天空闘技場編
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ボク以外の男と恋に落ちちゃダメだよ?
これはその約束の指輪
次に会う時まで
絶対に外しちゃダメだからね?
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ゴウカクxノxライン
35:I yearn for you.
8月30日以降…
ボクはヨークシンにいる◆
「(ヒソカさん…。)」
天空闘技場での修行から約1週間。
youはサトツに修行の成果を見せる為に遺跡ハンターの仕事に戻っていた。
空に翳した左手を見上げ、暫し眺めた後…youは降ろした薬指にキスをする。
「Your mind is not occupied with your own affairs.」
「ひゃぁう?!」
「『心、此処に在らず』と言った感じですね。」
「さ、サトツさんッツ!?お、驚かさないでくださいよぉ!!」
「すみませんね。」
コホン、と軽い咳払いをしてyouの背後から現れたのは
彼女の念の師であり、ヒソカやゴン達の受けたハンター試験の一次試験官だったサトツ。
調査中の遺跡が見渡せる小高い丘で一人、物思いに耽っていたyouを見て
どこか元気が無さそうに感じて、声を掛けたようだ。
「……天空闘技場で、色々あったようですね。」
「…はい……強い人達と、出会えましたから…「翼持つ者(スピリット・バーズ)」の変化形態も増えましたし!」
「そうですね。」
「…だから、どうしてもその成果をサトツさんに見てもらいたくて、ひとまず仕事に戻ってまいりました。」
「ではその結果が「心此処に在らず」ですか。」
「わーーん!それは言っちゃダメですっ!!」
上げ足を取るように、しかしからかうようにしてサトツはyouにツッコミを入れる。
しかし、そのツッコミとは裏腹に、嬉しそうに眉を下げた…。
「しかし―…確かに大きく成長をしていますよ。」
「そうでしょうか…。」
「今でも意識的にでなく、具現化されている「翼持つ者(スピリット・バーズ)」…これはキツツキですかな?」
「いえ、カワセミです…。」
「失礼。種類に詳しくないものでね。」
「ふふ…。」
「始めて念で創り上げた時よりも随分リアルな姿になっていますな。」
「本当ですか?」
「ええ。」
youの肩にちょこんと身体を乗せて小首を傾げている翡翠(カワセミ)をじっと見つめ、サトツは更に笑みを深くした。
「大変美しい鳥たちです……よく一人で頑張りましたね。」
「えへへ……色んな人たちに手伝ってもらったから……一人じゃないんですケドね。」
思い浮かぶのは天空闘技場で出会った人々の顔…。
ヒソカやカストロ、ゴンにキルア…。
あまり思い出したくもないが、リールベルトを筆頭に迷惑を被ったサダソやギド。
たった数日なのに、随分昔の事のように思い出される。
「…何か懐かしいや……また、会いたいな。」
「いい出会いだったようですねぇ。」
「はい!あ…。」
「?」
「そういえば……。」
『会いたい』という言葉で思い出すのはやはりヒソカのことで…。
彼が別れ際に告げた再会を示唆する言葉を思い出し、サトツに尋ねてみることにしたyou。
「あの、サトツさん?」
「はい、何でしょう?」
「8月30日って、ヨークシンで何かあるんですか?」
「ヨークシン…ですか?」
サトツの聞き返しに、コクリと頷く。
ふむ…と、手を軽く顎に当て、彼は「そうですねぇ…」と言葉を紡いだ。
「その日ではありませんが、2日後の9月1日にヨークシンシティで世界最大のオークションが開催されます。」
「オークション…?」
「ええ、世界的に有名な大富豪を皮切りに、ありとあらゆるジャンルのコレクター達が集う大会場となります。」
「ふぇー……何だか凄そう…。」
「…興味がありますか?」
「え?い、いえ!ちょっと……友達が…そこへ行くと言っていたので、その…気になって。」
「『友達』ですか…。」
「と…トモダチ…デスよ?」
じーっと瞬きをせずにサトツに凝視され、たじろぐyou…。
やっと、ふっと視線を逸らされ、安堵したのも束の間
今度は無言で長い事俯いてしまい、youは更に反応に困った。
そして…。
「ふむ……ヨークシンですか。」
「?」
「遺跡ハンターの別の仕事を知るいい機会かもしれませんね。」
「別の仕事?」
翡翠と一緒に小首を傾げるyouにサトツはやんわり笑みを向け「はい」と肯定の言葉を放った。
ピンと人差し指を立て、分かりやすく説明を始めるつもりなのが見て取れる…。
「我々の仕事は遺跡を発見し、それを保護する事になるのは分かりますね?」
「はい!モチロンです!」
