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「you。」
「あ、アカギさんッ?!!」
振り向いた先にいたのは、アカギだった。
「ど、どうしてこんなトコに!?」
「それはこっちの台詞。何、眠れなかったの?」
「うーん…実は湯冷めしないように深く布団を被り過ぎて、熱くなって汗をかいてしまって……部屋のお風呂じゃ美心ちゃんを起こしてしまいそうだったから、大浴場に…。」
「ハハ、youらしい失敗だね。」
「むー…!あ、アカギさんこそ…何でこんな時間に…。」
「麻雀してた。さっきまで銀二さんとかと卓囲んでて、さっき解散したんだ……一服して戻ろうと思ったら、youが見えたからさ。運命ってヤツかな?」
「偶然です。」
「あらら。」
「じゃぁ……わたしはお風呂入って寝ますんで。おやすみなさいアカギさん。」
「待ってよ、折角だし付き合う。」
「え…?」
「髪も煙草臭いし、どうせ部屋で入ろうと思ってたから。」
「…そっか。」
ついでだから、と言うアカギをじっと見つめるyou。
その視線に気付いたアカギ。
不思議そうに彼女を見下ろす…。
「どうしたの?」
「…ううん、何でもないです…。」
「そう?」
「・・・ありがとう。」
「・・どういたしまして。」
それは全て、お互い悟ってのやり取りだった。
youが一人で大浴場に行くことを少し寂しいと思っていたことを何となく感じ取り、
半分真実の事実を理由にして、気に病まずに傍にいてあげることを提案した。
そんなアカギのあまりに自然な気遣いを、
youは経験上、こちらも何となくだが感じ取り、礼を述べた。
「最初は露天風呂で寛ごうかな。」
アカギは嬉しそうにyouの髪をくしゃりと撫でると、
一言告げて男湯の暖簾を潜って行った。
「それって…最初は露天風呂に来いってことじゃないか…。」
と…。
矢張り、アカギの言動や行動パターンを言われずとも悟ってしまうyouなのであった…。
流石に深夜の時間帯では入浴者は一人もおらず、静まり返った室内浴場を通り抜けて、
結局、一番最初に露天風呂へと向かうyou。
ひんやりとした空気に晒され、室内と外の温度差に身震いをしながら、なるべく急いで脚だけ湯に浸かると、
水音で判ったのか、竹でできた壁の向こうからアカギの声が聞こえてきた。
「you、来たの?」
「あ、はい。」
「いい湯だね。」
「ですね。ほら、星も綺麗ですよ。」
「…ホントだ。さっきは気付かなかったな…。」
「わたしもです……。」
「・・・。」
声の位置的に、端の方にアカギがいると感じ取ったyouがその向かい側あたりまで移動し、腰をおろした。
「you?」
「はい。」
「近くに来たんだ?反対側?」
「まぁ……離れて喋るのもナンですし…。」
「ふーん…?」
「はっ!ていうか、あの…!」
「ん?」
「今日はその…ありがとうございました!」
「なにが?」
「温泉、連れてきてくださって。」
「ああ、別にいいって。これは皆からだし…。」
「美味しいご飯に広いお風呂。皆と一緒だから凄く楽しいし……お陰で癒されました。」
「そりゃよかった。」
まるで風呂に浸かりながらも、煙草をふかしていそうな雰囲気のアカギの声。
youは思わずそんな想像してしまい、口元が緩んだ。
「なぁ、you。」
「はい?」
「アンタ、次の休みいつ?」
「えっと……どうだったかな…多分4日後か5日後だと思いますが…。」
「何か予定ある?」
「いえ、特には……日にち覚えてないくらいですし…。」
「じゃぁ、その日空けといて。」
「え?」
「デートしようよ。」
「な…なん、どこ……なんっで?!」
「どっか行きたいトコある?」
「特にないですけど…って何で!」
「じゃ、オレが適当に決めとく。」
「ちょ、ちょっとアカギさ…!」
「イヤなの?オレと出掛けるの…。」
今、アカギがどんな表情をしているか見えないので分からないが、
声色の限り、無表情で沸々とドライアイスの如く冷ややかな苛立ちを感じ、youは速攻で「いいえ!」と叫んだ。
「そそそそんなことありますんよ!」
「・・・どっち。」
「い、行かせていただきます……。」
「そう。」
「で、でも……どうして…。」
「ん?まぁ、オレからのホワイトデーってところか…?」
「いやいやいや!そんな、今いただいているだけで十二分のお返しですよ!だから気を遣わないでください!こっちが申し訳なくなっちゃう…。」
「お返し、じゃない。」
「え?」
お返しではないのであれば、何なのだろう…と、
youが目を点にして思わず零した疑問音。
