悪意は無かったが、逃避や拒絶は分からない。
もしかしたらそうかもしれないし、違うかも…といった様子だったため、
ヒソカも自分にとっての敵かどうかを判断し辛く、最後まで笑顔を崩せなかった。
ただ、後ろから眺める2人の姿が、まるで駆け落ちでもする恋人たちのように見え、
ピキっと米神のあたりや握った拳に血管が浮き出てしまうヒソカであった…。
試合観戦後、youとハヤテは対戦相手との戦闘の傾向と対策のため、
天空闘技場近くの定食屋で食事をして、その後はカフェで日が暮れるまで戦い方を2人がかりで模索する…。
やっと話がひと段落した頃には、しっかりと夜の帳が下りてしまっていた…。
「遅くまで付き合ってもらって悪かったな、でもお陰で良い感じに戦えそうだ。」
「勝てるといいねぇ。応援してる、頑張って!」
「ああ、ありがとな!初戦で勢い付けたいし…ここは勝ちたい!」
ニカッと歯を見せて笑うハヤテ…。
そんな話をしながら、闘技場200階へと戻って来る…。
フロントを通り過ぎ、選手陣の宿泊する部屋が並ぶ廊下で、
ハヤテと「おやすみ」とあいさつを交わしてお互い別れ、youは自室のドアを開けた…。
すると…。
「や、おかえり…♠」
「ギャッ!ひ、ヒソカさんッ?!」
パチンと電気を点けた瞬間、ベッドの上に腰を下ろしたヒソカの姿がくっきりと視界に映り、
誰もいるはずのない自室にそもそも人がいたという恐怖が大きく、youは心臓が口から飛び出るほど驚いた。
「おお脅かさないでください!ていうかどうやって入ったんですか…?!ここオートロックだし…!」
「ん、奇術師に不可能はないのっていつも言ってるじゃないか…★」
「いつも思いますが、言い訳にも理由にもなってませんよ、それ…。」
「まぁ、細かいことはいいじゃないか…♦」
「(細かくないんだけどなぁ…)」
結構大きな疑問なんだが?と思いながらヒソカを薄めで見つめるも、効果はなく…。
寧ろ、ヒソカの方が怪訝な顔をして彼女に質問をしてくるということに…。
「結構遅くまで出掛けてたんだね……例の彼と一緒だったのかい?」
「あ、はい。試合観戦をして、ご飯に行って…その後、カフェで次の試合の作戦を立てて…さっき解散になりました。」
「そう……彼は勝てそうかな?」
「んー、どうなんでしょう……彼もわたしも念は覚えたてですし、念の応用を齧った位なので…。何より戦うところはわたしも見てませんし、未知数ですよ。」
「ふーん、そう……♠」
「あの、ヒソカさん…?」
「ん、何…?」
「何か、怒って、ます?」
「んーーー……怒っては、ない、かな?けど…♣」
「け、ど………?」
「……あ!ウン……「寂しかった」♦」
「え…。」
そう言うと、ベッドに近付いていたyouの腕を掴んで勢い良く引き寄せる。
咄嗟のことでバランスを崩したyouはその場からヒソカの方へと倒れた。
「ひ、ヒソカさん!」
「ん……♥」
ヒソカの胸にダイブすることになったyouは、そのまま抱き込まれてベッドの上に倒れ込む。
ぎゅうっと抱きしめられ、肩口に顔を埋められると、ヒソカがすんすんと鼻を鳴らす…。
「うん、youの匂いだ……やっぱり落ち着くねェ…♦」
「ん、もう!」
「少しだけボク以外の男の匂いがするのは癪に障るけど…♠」
「……あの、ヒソカさん?」
「んー?」
「今日はすみませんでした、折角訪ねてくれたのに……こんな夜まで待っててもらって……何か大事な用事だったんですか?」
「・・・♣」
さて、どう答えたものか…と、思案するヒソカ…。
ここはもう、自分のお気に入りにちょっかいを出された事からくる「嫉妬心」故にだと正直に伝えるべきか、
はたまた、いつものように嘘を吐いて彼女の罪悪感を擽って困らせてしまうか…。
「特に何も、用事はないよ……ただ、キミに会いたかっただけ…♥」
「そう、なんですか…?」
「ウン…♥」
こうして部屋で待っていた際、もし彼女が朝帰りしたり、
ハヤテを連れて部屋へ戻って来るなどしようものならどうなっていたか分からないが、
少し遅い時間ではあれ、彼女はちゃんと一人で此処に戻ってきた…。
その事実と、彼女の誠実な性格で許容をすべきと判断したらしい。
