天空闘技場編
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ホントにキミは危なっかしい
強いのに弱いし
賢いのにお馬鹿さん
ガードは堅いのに呆れるほど無防備で
放っておけるワケないだろう?
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ゴウカクxノxライン
08:I can't leave U.
ヒソカの部屋から自室に戻ったyou…。
シャワーを浴びて着替えた後、軽くメイクを済ませて街へと出かけた。
・
・
・
「あの…この菓子折りを…。」
「ありがとうございます!熨斗(のし)かメッセージカードはご入用でしょうか?」
「えっ…じゃ、じゃぁ熨斗で。」
「かしこまりました!御宛名はどうなされますか?」
「ええっと…じゃぁ「リールベルト」で…。」
「リールベルト様ですね?」
「は、はい…(熨斗要らなかったな…でも今更言い辛いし…そのままでいいか…。)」
メジャーなギフト用のお菓子のお店にお詫びの品を買いに行ったyou…。
ジャポン特有の和菓子でもないのに熨斗を選んだことをちょっと後悔しつつ、
店員の女の子に満面の笑みで渡された紙袋を受け取った…。
そのまま天空闘技場に戻り、自室には戻らずにリールベルトの部屋のドアをノックする。
「はい?」
「あの!リールベルトさん、youです!」
「え?youちゃん…?」
ガチャリとドアが開き、自動車椅子に座ったリールベルトが現れた。
「あの、あのっ!今日はすみませんでした…!わたし…試合を欠席なんて失礼な事を…。」
「え…何…わざわざそんな事を謝りに来たの、君…?」
「え、はい……あの、これお詫びの気持ちです…つまらないものですが…。」
「つまらないものなんだ?」
「すみません!某有名菓子店のメジャー商品の詰め合わせですみませんッツ!」
「つ、つまらなくないよ!あ、ありがとう…お、オレこの店のお菓子好きだよ…ハハ…。」
「ほ、ホントですか?」
「うん、わざわざありがとう…。」
「いえ!せめてものお詫びです…。」
「(勝ち星貰ったのオレなんだけどなぁ……変わった娘…。)」
大失態を犯したような勢いで謝罪をするyouに、リールベルトは軽く苦笑を浮かべる…。
「もし次回対戦することがあれば、もう絶対こんな失態は犯しません…今回は本当にすみませんでした…。」
「ああ、いいよ気にしなくて…結果的にこっちは勝ち星貰えたんだからさ。」
「・・・そう、なんです…ケド。」
「まぁ…立ち話もナンだし……上がってよ…折角お菓子もいただいたし、お茶でも淹れるよ。」
「いえ!そんな…!!」
「今日はもう、試合無いんでしょ?」
「えっと…はい。」
「ね?」
にこりと微笑んだリールベルト。
断る理由も特に無いため、youは折角なのでお茶を呼ばれることにした。
車椅子で移動する為か、リールベルトの部屋はヒソカのそれと同じくらい綺麗に片付けられている。
彼は慣れた様子で受け取った菓子折りを持ってキッチンに移動し、早速食器の用意をし始めていた。
「あ!わたし用意します!」
「いいの、君はお客さん。向こうのソファに座ってて?」
「でも…。」
「いいから。」
「…はい…。」
しゅんとした表情でリビングへ向かうyouはまるで叱られた犬猫のようで、
それを可愛いと思ってしまったリールベルトに善からぬ考えが舞い降りる…。
大人しくyouがソファに座ったのを確認し、ニヤリと笑みを浮かべた…。
「(おっと…平常心平常心……気付かれたら警戒されちゃうじゃないか…。)」
即興で思いついた楽しい計画に興奮し、思わずオーラが乱れそうになるのを必死で留める…。
まずは怪しまれないようにと、お茶の準備を続けることにしたのだが…。
「え……何で熨斗なの?」
「きっ、気にしないでくださいッツ!//」
紙袋から取り出したyouからの菓子折りに巻かれていた自分宛の熨斗にツッコまずにはいられないリールベルトであった…。
それから数分後、お茶とお菓子をトレイに乗せてリールベルトはリビングへと向かう。
「待たせてごめ……っあ!!」
「え?!」
ガシャン、と…音を立てて床にティーセット一式がぶちまけられた。
割れたカップやお茶や菓子を見て、それを片付けるべくyouがすぐさまソファから立ち上がる…。
「オレが片付けるから!」
「いいです!カップ割れてますから、ここはわたしが片付けますね。」
「ごめんよ……雑巾とか…片付ける道具、持ってくる。」
「お願いします。」
youはこくりと頷いて床にしゃがみ込み、リールベルトに背を向けた…。
その刹那、ヒュン!という音が響き、何かに自分の身体を拘束された。
それが彼の…リールベルトの鞭だという事に気づいた時には既に後の祭り…。
youは鞭に操られるまま、ソファへと逆戻りを余儀なくされた。
「り…リールベルトさんっ?!」
「あはは!案外簡単に捕まえられたな……サダソは何で君相手に棄権なんてしたんだ?」
「っ…!何でですか?試合じゃないのに…!」
「いや、さっき君が可愛かったから…違う試合がしたくなった、っていうかさ。」
「!?」
「ほら、ここって男ばっかりだろ?君みたいな女の子が来るなんてこと少ないし…折角お近付きになれたんだから、もっとお近付きになりたくてね。」
くすくす笑うリールベルトに対し、youの中で、女性であることを侮辱された怒りが沸々と湧き上がる…。