「では…発見された遺跡の、保護すべきものとは何でしょうか。」
「えっと…まずは遺跡そのものです…老朽化が進んでいるものが殆どで、触れるだけで崩れてしまうものも多くありますから。」
「正しい答えです。他には?」
「そうですね…発見された遺跡に価値ある財宝がある場合、または遺跡そのものにその価値を見出された場合、それを狙う盗掘者やハンターなどからそれらを守らなければなりません!」
「よく仕事を理解しているようですね、流石です。」
「とーぜんです!」
自信満々のドヤ顔をサトツに向けるyou。
何故か翡翠までがドヤァ…と言わんばかりに胸を張っている…。
コホン、と軽く窘めるような咳払いをして、
サトツは彼女…と、彼女の肩に乗る小さな聴講者に言葉を放つ。
「さて…本題は次です……守られた財宝はそのまま遺跡を保持する国の博物館へ寄贈されますが…。」
「はい。」
「そこから盗まれたもの、そこへ送られる前に盗難に遭ってしまったものを見つけ出し、入手するのも遺跡ハンターとしての仕事の一つなのです。」
「そっ、か……。」
「まぁ、こちらに必ずしも重点を置く必要は無いのですがね。」
「なるほど…!」
「そこでです!」
「!」
ビシッ!と、人差し指をyouに向け、サトツは一つの提案を出した…。
「いい機会ですし、ヨークシンのオークションに参加してみてはいかがですかな?」
「オークションに?!わたしが?!」
「オークションでは歴史的な重要文化財が出品されることも少なくありませんからね…。」
「そういうことか…!」
「闘技場を勝ち抜いてきたのであれば、それなりの資財は稼いできたのでしょうし。」
「え…ええ、まだ何にも使ってませんけど…。」
「まぁ、落札できずとも、その場を経験するだけでも貴女の遺跡ハンターとしての成長には繋がるでしょう。」
「何事も経験、ということですね!」
「そういうことです。どうやらヨークシンには待ち人が来られるようですしね…?」
「うう……何故バレたし…//」
「フフ……今後の予定が決まれば、計画も練れるというもの。」
「そうですねまずはこの遺跡の…。」
「早速修行といきましょう。」
「あれ、空耳?」
サトツの思いがけない言葉に目を点にするyou。
その反応を諭すかのように、彼はピンと指を立ててその理由を述べる。
「遺跡調査はたったひと月では何の成果も上げられませんよ……それより、折角なので私が念の上達に於けるサポートをしてあげようかと思いまして。」
「サトツさんが?!」
「はい。余計なお世話でしたかな?」
「とんでもない!是非ぜひよろしくお願いしますっ!!」
「相変わらず良い返事ですね。あとひと月、貴女が以前から望んでいた能力の開発に勤しみましょう。」
「っ……ハイっ!新しい技……絶対皆に見せたい!」
「(『皆』ですか…何でしょうね……少し安心したような。フム…まるで父親の気分です。)」
喜んで修行の場所へと向かうyouの背中を見つめ、サトツは呟く…。
随分離れた場所から、後ろを振り返り「サトツさーーん!早くーー!」と叫ぶyou。
「まぁ、大事な娘(弟子)には変わりありませんからね。何処の馬の骨とも知れぬ輩においそれとやるワケにはいきませんよ?」
誰に聞かせるわけでもないが、少しだけ厳しい声色で一人そう言葉を漏らした。
「…にしても……あの指輪から滲み出る禍々しいオーラ…相当性質の悪い輩に目を付けられてしまったのではないでしょうか…。」
・
・
・
・
「ふ……ぁっくしょん!//」
「・・・何…珍しいね、風邪?」
とある街のカフェテラスで仕事の話をしていたヒソカとイルミ…。
盛大なヒソカのくしゃみに少し驚いたように、イルミが反応していた。
「んー?心配してくれてありがと♥でも、違うと思うよ◆」
「そっか…変態は風邪を引かないって言うしね…あと、別に心配はしてないよ。」
紅茶をゆっくりと啜りながら、イルミは至って真面目に言葉を返した。
そんな彼の言葉を華麗にスルーし、
ヒソカは唐突にうっとりとした表情を浮かべると、両頬に手を添えて熱い溜息を零す…。
「きっと愛しいyouがボクを想って噂をしてるんだよ…♥」
「キモイ。そしてその理由は100%無いと思うよ。」
「ハァン……you…♥」
「ていうか変態はスルーなんだ?」
イルミはハァ…と深い溜息を吐き、ヒソカを見上げる。
自分で思うよりも大き目の声でそう発したが、ヒソカの耳には全く届いていない様子。
恍惚の表情で遠くを見る視線も暫くはイルミに戻って来なさそうなので、
嫌がらせがてらにヒソカのコーヒーに塩を降りかけるイルミであった…。
words from:yu-a
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