特に意地悪をするでも、責めるでもなく、優しい言葉を掛けるという選択肢を選んだヒソカ…。
すると、その言葉にyouは嬉しそうに微笑むと、ヒソカの背にそっと腕を回して抱きしめ返す…。
「ありがとうございます、わたしもヒソカさんに会いたかったです。」
「…♥」
「あぁ、何か……あったかくて、このまま眠っちゃいそうです…。」
「いいよ、寝ちゃっても……♦」
「ん……でも、ヒソカさん……迷惑ですよね…帰れなくなっちゃうし…。」
「ううん、そんなことないよ(寧ろ帰りたくないし)…♥」
「ちょっとだけ……目、閉じて…ちょっとだけ……すぐ、起きる…ので…。」
「おやすみ、you…♥」
ひとえに、ヒソカへの信頼感と、腕に抱かれた時の安心感だろう…。
それはヒソカが完全に彼女に対して警戒心を解いているからに他ならないのだが、
兎に角と、そういった理由でそのまま仮眠と称して寝入ってしまったyou…。
ヒソカは相変わらずの彼女の無防備さに呆れつつも、
自分も少し待ち疲れたという事実もあって、同じようにこのまま寝入ってしまうことを決める…。
「他の男と会った後に、また別の男とこんな時間を過ごすなんて……youは悪い子だね…♥」
呟いた言葉は彼女の耳に届いていたのやら…。
暫し待って返事が無い事を確認したのち、ヒソカもそっと目を閉じた…。
・
・
・
・
「ん…ぅ…。」
「・・・♥」
「……ふ……ぁ…ぁ。」
「おはよう、you…♥」
「!!」
ガバっと起き上がり、周囲を確認するyou。
いつものように、服は着ているのかとか、ここは誰の部屋なのかなどを確認しているのかと思いきや…。
「すっ……すみませんヒソカさん!い、今何時…ですかっ?!朝…?!夜…ッ?!」
「あー…朝だね、ちょっと早いけど……ん、6時半過ぎみたい。そこ、時計。」
「!!」
そう言って、ベッドサイドテーブルに組み込まれたデジタルの時計の表示を指差したヒソカ。
youも同じものを確認すると、ベッドの上でヒソカに土下座するような体勢を取った。
少し驚いたような顔をするヒソカに、youは「すみません!」と叫ぶ…。
「え、何…急にどうしたの…?」
「か、軽い仮眠のつもりだったんです…!まさかこんなに爆睡するとは!」
「ああ、そういう…♦」
「ヒソカさん、解放させてあげれなくてすみませんでした…!」
「ん、いいよ……ていうかボクもそのままずっと寝てたし…♣」
実のところ、途中で起きて、寝ている彼女の姿をオカズに色々しようかと画策していたヒソカ。
自分も途中で起きて良からぬ行為をする予定があったが、
同じように爆睡してしまったので、構わない…と、大事な部分を丸っと隠して綺麗に微笑む…。
「きっとボクたち相性ピッタリなんだねェ……離れたくないって、寝てる間も想い合ってたのかも…♥」
「そう、なんでしょうか?」
「ウン、きっとそう♥」
ニッコリと笑って、ヒソカは少し照れた様子のyouの頬に手を添える…。
「さて、今日は何をしようかな……you、何か用事は?」
「いえ、今日は特に何も……ヒソカさんは?」
「ないよ、だからyouと一緒にいたいな…♥」
「んー……では、今日はハヤテくんと一緒に3人で天空闘技場内にあるジムにでも行きます?」
「ちょっと待って、何でそこで3人になるんだい……youと2人ならまだしも……そもそもトレーニングって何で………悪いけど嫌だよ、絶対…♠」
ヒソカは、頬に添えていた手を、そのまま撫でるではなく抓るに切り替えた。
割とそこそこお怒りになられているようで、結構な痛さに「痛い痛い!」と涙目になるyou…。
「ボクはyouと2人でいたいのに…♠」
「す、すみません……最近此処に来たばかりで色々説明してあげてるから、ハヤテくんと行動する事が多くて……それにヒソカさんは凄くお強いので、きっと彼にとってもいい先生になってくれそうだなって…思ったので…。」
「んー…褒めてくれるのは嬉しいけど、彼はボクの「お気に入り」じゃないし…直に成長の手助けをするなら、やっぱりyouにだけがいいなぁ……♥」
「ヒソカさん…。」
「公共施設じゃなくて、こういう2人きりに慣れる場所でなら……吝(やぶさ)かでもないよ?」
「んー…腹筋とか背筋とかスクワットとか?」
