my moderate brown
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「サーヴァント、アーチャー。アルジュナと申します。マスター、私を存分にお使い下さい。」
第一印象は黒い。
そして…
チョコレート食べたくなる。
だった。
my moderate brown
愛すべき日々
「マスター、よろしくお願いします。さて…どうしましょう?」
「そうですね…まずは自己紹介でしょうか?わたしはyouと申します。これからどうぞ、よろしくお願いします。」
「ああ、礼節を守ってくれそうなマスターでよかった。この私のマスターとなる人ですからね。こちらが相応の品位を求めるのも致し方無い。そう思いませんか?」
「えッ?!えっと、そう……そうですね?」
大変丁寧な言葉を用いながらも、
明らかに自分は格下に思われている…。
言われずともそう悟ったyouであった…。
まぁ、確かにアルジュナといえばインド古代叙事詩「マハーバーラタ」の大英雄。
マハーバーラタはインドのあらゆる英雄が集結する絢爛なる物語であるが、アルジュナはその中心に位置する存在といっても過言ではない。
故にその存在価値から考えても、崇められるほどのポジションに間違いはないのだが…。
「私とあなたでは、私の方が偉大だと認められているでしょう。しかし、それは関係ない。あなたがマスターであること。私は、それを重要視します。」
「はぁ…。」
だから、きちんとマスターの指示には従います。と…。
きっと彼はそう言いたいのだろう。
だがしかし、慇懃無礼とはこのことかと、
正に彼をもって理解したyouであった…。
ただ、そうは言っても彼は自分にとってこれから第一線で立ち向かってもらう必要のある重要な人物。
信頼をし合う仲になるためには
コミュニケーションは欠かせない。
そう思い、苦笑しつつもyouは彼に他愛もない話題だが、
ひとまず問いを投げかけてみた。
「あ、アルジュナさんのこと、少し聞いてもいいですか??」
「ええ、構いませんよ。」
「もしも聖杯が願いを叶えてくれるなら、アルジュナさんは何をお願いします?」
「聖杯に掛ける望みですか?願わくば、私を永遠の孤独にしてほしい…冗談ではなく、本気ですよ?」
「えっと…では、好きなこととか、好きなものって何ですか?何でもいいんですけど…。」
「好きなこと…ですか。一人の方が、気楽でいい…英雄とは程遠い思考ですがね。」
「・・・・。」
「他に何かご質問は?」
「じっ、じゃぁ嫌いなこと!嫌いなことは??!」
「嫌いなこと…ですか。私の心に踏み入ろうとする者は、あまり好ましくない…マスター、どうか気をつけて下さい。」
「・・・・。」
「まだ何かご質問が?」
「いえ、無いです…。」
「そうですか。」
一言で言おう。
「非常にやり辛い」と。
信頼関係を築きたいと思っているのに、
こうも相手から「孤立させろ」と言われては対処のしようが無い。
仲良くなるなど絶望的……そうガッカリと顔を俯かせるyou。
「マスター…?」
「あ…うん、ごめんね…じゃなくてごめんなさい。」
「何がです?」
「わたし、アルジュナさんと仲良くなれればなって思ってたんですけど……こっ、今後はあまりお声を掛けないように心掛けます…っ!」
「まっ…!マスター?!!」
アルジュナが急に焦り出した理由としては、
目の前でマスターである彼女が今にも泣き出しそうに涙を堪えていたから。
「なっ、泣かないでくださいマスター!」
「っ…ご、ごめんなさい…泣くつもりもなくて……こ、困らせるつもりじゃ…。」
「いや寧ろこちらが……申し訳ない…。泣かせるつもりはなかったのですが…!!」
「アルジュナさんは……わたしと仲良くしたくない…ですか?」
「な、仲良く…って………//」
「もしかして……わたしがマスターというのがお嫌ですか!?」
「い、いえ……そういうワケでは…。ま、マスターとの信頼関係を深めることはきっと有意義なものです。それに、私は別に貴女を嫌悪しているワケではありません。」
