garb of love.
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「…何だろう、凄くだるい。」
そう言って
ゴロンとベッドに倒れ伏せた
garb of love
あどけない恋
「you…?」
「あ、カルナ……ごめんなさい、今日ちょっと怠けたい。」
部屋に入るなり、ベッドに伏している自分のマスターを見て、
不思議そうに近付いていくカルナ。
言われてみれば、パスは変わらず繋がってはいるが、
魔力供給はいつもより少し不安定というか…有体に言えば波があった。
普段泣き言をあまり言わずに努めているツケ…。
即ち彼女の心の乱れだろうかと考え、カルナは問いかける。
「何かあったのか?俺で解消出来る程度のストレスならそれに越したことは無いのだが。さて、しかし俺などに解消できる悩みなどあるのだろうか…。」
「うーん……ストレスじゃないと思う。」
「そうか…俺はてっきり、また俺の言葉が足りずお前の気分を害してしまっていたのかと…。」
「ううん、そんなことないよ。カルナはずっと頑張ってくれてる。」
「そうか…。」
ゆっくりと、衝撃を与えないようにベッドサイドに腰かけると、
俯せている彼女の髪に手を伸ばし、ゆっくりと撫ぜてやった。
youは少し体を動かして、横向きの態勢になると、
まるで飼い主に甘える小動物のように、うっとりと目を細める…。
「ありがとー…カルナ。もっと撫でてー。」
「分かった。お前が命ずるなら、俺はそうするだけだ。」
「命令じゃないと、撫でてくれないの…?」
「いや…そうではないが…。」
「・・・。」
少し、何か考えているように目を瞑り、
一呼吸置いた後、蚊の鳴くような小さな声で何かを呟いたyou。
よく聞こえなかったカルナは顔を近づけて音を拾う…。
「ゴメン、なさい…もっと……強く…なる、から…。」
「…you……泣いているのか?」
「違うの……ちょっと、自分の弱さに凹んだだけ…今、凄い情緒不安定。」
「ちょっと…?」
いや、大いに挫けているように見えると、カルナは言う。
ベッドサイドから立ち上がり、そのままyouの顔がよく見える位置でしゃがみ込み、覗き込む。
「やはり、泣いていたな。」
そっと手を伸ばし、細く長い指で涙を拭ってやると、
力なく、youからその手を掴まれた。
「わたしがもっと、マスターとしてちゃんとしてたら…。」
「youは十分にその責務を全うしている。」
「でも、カルナに十分な魔力を提供するには全然足りない…。」
「それは……無理もない。俺の持つ武具や宝具はとても……燃費が悪い。だが、急にどうした……それ故、いつも魔力消費の多い行動は控えているつもりだったが…。」
「うん、だから……悔しくて…頑張ろうって。そしたら、普段繋がっている魔力も増えるから。」
「…だが、今は増えるどころか…不安定で波がある。何かあったのか?思い悩んでいることがあるなら教えてくれ。強くなるのは良いことだとは思うが、それがお前に無理を敷くようなものなら、それは俺が望むことではない。」
「カルナ…。」
今にもまた泣き出しそうな顔をして、youはカルナを見上げると、
きちんと向き合って話すべきだと思ったのか、ゆっくりとベッドの上に起き上がった。
「わたし…知らなくて……本当、新米魔術師とはいえ、マスター失格…。」
「知らなかった…?何を?」
「……術書を読んで……初めて知ったの。サーヴァントとマスターの事…色々。」
「書物を手に取り、学ぶことは良いことだ。別段何の問題もないようだが…?」
「宝具のこと、スキルのこと…令呪のこと…とか…。知ってることもあったけど、知らない事の方が多かった。」
「俺の持つものについては、お前が望めば全て答える。使用する事に関しては…俺も些か口を挟ませてもらうかもしれないが…。先程も言ったが、とても負荷が掛かるものだからな…。」
「それもあるんだけど……うん。」
尚も言葉を詰まらせ、言い淀むyou。
カルナは彼女のその様子に、一体それ以上、何を伝えたいのかと眉を少し寄せると、
自分も彼女に向き合うよう、再びベッドサイドに腰かけた。
「you…教えてくれ。お互いに分かり合う、そう約束したはずだ。」
「うん、そう…なんだけど……何というか、凄く…言い辛くて。」
「言い辛いこと、とは…?」
「魔力供給のこと…です…。」
「・・・ああ。」
成程、と二字で理解を示したカルナ。
「確かに、魔力の供給により、俺達は生きる事が出来る。だが、何も問題ない。」
「問題ない…?」
「基本、パスはきちんと繋がっていて、お前からの魔力はきちんと行き届いている。」
「でも……枯渇してる時だってあったはず…。」
「それは……全くない、と言えば嘘になるが…。」
「やっぱり…。」
「それがどうかしたのか?多少枯渇したとて、現界するのに影響は無い。」
「カルナは……どうして、自分が辛くても、魔力が足りてないってわたしに言わなかったの?」
「言った通りだ。多少枯渇したとても、問題ないと判断したからだ。」
「本当に…?」
「本当だ。」
youの目をしっかりと見据えて、カルナは大きく頷く。
その真摯な態度と眼差しで、彼の言葉に嘘偽りが無いと判断したyou。
(元よりカルナが嘘を吐くなどと思っていないのだが…。)
「・・・よかった。」
「よかった?」
「うん、何ていうか……ホラ、枯渇したりパスを繋げたり、魔力は体液の交換で供給するのが手っ取り早くて一般的だって書いてあったから…。」
「ああ、聞き及んでいる。その事がどうかしたのか…?」
「カルナが魔力足りていない時もわたしに声を掛けないのは、わたしが脆弱なマスターだからなのかなって思って…。」
「そんな事は無い。」
「よかった…!