「全然イイよ?足固定してあげるし、カウントやタイムも取ってあげるよ♥」
「や、優しい…。」
「ン……回数を追う毎に荒くなってくる息遣い…微かに漏れる喘ぎにも似た声……情事の時みたいな表情で、顔を上げる度に足を掴んでるボクと目が合っちゃうんだろうね……それだけで手伝う価値があるよ…あぁ、想像しただけで……コーフンしちゃうじゃないか…♥」
「すみません、やっぱり結構です…。」
「そう……残念♥」
トレーニングを手伝いたい理由が何とも不純な動機だったようで、
youは目を細めてヒソカに怪訝そうな眼差しを送る…。
「それじゃあ、何をするんだい?」
「そう、ですね……うーん……あ、そうだ!今度ハヤテくんが試合するんで観戦チケットをくれたんですけど……初戦に勝った時に渡せるプレゼントを買いにいきたいな!ヒソカさん、付き合ってくれませんか?」
「・・・それ、ただの「買い物」って誘ってくれたら素直に同行するのに、嫉妬させたいのかな?……ねぇ、キミ、やっぱりボクに喧嘩売ってる?」
「えぇっ?!売ってませんて!」
「初陣の勝利を確信してプレゼントを買っておくだなんて、余程彼を信頼しているみたいだし…気に食わないなぁ…♠」
「ひ、ヒソカさん……そんな事言わないで…応援してあげてくださいよ…。」
「つーん…♠」
「ヒソカさん~!お願いしますよ、ハヤテくんはヒソカさんにも試合見てほしいって……ヒソカさんの分もチケットもらってるんですから~!」
「・・・見てほしい、ねェ……♣」
「感想や戦いに関してアドバイスくれると嬉しいって言ってました。」
「(……ボクの眼鏡に敵う相手か、youに関わってほしくない相手なのかの見極めの基準くらいにはなるか…?)」
ハヤテがヒソカのことを気遣って渡してくれたという観戦チケット。
自主的になど勿論行くつもりは無かったが、まさか向こうから誘われるとは…と。
youと一緒にならば試合を観戦するのは悪い気はしないのと、
自分の玩具の仲間入りを果たすかどうかや、youにちょっかいを掛けるに値するかは
批評できる機会があるなら、そうしておくべきか…と、ヒソカの天秤が傾く…。
「…仕方ないなぁ……youのお願いなら、買い物も試合観戦も行ってあげる…♦」
「本当ですか?!」
「ウン♥」
「ありがとうございます、ヒソカさん!」
「その代わり、初戦のプレゼントはボクと折半でお願いしたい……「youから」じゃなくて「youとヒソカから」の贈り物ってことにしてもらいたいんだけど?」
「え、それは勿論!寧ろ、嬉しいです、じゃあ、2人で選んで買いましょうね!」
「ン♥」
「それでは昨日入り損ねちゃってるのでお風呂とか入って、準備して…お昼前くらいにまたお会いしましょう!」
「お風呂一緒に入ったらいいんじゃないかな?」
「ヒソカさんの衣装チェンジ楽しみにしてますね~!」
「うーん、流すねェ…♦」
まぁ、分かっていた反応ですよ…と、そこまでモメることなく大人しく自室に戻っていったヒソカ…。
恐らくはyouと同じく、入浴だけでなく、着替えもメイクもちゃんとしたいという理由が根底にあるのだろう…。
そんなこんなで、2人して改めて朝の準備を各々の部屋で済ませて、
お昼前に天空闘技場の選手専用の裏口で再び合流を果たした。
「や、お待たせ♥」
「あれっ、ヒソカさん、髪おろして来たんですか?」
「ウン♥他の国に行くならアレだけど、この辺りで出掛けるだけならこっちの方がいいかなって……もしかして、ダメだった?」
「いいえ、全然!素敵です!」
「そっか、良かった♥」
相変わらず素直に褒めてくれるyouの言葉は、
いつものことではあるが、気分が良い…と、笑顔で返すヒソカ。
「ところで、お祝いの品って何にする予定なんだい?」
「1,000ジェニーとか1,500ジェニーとか……ほんの軽い気持ち程度でいいと思ってます。」
「本当にほんの気持ち程度なんだね……じゃ、2人合わせて2,000ジェニーくらいにしようか?」
「ん、そうですね!」
「何がいいんだろうねェ………♣」
「ん、有名コーヒーショップやカフェのチケットとかはいいかもしれないですね!」