すると、アカギがその理由を説いた。
「オレはyouが好きだから、プレゼントしたくて、するんだよ。」
「っ…!//」
「だから、お返しじゃない……オレからのホワイトデーのプレゼント。」
「そんな…。」
「食いたいものがあれば言って。欲しい物とかあれば用意しとくよ……って言ってもアンタはそんな我侭言わないか。」
「あ、当たり前です……言いませんよ。」
「こっちとしては少しは我侭言ってくれた方が分かりやすくて助かるんだけどね。」
「んー…でも、本当に無いからなぁ……そんな風に誘ってくれたり、気遣ってくれるだけで十分嬉しいですし…。」
「・・・・・・。」
「……アカギさん…?」
「今すぐこの壁壊して抱きしめていい?」
「うん、ダメ、絶対。」
すぐに「なんて、冗談だよ」というアカギの言葉が後に続き、「分かってますよ」と返したが、
これが温泉でなく自宅なら、多分遠慮など皆無だっただろうと背筋を凍らすyouであった。
「あ、そういえば今日ね、お風呂入った時に美心ちゃんとカイジくんについて話してたんだ。」
「ヘェ(知ってる)。」
「カイジくんって実は美心ちゃんのお父さんを救った凄い人だったんだって。そうは思えないよね……って失礼かな。」
「フフ……ある意味で凄いね。でもまぁ、確かに……何かに覚醒したあの人はオレでも驚く時あるよ。」
「そうなんだ!アカギさんもびっくりするって凄いね。」
「だからこそyouのことも気が抜けないワケで…。」
「え?」
「いや、何も。」
「どんなことしたのかな?大金を稼いだって言ってたよね……アカギさん聞いたことある?」
「え、パチ…………いや、知らない。」
「そっかー、気になる。今度聞いてみようかな…。」
とりあえずデイトレードや宝くじで獲得した健全かつクリーンな金ではなく、
賭博で儲けた血と汗と涙で汚れた金ですよ…とは流石のアカギもyouには(というか相手がyouなので)言えず、言葉を濁した。
だが、ふと、気になる部分もあり、彼は彼女に一つ質問を投げ掛ける…。
「youはさ、大金を手に入れたらどうする?」
「えー?大金って……100万とかですか?」
「(かわいい…。)」
「アカギさん??」
「いやもっと、目の眩む様な大金。5億とか10億とか。」
「ご、5億ですか!?」
「・・・うん。」
「そんな夢みたいな大金だったら、思い切って100万くらいぱーっと使っちゃいそうですね!」
「(かわいい…。)」
「アカギさん??」
「フフ……100万ねぇ…何に使うの?」
「えー……欲しい洋服とか、靴とか買ったり…あ、パソコンも新しくしたいな。アカギさんは?」
「100万ならオレも使っちまうな。だが5億なら…。」
「5億なら?」
「倍にするかな。」
「なにそれこわい。どうやって。」
「……まぁ、色々、ね…。」
「何か危ないコト考えてるでしょ…。」
「フフ……さぁ、どうだろうね。」
「あんまり……危ないことしちゃダメですよ……って、言っても聞かないと思いますけど。」
「でもさ、別にそれが全てってワケじゃないけど……金はあるに越したことはないと思わない?」
「そうですけど……大金があっても貯金しません?」
「流石you、堅実的だね。」
「一般人の発想ですみませんねぇ……客観的に判断できるリアリストなもので。」
「(まぁ、そういう「普通」が気に入ってんだけど…。)」
とどのつまり、自分とはいつまで経っても相容れない思考の彼女は傍にいて見飽きないのだと、改めて認識するアカギ。
いつものように「フフ」と含み笑いをして、会話を続ける。
「で、5億貯金?」
「5億じゃなくても、貯金。」
「老後の為とか?」
「まぁ、それもありますよね!老後は何かとお金が入用だと思うんです!病院とか!ケアハウスとか!」
「わお…予想以上に具体的…。」
「侮れませんよ、老後…。」
「そうだね。でも、その前に使うこともあるでしょ。」
「その前……。」
「遊びたい時とか。」
「結婚とか?」
「「・・・・。」」
放漫的な意見と、堅実的な意見とが同時に放たれ、
youは顔を赤く染め、アカギはニヤリと笑みを浮かべた…。
「結婚、ねぇ…。」
「ああああしまったぁあ!!//」
「youがそう言うなら、地味にやってみようかな。」
「え……なにを…?」
「え、貯金。」
「え?」
「…違うの?」
「違わないけど……でもそれはわたしの考えであって…。」
「うん、だから……そういう相手がいいんでしょ。」
「それはまぁ……そうですけど……でも、アカギさんは…!」
「ん、大丈夫大丈夫……貯金する分は貯金だから。」
「すいません、意味がよく分からない。」
