天空闘技場編
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「おじゃまします」と言えば、
普通は「いらっしゃい」だと思っていた
そんな感覚は一般常識ではないのだと知った
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ゴウカクxノxライン
18:Zoldyck family
ヒソカに抱きかかえられたまま、イルミの案内でゾルディックの屋敷へとやってきたyou。
玄関でやっと地に下ろしてもらい、また、バンジーガムも外された。
そして出迎えてくれたのは…。
「んまぁああ!可愛いらしいお嬢さんだこと!流石、イルミの目に敵うだけの事はあるわぁああ!!」
機械式のゴーグルと包帯とで素顔を隠し、西洋貴族のようなドレスを着た、高音域の女性。
尋ねるまでも無く、この女性がイルミの母なのだとyouは理解した。
彼女は感極まった様子でyouたちに駆け寄る…。
「ゾルディック家にようこそ!可愛い小鹿ちゃん…えーと、お名前は?」
「あっ、は、はじめまして……イルミくんの友達のyouと申します。」
「youちゃんね!んまぁあ可憐なお名前だこと!」
「ど……どうも(ていうか小鹿って…。)」
「私はイルミの母、キキョウと申しますの。」
「キキョウさん…お綺麗なお名前ですね。」
「まぁ!嬉しいわ!益々お気に入ってしまいそう!」
「え…。」
「ヒソカちゃんも、お久しぶりね!あら、今日はメイクをしているの?残念ね。」
急に顔の角度を変えてヒソカに言葉を投げ掛けるキキョウ。
驚くyouとは裏腹に、ヒソカは飄々とした態度で「申し訳ありません♣」と笑い返した。
「さぁ、お茶の用意をしましょうね!」
「あ、あの…お構いな…」
「じゃぁ早速…じゃなくて、お茶の準備をする間に……youちゃん、ちょっと私にお付き合いいただけるかしら?」
「あ、は、はい…?」
「んまぁああ!じゃぁ、早くこちらへ!!」
「え、ちょ、ちょっとまっ…!!!」
「さぁさぁ!!」
「ちょ、ひ、ヒソカさ……い、イルミく……?!」
「オホホホホ!!!」
「えーーー!!??」
キキョウにガッチリ腕をホールドされ、そのまま連れ去られるyou。
玄関に残されたヒソカは「相変わらず凄いねぇ★」と他人事のように呟いた。
「母さんのアレは一種の病気だよ。」
「気持ちは分かるけどねェ……家族が男所帯だと母親はつまらないってよく聞くし◆」
「だからって普通男に女装させて育てる?ヒソカは我慢できるワケ?」
「ノーコメント♥」
「でしょ?」
「まぁ、何というかとりあえず…♠」
「うん…。」
「「you、ご愁傷様。」」
声を揃えてそう言葉を放つ。
それからイルミがヒソカに向き直り「それじゃぁ」と言葉を続けた…。
「頼まれてたもの、手に入れたよ…ていうか作ってもらった。」
「ありがとう、イルミ♣」
「ちょっと複雑な内容だったから高かったけど、ヒソカなら痛くも痒くもないでしょ?はい、これ請求書。」
「ハイどうも……流石にイルミは色んな方面に顔が広いねェ◆」
「仕事関係であれば、ね。それ以外だと稀薄だよ。」
「ボクに比べれば多いモンでしょ?ホラ、ボクって人見知りするから…♥」
「それ、人見知りが原因じゃないと思うけど?」
「ヒドいなぁ♥」
「そういうトコだろ。」
「♥ 」
ヒソカの言葉を悉(ことごと)く一蹴し、イルミは依頼物の請求書をヒソカに手渡した。
それを受け取ったヒソカは財布に入れるでもなく、いつもの奇術でパッと手元から消して見せる。
見慣れているのか、イルミは眉一つ動かさず歩き出した。
「頼まれてたもの、オレの部屋にあるから…。」
「ウン、楽しみだなぁ★」
「でも、なんで「あんなもの」を頼んだワケ?」
「使うかどうかはまだ決めてないよ、ただ……離れる事になったら使っちゃうかも♠」
「へぇ…珍しい。どうしてそこまで入れ込んでるの?ヒソカのことだし…身体の相性?」
「珍しいついでに言っとくけど、手ェ出してないんだよね。」
「・・・。」
「・・・♪」
「去勢でもしたの?」
「それはボクにとっての死を意味する◆」
いつになく真剣な雰囲気で「だよね」と投げ掛けるイルミ。
ヒソカはそれを特に否定せずに答えていく。
「勿論そんなウェットな関係は望むトコロだよ?でもさ、何かそれだけで片付けちゃうのが勿体無くって♠」
「クロロみたいに強い?」
「弱いよ?」
「ゴンみたいにポテンシャルが高い?」
「中の上かな★」
「何が好きなの?」
「んー…分かんない…全部、かな?」
「疑問系なんだ?」
「そ。よく分かんないんだ……とりあえず可愛いし、一緒にいる感じ◆」
「それだけ?」
「面白いよ、一緒にいると……ボクと真反対でさ。」
「・・・。」
「まるで鏡みたいだよ♣」
「鏡…ねぇ。」
「性別、性格、好きなもの、嫌いなもの、趣味……まるで当てはまらない★」
「それ、一緒にいて楽しいの?」
「くっくっ…◆」
尚も話しながら歩き続け、2人はイルミの部屋へと到着した。
部屋の中はこざっぱりしており、生活観があまりない…イルミらしい部屋だ。
寝室に入っていく途中で「適当に掛けてて」とイルミに言われ、ヒソカは近くにあったソファに背を預ける…。
そして…戻ってきたイルミの手には指輪かピアスが収まるくらいのジュエルボックスが握られており、
彼はヒソカの向かいに座ると、ボックスの蓋を開けて2人の間にあるテーブルに置いた。
「できあがりはこれ。ちゃんとヒソカの依頼内容でリングに神字を書いてもらったよ。」
「疑ってないさ♠」
「そう?あと、デザインは「内容が細かかったからちょっとゴツめになったけど、なるべく可愛くしたつもり」だってさ。」
「このくらいなら許容範囲だよ、ありがと♥」
「どういたしまして。紹介手数料はいつもの口座によろしく。」
「ハイハイ♥ you、喜んでくれるかなぁ~♥」
「その内容知ってて喜んだら正直人格を疑うよ。」
「勿論内容はヒミツさ♣」
「だろうね。」
もう一度「ありがとう」と礼を述べ、ヒソカは依頼物であるリングをポケットに仕舞った。
お茶でも用意するか…と、立ち上がったイルミを呼び止めるように、ヒソカは呟く。
「イルミ……ボクは狂ってる?」
「間違いなく。youって普通の娘でしょ、心底同情するね。」
「…そういう事を言うとまたボクの独占欲が増大するんだけど◆」
「狂ってることは今までもだからアレだけど……何だろう、うまい表現ないかな…。」
「・・・・。」
「ねぇ、彼女に対して、の意味だよね?」
「ウン。」
「それなら、そう…一言だと思う。」
「ウン?」
振り向かず、背を向けてイルミは言った。
「歪んでる。」
ヒソカはふっと笑みを作り、イルミには聞こえないほどの声で呟く…。
「それでもyouはとても真っ直ぐにボクを見てくれるんだよ◆」
しかし、すぐに切り替えを試みる。
誤魔化すように、大きな声で「早くお人形ごっこ終わらないかなぁ♣」と笑った。
words from:yu-a
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