天空闘技場編
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来たるべき日と
来たるべき人
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ゴウカクxノxライン
33:Two women
「試合日、決まったよ◆」
「ほんとですか?」
「これ、渡しておくね…観戦チケット♥」
「わぁっ…本当に取ってくれたんですか?!」
「モチロン、約束したしね♥」
「嬉しい、ありがとうございます!」
「どういたしまして♥」
そう言ってヒソカはyouに笑みを向ける。
youは大事そうにチケットを鞄に仕舞い、ヒソカを見上げた。
「…ヒソカさん…。」
「…試合が終わったら部屋にいてくれる?会いに行くから♠」
「・・・はい。」
「トンズラはダメだよ?渡したいモノもあるし…♥」
「渡したいもの…?」
「ウン、見てからのお楽しみ♥」
「気になります…!」
「ね、だから、逃げちゃダメ♥」
「ふふっ、分かりました。
それから数日後…。
ヒソカ対ゴンの試合日…ついに来たるべき日が遣って来た。
ヒソカは前列のいい場所をプレゼントしてくれたようで、
リングがよく見えるその席に着くとyouのテンションが一気に上がる…。
係員から前列は危ないので、注意せよとの案内が前の方で行われていたが、
誰一人として耳を傾けている者はいないようだった。
「(ヒソカさん…がんばってください!)」
わくわくしながら、試合開始の時間を待つこと10分。
リングにゴンとヒソカが現れ、会場から一斉に喚声が沸きあがった。
それはあまりに凄い喚声で、審判の試合開始の合図が聞こえないほど。
いつの間にか開始されていた試合にyouは慌てて集中し始める…。
試合開始から暫く、ヒソカが始まってから場所を動いていないとゴンに伝えると、
彼は驚いた後悔しそうに…しかしワクワクといった表情で戦法を変化させヒソカへ挑んでいく。
そんなゴンらしい闘いのスタイルに笑みを浮かべたのも束の間…。
やっと闘いらしい動きをし始めたヒソカ。
試合の途中に蹴り上げた石版が物凄いスピードで客席へと飛んでいく。
運良く…否、恐らく人がいない場所を計算してのことだろう…
会場のエントランス上、上層観客席の通路にぶつかり、粉々に砕けた。
と、その方向に目を向けたyouが大きく目を見開く…。
「マチさん…!」
途端、席を立ってyouはマチがいる場所へと向かった。
駆け足で階段を上り下りし、先程ヒソカによってぶつけられたブロックの破片や断片が散らばる上層席へ出ると、
そのすぐ傍にリングを見つめて立っているマチの後姿があった。
「ま、マチさんッツ!」
「?」
くるりと振り返り「アンタは…」と口を開くマチ…。
「確かヒソカの……名前…you、だっけ?」
「はい!」
「何か…用?」
「えっ、い、いえ…あの…別に用事という用は…特に無いんです…ケド…。」
だったら何で声を掛けた…と、言わんばかりの視線を向けられ、あたふたするyou。
そんな彼女を見兼ねてか、マチは溜息混じりに助け舟を出す…。
「私に何か聞きたいことでもあるワケ?」
「聞きたい事…ですか?」
「無いなら私、もう行くけど。」
「い、行くって…見ないんですか、ヒソカさんの試合…?!」
「見たって…どうせヒソカの勝ちだし。アンタこそ見なくていいの?」
「み、見たいです…!」
「・・・だったら見なよ。」
「でも、今はマチさんと話す方が大事です、多分…。」
「意味が分からない。」
「わたし……。」
「・・・。」
ぐっと言葉を吐き出そうとしている様子のyou。
マチは黙ってそれを待つ…。
それからようやく、緊張の中で出せた言葉は兎に角マチを驚かせるものだった。
「マチさんと仲良くなりたい!……ですっ!」
「はぁっ?」
大きな瞳を一層大きく広げて、マチはもう一度「意味が分からない」と言葉を漏らす…。
「わたし、ヒソカさんが好きです!尊敬してますし、大事な方です!」
「あ、そう。」
「もっとヒソカさんと仲良くなりたいから、もっと強くなりたいです!」
「あ、そう。」
「だから、どうしてもマチさんのことが気になってしまって…。」
「は?何で?」
「ヒソカさん、マチさんのことすごく好きみたいなんで。」
「はぁ?ムリ、気持ち悪い。私は大嫌い。」
「酷い言われようですね…。」
「事実だもの。」
キリッとした顔でそう言われ、ヒソカを気の毒に思う気持ちや自分の宣言に虚しさを感じる部分もあったが、
そこで引き下がってしまったら、マチに会いに来た意味も分からなくなるため、youはブンブンと首を横に振り、もう一度マチを見据えた。
「自分の目で見て、感じて、答えを出したいって思ったんです!」
「・・・。」
「マチさんがどんな人なのか、知りたいです!」
「どんな人って…。」
「はい!どのくらい強いのか、とか…どんな人が好きなのか、とか!」
「そんな人いないけど…。」
「ヒソカさんは?」
「大嫌い。」
「・・・えーーーーと…。」
「もういい?」
「じ…じゃぁ、憧れてる人、とか!大事な人は?!」
「…いないことも無いけど、アンタに教える義理は無いよ。」
「ううっ…確かに…。」
「もういいだろ…それに……。」
「?」
「私といても、イイ事なんて一つもないよ。寧ろ関わらない方がアンタの為だと思うケド。」
「そんなことはないです!!」
ぐっと拳を握ってマチに顔を近づける#you。
それに驚いてちょっと引き気味に「何だい!?」とマチは反応を返す。
「いい事はあります!マチさんのことを知ることができるから!」
「・・・は。」
「仲良くなれますから!」
「・・・アンタ…。」
「はい!」
「恥ずかしいヤツだね…///」
「ぬなっ?!ど、どこがですか!?よもやスカート破けて…?!」
「ないないない。」
「??」
「ぷっ…ハハ!変なヤツ。」
「ええっ…!!(また変って言われた!!)」
気落ちするyouを見て更に笑みを深めるマチ…。
一息、大きく呼吸を置いて、youに笑い掛けた。
「ヒソカと仲良くなる気は更々無いけど……そうだね、アンタならいいかもね。」
「えー…っと。」
「またどこかで会ったらよろしく。」
「えっ、えっと?!」
「じゃぁね、you。」
「!!」
そう言ってマチはヒラヒラと背中越しに手を振り、その場を去っていく。
その場に残されたyouはその背中を見えなくなるまで見つめ、そのあとも暫く立ち尽くしたままでいた。
気付けば試合終了のアナウンスが流れ、会場を出ていく人の波に飲まれており、
そこでやっと我に返ったyouは微かに「やった!」と呟き、嬉しそうに微笑んだ。
words from:yu-a
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