「5億を倍にする種銭は貯金からは出さない男になるから。」
「うん、当たり前じゃない?」
そんな相手は自分でなくても願い下げだろうよ、と意味を込めて言い放つyou。
余談だが、ここでアカギに「でもカイジさんは貯金から出しそうな気がしないか?」と問われてyouが言葉を噤んだのはまた別の話…。
「じゃぁ、そういうことだから。」
「ど、どういうことでしょう…。」
「youのために、貯金することにする。」
「まぁた変なこと言い出す……っていうかですね、アカギさんは貯金より身体を労わってください。」
「あらら…。」
「アカギさんが無事じゃないと……デートもできなくなっちゃうじゃないじゃないですか…//」
「!」
思い掛けないyouからの言葉に、思わず目を見開くアカギ。
いつものように軽くあしらわれるくらいに構えていた彼にとって、
それは、煙草でも吸っていようものなら、うっかりそれを取り落とすくらいの驚きだった。
「you…。」
「もし、もしも……例えばその先があるとしても、アカギさんがいないんじゃ貯金だって意味ないじゃないですか…。」
「・・・。」
「もし……その先があったとしたら……。」
「・・・。」
「年をとっても一緒にいてほしいじゃないですか…。」
最後の声は微かに震えていて、
もしかしたら泣いているのかもしれないと、アカギが思うに至るものだった。
それは彼にとって、自分の生き方を縛ることにもなるのだが、
でも、それはとても心地の良いもので…。
これは別段命令でも何でもない、ただ「自分を案じて」というお願いで、
彼女以外の誰かが言うのなら、真綿でずっと首を絞められているような不快感を抱くのだろう。
だが、どうだろう…。
彼女が、youがそう願うのなら、叶えてやっても良いという許容が生まれる。
もしそれが赤い糸なら首に巻かれて、
彼女がその手綱を握っていてもいいと思ってしまう程。
「(どんだけだよ…。)」
思わず自嘲してしまうほど、自分は彼女が好きなのだと自覚している。
彼女自身が言う通り、ただの「一般人」なのに。
ただ、本当に…「赤木しげる」という男が、凡そ誰にも与えてもらえないような、馬鹿みたいに素直であたたかな言葉をくれる人。
そしてそれを欲しているが為に、傍にいてほしいと、彼は云うのだ。
「そうだね。ごめん。」
「べ…別にアカギさんが謝ることないです……けど。」
「うん、でも…。」
「・・・。」
「嬉しかった。」
「っ…!」
「ありがとう、you。」
「はい…。」
震えた声はいつの間にやら、消え失せ、
安堵したような柔らかな声で小さく返事が聞こえた。
「you。」
「はい…?」
「体、温まった?」
「はい、十分に。」
「そっか……そろそろ髪洗おうかな。」
「じゃ、わたしは体洗おっと。」
「終わったら外で待ってて。」
「えーどうしよっかな。」
「牛乳1本。」
「待ちましょう。」
本当は謝礼など貰わなくても、youは待つ気でいた。
だが、そんな言葉を口にすれば、あっという間にアカギに心を攫われてしまうことを知っている。
彼女にとって、その先にある希望も絶望も、大きすぎる。
だから、まだこの距離を保つ。
「あんまり待たせないでくださいね。」
「…それはこっちの台詞なんだけど…。」
「え?」
「何でもないよ、行こう。」
「はーい。」
アカギの言う意味は勿論入浴時間の話ではないのだが、
それに関しては口を噤むことにした。
竹製の塀の向こうからザバっと身を起こした音が聞こえ、
アカギも立ち上がろうとしたのだが…。
ふと、横を見ると先刻カイジが見つけた壁の隙間が目に付いたワケで…。
まるで面白いものを見るかのようにそっと覗き込み、
湯煙に包まれたyouの裸(後姿だが)をしっかり見届けたのであった。
そして・・・
「お待たせ。はい、牛乳。」
「わ!ありがとうございます!」
浴場を出てきたアカギは、外の休憩場所の椅子で自分を待っていてくれたyouの元へ行き、冷たく冷えた牛乳瓶を手渡した。
それを感謝して受け取ると、腰に手をあててぐいっと一気飲みしてみせるyou。
「いい飲みっぷり。けど、体冷やして湯冷めしないようにね。」
「ぷは!ん、髪は美心ちゃんと入った時に洗ったから、もう乾かしてますし、大丈夫!今もフロア全体あったかいし。」
「そう?ならいいんだけど。」
「アカギさんこそ、どうせタオルドライだけなんでしょ……風邪引かないように気を付けてくださいね。」
「デートできなくなるしね。」
「うっ…//」
いざ、改めて言われると、自分の発言した言葉なのに恥ずかしさが込み上げる。
