天空闘技場編
name setting
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ピンク色のふわふわドレス
きらきらひかる銀のティアラ
おとぎ話のお姫様みたい
Passing mark
ゴウカクxノxライン
19:dress up doll
「んまぁあ!可愛い!かわいいわぁああ!とぉってもよく似合ってるわ!」
「あ、ありがとうございます…。」
イルミとヒソカが部屋で話をしている時、youはキキョウの部屋にいた。
衣裳部屋から沢山のドレスを取り出し、1着、2着…とyouを着せ替えていくキキョウ。
着せ替えにはかなりの労力を要するらしく、末っ子まで出動しての着せ替えタイムとなっていた。
「本当に可愛らしいわ!ねぇ、カルトちゃん!」
「はい、お母様。」
そう母を見上げて言ったのは、ゾルディック兄弟の末っ子カルト。
ジャポン特有の民族衣装を身に纏った小柄で可愛らしい少女だ。
「カルトちゃんもyouちゃんを気に入っちゃったかしら?ホホホ。」
「はい、お母様。」
「念も使えて愛らしくて朗らかで……お姉さんに欲しいわねー…カルトちゃん?」
「はい、お母様。」
「イルミのお嫁さんになってくれれば、youちゃんはカルトちゃんのお姉さんになれるのにねー?」
「はい、お母様。」
よく分からないが妙なプレッシャーを感じるyou。
同じ言葉を繰り返すカルトにも若干の怯えを覚えてしまうほど。
とりあえず、当たり障り無く笑顔を浮かべて流すことにした。
「あ…はは…で、でも、わたしよりカルトちゃんの方が全然可愛いよ!?」
「ボクは……男の子だから…可愛くは無いの。」
「・・・・。」
にこりと綺麗に笑ったカルトの言葉に暫しの沈黙が漂う。
驚きの新事実に口の中が一気に乾いていく気がした。
「え…?」
「ボク、男の子だよ、youお姉さま。」
「いやいや…こんなに可愛い女の子が男の子なワケがない。」
「ふふっ、youお姉さま面白い。」
「うそー!」
くすくすと愛らしく笑うカルトが男だとは未だ納得ができないyou。
キキョウに「本当なんですか?!」と問えば、当然とばかりに肯定の答えが返ってきた。
「そういえばお伝えしていなかったわねぇ…。」
「えええ!」
「そんなに驚かれる事かしら…?」
「だだだだって、カルトちゃんこんなに可愛いんですもの!」
「あらまぁ!よかったわねカルトちゃん!可愛い、ですって!」
勿論カルトの返事は「はい、お母様」。
どうして女装をしているのか、させているのかということが当然疑問となって湧いてくるのだが、
youにそれを尋ねる勇気は無く…。
それ以上なにもツッコめないままに話題はスルーされることとなった。
「さぁさ、次は何を着てもらおうかしら…!」
「え、次…(もう10着目なんですけど!!)」
「最終的には私が結婚式で着たウェディングドレスを着てもらいたいわねぇ!」
「(どんな最終地点なの?!!)」
「オホホホホ!!」
「あ…あはは…あはははは…。」
甲高く響く笑い声の中にyouの乾いた声が微かに混じって掻き消えた…。
そんな折、部屋の内線が鳴り響き、カルトがそれを取る。
数回「はい」と「分かりました」を繰り返した後、カルトはキキョウに呼び掛けた。
「お母様、イルミ、お兄様から…。」
「あら。」
「お茶の用意ができたから…って。」
「・・・早かったのね、もっとyouちゃんをお着替えさせたかったのに…残念ね!」
「はい、お母様。」
少しだけ不機嫌そうにそう言い放ち、キキョウはカルトに次のドレスを持たせた。
それは、艶々としたピンク色の生地のドレスで、上から下までたっぷりと白いレースがあしらわれ、
中にパニエを着用すれば、まるでどこぞの国のお姫様のよう。
