天空闘技場編
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イルミ家への訪問が終わり
パドキアを一通り観光し
2人は天空闘技場へと戻ってきた
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ゴウカクxノxライン
22:The defeat
闘技場に戻ってから、ヒソカはすぐに「ヤボ用があるんだ♥」と言って出かけてしまった。
尋ねたところ、目的地は明かしてくれなかったが飛行船で移動しなければならない距離らしく、数週間は戻って来ないとのこと。
離れるのが寂しいかと聞かれて、素直に寂しいと答えれば
「ボクもだよ!」と抱きつかれ、キスの嵐が降ってきた。
その時はただただ恥ずかしくて、すぐにでも離してほしいと騒いだものの、
いざヒソカのいない日々が増えるにつれて、物凄く物足りなくて寂しいと思ってしまうyou。
ただ、ヒソカに呼び出されることが無いので、存分に修行に打ち込むことができたのは有難い事ではあるわけで…。
日々の鍛錬の結果、自分の能力で作り出せる鳥たちの種類が格段に増えたのは喜ばしかった。
そんな中、戦闘準備期間の期日が差し迫り、youは試合を申し込んだのだが…。
「う、うそでしょ?!」
驚愕の相手と対戦することとなってしまう。
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「はじめまして、youちゃん。お手柔らかに頼むよ。」
「か…カストロさん…それはわたしの台詞なんですけど…!」
白い歯を見せ、アッハッハと爽やかな笑顔を浮かべるのは一見するとただ顔のいい優男。
しかしながら、その実力折紙付き。
あのヒソカ相手に唯一ダウンを取った相手なのだ。
(余談だがそんな相手を前に、ゴクリと固唾を呑んで彼を見据えるyouの後ろから、
いつもの実況アナウンサーの明るい声で「you選手これは油断大敵カストロ強敵だー!」などと微妙な盛り上げの言葉が飛び出し、心底緊張が解けてしまったという。)
そして、試合が始まる…。
「今日はヒソカさんはいないけど……恥ずかしくない試合にするぞ!」
「そういえば君は彼と仲が良いみたいだね、とっても心が広い子だ。」
「確かにヒソカさんはちょっと変わってますけど……優しい人ですよ!」
「私はあまりオススメしないけどね……さ、そろそろ始めようか。」
「はい!よろしくお願いします!」
ぺこりと綺麗にお辞儀をしたのを合図に、審判が試合開始の宣言をした。
それにより防御の姿勢をとったカストロを見て、youは自分から攻撃をどうぞという意味合いを読み取る…。
「じゃぁ…こちらから!」
「来い!」
まず手始めに…と打撃をいくつか仕掛けていったが、全て弾かれてしまう。
それならばと「流」を駆使し、攻撃力を部分部分で高めて挑んだがそれもダメであった。
「(強い…流石ヒソカさんからダウンを奪えるだけの人!)」
「驚いた…「流」で防御も疎かにせずの攻撃か…君は私の予想以上に強いようだ。」
「ありがとうござい…ますっ!」
ドォン!という音が響き、リング上に土煙が上がる…。
「ふふっ…「硬」の威力も申し分ない、か……でもあくまで応用技での範囲だね……君は強化系じゃない。」
アナウンサーが「you選手、リングを素手で叩き割りました!可愛い顔をして何という怪力でしょう!」と実況を付ける。
それに対し、「怪力じゃないです!」と呟いて不貞腐れたような表情を浮かべるyouを見て、カストロはくすりと笑った。
「確かに、一般的に見れば怪力かも…。」
「かっ、カストロさんまで!//」
「ははっ、ごめんごめん……僕等にとっての怪力は強化系能力者のことだ。それはちゃんと分かってるよ。」
「そうですよっ、まったくー!」
「君の試合は事前にちゃんと見させてもらったよ、具現化系だね?」
「カストロさんは「虎咬拳」の使い手……その威力…強化系、ですよね。」
「そうだね…でも、果たしてそれだけかな?」
「?」
「君にそれだけの実力があれば、お見せしようかな。」
「ええ、是非!(…他にも隠し玉があるってコトか……やっぱり強いんだな…)」
「さぁ……youちゃん…君の実力を見せてくれるかい?!」
「では……胸をお借りさせていただきますね!」
「ああ!」
タッ…と、一歩後ろへバックステップし、youは念を発動させる…。
現れたのはギド戦の時と同じオーラで具現化された鷲…。
「鷲(イーグル)か……鳥類一大型のものだね。つまるところ、一番攻撃向きということかい?」
「流石です……じゃぁ…行こうか、イーグル!」
youの指示でイーグルは大きく羽ばたき、宙へと舞い上がる…。
すぐに空中高くでホバリングし、イーグルは一気に急降下をし始めた。
「イーグル!」
「急襲か!」
「急襲…か~ら~の~!!」
「?!!」
「羽根矢の雨(アローレイン)!!」
「な…っ!!」
急降下によるスピードとパワーでの突進攻撃かと踏んでいたカストロ…。
しかし、youの命により急停止したイーグルは翼を動かした反動を利用し、
