天空闘技場編
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聞けばやはり
ちゃんと
彼女は素直に話してくれた
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ゴウカクxノxライン
30:The facts linked together.
それはヒソカの予想通りのものだった。
カストロとはヒソカが留守の際に試合を行い、負けてしまったがとても満足のいく試合ができたこと。
彼は凄く誠実で優しくて(ヒソカには胡散臭く思えたが)、試合終了後に再戦の約束を交わしたこと…。
カストロとはそれ以降プライベートで会うことはなかったが、
戦った者同士が感じる、何か特別な絆のようなものを感じる事ができたのだと、彼女は言う…。
だからこそ、カストロが死んでしまったと聞いて悲しくて…。
更にはそれを引き起こしたのが一番尊敬しているヒソカで、どうしようもない憤りを感じたこと…。
そしてそこで、混濁した心境のままヒソカに会いに行ったのだが、
ヒソカの部屋から「ある女の子」が出てきて、更にパニックになってしまったこと。
「女の子…?」
「・・・。」
「ボクの部屋から…?」
「…はい。」
「う~ん…you以外の…だろう?」
「そうです。」
「カストロと試合をした後、だっけ?」
「そうです。」
「・・・あ!」
「・・・。」
ポン、と手を叩いて、あからさまに思い出したことをアピールするヒソカ。
にっこりと笑顔を作って事情を説明し始める…。
「そっか、マチのことだね★」
「…そうです。」
「え…名前知ってるの…?」
「廊下で少しお話しをしました……すぐ、終わりましたけど…。」
「ヘェ…何を話したの?」
「ヒソカさんの知り合いかと…聞かれました。」
「ウン、それでそれで?」
「・・・ただのお友達とお伝えしました。」
「・・・・・ヒドイ……で、マチは?彼女は何て?」
「え……。」
「え?」
「・・・。」
「え?」
「いえ……友達を辞めた方がいいって…。」
「あっは♥ 2人ともヒドイや♥」
陽気に笑い飛ばすものの、ヒソカは冷静に考えをまとめていた。
そんな会話の何処に嫉妬や不安を抱く必要があるのかと。
確かに今まで関わってきた中で、you以外の女性関係は自分に無かったので、
マチが遣ってきて戸惑いの気持ちが生まれるのは分かる。
しかし、マチの台詞からも「ヒソカを嫌悪している」のがハッキリ分かる
(自分で考えていて悲しくなったのは言うまでも無いが)。
それなのに何故…と、ヒソカは頭の中で首を傾げる。
「you、試合は見てないだろ?」
「え…ええ…。」
「マチはね…ボクの腕を治しに来てくれたんだ♥」
「腕、を…?」
「そ◆」
そう言うと、ヒソカは徐(おもむろ)に左腕をyouの前に出し、右手で腕の一部を摘み上げた…。
その瞬間、ひらりと何か薄い布のような何かが腕から剥がれ、空気中にふわりと消えた。
「???」
「これ「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」って言ってね、オーラをシールみたいに変化させる能力なんだ♠」
「これ……腕に…継ぎ目…。」
「そう、ちょっと油断してたらカストロに両腕持ってかれちゃった(油断じゃなくてワザとだけど…)♥」
「ッツ…!?」
「言っただろ、本気でかかってきた…って◆」
「そんな…。」
「で、この両腕を治してくれたのがマチってわけさ♠」
「皆さん…凄い念使いなんですね…。」
「・・・お陰様でyouを抱きしめられるよ♥」
「・・・。」
「あれ…まだ疑われてる?」
「すみません……わたし…。」
「?」
胸元でぎゅっと手を握り、俯きがちにyouは謝罪を入れる…。
何に対して謝られているのか分からないヒソカは
ひたすら頭に疑問符を浮かべて首を傾げた。
「闘技場に戻ってきて…受付の方に試合の結果を聞いて…ヒソカさんは無事だって…言われて…。」
「まぁ、無事に見えるように試合を演出したんだし…それはしょうがないよ◆」
「試合を見てもいないのに…ヒソカさんだけがカストロさんを傷付けたような言い方をしてしまいました…。」
「そう思われても仕方が無いさ♣」
「ヒソカさん…すみません…。」
「いいよ。」
「でも…そうであっても、わたしが一番謝らなきゃいけないのは…カストロさんなんです。」
「・・・◆」
「ヒソカさんが無事じゃなくても…無事であっても……わたしは、ヒソカさんのことを一番に想ってしまいました。」
「・・・you…。」
またyouの頬に涙が伝い、ヒソカはそれを長い指で掬い取る。
「それも仕方が無い事だ…共にいた時間が違うんだから◆」
「・・・それはそうですが…。」
「逆に…ボクからしてみれば、ボクとyouが紡いできた時間、空間、言葉や想い……それとポッと出の男への気持ちを比べた時、そっちに天秤が傾くなって考えたくも無い♠」
「・・・。」