おまけにキキョウがこれもお付けなさいと頭に煌びやかに光るティアラまで乗せたものだから、
訪問1時間ちょっとで、youはまごうことなきプリンセスへと変身するに至った。
「youお姉さま、可愛い。」
「本当に!私にはちょっと少女趣味だったから、女の子がいれば着せようと思っていたのよ!」
「こ…これキキョウさんのドレスなんですか…。」
「ええ。何か問題でも?」
「いえ!だ、大丈夫です!全然問題ないですっ!」
「そう、じゃぁ……早速イルミに見せに行きましょう!」
「は…はひ…。」
一瞬、キキョウに暗殺一家の本質を垣間見たyouであった…。
それから、広間へ戻ることになったのだが、
カルトは勉強の時間だからということで、部屋へ戻っていった。
少し残念そうな顔をしていると、カルトが「また遊びに来てね、youお姉さま」と大変可愛く笑って言うので、
彼女…否、彼の笑顔を見るためであれば10回くらいの着替えなら耐え抜いてもいいかもしれないと思ってしまうのだった。
そして・・・。
「イルミ、ヒソカちゃんも、お待たせしてしまったわね!」
「別にそんなに待ってないよ。」
「それならよかったわ…さ、入ってらっしゃいyouちゃん。」
「…うわ、何それ凄いね。」
「ホホホ、可愛いでしょうイルミ…私の昔のお気に入りのを着せたのよ!」
「少女趣味。」
「私には似合わなかったけれど……youちゃんはとぉっても似合ってるでしょう?」
「あー…うん…確かに、これは母さんよりはyouの方が似合うかもね。」
テンションの高いキキョウの言葉に、坦々と返事を返していくイルミ…。
会話が落ち着いたところで、部屋の入り口で突っ立ったままでいるyouはキキョウに背中を押され、ヒソカとイルミの向かい側に着席した。
用意された紅茶に軽く口付けたところで、ヒソカに声を掛けられる…。
「おかえり、you◆」
「ひ…ひそかさん…//」
「可愛いドレスだね、よく似合ってる♥」
「は…はひ……あ、あり、ありががとございます…//」
「くっく……ドモりまくり……恥ずかしいの?」
「だ、だって……こ、こんな格好…したことないから…//」
「着る機会も無いしねぇ…♠」
頬杖を付いてyouを見つめるヒソカ。
彼の言葉にyouはただコクコクと首を縦に振った。
すると、ヒソカの言葉に過敏反応を示した者が一人…。
「着る機会なんて!ゾルディック家に嫁げば数え切れない程あるわ!」
「・・・◆」
「イルミのお嫁さんになってくれたら、さぞ素敵なことになるわ、きっと。」
「それはそれは…♣」
「youちゃんが良ければ、だけども…!」
「良ければ…ねぇ…♠」
期待に満ちた声色でキキョウが、ねっとりと陰湿な声色でヒソカが…youを見つめて言う。
「(えぇえええ!)え、えっと……そ、そうです、そういうことはまずい、イルミくんにイルミくん本人にも聞かないと!!」
「オレはいいけどね。」
「ホワッツ?!」
「オレはいいよ、youが良ければ。」
「なななな何言って…?!」
「だって、どうせ最終的に見合いとかになるだろうし、それなら顔見知りの方が良くない?」
「良くない!そんなの普通の意見じゃなーい!」
「そう?でもオレ、youの事は嫌いじゃないしね。」
「そ、それはわたしも…イルミくんのことは嫌いではないですけど…。」
「じゃぁ、いいんじゃない?」
「いくない!だって、結婚は墓場だって言うじゃない?」
「「「女の子の憧れじゃないの?」」」
一同盛大にツッコむのだった…。
ひとまず…コホンとキキョウが咳払いをし、再度説得を試みる。
「でも、それは人それぞれよ、youちゃん。」
「そう…でしょうか。」
「ええ、だって私はゾルディック家に嫁いで幸せだもの……。」
「・・・。」