youは頬を赤く染めて膨れっ面でアカギを見上げた。
「どうしたの?」
「何でもありません!//」
「クク……顔真っ赤。」
「---!!//」
「さて、そろそろ部屋に戻ろうかね。」
「…ん。」
「それとも眠れないなら、オレの部屋で色々シようか?」
「謹んで遠慮させていただきます。」
「あらら。」
そこで「じゃぁお邪魔します」などという言葉が返ってこないことは百も承知なので、
アカギはくつくつと笑いながら「冗談だよ」とyouの髪を撫でた。
ちなみに、宿泊する部屋の階は同じなので、
そうやって他愛無い会話をしながら、2人で部屋に戻る…。
幅広の和テイストな廊下には暖色系の柔らかな明かりが夜中も点いており、その趣深さに心が癒される気がした。
「じゃぁ……部屋に戻りますね。」
「ああ。」
「えっと……お風呂、付き合ってくれてありがとうございました。」
「言っただろ、ついでだって。」
「うん……あと、牛乳も。」
「それは、待っててくれた御礼。」
「最後に、温泉旅行…連れてきてくれて、ありがとう。」
youは心からの感謝の意を伝えるべく、深く頭を下げた。
その綺麗な所作の後、彼女を待っていたのは衝撃。
顔を上げるや否や、ぐいっと腕を引かれ、気付かばアカギの腕の中にいた。
「あああ、アカギさ…っ?!」
「そう動揺すんなって……オレもアンタに礼が言いたくなっただけ。」
「だ、だからってこんな…//」
「心配してくれてありがと。」
「え…。」
「youとなら一緒に貯金しながら年取ってくのも悪くない。」
「!!」
そう言って、そっと身体を離したアカギ…。
最早告白を通り越して、プロポーズでもあるその言葉に
youが動揺しないハズもなく…。
耳まで真っ赤に染めて、わたわたとうろたえる彼女を見て、
くすっと一つ笑いを零すと、ヒラヒラと片手を振ってアカギは歩き出した。
「おやすみ、you。」
「なっ!ふぁ…!はい…!!//」
「デート、期待してて。」
「あの、あかぎさ…。」
「忘れられない夜にしてあげる…。」
「すんごい美味しい晩ご飯ってことですね分かります。」
「・・・いい加減折れてくれない?」
まぁ、これもまた「冗談だ」と流すつもりではいたのだが、
はぁ~っとアカギにしては珍しく、盛大な溜息が零れる。
と、そのように振り向いて言葉を続けようとしたのだが、
アカギより先にyouが変わらず赤みの残った顔でアカギの背に己が額をぴたりとくっつけ、発言を残した。
「期待してます……ちょっとだけ。」
「え?」
「おやすみなさいっ!」
そそくさと部屋に戻っていったyouの背を見送り、
アカギはポカン…と、口を開いたまま暫く静止する。
「何あれ、やっぱ襲っていい?」
そう、呟きを紡ぎ出すのがやっとだった。
「お返しする日」だなんて
誰が決めたんだ?
後日談…。
you
「ご飯本当に美味しかった!」
アカギ
「そりゃよかった。喜んでくれて何より。」
you
「素敵なディナー…というか1日をありがとうございましたっ。」
アカギ
「どういたしまして。」
you
「夜景まで見せてくれて…感激です、とっても綺麗…!」
アカギ
「はい、これ。」
you
「え?」
アカギ
「ホワイトデーのプレゼント。」
you
「えええ?!いやダメ!それはいただけないです!こんなに持て成してもらったので!それで十二分ですから!」
アカギ
「そう大したモンじゃないから。オレじゃ使えないモノだし、貰っといて。」
you
「そ、そんな無茶苦茶な…!」
アカギ
「ハイ、開けて。」
you
「うう……これ…は……リップ?」
アカギ
「な、大したモンじゃないだろ?」
you
「そんなことないです!……わぁ、甘くていい香り……これストロベリーかな…。」
アカギ
「使ってみてよ。」
you
「え、今ですか?」
アカギ
「うん、今。」
you
「読めた。何か読めたよ今!この先の展開が!!」
アカギ
「多分正解。なに、恥ずかしいの?」
you
「当たり前です!//」
アカギ
「ハァ…分かったよ…。」
you
「あら、意外とあっさり…。」
アカギ
「家に帰ってからにするよ。」
you
「そうじゃないでしょッツ!!!//」
アカギ
「そろそろ帰ろうか。」
you
「いや!今日はもう帰らない!」
アカギ
「ククク……大胆だね、you。」
you
「ギャァ!!ななな、何言わすんですかぁあ!!//」
アカギ
「それじゃ、お望み通り……今夜は帰さないってコトで。」
you
「くぁwせdrftgyふじこlp?!!///」
『温泉旅行ですよ福本荘!(アカギ/カイジ/零/平山/銀二/森田)』へ戻る