念で創り上げられた無数の羽根を雨のようにリングに降らせた。
身一つ、単一の攻撃に対しての対策を取っていたカストロに、広範囲攻撃を避ける術は無く、
降り注いだアローレインを全て応用技の「堅」で受ける事となった…。
「ぐ…っ…(少し掠ったか…)」
「うわわわ…ほとんど弾かれちゃった……。」
「凄いじゃないか…羽という物理要素がベースとはいえ、若干放出系の系統も感じさせる技か……威力はそう高くないが、相手は今のように一瞬でも攻撃の手を止めて強制的に防戦を余儀なくされる……やるね…youちゃん…。」
「っ……(流石の洞察力と判断力……)カストロさん……強いです…!」
色んな手を使って攻め続けているが、カストロに大して大きなダメージは与えられなかった。
次の手を考えたいところだが、カストロはもう待ってはくれないようだ。
「つぎはこちらの番」と、攻撃体勢で構える…。
「まだ虎咬拳は使わない!」
「わ…っ!!」
真面目な顔つきでその言葉通り、必殺技でいきなり倒しに掛かるわけではなかったものの
その攻撃は流石強化系と賞賛に値するほどで、勿論具現化系のyouとは比べ物にならない威力…。
ドゴォン!!と音を立てて、リングの床のブロックが一気に3つほど破壊される。
「ひぇえ…!」
「さぁ、次いくぞ!」
「っ……翼持つ者(スピリット・バーズ)…モードチェンジ!!」
「なに!?」
「空の疾走者(ファルコ)!!」
「ファルコ……隼か!」
「(虎咬拳は威力に視点を置いた必殺技だから、カストロさんはスピードを最優先で考える強化系じゃない……はず!!)」
イーグルの形態をファルコに変化させ、力重要視の攻撃からスピード重視に切り替えたyou。
その作戦は意外に功を成したようで、一回一回が高速のファルコの攻撃を
カストロは交わす、防ぐ、弾くので精一杯な様子…。
もちろん回数は少ないが、掠めたりして攻撃を受けることもあり、
地味ではあるが審査員の判断で確実にyouにポイントが溜まっていく…。
「(いける…このままなら!)」
「く……仕方ない……このまま防戦一方では終われないからな…!」
「そのまま終わってくださいーー!」
「はは、そうはいかないよ…っ!(あまり……色々といい方法ではないが…)」
かすり傷だらけでニコリと綺麗な笑みを浮かべるカストロ…。
ヒソカ然り…やはりイケメンはどんな姿でもイケメンなのだと、こんな状況でも冷静に考えてしまうyouであった。
その、イケメンなカストロが取った行動に、youだけでなく試合観覧者達一同は驚きの表情を浮かべる…。
「・・・ぐ…っ!」
「ファルコ!」
「捕まえた!」
カストロが取ったアクションとは…
甘んじてファルコの攻撃を正面から受けることだった。
自身の腕を目掛けて飛んできたファルコの攻撃を、敢えて身体をずらして正面で受け止めた。
「堅」で弾いたりすることなく、器用にも威力の低い虎咬拳を繰り出して
youのファルコを消滅させることで、「翼持つ者(スピリット・バーズ)」を一時停止させたカストロ…。
「スピード重視の連続攻撃に重点を置くと、どうしても懐に飛び込まず、サイドアタックになるからね。」
「(カストロさん、すごい……これがフロアマスターレベルの闘い…!)」
「しかし思った以上のスピードだった……ちょっと嘴、お腹に刺さっちゃったよ……凄いね。」
「ええ……ファルコが奪ってくれた貴重なポイントです…あと…4ポイント!」
「気付かないうちにそんなにポイントを取られてたなんてね……驚きだ。」
「勝ちに行きます!」
「それはできない、これで終わりだからね。」
「な……ん、っ……!!!?」
本当のところ、youは「何でですか?」と尋ねようとしていた。
しかしながら、その短い言葉さえも紡ぐことなくyouはその場に倒れる…。
"正面に居るカストロを見つめたまま、背後にいるカストロに手刀を入れられて"
「(瞬間、移動…でも、確かに目の前に、カストロさんはいる……の、に……)」
「正直、この大衆の前でこの技は見せたくなかったし「アイツ」のためにとっておきたかったのだけれど…。」
「(あいつ…?だめ、意識もしっかりしないし…身体が動かない……10カウントの間に起きなきゃなのに…!)」
「それでも私は君相手には虎咬拳は出せないから、仕方がないね。」
「(ヒソカさん……わたし…。)」
「5…4…3…」と、審判が10カウントを取っている声がうっすらと耳に入る…。
「(負けてしまいました…。)」
自分の実力がまだカストロに及ばなかったのも納得はできる。
それでも、帰ってきたヒソカに「勝ちました」と言うことを楽しみにしていた彼女には
何よりも「悔しい」感情が一番最初に心に感じてしまうのだった…。
「カウント10!youダウンにつき、勝者、カストロッツ!!」
試合終了の合図と共に、大きな歓声が湧き起こる…。
騒がしいフロアの喧騒の中で「彼女は私が医務室まで連れて行きますよ」と、審判に告げ
カストロはyouを抱き上げ、リングを後にした…。
words from:yu-a
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