天空闘技場編
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未だ答えは出せないまま
でも傍にいたい
特別でいたい
気持ちだけは
募っていく
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ゴウカクxノxライン
24:What're U doing here?
ヒソカから思わぬ告白を受けてから数日…。
youは悩める日々が続いていた…。
修行にも身が入らず、このままではいけないと思い立ち
初心に帰るべく、下層フロアの選手達の試合を見学することにした。
そのアイディアは功を成したようで、試合が終わって部屋へと帰る時には
自分の次の試合や念についてのことで考え、悩めるようになったyou。
おまけに久しぶりに街に買い物に出て、溜まっていた鬱憤を晴らした。
このままこの調子で修行を行おうと心に決めて、200階フロアへのエレベーターを上がる…。
「わたしはここに修行で来ているのだから、ヒソカさんとのことを考えるなんてまだまだ…100年早い!うん、そうだよ!」
ぐんぐんと階層は数字を増し、その度にyouの独り言も増える…。
エレベーターガールはその独り言を軽く流し、最後に200階の知らせだけをyouに伝えた。
「ありがとうございました」という言葉を背に受け、フロアの廊下を歩いていくと
その先に、ついさっき「考えてはいけない」と言葉にした相手が座り込んでいた。
「ひ、ヒソカさん?!」
「やぁ、you♥」
「えーっと……ここで何してるんですか?」
「青い果実を…待ってるんだ♥」
「お友達さん、ですか?」
「んー…どうかな…気になる子、かな?」
「え…。」
「クックッ……ボク、強い子好きだから♥」
「・・・。」
ヒソカの言葉に反応できず、ただ黙して彼を見下ろすyou…。
暫くの沈黙のあと、youは「そうですか」と笑った。
「さっき…わたしも強くなるために頑張らなきゃって思ったトコだったんですよ。」
「うん?」
「ということで、今からわたしは部屋に戻って念の修行です!」
「そう、頑張ってね♠」
「はい!ヒソカさんも……えーと……。」
「?」
「えっと……うん、お気に入りな方によろしくどうぞ、です!」
「・・・ウン、ありがと♥」
明らかにいつもとは違う笑みを浮かべ、youはその場を逃げるように去っていった。
それはつまりヒソカの言う「気になる子」に少なからず嫉妬心を抱いているからだろう。
そのことが手に取るように分かるヒソカはすぐにでも彼女を追いかけて抱きしめたい衝動に駆られたが、
ここで待つという行為自体が契約ありきの、所謂「任務」であるがため、彼はただ黙して衝動を抑え込んだ。
本来であればそんな面倒を依頼してきたイルミに対して怒りが湧くのかもしれないが、
そんなことより今回は有難いとさえも感じてしまうヒソカ。
それは偏にyouの為。
好きだと言った相手は自他共に認める浮気者で、しかしそれでも「君が好きだ」と豪語する。
ただでさえそんな複雑怪奇な相手と恋をしようという状況下に置かれている上、
その男に、目の前で自分以外の他の誰かと「会いたかったから待っている」などと面と向かって言われれば、いい気はしない…。
否、寧ろ怒りさえ湧いてくるだろう。
しかしながら、彼は…ヒソカはyouが自分に対して単純に怒りを抱くことができない事を理解していた。
恋愛に疎く、人に優しくがモットーな彼女の性格からして、
ヒソカやヒソカが会いたがっている相手に対して嫉妬や怒りを抱きそうになる自分を諌めるはず。
きっと、修行に集中しようとすればする程集中できず、思考のドツボに嵌って自己を嫌悪するのだろう。
最終的にはベッドの上で膝を抱えて涙目で自分の名前を呼んでくれるはずだろう…「ヒソカさん」と。
最早それくらい、彼女は自分のことを考えてくれている…そんな確信がヒソカにはあった。
「果たして部屋で……ちゃんと修行…できるのかな?」
シュッと投げたトランプが、一際強大なオーラを纏って壁に刺さる…。
今は傍に居ない、でも手に取るように分かる彼女の思考を、
自分を想って笑って、怒って、泣いてしまうyouの姿を…考えるだけで口角が上がってしまう…。
ゾクゾクと全身にエクスタシーの素が広がり、下腹部に集まっていく気分…。
ヒソカは段々と荒くなっていく熱い息を抑える為に、その熱気を念に変換して何度となくトランプを飛ばした。
カードはもう既に数十枚刺さっており、トランプも時間も残りはもうあと少し。
そんな中、正面からやって来た2人の子どもを視界に入れ、ヒソカは嬉しそうに立ち上がった。
「200階クラスへようこそ♥洗礼は受けずにすみそうだね◆」
立ち上がったヒソカを凛とした面持ちで見上げるのは
ヒソカと戦う為にやってきた少年、ゴンとその友人のキルア。
彼等もまたyouと同じようにヒソカの定めた「青い果実」である。
奇しくも今年のハンター試験で出会い、並々ならぬ因縁が出来上がったのだが、
それは前年度のyouとは全く違う「縁(えにし)」だ。
彼女がヒソカと好印象で出会って別れたのとは違い、
ゴンたちとは少なくとも好意的な関係ではない。
というより、ヒソカと誰かが関わる場合は大概がそうなのだ。
寧ろyouのパターンが奇跡と言える。
(だからこそ、深く関わってしまったわけで。)
兎にも角にも、youにゴンにキルアに…。
今、まさに天空闘技場がヒソカにとって最高に面白い場所となったことは間違えようのない事実なのだ…。
「このクラスで一度でも勝つことができたら……相手になろう♥」
ヒソカは「それはそれは楽しみにしている」と言わんばかりの顔でゴンを見ると、背を向けて歩き出す。
向かう先は、言わずもがな…。
膝を抱えて蹲っているであろう彼女の元。
words from:yu-a
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