words from:yu-a
*。゜.*。゜.*。゜.*
</font>
「you。」
「あ、アカギさんッ?!!」
振り向いた先にいたのは、アカギだった。
「ど、どうしてこんなトコに!?」
「それはこっちの台詞。何、眠れなかったの?」
「うーん…実は湯冷めしないように深く布団を被り過ぎて、熱くなって汗をかいてしまって……部屋のお風呂じゃ美心ちゃんを起こしてしまいそうだったから、大浴場に…。」
「ハハ、youらしい失敗だね。」
「むー…!あ、アカギさんこそ…何でこんな時間に…。」
「麻雀してた。さっきまで銀二さんとかと卓囲んでて、さっき解散したんだ……一服して戻ろうと思ったら、youが見えたからさ。運命ってヤツかな?」
「偶然です。」
「あらら。」
「じゃぁ……わたしはお風呂入って寝ますんで。おやすみなさいアカギさん。」
「待ってよ、折角だし付き合う。」
「え…?」
「髪も煙草臭いし、どうせ部屋で入ろうと思ってたから。」
「…そっか。」
ついでだから、と言うアカギをじっと見つめるyou。
その視線に気付いたアカギ。
不思議そうに彼女を見下ろす…。
「どうしたの?」
「…ううん、何でもないです…。」
「そう?」
「・・・ありがとう。」
「・・どういたしまして。」
それは全て、お互い悟ってのやり取りだった。
youが一人で大浴場に行くことを少し寂しいと思っていたことを何となく感じ取り、
半分真実の事実を理由にして、気に病まずに傍にいてあげることを提案した。
そんなアカギのあまりに自然な気遣いを、
youは経験上、こちらも何となくだが感じ取り、礼を述べた。
「最初は露天風呂で寛ごうかな。」
アカギは嬉しそうにyouの髪をくしゃりと撫でると、
一言告げて男湯の暖簾を潜って行った。
「それって…最初は露天風呂に来いってことじゃないか…。」
と…。
矢張り、アカギの言動や行動パターンを言われずとも悟ってしまうyouなのであった…。
流石に深夜の時間帯では入浴者は一人もおらず、静まり返った室内浴場を通り抜けて、
結局、一番最初に露天風呂へと向かうyou。
ひんやりとした空気に晒され、室内と外の温度差に身震いをしながら、なるべく急いで脚だけ湯に浸かると、
水音で判ったのか、竹でできた壁の向こうからアカギの声が聞こえてきた。
「you、来たの?」
「あ、はい。」
「いい湯だね。」
「ですね。ほら、星も綺麗ですよ。」
「…ホントだ。さっきは気付かなかったな…。」
「わたしもです……。」
「・・・。」
声の位置的に、端の方にアカギがいると感じ取ったyouがその向かい側あたりまで移動し、腰をおろした。
「you?」
「はい。」
「近くに来たんだ?反対側?」
「まぁ……離れて喋るのもナンですし…。」
「ふーん…?」
「はっ!ていうか、あの…!」
「ん?」
「今日はその…ありがとうございました!」
「なにが?」
「温泉、連れてきてくださって。」
「ああ、別にいいって。これは皆からだし…。」
「美味しいご飯に広いお風呂。皆と一緒だから凄く楽しいし……お陰で癒されました。」
「そりゃよかった。」
まるで風呂に浸かりながらも、煙草をふかしていそうな雰囲気のアカギの声。
youは思わずそんな想像してしまい、口元が緩んだ。
「なぁ、you。」
「はい?」
「アンタ、次の休みいつ?」
「えっと……どうだったかな…多分4日後か5日後だと思いますが…。」
「何か予定ある?」
「いえ、特には……日にち覚えてないくらいですし…。」
「じゃぁ、その日空けといて。」
「え?」
「デートしようよ。」
「な…なん、どこ……なんっで?!」
「どっか行きたいトコある?」
「特にないですけど…って何で!」
「じゃ、オレが適当に決めとく。」
「ちょ、ちょっとアカギさ…!」
「イヤなの?オレと出掛けるの…。」
今、アカギがどんな表情をしているか見えないので分からないが、
声色の限り、無表情で沸々とドライアイスの如く冷ややかな苛立ちを感じ、youは速攻で「いいえ!」と叫んだ。
「そそそそんなことありますんよ!」
「・・・どっち。」
「い、行かせていただきます……。」
「そう。」
「で、でも……どうして…。」
「ん?まぁ、オレからのホワイトデーってところか…?」
「いやいやいや!そんな、今いただいているだけで十二分のお返しですよ!だから気を遣わないでください!こっちが申し訳なくなっちゃう…。」
「お返し、じゃない。」
「え?」
お返しではないのであれば、何なのだろう…と、
youが目を点にして思わず零した疑問音。
すると、アカギがその理由を説いた。