技を発動させるべく、念の意識を「発」へと向かわせようとしたが、
流石に波打つオーラを感じたリールベルトに感付かれ「おっと!」と鞭の拘束をキツくされ断念させられた。
「技なんて使おうと思うなよ……死にたくないだろ?」
「なん…っ!」
「言ってなかったけど、この鞭、特注品でね…高圧の電流が流れるようになってるんだ…。」
「!!」
「スイッチ押されたくなかったら、抵抗なんてしないでくれる?」
車椅子で近づいてきたリールベルトをじっと睨みつけるものの、
全く効果はないようで…それどころか彼は楽しそうに話し掛けてくるばかり…。
「ねぇ…今日はどうして試合に来なかったの?」
「それは…た、体調が…悪くて…です。」
「ふーん……あぁ、もしかして女の子の日?」
「はい?!ち、違いますッツ!//」
「ははっ、反応かわいっ!確かめよっかな。」
「本当に違いますから!嫌ですっ!」
「えー…じゃぁ何?偏頭痛とかだと流石にオレもいい気分はしないよ?寝坊の方がまだいいかもね。」
「・・・・。」
「え、何…マジで寝坊?」
「だ、だからすみませんと謝りにきたんですっ!//」
確かにその理由なら菓子折りを持ってこられても割と素直に受け取れる気がしたリールベルト。
しかしながら、出会った時や先程の会話から感じる彼女の誠実さと真面目さを考えると些かそれは疑問の残る不戦敗原因である。
ただの寝坊ではないのでは?と考えると、ふいに初めて出会った時の事を思い出した。
「…ヒソカ…?」
「え…!」
「アンタ……ヒソカといたのか?」
「・・・。」
「なるほど、そういう事か……でもさ、何でヒソカ?アイツ、変態の快楽殺人者だろ?ココでも結構有名だぜ?」
「ヒソカさんは…そんな人じゃないです!」
「惚れた弱みって言うんだよ、それ。」
「ヒソカさんとはそういうんじゃないです!でも、優しい人です!」
「「そういうんじゃない」?ヒソカと寝といて?まぁ、あいつ顔はイイしなぁ…遊んでそうだもんな。」
「だから違いますっ!もうそれ以上ヒソカさんのこと悪く言わないでください!」
「悪く言ったつもりは無いんだけど……だって真実でしょ。」
「貴方が彼のお友達なら、わたしは何も言いません……でも、そうじゃないのに…その人の事何も知らないのにそういう事を言うのは失礼です!」
「ま、真面目だなぁ…本当…。」
「わたしもまだヒソカさんのこと全然知らないし、分からないけど……少なくともヒソカさんはこんな卑怯なことはしません!」
「っ…!黙れ!」
拳で殴ろうとした衝動を咄嗟に抑え、平手でyouの頬を打ったリールベルト…。
寸でのところで「堅」を発動したので、さほどダメージはなかったものの、それがリールベルトの逆鱗に触れたらしい…。
彼は慣れた様子で車椅子からソファへ移動し、youの上に馬乗りになり、服に手を掛けた…。
平和ボケしたyouでも、流石に彼が何を考えているか悟ったらしくサッと顔が青褪める。
「っ……いや!」
「次からはもっと危機感持ったほうがいいよ…男に対してさ。いい勉強になったじゃん、次に生かしなよ…ヒソカにもさ。」
「ゃ…っ!!//」
ぎゅっと目を瞑ったと同時に聞こえたのは、先程までずっと聞こえていた声。
「ボクもそう思うよ◆」
まるで「代弁してくれてありがとう」とでも言うように、彼は…ヒソカはリールベルトに笑顔を向けた。
「なっ…おま…どうやって部屋に?!」
「奇術師に不可能はないの♥」
「ふ、ふざけ…!」
「ふざけるな…は、こっちの台詞♠………君はボクのyouに一体何をしてるの?」
「…っ…!」
「youは君に悪い事をしたと思って謝りに来ただけのはずだよ?それがどうしてそうなるのかな?」
「そ、それは…。」
「流石のボクでも…それだけ真面目な対応は素直に受け取るよ?君はとっても心が貧しいみたいだね…◆」
「…う…!」
「…ボクが怖いのかい?殺されると思ってる?ウン、殺したいと思ってるよ…今スグ♥」
「ひ…っ!」
「でも、ここで殺すと色々面倒だから…殺さない……♣」
「~~ッ!!」
湧き出す怒りを抑えられないような真っ暗な笑みを浮かべるヒソカ…。
絶句するリールベルトにヒソカは強く言い放った。
「…ボクより弱い男がボクの大事なお気に入りに手を出すな♣」
「は…っ、ひ…!」
「……分かったかい♥」
リールベルトが言葉を無くしてコクコクと何度も何度も頷くのを見届け、
ヒソカは「ウン、よかった♥」と笑うと、大きな手で彼の頭を鷲掴み、耳元で囁いた。
「じゃぁ、さっさとyouの上から退いてくれる?」
と…邪悪なオーラを纏って。
すぐにリールベルトは車椅子に戻り、ガタガタと震えながらソファを勢い良く離れる…。
ヒソカはというと、youの身体を拘束する鞭をゆっくりと解き、彼女の身体を抱き起こした。
「you…大丈夫かい?」
「ヒソカさん……どうして…!」
「さぁ、どうしてでしょう?正解は、奇術師に不可能は無いからです★」
「っ…!」
「あらら…♣」
「ごめ…なさ…い、嬉しくて……やっぱり、ヒソカさんは…。」
「ん?」
「優しい。」
「……キミにだけ、ね…。」
困ったように笑みを浮かべ、ヒソカはyouの頭を優しく撫でる。
そこには先程のドス黒いオーラなど欠片も無く、ただ、穏やかな何かが2人分そこに在った。
words from:yu-a
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