「成程、そういうものもあるのか……でも、金券モノはちょっと却下させてもらうよ♠」
「え、どうして…。」
「どうしてでも~♣」
「うーん…???」
だって、そんなもの送ったら絶対「一緒にカフェ行こう」ってキミを誘ってくるだろう…?と
喉元まで出掛かった言葉をくつくつと笑いに変えて飲み込んだヒソカ…。
となると、やはり形に残る物を贈らないとか…と、youは唸り始める。
「ヒソカさんは……どんなものを貰ったら嬉しいですか?」
「ボクは相手によるなぁ……youから貰えるものなら何だって嬉しいし……?」
「うーん……じゃあ、ゴンくんやキルアくんから何かプレゼントされるとしたら何がいいですか?」
「彼らか……♥ うーん、そうだなぁ……彼等が戦う試合の観戦チケットや対戦申込表なんかは貰ったら嬉しいかもしれないねェ♦」
「出た、ヒソカさんの戦闘したいに偏った意見…!」
「クックック…だって真実だしね…♥」
あまり参考にならなかったヒソカの意見に、更に「うーん」と頭を悩ませながら歩き続けるyou。
物以外で形のあるものであれば、食品類だが、新年のあいさつに渡す御年賀やお歳暮お中元などのような贈答用の代物も、何か違う意味合いに感じる…。
「試合……勝利…応援……お祝い…スポーツ…………あ…!」
「何かいい案があったかな?」
「タオルやスポーツドリンクとか…栄養バーとかはどうでしょうか……トレーニングの必需品ですし…。」
「まぁ、悪くはないんじゃない?」
「ヒソカさん、渡されたら嬉しくないです?」
「んー………♦」
確かにトレーニングの必需品ではあるが、闘技場の選手とアスリートとは少し土俵が異なるので、
その贈り物が正解なのかは微妙に思うところだな…と、ヒソカは目を閉じてひとまず自分が貰った場合のことを想像してみる…。
「ねぇ、you……悪いんだけど「試合お疲れ様です」とか「勝利おめでとう」とか何か言ってみてよ♦」
「はい!ヒソカさん、試合お疲れ様でした!スマートに勝ちましたね、流石です!」
目を閉じてyouの言葉で臨場感を上げてみる。
その後に渡されるふわふわのタオルと冷たいスポーツドリンク…。
「何だろう、急に全く身に覚えの無い学校の記憶が…★」
「学校?!」
「あぁ……ね、you……ちょっと「ヒソカ先輩」って言ってみて…お願い…!」
「うぇ?!え、ええと………どうしたんですか、ヒソカ先輩…?」
「イイッ!すっごくイイよ!」
「ひぃ。」
カッと開眼したかと思えば、すぐさまyouの両肩をガシッと掴んで興奮した様子を見せるヒソカ…。
急に何事かと困惑する彼女に、ヒソカは溜息交じりにワケの分からない言葉を零す…。
「知らなかったよ……ボクは学校ではバスケ部でキミは女子マネージャーだったんだね…♥」
「何ですかその存在しない記憶?!」
「イルミはサッカー部だけど手芸部と掛け持ちって知ってたかい…?」
「戻ってきてヒソカさん!!!」
「ハッ……今、ボク一体何を言って…?!」
「本気でおかえりなさい!!」
妄想の彼方へとイってしまっていたヒソカだったが、流石に我に返ったらしい…。
「youからの先輩呼びはかなり危ないみたいだ……ビックリ…♣」
「よく分かりませんけど、タオルとスポーツドリンクのプレゼントも控えます…!!」
言われてみれば、タオルとスポーツドリンクは贈り物というよりは試合後すぐに渡す差し入れのようなものになるため、
お祝いの品としてはもっと相応しいものがあるだろうという結論に至る…。
もう既にしっかり意識を戻しているヒソカが、そういえば…と、不意に彼女に尋ねた。
「ねぇ、そういえば彼もハンターなんだよね?同期って言ってたし…キミと同じ遺跡ハンターなのかい?」
「いえ、ハヤテくんは確か……海洋生物ハンターだったはずです。」
「海の生き物ってこと??」
「はい、魚も海獣も海に関わる事全般ですね!」
「じゃあ、その海洋生物ハンターに因んだものや、仕事に役立つものなんかはどう?」
「おおおおお!凄いヒソカさん!ナイスアイディアです!!」
「それならボクに良い案がある…♥」
そう言ってヒソカがyouを連れて来たのは、天空闘技場の最寄りの駅に併設されているショッピングモール…。