「オレはyouが好きだから、プレゼントしたくて、するんだよ。」
「っ…!//」
「だから、お返しじゃない……オレからのホワイトデーのプレゼント。」
「そんな…。」
「食いたいものがあれば言って。欲しい物とかあれば用意しとくよ……って言ってもアンタはそんな我侭言わないか。」
「あ、当たり前です……言いませんよ。」
「こっちとしては少しは我侭言ってくれた方が分かりやすくて助かるんだけどね。」
「んー…でも、本当に無いからなぁ……そんな風に誘ってくれたり、気遣ってくれるだけで十分嬉しいですし…。」
「・・・・・・。」
「……アカギさん…?」
「今すぐこの壁壊して抱きしめていい?」
「うん、ダメ、絶対。」
すぐに「なんて、冗談だよ」というアカギの言葉が後に続き、「分かってますよ」と返したが、
これが温泉でなく自宅なら、多分遠慮など皆無だっただろうと背筋を凍らすyouであった。
「あ、そういえば今日ね、お風呂入った時に美心ちゃんとカイジくんについて話してたんだ。」
「ヘェ(知ってる)。」
「カイジくんって実は美心ちゃんのお父さんを救った凄い人だったんだって。そうは思えないよね……って失礼かな。」
「フフ……ある意味で凄いね。でもまぁ、確かに……何かに覚醒したあの人はオレでも驚く時あるよ。」
「そうなんだ!アカギさんもびっくりするって凄いね。」
「だからこそyouのことも気が抜けないワケで…。」
「え?」
「いや、何も。」
「どんなことしたのかな?大金を稼いだって言ってたよね……アカギさん聞いたことある?」
「え、パチ…………いや、知らない。」
「そっかー、気になる。今度聞いてみようかな…。」
とりあえずデイトレードや宝くじで獲得した健全かつクリーンな金ではなく、
賭博で儲けた血と汗と涙で汚れた金ですよ…とは流石のアカギもyouには(というか相手がyouなので)言えず、言葉を濁した。
だが、ふと、気になる部分もあり、彼は彼女に一つ質問を投げ掛ける…。
「youはさ、大金を手に入れたらどうする?」
「えー?大金って……100万とかですか?」
「(かわいい…。)」
「アカギさん??」
「いやもっと、目の眩む様な大金。5億とか10億とか。」
「ご、5億ですか!?」
「・・・うん。」
「そんな夢みたいな大金だったら、思い切って100万くらいぱーっと使っちゃいそうですね!」
「(かわいい…。)」
「アカギさん??」
「フフ……100万ねぇ…何に使うの?」
「えー……欲しい洋服とか、靴とか買ったり…あ、パソコンも新しくしたいな。アカギさんは?」
「100万ならオレも使っちまうな。だが5億なら…。」
「5億なら?」
「倍にするかな。」
「なにそれこわい。どうやって。」
「……まぁ、色々、ね…。」
「何か危ないコト考えてるでしょ…。」
「フフ……さぁ、どうだろうね。」
「あんまり……危ないことしちゃダメですよ……って、言っても聞かないと思いますけど。」
「でもさ、別にそれが全てってワケじゃないけど……金はあるに越したことはないと思わない?」
「そうですけど……大金があっても貯金しません?」
「流石you、堅実的だね。」
「一般人の発想ですみませんねぇ……客観的に判断できるリアリストなもので。」
「(まぁ、そういう「普通」が気に入ってんだけど…。)」
とどのつまり、自分とはいつまで経っても相容れない思考の彼女は傍にいて見飽きないのだと、改めて認識するアカギ。
いつものように「フフ」と含み笑いをして、会話を続ける。
「で、5億貯金?」
「5億じゃなくても、貯金。」
「老後の為とか?」
「まぁ、それもありますよね!老後は何かとお金が入用だと思うんです!病院とか!ケアハウスとか!」
「わお…予想以上に具体的…。」
「侮れませんよ、老後…。」
「そうだね。でも、その前に使うこともあるでしょ。」
「その前……。」
「遊びたい時とか。」
「結婚とか?」
「「・・・・。」」
放漫的な意見と、堅実的な意見とが同時に放たれ、
youは顔を赤く染め、アカギはニヤリと笑みを浮かべた…。
「結婚、ねぇ…。」
「ああああしまったぁあ!!//」
「youがそう言うなら、地味にやってみようかな。」
「え……なにを…?」
「え、貯金。」
「え?」
「…違うの?」
「違わないけど……でもそれはわたしの考えであって…。」
「うん、だから……そういう相手がいいんでしょ。」
「それはまぁ……そうですけど……でも、アカギさんは…!」
「ん、大丈夫大丈夫……貯金する分は貯金だから。」
「すいません、意味がよく分からない。」
