天空闘技場編
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あの子はとても優しい
利用しているだけなら解放してやれ?
キミがボクらの何を知っている
ダメダメ全然
キミは何にも分かっちゃいないよ◆
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ゴウカクxノxライン
27:the value of cheque.
「お使いのお相手って…イルミくんだったんですか!」
「や、久しぶりだね、you。」
ヒソカとカストロの試合日…。
闘技場から少し離れた街の、ヒソカに指定された店でyouが待っていると其処にイルミが現れた。
ヒソカに頼まれたお使いは「約束の場所にボクの友人が遣ってくるから、その人に渡してほしいものがある」というもの。
「忙しいのにまた面倒な事をって思ってたけど、君が代わりに来てくれるっていうから。」
「よく分かりませんけど…とりあえずこれ、ヒソカさんからの預かり物です。」
「ありがとう。」
ヒソカに預かったのは薄い封筒に入った何やら手紙のようなものが1通。それだけだ。
中身は何だろうかとyouはずっと気になっており、教えてくれない可能性は高いがダメ元で軽く聞いてみることにした。
「それ…中身は何なんですか??」
「これ?小切手。150万ジェニーの。」
「ええっ?!ヒソカさんっ!そんな大金をわたしに任せ…!」
「オレ達にとってはそう大金でもないし……そもそもここへ来るのがその依頼料っていうか…。」
「え?」
「ううん、何でもない。」
「???」
youには分からないが、イルミがここへ来たのも勿論ヒソカの依頼によるもの。
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1週間前…
「もしもし、イルミかい?」
『何、切っていい?』
「え、タメ無しで!?ヒドイなぁ…でもそれでこそイルミ◆」
『で、何?』
「いや、ちょっとお願いがあってさ…♠」
『…オレ、最近仕事が忙しいんだよね。切っていい?』
「いや、だからそんなすぐ切ろうとしないで!人と軽く1~2時間潰すだけで100万って依頼だから!!」
『安過ぎる。それにオレ、近くにいないし。』
「モチロン、交通費や飲食費は全部出すよ♥」
『それに…闘技場には行かないよ、キルに会うリスクがある。』
「じゃぁ闘技場から一つ隣の街ならいい?」
『それでも300超えてもやんないって。だってどう考えても殺し屋への依頼じゃないでしょ…雑用じゃん、それ。』
「重々承知の上だよ◆」
『・・・相手。』
「・・・you。」
『じゃぁ150でいいや。』
「・・・。」
『何?やっぱり止めたとか言わないでよね、折角乗り気になったんだから。』
「うーん…止めたって言いたい…凄く言いたい……でも悲しい事に、頼める友達が他にいないんだよね◆」
『オレも友達じゃないけどね。』
「冷たいなぁ…♣」
日時と場所はメールで送ってくれと話し、イルミが電話を切ろうとした時だった。
『あ、あのさイルミ♠』
「何?」
『youに手を出したら…殺しちゃうから。』
受話器の向こう側から聞こえる声に本気の気配を読み取るイルミ。
暫しの沈黙の後、ふぅ…と軽い息を吐いて相変わらず起伏の無い声でヒソカに言葉を返した。
「考えとく。」
『ククク…◆』
ヒソカの笑い声が癪に触ったのか、イルミはそのままブツリと電話を切る…。
と同時に、暫く会わない間に彼等の関係はより歪なものになってしまったのだとも悟るに至るのだった…。
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「(ヒソカとの関係に興味は無いけど…youに元気が無いのは嫌だなぁ。)」
依頼を受けた時のことを思い出し、ぼんやり考え事をしていると
ボーっとしているイルミにyouが心配そうな顔で声を掛けた。
「イルミくん…?」
「ねぇ………you、元気?」
「え?!は、はい元気…です?」
「ん、元気ならいいんだ。」
「…ふふっ……変なイルミくん。」
くすくすと軽い笑みを零すyouに安心したのか、イルミもほんのり口元を緩めた。
そして…。
「あ、そうだ。今日はyouに会うってことだから、一応持ってきたんだよね。」
「え?何を?」
「婚姻届。」
「書きませんよ?」
まったりと時間の流れる和やかなカフェに鋭いツッコミの声が響いた…。
一瞬シーンとなった店内にハッと我に返ったyou。
ゴホンと大きく咳払いをすれば、再び店内にざわめきが戻る…。
「イルミくん!もう…何考えてるんですか//」
「母さんが煩くて。何か凄いyouの事気に入っちゃったみたい。」
「その節はお世話になりました…けど、まだ結婚は考えられませんから。」
「カルトにも会ってたんだね、youお姉さまがお姉さまに欲しいってせがまれちゃった。」
「うっ……そ、それ卑怯ですっ!//」
「カルトはいい子だよ。キルと違ってちゃんと母さんやオレの言う事聞くしね。」
「キル?ミルキさん…じゃなくて?」
「ああ、三番目。ミルキには……あまり会わせたくない。」
何故会わせたくないのかと問おうとしたのだが、
普段無表情のイルミの視線がほんの微妙にだが、遠い目をしていたので深く追求はしないでおいた…。
そんなトークに花を咲かせる事小一時間。
隣テーブルに座っていたカップルの会話でyouは目を大きく見開く…。
「おおっ、カストロとヒソカの試合終わってる!」
「えーマジ?どっちが勝ったの?」
「えーと、ヒソカ。」
「あー、やっぱそっかぁ…私イケメン好きだからカストロ応援してたのに、残念ー!」
「つか…これ……ヤバくね?」
「何が?」
「カストロ……瀕死の重態らしいぜ?」
「ウッソ、マジで!?」
途端、ガタリと席から立ち上がり、youは困惑した顔でイルミに告げた…。
「い…イルミくん…わたし、そろそろ行きますね…!!」
「うん。分かった。」
「払っておきますね。」
「いいよ、オレの奢り(正確にはヒソカの経費だけど…)。」
「でも…。」
「いいから……急ぐんでしょ。」
「っ…すみません!」
「また屋敷に遊びにおいで、皆待ってるから。」
「ありがとうございます!」
深々と綺麗な一礼をし、youは店を飛び出していった…。
イルミは外に出ていったyouの背中をガラス貼りの窓から見つめながら大きな溜息を吐く。
「この依頼は「そういうこと」…か。」
どこまでも歪んでいる、と。
イルミは小切手の入った封筒をくしゃりと握りつぶした。
words from:yu-a
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