「それに…カストロにはカストロの、大事に想うような人がいて、その人がきっとキミ以上に彼だけを想い、泣いてくれるはずだ…違うかな?」
「・・・そう…です、ね…。」
「死に至らせてしまったボクが言うのもなんだけど、彼を想って苦しむ…その役割はキミじゃない…絶対に。」
「ヒソカさん…。」
「ん?」
「ありがとうございます……少しだけ…笑えそう。」
「それはよかった◆」
「あとね…。」
「ウン?」
「後で一緒に、お別れをしに行きましょう。」
「・・・分かったよ♣」
微かに微笑んだyouを見ると「嫌だ」という気持ちや言葉は浮かばなかった。
ヒソカの言葉を受け入れたのだと分かったから。
そして、これで万事解決かと思いきや…。
涙を拭ったyouが何故かふっと笑顔を消した。
「でも、マチさんのことは違うんですよ。」
「え?」
「凄く強い子がヒソカさんの好みなんですよね?」
「え…ウン…まぁ……好きだよ?」
「マチさんを見て…分かった気がしました。」
「ちょ、ちょっと待ってよ…どうしてマチなんだい?確かに彼女は強くて正直かなりボクのタイプだけど…理由が分からない…◆」
サラリと正直な発言をかまし、悪びれもせずにyouを見つめるヒソカ。
そんな彼にyouは少し悲しそうな目をして、微笑った。
「お食事に……誘う声が、聞こえました。」
「・・・◆」
「本気の時の声は……ちょっとだけ、分かるようになってきたんですよ…わたし。」
「・・・。」
「だから、わたしだけじゃないって……つまり、そういうことです。」
にこりと、悲しいくらい綺麗にyouは笑顔を作った。
それはあまりに完璧で、ヒソカが思わず息を飲み込んでしまうほど。
「誤解…いや、誤解ってことでもないかな…確かに、ボクはマチのこと凄く気に入ってる。」
「はい。」
「見事な念使いだし、とても強い…それに負けん気が強くて性格もボクの好みなんだ…オマケに可愛いしね♥」
「なるほどですね。」
「だけど…何て言うんだろうね…やっぱり、違うよ……youとは違う◆」
「わたしと…違う?」
「強い子が好きだけど、嫉妬するのはキミだけだ♥」
互いに立って、目を合わせたまま…ヒソカは更に言葉を紡ぐことにしたようだ。
「ハッキリ言わせてもらうよ?」
「は、い?」
「キミは色恋に鈍感過ぎる◆」
「うっ…。」
「キミは本当に何も分かってない…★」
「な、そんなこと!」
「いいや、分かっていない♣」
ビシッと人差し指をyouの鼻先にくっ付け、ヒソカは物申す。
「ボクがマチやゴンやお気に入りの子と遊ぶことに対して、キミが悲しい気持ちを抱くように…
…ボクだってキミがイルミやカストロと仲良くしている事が気に入らない◆」
「ヒソカさん…。」
「…少なくとも、それはキミのそれよりドス黒くてドロドロした感情だよ…。」
「・・・。」
「キミをそこまで想うのに強い弱いは最早関係無いに等しくて、ただ、キミがボクのモノになってほしいという願望だけが在る◆」
「・・・。」
「ボクが…怖くなった?」
ふるふる、とyouは首を横に振る。
それから大きく溜息…否、深呼吸のように大きく息を吐いて、そっとヒソカの腰に腕を回した。
「もう少し・・・ヒソカさんを信じてみます。」
「(やっぱり疑ってたんだねー…♣)」
「・・・それと…。」
「ん?」
「弱いままでいい、とは思えません。」
「ボクがいいって言ってるんだから…いい加減、聞き分けの無い子だねぇ♠」
「ううん、それはわたしが。」
「?」
「ヒソカさんの存在に一喜一憂しないくらい、強い子になりたいんです。」
「えぇ~、なにそれ…可愛くないなぁもう…!」
「ふふっ…。」
「四六時中ボクを想って笑って、怒って、泣いて、泣いてくれよ…you♥」
「え、何で泣くの1個多いんですか?」
「youの泣き顔が好きだから♥」
「ヒソカさんっ!//」
「くっくっく……そうそう、もう大丈夫かな?いつものyouだね♥」
「!!」
くしゃりと、眼下にあるyouの髪を優しく撫でて、その額にキスを落とすヒソカ。
「前言ったよね……額へのキスは友情だって◆」
「・・・はい。」
「ただの友達……略してタダ友…今のボクとキミの関係だ♠」
「(根に持ってる…。)」
「今のyouの気持ちは、変わらず額へのキスの関係なの?」
「今…は…。」
「ボクはその答えが知りたい…♣」
「・・・。」
そっと腰に回された腕を解き、じっとyouを見下ろすヒソカ…。
暫し漂った沈黙ののち、彼が口を開く。
「ゴンと戦うって、言ったよね?」
「はい。」
「その次の日には闘技場を出るんだ、ボク◆」
「!!」
「その時、youの出した答えを教えてほしい…♣」
そう言い残し、ヒソカはもう一度だけyouの額にキスを落として部屋を去っていく…。
ヒソカといられる残り時間が刻、一刻と迫っていた…。
words from:yu-a
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