「立派な長男がいて、世話は焼けるけど甘えたの次男は何だかんだで可愛いわ。三男は旦那様にそっくりで将来が楽しみだし、末は今一番可愛い時期だもの…。」
「・・・素敵、ですね。」
「ええ、とても……結婚の賜物だと思っているわ。」
「・・・。」
「だから、今すぐ婚姻届にサインを書いてくれると嬉しいんだけど…。」
「はい……って、ちがーう!」
「チッ…。」
「チッって……。」
「でもねyouちゃん…!!」
「わ、わたしはまだ…世界を見てみたいんです…!」
声のボリュームを少し上げ、youはキキョウの言葉を遮った。
イルミもヒソカも目を僅かに大きく開き、彼女を見つめる…。
「ハンターライセンスを取得して……念を覚えて…本当のプロ遺跡ハンターになったばかりで…。
まだまだ修行不足で他の遺跡ハンターの皆さんにご迷惑ばかり掛けてて…。
だから天空闘技場で修行をするために遣ってきて、ヒソカさんやイルミくんに出会って…。
これからもっと強くなって、皆の役に立てるようになって、沢山の遺跡を見つけたり守ったりしたいんです。
沢山の世界の文化や遺産を見てみたいんです。
だから、もし結婚を考えるとしても…それは今じゃなくて…。
そうやって、わたしがわたしの道を歩いてる途中で、それはそれは素敵だな…って思える人に出逢ったら…。
それから、気付くんだと思うんです。
その人がとっても大好きで…大好きで…。
ずっと一緒にいたい…って、思ったら…。
それから、2人で一緒に考えるんじゃないかなって思うんです。」
おとぎ話のキャラクターのような格好で、至って真面目に熱弁するyou。
仕舞いにはその場で立ち上がり、ぐっと拳を握り締めていた。
言い終え、慌てたように「何か普通の事を熱く語ってすみません!」と顔を真っ赤に染め上げたのだが…。
その羞恥心はすぐに何処かへと飛んでいく。
というのも、部屋に大きくヒソカの笑い声が響いたから。
「クックック……◆」
「?」
「やっぱりイイよ…キミ、大真面目なトコが凄くカワイイ♥」
「う…あ、当たり前のハナシですみません。」
「ボクはそこが好きなんだ♥」
「はぁ…。」
「イルミ、つまりボクらはyouにとって「素敵な王子様」じゃないらしい★」
「あ、あの別にそういう意味じゃ…!」
「残念ながら…「まだ」ね◆」
ふっと不敵に笑みを浮かべ、イルミに目配せをすると彼も何故かヒソカの挑発に乗ってきた。
(つまり悪ノリとも言う)
「そうみたいだね。何か悔しいからちょっと頑張ってみようかな。」
「キミは頑張らなくていいよ◆」
「いや…ちょっと頑張るよ。」
「頑張らなくていいって…♣」
「だって、オレ、頑張らなきゃ結婚は見合いだもん。」
「いいじゃないか★別に気にしないだろ?」
「気にしないけど、youの方がイイ。」
「イルミ…キミ、喧嘩売ってる?」
「売ってない。」
「ああ、性質悪いなぁ…◆」
「ということだから、これからゾルディック家をよろしくね、you。」
サラリとキミのハートを狙い撃ち宣言をし、イルミはyouに視線を送る。
「よ、よろしくって…。」
「オレも極力youに会いにくるよ。」
「は、はぁ…。」
「だからオレとの結婚、考えといてね。」
「・・・。」
驚きたい…いや、実際内心では物凄く驚いているのだが、
如何せんイルミに表情が無いので、youは驚きを素直に顕にできなかった…。
まるで部活勧誘をするように、サラッと結婚勧誘をしているのだ。
おまけにヒソカは先程よりも一層不機嫌なオーラが滲み出ている。
youは滝のような汗を我慢して、苦笑を浮かべた。
「し……暫く考えさせていただけますか…。」
「ウン、全然いいよ。」
「それから…。」
「ウン?」
「正直もうコルセットが限界なの。」
そう告げ、youはバターンとその場に倒れ込んだ。
words from:yu-a
*。゜.*。゜.*。゜.*