garb of love.
name setting
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「マスター!危ない!!」
「え…?」
それは聞き慣れた静かなものではなく
とても大きな彼の声だった。
garb of love
相思いに満ちて
「怪我はないか、you?」
「怪我があるのはカルナでしょ!!!」
「俺のことはいい。それより怪我は?」
「ない!カルナが庇ってくれた…。」
「そうか、よかった。では戦闘に戻るが……油断は禁物だぞ、マスター。」
「ッ……うん、ごめんなさい。しっかりする!」
「ああ。終わらせよう。」
あってはならないことだったが、
戦闘の最中にぼんやりしてしまうという大きなミスを犯したyou。
幸い、敵がカルナにとって、そう強くない相手だったため、
彼女を庇ったカルナも軽傷で済み、事無きを得たのだが…。
・
・
・
・
「ごめん、本当にごめんなさいカルナ…わたし…。」
「問題無い。この程度の怪我なら夕刻までには完治するだろう。」
「そんなに…。」
戦いの後、部屋に戻ってきた2人がそんな会話を繰り広げる…。
英霊が完治に数時間ということは、人間であれば重症…。
自分にそれが降り懸かろうとしていたと思うと、
正直今も生きた心地がしない…。
しかも、その状況を作り出してしまったのが自分の注意力散漫ということであれば、
余計に心痛を抱いてしまうというもの。
「何か、考え事をしていたようだな。だが、戦闘中は良くないぞ。」
「はい、反省してます……カルナが庇ってくれなかったら、わたし死んでたかも。」
「だから俺が守る。元来、サーバントとはそのための存在だ。尤も、俺がyouを守りたい理由は主従云々の枠とは別のところにもあるが…。」
「っ……//」
つまり、そういうことである。
カルナからマスターとサーバントの関係以上の特別な気持ちをぶつけられてから、
どうしたものかと思い悩むこととなったyou。
そのため、今回のように、浮ついた…とまではいかずとも、
気持ちが定まらないまま戦いに赴いたため、このような結果を招いてしまった。
「カルナ…ちょっと聞いてもいい?傷が痛むなら治ってからでもいいんだけど…。」
「構わない。尋ねたいこととは何だ?」
「うん……あの……考え事してた原因もそれなんだけど…。」
「そうか、では尚の事解決に向けて話し合う必要があるな。」
「えっと……カルナは……ほ、本当にわたしのこと、好き、なの…?」
今更自分の勘違いでした…という結果も望んではいなかったが、
それでもどうしても、確認を取っておきたかった、彼の本心。
あらゆる物事を「それも有り」と認める彼は、どんな事であれ主の命には黙して従うまで。
そういう彼の在り方を考えると、どうにも自分への想いが「恋」というものなのか疑ってしまうワケで…。
youの恐る恐る投げ掛けた問いに、
カルナは間髪入れずに返事を返した。
「ああ。恋い慕うという意味で、相違ない。」
「どっ、どうして?どうしてそうなったの?だってわたし、わたし…。」
「どうしてかと問われると、正直分からないことは沢山ある。」
「おふっ…。」
「だが、そうだな……庇護欲というのだろうか……youの悲しむ姿を見たくない。それがただ、最たる理由になっていったのだろう。」
「カルナ…。」
「後は以前伝えた通りだ。」
安寧にも思える時間や、その空間で交わす言葉があたたかで、
それゆえにこれからも共にいたい存在なのだと、カルナに言われた言葉を再度思い返す。
そしてそれは自分も同じ気持ちであることも。
「わたし…カルナのこと……好き。」
「…そうか。」
「でも、抱いちゃいけない気持ち、だよ…。」
「何故だ?」
「だってカルナは…カルナは凄い存在で、英霊で、いつか離れ離れになる……だから、恋しちゃ…いけない…。」
「確かにそうだ。別離する運命(さだめ)から逃れることはできない…。」
「です、よね……。」
「youがそのように言うのなら是非もない。」
「えっ、えっ?」