アパレルや化粧品、食品など様々な店が階層毎に入っているその建物の中で
雑貨をメインに取り扱っている階に降り立った。
「雑貨…ですか?一体何を……」
「多分、こういう所にあるんじゃないかなぁと思ったんだけど……あ、この辺じゃないかな……ああ、あったね♦」
「これは……防水コーナー…!」
「どう、割と良い案なんじゃないかなと思うんだけど…♥」
「すっごくいいと思います!!!」
「携帯のケースやポーチもいいけど、これなんかどう?パスケースみたいなやつ……ハンターライセンスを入れるのにちょうど良さそうじゃない?」
「成程!しかもお値段も良い感じですね!」
「クク……ボク、こういうプレゼント選びって意外と得意だったりするんだよね…♥」
「そういえばヒソカさんは何事に於いてもセンスがよいですもんね……流石です…。」
「えー、照れちゃうなぁ…♥」
いつもの奇術師のメイクや洋服のセンスは如何なものかと…
もし此処にyou以外の誰かが居合わせたのなら真っ先にツッコミを入れそうなものだが、
生憎と本日はツッコミ不在なのである…。
2人は嬉々としてパスケースの色を選び、会計の際にラッピングをしてもらうよう店員へ依頼。
暫くののち、綺麗にプレゼントの包装をされた状態でそれを入手し、本日の目的を果たすこととなった…。
「まぁ、ひとまず無事に渡すものが決まって良かったね♦」
「はい!あとは試合の日を待つだけですね!」
「そうだね……ひとまず食事でもして帰ろう?」
「はい、そうしましょう!」
ヒソカの提案に、勿論異論などない、とyouが嬉しそうに返事をすると、
折角のデートだしね、と…ヒソカは綺麗に目を細めて彼女の手を掬い取るのだった…。
・
・
・
・
そうして迎えたハヤテの天空闘技場デビュー戦…。
彼から招待されたyouとヒソカは指定された座席から試合を観戦する…。
「わ!痛そう痛そう!今の結構痛そう!」
「ちゃんと「堅」で防いでたよ♦」
「……おぉっ!今のいい感じに入ったのでは?!」
「んー…そうだねぇ…でも、折角のチャンスだったから、あそこは攻防のバランスは手放して「硬」一択で良かったんじゃないかな…ちょっと勿体無かったね…♠」
「なるほど……それでモロ攻撃がヒットしたのに相手はそこまでダメージ受けてないんですね…!!」
自分より格下選手の試合でも、観戦する時に自然に「凝」を使い、その戦い方や力量を計るヒソカは、
矢張り自分と比べて1ランクも2ランクも上の観戦の仕方をしているのだと思い知ったyou。
少しでも追いつきたく思ったし、また、自分の試合でなくとも「凝」で視る事で修行をすべきだと意気込むのだった。
「そういえば彼、さっきから基本的な戦い方だね……念能力の出し惜しみかな?焦らすねェ…♥」
「あー……ハヤテくん、念能力の開発の修行でここに来たそうなんです。」
「ええと…じゃあ、つまり…必殺技が無い、てことかな?」
「そう、なりますね……だからこそ見ていて、基礎的な戦い方…所謂念の「応用技」に関してはオーラの量やその推移の速さとか臨機応変に立ち回るのはわたしより圧倒的に上手だなって思いました……!」
「そうだねェ……だからこそ、相手も技は出す(発動させる)隙がなかなか無いみたいだしね…♣」
念能力次第では、彼も自分の「青い果実(お気に入り)」になるかもしれなかったが、
念の奥深さの真骨頂であり、自分が興味を惹かれる主な理由の固有能力が開花していないのであれば
十人十色の奥の深い念能力と相対することを愉しむヒソカとしては矢張り物足りなさを感じてしまうワケで…。
ヒソカはyouに聞こえないくらいの声で「残念♥」と呟いた…。
その後、ハヤテは自分の磨いてきた念の基礎と応用技を駆使して相手の武闘家に技を出させるのを牽制したことで、ポイント数を稼いで勝ち星を手に入れるに至った。
勝った瞬間両手を挙げて大喜びするyouに対して、
「勝てて良かったね」とは言ったものの、内心複雑な心境になるヒソカ…。
・
・
・
・
「ハヤテくん!」
「you!!……見に来てくれたんだな……ありがとう!!」
試合後、選手の控室へと挨拶をしに行った2人…。
ハヤテはyouの顔を見ると、パッと嬉しそうにその来訪を快く迎え入れた…。
