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「あれ、銀さんは?」
「ん、ああ、自分は泳がないし、暑いからって…別荘の方に戻ってますよ。」
youの質問に森田が笑顔で答える。
彼女はその答えに一瞬は「ふーん」と返したものの、それからすぐにその場から離れようと歩き出す。
「喉渇いたし、銀さんも退屈してるかもだから…一度別荘の方覗いてくるね。」
「分かった、youが行くと銀さんもきっと喜ぶよ。」
「あはは、だといいね。」
森田の台詞に話半分で笑顔を返しながら、youは別荘の方へと向かった…。
別荘の中は冷房が効いていて涼しく、youの口からは思わず感嘆の溜息が洩れる。
気を取り直してリビングへ向かえば、ソファで銀二が寝息を立てていた。
「銀さん?」
近づいてその姿をまじまじと見つめるべく顔を近づけた瞬間だった…。
寝入っていると思っていた銀二の眼がカッと見開き、youの腕を強く引いた。
バランスを保てなくなった彼女の身体はグラリと揺れてそのまま銀二の上へと崩れ落ちる…。
「ぎゃん!」
「いらっしゃい。」
「お…おじゃましました!//」
クスクスと笑いながら銀二は掴んでいた腕を解き、解放されたyouは慌てて銀二の上から飛び退いた。
「て…てっきり寝てると…。」
「寝てたぞ…お前さんが部屋に入ってくるまでは。」
「じゃ、じゃぁ狸寝入りなんてやめてくださいよ//」
「フフ…驚いたお嬢ちゃんの顔が見たくなってな。」
「悪趣味です!」
「クックック…。」
プイっと踵を返して、youは冷蔵庫へと向かう。
別荘の冷蔵庫を借りて、持ってきていたドリンク類を冷やしていたのだが、
取り出したそれはちょうどいいくらいに冷えており、youのちょっとした怒りはそこで全て消し飛んだ。
「銀さんも何か飲みますか?」
「ああ…。」
「何がいいですか?」
「お茶でいい。」
「はーい。」
ペットボトルのお茶を一本と、自分用に甘いジュースを一本手に持って銀二の元へと戻ってくる。
「はい、銀さん!」
「ありがとよ…ホラ、ここ座れ。どうせ海に入ってないんだろ?」
「え…何で分かったんですか。」
「さっき倒れてきた時、パーカー濡れてなかったからな。」
「なるほど…。」
「折角海に来てるのに、何で入らない?」
「え…だって…最近太ったし…胸無いし…。」
「オレは見たいけどねぇ、youの水着姿。」
「も、もう!銀さん!//」
からかうようにyouを見て笑う銀二。
一般的に「おじさん」の分類に分けられるだろうその年齢の割には漂う雰囲気は若者のそれ。
言っていることはおじさん染みているものの、厭らしさなど微塵も感じない爽やかな笑顔だった。
そんな彼に毒気を抜かれ、youはぷくっと頬を膨らませただけで、ただ黙る。
「何だその微妙な反応は。」
「……。」
「おーい、you。」
「…~~っ!!」
「youちゃんよぅ。」
「っ…もう!頬っぺたつつかないでくださいよ!//」
銀二は子どもを相手にするように、隣に座すyouの頬をしきりにぷにぷにとつつき、反応を促す。
youはというと、一向にそれを止める気配の無い銀二についに痺れを切らして反論したのだが…。
「銀さんと話してると、調子狂うなぁ、もう!」
「そうか?何でだ?」
「何でって……何か上手く言えないけど……見かけも接し方も大人なのに、会話のキャッチボールがスムーズっていうか…。」
「ヘェ、若いコにそう言われると、満更でもねぇなぁ。」
「うん、何か…私…凄く銀さんと話すのは楽しいみたい。」
「…ハハッ、嬉しいコト言ってくれるな……それじゃぁ、アレか?」
「ん?」