「残念だ。」
「あ、諦めちゃうの…?」
「・・・諦めたのはyouの方では?」
「そっ…そうなんですけど!」
「???」
食い付く素振りも無く、仕方ないと言って身を引くカルナ。
全く予想外の展開に、思わず逆に食い付いてしまうyouだった…。
「何かいけなかったか?俺はyouの意見を尊重したつもりだったが…。」
「そうなんですけど!そこは尊重しないトコだよね?!って思って!!」
「そうなのか?」
「た、多分…!」
「だが、youは諦めると…。」
「言ったけど…!確かに言ったけど……ッツ!!」
「???」
「カルナはわたしが諦めても、いいの?わたしもカルナのこと……すっ、すきなのに??//」
「……良くはないが……youがそう言うのならば、それを享受するほか無いと思っている。」
「ああ、もう!!だから……その……つまり…//」
「つまり?」
「ひっ、引き留めてほしいってこと!!………なの…//」
「………………………………………………なるほど。」
自分で断っておいて、何て我儘を言っているのだと、youは真っ赤な顔に両手を当てて後悔を示す。
穴があったら入りたいとは正にこのことだと確信した瞬間だった…。
そんな彼女の葛藤と羞恥を知ってか知らずか(十中八九後者)、
カルナは真面目に己が思考を口に出し始めた。
「しかし、何と言えばいいものか……どんな言葉を選べばお前を引き留められるのか分からないが……ただ、ひとつだけ。」
「ん…。」
「you、お前が例え俺の引き止めに応じなくとも、変わらず、お前を想い続ける。」
「か…。」
「例え英霊の座に帰還しようと、いつか感じた甘い光、日の暖かさに似た大事な友と同じように、忘れる事無く想い続ける。」
「カルナ…。」
「今まで感じた事の無いこの感情をもし愛と呼ぶのなら、お前に向ける気持ちはきっと、それなのだろう。」
「っ……!」
「愛している、you。どうか、俺と想い合ってはくれないか?」
最後の言葉を言うが早いか、もう既に泣き出していたyouがカルナの胸に飛び込んだ。
幼子をあやす様に、片腕でyouを抱き寄せ、反対の手で彼女の髪を撫でる。
「かつてとあるマスターに言われた。俺は一言多いのではなく、少ないのだと。爾来、なんとかしようと思っているのだが、なんとかなっているか?」
言葉も紡げず、しゃくりあげながらyouは何度も頷いた。
「……そうか…そうか。」
安心…というよりはまるで、褒められて嬉しがるような表情で笑みを浮かべたカルナ。
カルナからの言葉にできない程の告白を受け、未だ気持ちが落ち着きを取り戻せないyouだったが、
それでも、完璧に近いこのサーバントにダメ出しをしたという『とあるマスター』に「凄い度胸だな」などと考えを巡らせてしまうのだった。
「それで……俺はお前を引き止められたか、you?」
「うん……寧ろもう…多分カルナから離れられないかも…。」
「そうか…それは大いによかった。」
少しだけ身体を離したyou。
グッと涙を拭うと、カルナを見上げてそっと目を閉じた。
「……魔力供給じゃないですよ?」
「承知した。」
言われずとも分かっていたよ、と…。
ふっと微かに笑う息を漏らし、カルナはキス落とした。
少しだけ、触れ合うだけの口付けだったが、それでも2人には十分だったようだ。
「カルナ……すき。だいすき。」
「言葉がない、とはこういうことだったのか。ありがとう、マスター。この胸の昂りがある限り、我が槍に敗北はないぞ。」
「うん、期待してます。」
「you……もう少し強く、抱きしめてもいいだろうか?」
「もちろんです。」
言った通り、カルナは両腕でぎゅっとyouを抱きしめる。
それから、まるでそのお返しとばかりにyouもカルナを抱きしめ返したのだが、
今度は離れるタイミングが分からなくなってしまい、
最終的にカルナの傷が完治するまで抱き合ったままでいたことは両人のみぞ知るところである。
君想う心
恋衣となりて
words from:yu-a
title by:Kiss To Cry
*。゜.*。゜.*。゜.*