「でも、一人がいい…?」
「っ…。」
確かに一人が気が楽だと、孤独になりたいと宣った。
だがしかし、目の前の彼女は何とも庇護欲を掻き立てる。
これではまるで「友達になりたい」と声を掛けてきた子どもの手を「あっちへ行け」と追い払っているようで、
何とも低レベルな上に気分が悪い…。
自分の在り方を曲げるワケではないが、
アルジュナは盛大な溜息の後、youと視線を合わせて恥ずかしそうに言葉を紡ぐ。
「一人になりたい時はそう言います……これでよろしいですか?」
「いいんですか…?」
「えぇ。私アルジュナは、真摯に仕えることのみが喜びですとも。貴女がそう望むのなら、致し方ないでしょう。」
「(それってつまり渋々…。)」
「どうしました?」
「う、ううん!何でもないです…。」
「そうですか。では、改めて……これからよろしくお願いします。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします、アルジュナさん。」
「・・・。」
「?」
へにゃりと気の抜けたような甘い笑みを向けていたyouだったが、
何か言いたそうなアルジュナの表情を見て小首を傾げた。
「アルジュナさ…」
「マスター。」
「はい?」
「無理はせずとも良いのですよ。」
「え…?」
「確かに、私とあなたでは、私の方が偉大だと認められているでしょう。遜って丁寧な言葉を選びたくなるのも理解できます。」
「(大事な事?!大事な事なので2回言った?!!)」
「ですが、貴女は貴女のままで良い。と、思います。」
「ええと、つまり…。」
「先程から、少々無理をなさっているのではないかと思いまして。」
「うっ……。」
「余程な物言いでない限り、私は貴女を受け入れます。だから、その……兎に角、無理をなされず、どうぞ。」
「えっと…じゃぁ……お言葉に甘えちゃうね…。」
「ええ。」
「えへへ、よかった……敬語ばっかりはちょっと窮屈だったから、嬉しい。ありがとう。」
「構いませんよ。マスターに無理をさせる方が忍びない。」
「あの、じゃ、じゃぁもう1こいいですか…?」
「私に叶えられる願いならば。何なりと。」
「『アルジュナ』って、な、名前で呼んでもいいですか?//」
「!」
顔を真っ赤にしてそう懇願してきた彼女を、
拒む選択肢など、自称寛大な彼にあるワケもなく…。
まるで飛び火のように赤面してしまった顔を右手で隠しながら、アルジュナは返答する。
「すっ……好きに呼んでいただいて結構です…!//」
「本当?よかった……ありがとう、アルジュナ。」
「それでは、代わりといっては何ですが…わたしも貴女のことをyouと。真名で呼んでも構いませんか?」
「えっ?!」
「え?」
まさか、ここにきて拒否されるのかと、アルジュナが驚く。
が、しかし。
そんなことはとんだ稀有だったようで、
彼女は再び頬を染め、期待するような眼差しで彼を見上げた。
「名前で呼んでくれるの?」
「ッ……!//」
「うわぁ、嬉しいな、ありがとう、ありがとうアルジュナ!」
先程までの涙は何処へやら…。
喜々としてアルジュナの手を両手で包み込んで喜ぶyou。
正直、自分のマスターになるくらいなのだ…。
相手は格式高い一流の魔術師であろうと思っていたアルジュナ。
だがしかし、目の前の彼女は違う。
全く予想だにしていなかった相手だ。いい意味で。
様々な女性と関わってきた経歴で、それなりに耐性があると自負していたが、
人種の違いか時代の違いか…。
結論として、思わず崩れ落ちるか、
目の前の小さな身体を掻き抱きたい衝動に駆られるアルジュナであった…。
愛すべき日々
その始まり。
(私のマスターが
こんなに可愛いワケがない!)
words from:yu-a
title by:Kiss To Cry
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