「200階クラスの初勝利、おめでとう!」
「ハハ……お陰様で何とか勝てたよ……あー、早く必殺技欲しい…!あ、でも今日の試合で大分何て言うか…コツみたいなの掴めた気がするんだよな…あとは具体的なメージを固めないと…!」
「おお!本当?凄い!!」
「えっと、ヒソカさんも、見に来てくれてありがとうございました!」
勝ち試合の直後で高揚していることもあったのか、
youの横にまるでボディーガードのように佇むヒソカにも、彼は臆することなく声を掛ける。
「こちらこそ、チケットありがとう、楽しませてもらったよ♦」
「マジすか?!は、恥ずかしい試合になってなきゃいいんスけど…!」
今になって強者に自分の戦い方を見られていたという自覚が湧いたのか、
ハヤテは少し焦ったように苦笑を浮かべた…。
「試合直後に押しかけてゴメンね、ちょっとハヤテくんに渡したいものがあったから。」
「渡したいもの…??」
「はい、これ!200階クラスの初勝利おめでとう!大したものではないけど……ヒソカさんとわたしからの贈り物です!」
「えぇっ?!マジ?!てかヒソカさんも?!あ、ありがとう、わざわざそんな…!!」
「中身は試合や戦闘には関係なくて…寧ろ本業の時に役立ちそうで……ハヤテくんが海洋生物ハンターだって話したら、ヒソカさんがアイディアを出してくれたんだよ~!」
「まさかのヒソカさんチョイスっすか?!え、あ、開けても…?!」
「モチロン!!」
プレゼントを貰えたことにも驚いたが、その中身が(何となくだが)自分に敵意のようなものを向けているヒソカが選んでくれたものだということに、更に驚いた顔をするハヤテ…。
一体何が…よもや自分への何らか嫌がらせのような品ではないだろうか…いや、流石に彼女がいる状態でそのようなことは…などと
様々マイナスの想像をしながらラッピングを解いてプレゼントの防水仕様のパスケースを取り出したハヤテ…。
「え、これ……。」
「防水仕様のパスケースだよ、職業柄水濡れ必至の環境で仕事するでしょう?ハンターライセンスとか入れるのにいいなと思って!」
「おおお、成程!!めっちゃイイ!!ありがたい!!」
自分の働く環境のことを考慮して選んでくれたのだとハッキリ分かる上、
その利便性とプレゼントの発想にハヤテは思わず感嘆の声を上げた。
「めちゃくちゃ嬉しいよ、you!ヒソカさんも、ありがとうございます!!大事にします!!」
「喜んでもらえたなら良かった!ヒソカさんのチョイス、やっぱり大正解でしたね…!」
「いや、マジ……センスあり過ぎ……オレじゃこんなスマートにいかない…。」
「ふふ…。」
「背も高いし、強いし、イケメンだし……しかも気配りもできるとか最強すぎません?同じ男として自信失くすわぁ…。」
「ハヤテくんだって良いところは沢山あるじゃない、試験の時ハヤテくんの優しさとか配慮とか機転が利くとことか……沢山助けられたよ、わたし。」
「そ、そう…かな………さんきゅ、you。」
「ん。」
同じ苦難を乗り越えた者同士の絆のようなものを見せつけるような会話と雰囲気に、
張り付けた無理矢理の笑顔が取れないヒソカ…。
自分を上げてもらって気分が良くなったかと思えば、
youからのフォローをもらうことで、明らかに相手が得をしているという、何とも理不尽な流れ…。
このふわふわと幸せそうな2人の雰囲気をどうぶち壊せば心が晴れるだろうかと、
オーラで圧力を掛けようとした刹那…。
部屋に携帯のコール音が響いた。
「あ、オレだ……すんません、ちょっと…失礼!!もしもし?」
鳴ったのはハヤテの携帯だったようで、彼は2人に謝ってディスプレイで相手を確認した後、電話に出た…。
「え、マジか……それ、どうにかならない?誰かさ、他の人…え、いない?誰も?いや、それは嘘だって!絶対1人くらい誰か……えぇ?でも、オレ今天空闘技場で修行中で……あ、おい!ちょっと待てって!おい「もう知らない」ってお前……えぇ~~~?!!」
話の流れから察するに、誰か別の場所にいる相手から招集されたような状況が察せられ、
youとヒソカは顔を見合わせてこの状況に瞬きをする…。
