天空闘技場編
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youを自分の部屋まで連れ帰ったヒソカ
「だから言わんこっちゃ無い」
そんな意味を込めて盛大な溜息を吐いた
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ゴウカクxノxライン
09:your warmth
「だから謝りに行っても得することなんて何も無いって言ったのに…◆」
「…すみません…。」
「ボクに謝っても仕方ないデショ…。」
「はい……。」
「さっきのは彼の言った通りだ◆キミは些か人を信用し過ぎているし、無防備過ぎる…人に対して…男に対して…ボクに対しても。」
「でもヒソカさんは…!」
胸の前でぎゅっと拳を握り、反論の意を示すyou。
しかし、ドンと肩を強く押されてそのまま仰向けにベッドへと突き飛ばされた。
突然何をするのかと驚きの声を上げようとした矢先に
天井を背景にして視界いっぱいにヒソカの顔が映り込む…。
「ひ、そ…?!」
「ホラね…「こう」なる◆」
「…っ…!」
「食べたかったよ、今日も昨日も一昨日からも、ずっと。」
「それは…えっと…。」
「うん、キミを♥」
「?!//」
「でも、愛だとか恋だとか、好きとか嫌いとかじゃないんだよ?こういうのは…◆」
「・・・。」
「男っていう生き物はね、平気でこういうコトできるのさ…残念だろうけど♣」
「ヒソカさんも…?」
「・・・そうだよ♠」
だから少しは人を疑え、警戒しておけ…と…。
そう忠告しようとしたヒソカの言葉を、youが遮った。
「じゃぁ……どうして教えてくれるんですか?」
「え…?」
「どうして……酷い事…しなかったんですか?」
「今日も昨日も一昨日からも、ずっと」と…ヒソカの言葉をそのまま跳ね返せば、
ヒソカはこれでもかというくらい目を丸くした後、顔に手を当てて笑い出した。
「クククク…っ……そう、だね…◆」
「・・・。」
「どうして、しなかったのだろうね。」
「・・?」
スッと顔から手を離すと、珍しく困ったような顔をした奇術師がそこにはいた。
「キミがあまりにも……変な子だから、かな?」
「ええええ?!!」
実は、ほんのちょっとだけもっと甘い言葉だったりを想像していたらしいyou。
その考えはものの見事に打ち砕かれた。
ヒソカもクスクスと笑いながら、己が身体を横に退かした。
「それはつまりわたしが世にも奇妙な珍獣のようなヤツだから、女性であっても何かする気にもならなかったという事ですか!うああ!何たること!」
「珍獣って…!//」
「おお!神よ!!」
「ちょ…も、やめ…◆//」
「もう泣きたい…。」
「ボクも泣きそうだからそれ以上面白いこと言わないでくれる?//」
自分と正反対の存在である何か透明な印象を受ける彼女をすぐに汚してしまうのが勿体無くて手を出さなかっただけで、
彼女の同意があればすぐにでも自分のモノにしていただろう。
それが彼女の脳内解釈では「自分が妙な女だから襲わない」という結論になるらしい。
意思の疎通ができないのもここまでくると笑いが込上げる。
「そんなコト……思ってない、思ってないよ…you♠」
「…えぇ?」
「確かに手は出しにくいケド、そういう意味じゃないんだ…寧ろそうだな…キミの恋人の有無が気になるくらいだ♥」
「恋人…?」
「いるの?」
「いない…ですよ。」
「そう…よかった♥」
「いたらこんな場所に一人で来ませんよ…。」
「確かにそうだ♣」
軽く拗ねたように唇を尖らせるyouにヒソカもクスクスと笑う。
ただ気になるのは「こんな場所」というのが果たして闘技場のことなのか、ヒソカの部屋のことなのか…だが、
そこを突き詰めていっても結局は同じ事なので、尋ねることはしなかった。
「ああ、そういえば、目的……気になってたんだ!you、キミは何故こんなトコに闘いに来たの?それこそ、女の子一人じゃ危ないって分かるだろうに…。」
「念の修行です!」
「あれ…意外と普通の目的なんだ…ちょっとガッカリ◆」
「す、すみませんねぇ…崇高な目的でなくて!//」
「ごめんゴメン♠まぁ、ボクもただ戦いたかったからって理由だし…人のこと言えないや♣」
素直に謝ったヒソカに少し膨れた顔を見せていたyouだったが、
すぐに頬の空気を離散させ、ゆっくりと口を開いた…。
「あの…そういえば言ってませんでしたよね!わたし、遺跡ハンターなんです!」
「これまた渋い職だねぇ……(過去の遺物に囚われるなんて…本当にボクと真反対♥)」
「仕事について語るとキリが無いので、それはまた次回…なんですけど。」
「うん、そうしてくれると有難い…◆」
「わたし……昨年ハンターになって、数ヶ月前にやっと念の応用まで知ることができたんです。」
「中々の上達じゃない、一年かかってないんだから…★」
「ありがとうございます……でも、念の存在を知ったからこそ、今の力量じゃ仕事を一緒させていただく皆さんの足手纏いになってしまうって…気付いたんです。」
「なるほど、ね…◆でも、仕事の最中にだって修行はできるんじゃない?」