「5億を倍にする種銭は貯金からは出さない男になるから。」
「うん、当たり前じゃない?」
そんな相手は自分でなくても願い下げだろうよ、と意味を込めて言い放つyou。
余談だが、ここでアカギに「でもカイジさんは貯金から出しそうな気がしないか?」と問われてyouが言葉を噤んだのはまた別の話…。
「じゃぁ、そういうことだから。」
「ど、どういうことでしょう…。」
「youのために、貯金することにする。」
「まぁた変なこと言い出す……っていうかですね、アカギさんは貯金より身体を労わってください。」
「あらら…。」
「アカギさんが無事じゃないと……デートもできなくなっちゃうじゃないじゃないですか…//」
「!」
思い掛けないyouからの言葉に、思わず目を見開くアカギ。
いつものように軽くあしらわれるくらいに構えていた彼にとって、
それは、煙草でも吸っていようものなら、うっかりそれを取り落とすくらいの驚きだった。
「you…。」
「もし、もしも……例えばその先があるとしても、アカギさんがいないんじゃ貯金だって意味ないじゃないですか…。」
「・・・。」
「もし……その先があったとしたら……。」
「・・・。」
「年をとっても一緒にいてほしいじゃないですか…。」
最後の声は微かに震えていて、
もしかしたら泣いているのかもしれないと、アカギが思うに至るものだった。
それは彼にとって、自分の生き方を縛ることにもなるのだが、
でも、それはとても心地の良いもので…。
これは別段命令でも何でもない、ただ「自分を案じて」というお願いで、
彼女以外の誰かが言うのなら、真綿でずっと首を絞められているような不快感を抱くのだろう。
だが、どうだろう…。
彼女が、youがそう願うのなら、叶えてやっても良いという許容が生まれる。
もしそれが赤い糸なら首に巻かれて、
彼女がその手綱を握っていてもいいと思ってしまう程。
「(どんだけだよ…。)」
思わず自嘲してしまうほど、自分は彼女が好きなのだと自覚している。
彼女自身が言う通り、ただの「一般人」なのに。
ただ、本当に…「赤木しげる」という男が、凡そ誰にも与えてもらえないような、馬鹿みたいに素直であたたかな言葉をくれる人。
そしてそれを欲しているが為に、傍にいてほしいと、彼は云うのだ。
「そうだね。ごめん。」
「べ…別にアカギさんが謝ることないです……けど。」
「うん、でも…。」
「・・・。」
「嬉しかった。」
「っ…!」
「ありがとう、you。」
「はい…。」
震えた声はいつの間にやら、消え失せ、
安堵したような柔らかな声で小さく返事が聞こえた。
「you。」
「はい…?」
「体、温まった?」
「はい、十分に。」
「そっか……そろそろ髪洗おうかな。」
「じゃ、わたしは体洗おっと。」
「終わったら外で待ってて。」
「えーどうしよっかな。」
「牛乳1本。」
「待ちましょう。」
本当は謝礼など貰わなくても、youは待つ気でいた。
だが、そんな言葉を口にすれば、あっという間にアカギに心を攫われてしまうことを知っている。
彼女にとって、その先にある希望も絶望も、大きすぎる。
だから、まだこの距離を保つ。
「あんまり待たせないでくださいね。」
「…それはこっちの台詞なんだけど…。」
「え?」
「何でもないよ、行こう。」
「はーい。」
アカギの言う意味は勿論入浴時間の話ではないのだが、
それに関しては口を噤むことにした。
竹製の塀の向こうからザバっと身を起こした音が聞こえ、
アカギも立ち上がろうとしたのだが…。
ふと、横を見ると先刻カイジが見つけた壁の隙間が目に付いたワケで…。
まるで面白いものを見るかのようにそっと覗き込み、
湯煙に包まれたyouの裸(後姿だが)をしっかり見届けたのであった。
そして・・・
「お待たせ。はい、牛乳。」
「わ!ありがとうございます!」
浴場を出てきたアカギは、外の休憩場所の椅子で自分を待っていてくれたyouの元へ行き、冷たく冷えた牛乳瓶を手渡した。
それを感謝して受け取ると、腰に手をあててぐいっと一気飲みしてみせるyou。
「いい飲みっぷり。けど、体冷やして湯冷めしないようにね。」
「ぷは!ん、髪は美心ちゃんと入った時に洗ったから、もう乾かしてますし、大丈夫!今もフロア全体あったかいし。」
「そう?ならいいんだけど。」
「アカギさんこそ、どうせタオルドライだけなんでしょ……風邪引かないように気を付けてくださいね。」
「デートできなくなるしね。」
「うっ…//」
いざ、改めて言われると、自分の発言した言葉なのに恥ずかしさが込み上げる。
youは頬を赤く染めて膨れっ面でアカギを見上げた。