「youの中で俺はまだ、ストライクゾーンなのかい?」
「え。」
「・・・。」
「ええええっ!?///」
銀二にしてみれば、何でもない、ただの会話の遣り取り。その延長上。
しかし、相変わらずその手の話には若干疎いyouは過剰な反応を見せるのだ。
真っ赤な顔で隣に座す銀二を見上げるも、続く言葉を見つけられず焦っている。
そんな彼女の様子が大変面白かったので、銀二はクスクス笑いながら話を続ることにした。
「そう焦らなくてもいいじゃねぇか、ちょっと傷付くだろ?」
「いえ!そうではなくって!逆に聞き返すくらいのお話だったので驚いて!」
「はぁ?」
「ええと、逆に銀さんは私みたいな若輩者はストライクゾーンに入るのかしら!と思ったので…。」
「俺の・・・?」
「え、ええ…銀さんから見れば、大概の女性は子どもっぽく見えるんじゃないんですか?」
「それは俺が、大人の付き合いを欲してる…そう、思ってるってことか?」
「そんな感じです…。」
たじろぎつつ答えたyouの言葉に、銀二はやれやれと溜息を吐いた。
「そりゃお前……俺を買いかぶり過ぎだ。」
「え…?」
「俺がそう見えるのは、そう見せてるからだ。気を張ってなきゃ務まらない仕事やってるからな。」
「そうなんですか…。」
「ああ、でも……だからと言って俺の恋愛がそんなクレバーな相手を求めてるっていうのはトンだ誤解だよ。」
「す…すみません。」
「別に謝ることじゃない…寧ろ嬉しかったさ、youが俺をどう思ってるのか知れて。」
「私が…ですか?」
「そうだよ。」
お茶のペットボトルを正面のテーブルに置き、銀二はyouに綺麗な笑みを向けた。
そのまま、頭の上に手を乗せられて優しく撫でられる…。
「ぎ…銀さん?」
「今の話で、俺の考えてることは分かったか?」
「え、と……?」
そう問いかけられ、youは頭の中を整理する。
銀二はyouから見れば成熟した大人そのものだが、
本人にしてみればそれは見せかけだけの部分もあり、本当の銀二は他にも色んな面があるのだと。
日常生活や恋愛、その他諸々…。
だからこそyouは銀二と話すのが楽しいのだと…そう気付いた。
自分なりに答えを導き出したyouは呟くように言葉を漏らす…。
「あ…わかった…気がします。」
「ほぅ?」
「銀さんは…もっと遠い存在かと思ってたんですけど…そうじゃなく接してもいいってことですよね…?」
「…いや…違うな。」
「ええええ~!そんなぁ!」
自分の考えた答えを見事に一蹴され、悲観するyou。
銀二はくつくつと笑いながら、youの耳元に唇を近づけた。
「こんなオッサンでもいいなら、ストライク取りに行くぞってコトだ。」
「は…っ…//」
近づけた顔をゆっくり離し、銀二はニヤリと笑う。
一瞬青くなったyouの顔が途端に真っ赤に染まったのは言うまでもない。
本気ですか?
アカギ
(お帰り、水分補給…遅かったね。)
you
(え?!あ、そ…そうですか?!アハハ!//)
アカギ
(・・・・。)
カイジ
(おお、お帰り、you!)
you
(たっ、ただいま、カイジくんっ!)
カイジ
(・・・?)
you
(さー…えっと!あ、みここちゃーん、一緒遊ぼー!)
アカギ
(・・・・。)
カイジ
(…何かテンションオカシイくないか?)
アカギ
(手強いヤツ惹き入れてきやがって…。)
カイジ
(え。)
アカギ
(まぁいいか……狂気の沙汰ほど面白いもんだ。)
カイジ
(え?え??)
アカギ
(・・・カイジさんはもっと鼻を利かせるべきじゃない…?)
words from:yu-a
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