「遺跡を探したり保護したりするのって凄くデリケートな作業なんです……とても修行の場になんてできません。」
「でも、念の師はいたんだろう?何処で修行したの?」
「実はそれは全部、わたしの先生の受け売りで…兎に角、気配りなどが素晴らしい方なんです!だから遺跡近くの滞在中の市にある協会の施設で教わりました。」
「ふーん…。」
笑顔でyouが「先生」と呼んだ「誰か」に対し、ちょっと冷たく返事を返すヒソカ。
そして彼女の言う「先生」というのが誰かがすぐに分かることとなるのだが…。
「わたしの先生は遺跡ハンターの先輩なんです!」
「ふーん…男?」
「はい!お髭の素敵な紳士です!」
「年、離れてるんだ?」
「そう…ですね……よく分かりませんけど、サトツさんは年上には違いないですね。」
「サトツさん…?(どっかで聞いたような…??)」
「はいっ!先生の名前です!あ!そういえばサトツさんは今年の試験官ですよ!何次試験のかは知りませんが…。」
「思い出した…(あの一次試験の…)◆」
「本当ですか!」
嬉しそうに笑うyouとは裏腹に、
ヒソカは試験中、自分が敵意を持ってサトツに攻撃を仕掛けた事実を思い出していた。
「(「貴方のような変態に弟子はやれませんね」とか言われそう……会いたくないなぁ…♣)」
「世の中狭いですよねー…あ、でもハンター自体がそんなに人数いないですしね…。」
「(って、何でお嫁に貰うような事考えてるんだボクは…◆)」
「そういえば、ヒソカさんは一体何ハンターなんですか?」
「欲しいなら誰の許可も得なくても自分のモノにすればいいんだよ…全く…♠」
「は、ハンターの鑑ですね…?で、で、何ハンターさんなんですか?」
「あ、でもまずは恋人から…ってコトになるのかな?」
「こ、恋人ハンター…そ……そんなハンターの方…いらっしゃったんですね…初耳です…。」
「え…?」
何か会話が食い違って、更に盛大な勘違いをされたことは分かるヒソカであった…。
すぐに会話内容を巻き戻してもらい、訂正を入れたが発言の撤回はできないため、
天空闘技場には「戦闘」以外に「恋人探し」という目的がyouの中で勝手に追加されてしまった…。
「(まぁ、いっか……ココでyouに会えた事を考えるとあながち間違いでもない気がするし…♠)」
「素敵な方が見つかるといいですね!」
「あれ~、youは恋人候補になってくれないの?」
「わわ、わたしでは役不足ですから!//」
「またそんな……嫌なら拒否しないとダメだよ?(拒否したところで興味は逸れないけど…)」
「ヒソカさんのことを拒否だなんて!できないですよ…。」
「…そう…♥」
「…凄く尊敬していますし……わたしの背中を押してくれる、うーん…ヒーローみたいな存在ですから。」
「ヒーロー……初めて言われた…♥」
「や、やっぱりヘンですか?」
「ウン、youってヘン★」
「…っ…!」
がっくりと項垂れるyouにヒソカはクスクスと笑い、
その笑顔のまま彼女が顔を上げるまでずっと待っていた。
暫しののち、ヒソカの視線に気付いたyouがゆっくりと隣を向く…。
「…だって皆はさ、ボクのことを怖いって思ってるよ?大量殺人鬼。実際そうだと思うし…◆」
「ヒソカさん…。」
「キミだってそれは知ってるハズ……人の噂って広まるの早いものだしね?」
「そう、ですね…。」
「それでも、キミは…youはボクを尊敬できるのかい?」
ゴロリとベッドに寝そべり、上目遣いでヒソカはyouに問うた。
「関わり方が…違ったから……きっとただ、そんな単純な理由、だけなんです。」
「関わり方…ね◆」
「例えばあの時…わたしがヒソカさんの気に入らない事をしていたら殺されていたでしょうし、カードを拾わなければ出逢うこともなかったんだと思います。」
「うん、そうだ♠」
「でもわたしはカードを拾ったし、ヒソカさんを怒らせもしなかった。」
「うん…?」
「逆にヒソカさんはわたしに冷たくすることなく、カードをくれて「合格できますように」って言ってくれました。」
「・・・。」
「わたしとヒソカさんだから、紡げた関係…だから、それは…「わたしとヒソカさんにとって」が全てなんです。」
「!」
「他の人の言うことは…わたしにとって、別のお話です。」
「・・・クックック…♥」
「?」
「本当にキミは……。」
上半身を起こし、ヒソカはyouの身体を抱き寄せた。
「どうしてこうもボクを嬉しい気持ちにさせてくれるんだい?」
ぎゅうっと抱きしめる腕に力が込められると、
おずおずとyouの腕もヒソカの背に回される…。
ヒソカが「おや」と嬉しそうな声を上げると、
youは彼の心臓に耳を押し当てて、ふわりと笑った。
「ヒソカさんもわたしを嬉しくさせてくれるからですよ。」
「・・・そうだったのか◆」
「はい。」
「you……。」
「はい…?」
「キミはとてもあたたかい…♥」
心も、体温も。
「ヒソカさんも、あったかいです……ぜーんぶ。」
何と離れがたい存在なのだろうか。
words from:yu-a
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