「どうしたの?」
「何でもありません!//」
「クク……顔真っ赤。」
「---!!//」
「さて、そろそろ部屋に戻ろうかね。」
「…ん。」
「それとも眠れないなら、オレの部屋で色々シようか?」
「謹んで遠慮させていただきます。」
「あらら。」
そこで「じゃぁお邪魔します」などという言葉が返ってこないことは百も承知なので、
アカギはくつくつと笑いながら「冗談だよ」とyouの髪を撫でた。
ちなみに、宿泊する部屋の階は同じなので、
そうやって他愛無い会話をしながら、2人で部屋に戻る…。
幅広の和テイストな廊下には暖色系の柔らかな明かりが夜中も点いており、その趣深さに心が癒される気がした。
「じゃぁ……部屋に戻りますね。」
「ああ。」
「えっと……お風呂、付き合ってくれてありがとうございました。」
「言っただろ、ついでだって。」
「うん……あと、牛乳も。」
「それは、待っててくれた御礼。」
「最後に、温泉旅行…連れてきてくれて、ありがとう。」
youは心からの感謝の意を伝えるべく、深く頭を下げた。
その綺麗な所作の後、彼女を待っていたのは衝撃。
顔を上げるや否や、ぐいっと腕を引かれ、気付かばアカギの腕の中にいた。
「あああ、アカギさ…っ?!」
「そう動揺すんなって……オレもアンタに礼が言いたくなっただけ。」
「だ、だからってこんな…//」
「心配してくれてありがと。」
「え…。」
「youとなら一緒に貯金しながら年取ってくのも悪くない。」
「!!」
そう言って、そっと身体を離したアカギ…。
最早告白を通り越して、プロポーズでもあるその言葉に
youが動揺しないハズもなく…。
耳まで真っ赤に染めて、わたわたとうろたえる彼女を見て、
くすっと一つ笑いを零すと、ヒラヒラと片手を振ってアカギは歩き出した。
「おやすみ、you。」
「なっ!ふぁ…!はい…!!//」
「デート、期待してて。」
「あの、あかぎさ…。」
「忘れられない夜にしてあげる…。」
「すんごい美味しい晩ご飯ってことですね分かります。」
「・・・いい加減折れてくれない?」
まぁ、これもまた「冗談だ」と流すつもりではいたのだが、
はぁ~っとアカギにしては珍しく、盛大な溜息が零れる。
と、そのように振り向いて言葉を続けようとしたのだが、
アカギより先にyouが変わらず赤みの残った顔でアカギの背に己が額をぴたりとくっつけ、発言を残した。
「期待してます……ちょっとだけ。」
「え?」
「おやすみなさいっ!」
そそくさと部屋に戻っていったyouの背を見送り、
アカギはポカン…と、口を開いたまま暫く静止する。
「何あれ、やっぱ襲っていい?」
そう、呟きを紡ぎ出すのがやっとだった。
「お返しする日」だなんて
誰が決めたんだ?
後日談…。
you
「ご飯本当に美味しかった!」
アカギ
「そりゃよかった。喜んでくれて何より。」
you
「素敵なディナー…というか1日をありがとうございましたっ。」
アカギ
「どういたしまして。」
you
「夜景まで見せてくれて…感激です、とっても綺麗…!」
アカギ
「はい、これ。」
you
「え?」
アカギ
「ホワイトデーのプレゼント。」
you
「えええ?!いやダメ!それはいただけないです!こんなに持て成してもらったので!それで十二分ですから!」
アカギ
「そう大したモンじゃないから。オレじゃ使えないモノだし、貰っといて。」
you
「そ、そんな無茶苦茶な…!」
アカギ
「ハイ、開けて。」
you
「うう……これ…は……リップ?」
アカギ
「な、大したモンじゃないだろ?」
you
「そんなことないです!……わぁ、甘くていい香り……これストロベリーかな…。」
アカギ
「使ってみてよ。」
you
「え、今ですか?」
アカギ
「うん、今。」
you
「読めた。何か読めたよ今!この先の展開が!!」
アカギ
「多分正解。なに、恥ずかしいの?」
you
「当たり前です!//」
アカギ
「ハァ…分かったよ…。」
you
「あら、意外とあっさり…。」
アカギ
「家に帰ってからにするよ。」
you
「そうじゃないでしょッツ!!!//」
アカギ
「そろそろ帰ろうか。」
you
「いや!今日はもう帰らない!」
アカギ
「ククク……大胆だね、you。」
you
「ギャァ!!ななな、何言わすんですかぁあ!!//」
アカギ
「それじゃ、お望み通り……今夜は帰さないってコトで。」
you
「くぁwせdrftgyふじこlp?!!///」
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