ヨークシン編
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「すごいね。」
「うん、凄い。」
見渡す限り本に埋め尽くされたそこは
まるで建物自体が本でできているかのようだった
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ゴウカクxノxライン
04:want to know more about you
「そういえば、クロロはハンターライセンス、持ってるの?」
「んー…ヒミツかなー。どうして、急に?」
シンとした図書館に響かないよう、普段より随分抑えた声量で会話する2人…。
ある程度の会話をしても周りに迷惑が掛からないよう、
周囲に誰も使用していないテーブル席を探し、向かい合って着席する。
「ううん、ほら、古書って基本的に貸出し禁止が多いじゃない?」
「ああ…成程、そういうことか。」
「だから、クロロが秘密にしたいのであれば、わたしのライセンスで借りるけど…どうする?ってこと、聞きたかったの。」
「・・・いいの?」
「うん、いいよ。貸出禁止本借りるくらいじゃライセンスからの情報漏洩はまず無いし…。」
「そりゃそうだけど…オレがライセンス持ってるか…気にならないの?」
「うん、気になる。」
コクン、と頷くyou。
それを見て、コテン、と首を傾げるクロロ…。
「気になるのに「自分の使えよ!」とか言わないの?」
「言わないの。」
「・・・どうして?」
「うーん……個人的希望?」
「何それ?」
「クロロはなんだか…ミステリアスな感じがカッコいいかなーって。」
「プッ……何だそれ?」
「だから、個人的希望!」
「あー…っと、じゃぁ、お言葉に甘えて…いいのかな?」
「うん、いいよ。」
「・・・ありがとう。」
「どういたしまして。」
「じゃぁ、借りに行こう」と、再び席を立つ…。
貸出し禁止の本を閲覧するために受付カウンターへ戻り、受付の女性へ声を掛けた。
やはり、ハンターライセンスがあれば貸し出し禁止の古書閲覧は可能で、
その場で係員が専用の管理端末で検索して、ハンターライセンスの認定番号の一致が確認できればOKというものだった。
勿論、youの持つライセンスは本物なので、問題なく貸し出しが許可される。
それからすぐに、クロロが読みたい古書を伝えると、
数分待った後に係員が丁寧な所作で彼にその本を手渡してくれた。
「おお、これこれ…読みたかったヤツ。」
「館内での閲覧は許可されますが、コピー機、カメラ等による内容の複写、及び館外への持ち出しは厳禁となりますので、ご了承ください。」
「ああ。」
「無いとは思いますが、破損等があった場合は弁償となる可能性がございます…本を乱暴に扱ったりしないでくださいね。」
「了解した。」
軽い口頭での注意事項に同意し、受付カウンターを離れる…。
「その古書、面白いの?」
「オレにはね。」
「うーむ、納得の返事。」
「さぁ、youはさっさと自主勉強!だろ?」
「うん、そうする!」
そう明朗な声で返事をして、youは歴史や美術等の本棚から資料をかき集め、テーブルに広げて黙々と作業を始める…。
クロロもまた、本に夢中になるタイプなのか…。
読み始めて数分後にはyouのテーブルの散らかし具合にも反応を見せずに、
ただただ真剣に古書に目を向けていた。
そんな時間が数刻経過。
youは本日分の遺物の情報を余さず網羅し、その間にクロロは数冊の古書を読破するに至った…。
「んー…こんなもんかな…?」
「・・・終わったのか?」
「うん、まぁ…今日の分は、ってトコかな?」
「明日明後日もあるのか?」
「うん、まだオークションまで時間あるし…そういう計画だったから、少し早めにヨークシンに来たんだ。」
「成程な……また来れるようなら、オレも一緒にいいか?」
「うん、クロロなら大歓迎!わたしも一人は少し寂しいしね……こんな黙々作業に付き合うの、クロロが迷惑じゃなければ、是非。」
「オレは古書読み漁れるから、そんなの何の苦にもならない。」
「そっか、クロロ集中してたもんね。」
「お前もな。」
「ふふ…。」
テーブルの上の本をまとめて、各々収められていた本棚へと資料を戻す…。
最後にクロロの古書を受付カウンターへ戻し、図書館の外へ。
「うわ…もう夕方?!」
「そういえば昼も食べてないな、オレ達…。」
「そう…だね。」
「気付かなくてすまん。」
「ううん!いや、わたしこそ、付き合わせちゃってゴメンなさい!」
「いやいや、オレの方が…。」
「ぷっ…。」
「はは…。」
自然に、顔を見合わせて笑い合う…。
すっと軽く息を吸った後、クロロの方が先に口を開いた。
「じゃぁ……今日もまた、夕飯にお付き合い願えますか、姫?」
「喜んで、殿。」
「何で殿!?そこは王子、とかじゃないの?」
「えー…何となく。」
「だったら団長がいいんだけど、オレー…。」
「団長?!何それ、もっと変だよ!!?」
「あはは、でもそれでいいんだ。」
「変なクロロー。」
そうして昼兼用での夕飯を食べに行く事になり、足を進めたその時…。
「あのさ」と…ふいに彼はyouを呼びとめた。
「…そういえば、ちょっと気になってたんだけど…聞いてもいいか?」
「うん、なに??」
「youはさ………。」
「うん…?」
「・・・…いや、うん、やっぱりいいか。」
「え、何?!」
「その質問の答えを、聞きたくないと思った。だから聞かないことにする。」
「何それ、気になるなぁ…まぁ、クロロがそう判断したなら、わたしもツッコんでは聞かない。」
「ありがと。」
軽くニコリと笑みを作り、前を歩き出したクロロ…。
しかし、その表情があまりにも取って付けられたようなものだった気がして
youは彼の背中を見つめて小首を傾げるのだった…。
問い詰めてみたい気もしたが、そうすることで何故かクロロとの関係性が拗れそうな予感がしたyou。
夕飯を終えて解散するまで、知りたい気持ちをぐっと抑えた。
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「ホテルまで送ろうか?」
「ううん、すぐそこだから大丈夫。」
「分かった。じゃぁ、また時間がある時連絡するから。」
「うん、じゃぁ…クロロも気を付けてね。」
「ああ、ありがとう…じゃぁ、またなyou。」
「またね、クロロ。」
手を振って見送るyouに、自分も同じように手を振り返すクロロ…。
ある程度距離を置いたところで、まるで無意識に…抱いていた疑問を不意に口に出した。
「あの指輪…youが選んで買ったものなんだろうか…本人は全く気にしていないが、かなり陰湿なオーラを纏っていた気がする。」
しかも、彼はそのオーラに微かな覚えがある気がしていた…。
それ故に尋ねたくもあり、尋ねたくなくもあったのだ…。
「ヒソカの雰囲気に似ているな…いや、しかし、アイツはあんなに何かに固執して禍々しいオーラを出すようなタイプではないしな……それはどちらかというとイルミだ。」
どちらにせよ、彼女があんな厄介な人種と関わっているハズがない…と…。
鋭い勘を持ち合わせながら、それを自ら否定するのだった…。
words from:yu-a
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