暫く電話口の相手を宥めるような言葉で会話をして、最終的に「分かった」と諦めたような声色で会話を終えたハヤテ…。
ピッと通話終了のボタンを押して携帯をポケットにしまうと、焦ったようにyouとヒソカに声を掛けてきた。
「あーっと、何か……すんません。」
「電話、大丈夫だったのかな?何かトラブル…?」
「え…っと、ちょっと……トラブル、というか…。」
「?」
再び、youとヒソカが顔を見合わせて首を傾げると、そのままハヤテの方を向く…。
「オレが配属された先の海域でちょっとトラブルが起こったみたいで、帰ってきてくれっていう話だった…。」
「仕事の電話だったんだね、招集されるってなかなかのトラブルなんじゃ…。」
「いや、絶対じゃないと思うんだよ……アイツ、いつも大袈裟で……オレが戻らなくても絶対同業の先輩もいるし、ちょっとくらい上役が不在になることもあるんだ。なのに……思い通りいかないとすぐ拗ねて「知らない」とか「勝手にすれば」とかキレだすんだよな…。」
「だ、誰が…??」
「ん……同業の同僚っていうか……彼女…というか…。」
「あ、今の彼女さんだったんだ?」
「あーうん、まぁ……我儘で気が強くてさ……必然あんな感じの電話になる…。」
「でも、頼られてるんだね。」
「頼られるのはありがたいけど、まぁ、言い方キツくてさ…。」
「でも、ちゃんと応えてあげるんだ?」
「不本意ながら…。」
「またまた。」
「あーあ……もうちょっとで自分の能力が開発できそうだったのに…!トンボ返りもいいトコだよ!戦闘準備期間って何日だった?それまでに行って戻って来ないと…。」
「90日間だよ。」
「まぁ、それだけあれば何とか……ああ、もう……とりあえず部屋に戻って荷物まとめて……なんかゴメン!2人とも、試合観戦してくれた上、プレゼントありがとう!」
「いいえ~、気を付けてね。あと、彼女さんによろしく!」
「おう、また帰ってきたらよろしくなぁー!」
頼られるのは嬉しい、というのは本当のようで、彼は強制招集に憤る表情など微塵も見せずに、
爽やかな笑みを2人に向けながら、選手控室を颯爽と出て行った。
その場に残されたyouとヒソカ…。
ドアの音がバタン、と鳴った後に三度、顔を見合わせた…。
「嵐のように来て、去っていったねェ……♠」
「ですねぇ……また戻ってくるとは言ってましたけど…。」
「しかしまさか、恋人がいたとはね……心配して損した…♦」
「何の心配…??」
「んーん、こっちの話♥」
「でも、なかなか強力な彼女さんのようで……面白そうな方でしたね。」
「そうだね、我儘な子、ボクは可愛いと思うよ♥」
「ヒソカさんは我儘な方がお好みなんですか?初耳です。」
「ウン、好きだね……でも、ボクは気まぐれだから、我儘が過ぎると付き合うのに飽きちゃうかも…♥」
「む、難しいんですね…?」
「クックック……かもしれない……でも、youが言う我儘なら、何でも聞いてあげたくなっちゃうなぁ…♥」
「んー……例えば…?」
「そうだね……さっきの彼女みたいに「すぐ帰ってきてくれないと別れる!」とか「プレゼントに高級ブランドのバッグ欲しい」とか……あぁ「今すぐ自分以外の女の連絡先消して!」とかじゃない?」
「い、言わないですよそんなこと……。」
「だよね~……♣」
想定内の答えではあったが、少し残念そうな声で渋々納得の言葉を吐き出すヒソカ。
youはというと、いつまでも無人の選手控室にいても意味が無いだろう、と…
部屋を出ようと入り口へと向かっていく。
「あ、でも…。」
「ん?」
ドアノブに手を掛けたところで、youはふと思い出したように、
くるりと後ろのヒソカを振り向いて見上げて言った。
「わたし、これからもヒソカさんと沢山お話したいし、色んなものを見たり、何処かに行ったりしたいなって思います……一緒にいたいなって。」
「ん…!?」
「これは………我儘でしょうか?」
「わがまま………それが……わがまま……っ……!」
「?」
困ったように訴えてきたyouの視線を受け、
口元を押さえて身を震わせるヒソカ…。
「ヒソカさん??」
「それは我儘というより……そうできたらいいなっていう願望、なんじゃないかな……?」
「なるほど!確かに!」
「でも、youはそれを口に出してボクに伝えたよね?」
「ん、そうですね。」
「思うだけなら願望だけど、それを相手に伝えたら、それは「お願い」かな…♦」
「お願い……わたし、ヒソカさんに、お願いをしてしまった…!」
「ボクと沢山話をして、色んなものを見たり、何処かに行ったり……一緒にいたい、だっけ?」
「そ、そうです…。」
「奇遇だねェ、ボクも同じ事をキミにお願いしたかったんだ、ずっとね♥」
「!!」
「これからもよろしくね、you♥」
「はいっ!よろしくお願いします、ヒソカさん!」
ぱぁっと顔を明るくさせて喜びを露にする眼下の彼女が何とも愛おしく、
思わず身体を抱き寄せてがしりとホールドしてしまいたくなるヒソカだったが、
それを今はぐっと堪えてもう1つ…言葉を落とした。
「そうそう、1つ聞きたいことがあったんだ……いいかな?」
「何でしょう?」
「youはさ、もし天空闘技場(此処)にボクの同期の仲の良い女の子が現れたら、どうする?」
「どう、とは…?」
「紹介してほしいとか、できれば会いたくないとか、一緒に出掛けてもいいとか…♦」
「ヒソカさんの仲の良い方ならきっとお強いと思うので、是非アドバイスとかしてほしいですし、お会いしたいです!!」
「そうだった……キミ此処に修行に来たんだったね……ちぇっ……仕方ないな……あー…じゃあ、本当はyouと2人きりで沢山話をして、色んなものを見たり、何処かに行ったりするハズだったのに、それが全部3人で過ごすことになったら……どんな気持ちになるのかな?」
「それは………。」
言葉を途中で止めて、youは暫しうーん…と思考に耽る…。
恐らく色々想像をしているのだろう、目を閉じて少し唸ると、
自分に問答するように「うん」と何度か頷き、ヒソカに答えた。
「…ちょっと、イヤかも……。」
「♥」
「あ!」
「ん?」
「これは……我儘、ですね?」
「クックック……そうだね……♥」
「嫌な女だな、わたし……。」
「まさかデショ……そもそも今そんな状況じゃないし、そもそもそんな事にはならないよ♥」
「でも、もしそうなったら…。」
「ならないの、だってボクが一緒にいたいのはキミなんだから♥」
「ヒソカさん…。」
「思いがけず嬉しい答えだったよ♥」
ちゃんと彼女は自分に対して嫉妬をしてくれるのだと知れて嬉しいと、口元を緩ませるヒソカ。
ここ数日、ハヤテの出現で溜まっていたストレスが晴れやかに解消した瞬間でもあった。
「何かyouのお陰ですっごく気分が良くなっちゃったよ……今日は闘技場の上階で食事して、ラウンジで夜景見ながらお酒飲もうか♥」
「いや、でもあそこ高いんで…。」
「ボクがキミに出させると思う?」
「いえ……でも、だとしても…!」
「だーめ、付き合ってもらうよ、これはボクの我儘……付き合ってくれないと、さっきのお願い反故にしちゃうかも……♥」
「えっ、や、それはダメです!」
「クク……じゃあ、分かるよね?」
「お、お付き合いいたします…。」
「ウン、よろしくね♥」
いつの間にやら…
先程までは確かにyouの方がドアの前にいたはずなのに、気付けば立ち位置は逆転…。
まるでエスコートをするように、控室のドアを片手で開いて、
ヒソカは「お手をどうぞ」と綺麗な笑みで彼女に手を差し伸べるのだった。
その嫉妬心が
もっと肥大化することを
願って
「ラウンジ、初めて来ました……ヒソカさんはよく来られるんですか?」
「たま~~~~にね……此処には一人で来た事しかないかな…♣」
「お、じゃあわたしが天空闘技場ラウンジのオトモ第一号ですね?やったー。」
「ボクのハジメテを奪われちゃった…♥」
「な、何か卑猥な言い方…。」
「クックック……♥」
「あ、でも!」
「ん?」
「わたしも此処に来たのが初めてですから、おあいこです。」
「あ、そっか…♦」
「ふふ、わたしもハジメテをヒソカさんに奪われちゃいましたね。」
「ん゛……ッ、ちょ……ま…♥」
「?」
「ん……もう、コーフンしちゃうじゃないか……♥」
「なぜ?!」
「♥」
words from:yu-a
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