「ああ。気分は落ち着きを取り戻したか?魔力の流れに波が無くなったようだ。」
「あっ、そういえば…。」
不安定だった魔力の供給が従来通りに戻り、2人して安堵の色を見せる。
「でも、これからは枯渇なんてさせないくらい、もっとがんばるから!」
「そうか、では期待している。」
「ゆくゆくはカルナが全力で戦えるくらいの魔力を…!」
「それは…………………努力を頼む。」
「うわー…すごい間があった…。」
「ほどほどでいいぞ、you。」
「うん、うん……でも、辛い時には教えてほしいな……。」
「それは……つまり、今後は俺に魔力の供給をするということか?」
「え?」
「…違うのか?すまない。少し期待した。」
「・・・・え?」
またしてもカルナのぶっとび発言が飛び出し、youはピシリと固まる。
「きっ、期待って……//」
「何かおかしな事を言っただろうか?」
「い、言った!魔力供給したいって言った!!//」
「ああ。言ったが…。」
それが何か?と、きょとんとあどけない子どものような眼差しでyouを見つめるカルナ。
真っ赤な顔で、いくつも頭に疑問符を浮かべながら、
youは軽くパニック状態でカルナに問いを投げ掛ける。
「わたしと???」
「you以外に誰がいる?」
「??!?!//」
「youが俺の事をどんな存在と思っているのか分からないが、俺とて英霊である前に一人の男だ。」
「うん??」
「例えば生前は花婿選びの競技大会に参加もした。」
「ごめんどういう状況かよく分からない…。」
当然と言えば当然なのだが、
時代と生まれが違う以上、彼の常識は彼女には伝わらなかったようだ。
だがしかし、言いたいことは何となくは察することができるもので…。
つまりは自分にも恋をすることはできるのだと、カルナは言った。
「想いを向けている相手と触れ合う機会があるなら嬉しく思うのも当然のことだと思うが……間違っているだろうか。」
「間違っては……ない、です、けど…。」
「you。」
「…は、はい…。」
「俺はお前がとても愛おしい。『施しの英雄』たる俺に初めて与えられる喜びを教えてくれた、貴重で稀有な我がマスター。」
「わ……わたしは何も…カルナにしてあげれていない…。」
「幸せに共に過ごす時間を与えてくれる。俺にはそれだけでも価値のあるものだ。」
「そんな、そんな……全然そんなの……与えたことにならないよ…!」
「他にも、言葉では形容し難い、あたたかいものを沢山もらった。」
「ッ……。」
「これからも、俺にとって大事な存在で在り続けてくれるだろうか?」
「それは分からない、わたしはカルナが想うに足る存在じゃないかもしれないから…。」
「そうやって自分を卑下するのは良くないぞ。」
「でも。」
「!」
少し暗く臥せていた顔を上げ、youはカルナの頬に手を伸ばす。
「叶うなら、カルナが必要としてくれる存在でありたいと思う。」
「・・・you。」
「挫けないように、強くなれるように努力するね。だから懲りずに傍にいてほしい。」
「お前が望むなら、それに応えるべきだろう。」
「それから…。」
「?」
「えっと……//」
伸ばしていた手をパッと仕舞うと、
急にもじもじと、言葉を言い噤むyou。
此処に来て何を言い淀むのかと、カルナが顔を覗きこめば、
彼女は真っ赤な顔をプイっと横に逸らして言った。
「魔力供給は……もうちょっと、待って、て…くだ、さい…//」
「…承知した。」
最初から最後まで、淡々と語られはしたが、
それた確かに心が透き通るような者にしか口にできないような告白だった。
その、あどけない恋が成就するまで、そう時間は掛からないだろう。
想い合うほど
心は常に
満ち足りて
※備考
Fate/GOの場合は聖杯かカルデアのシステムで、魔力供給を行っている可能性がありますが、
それだとサーヴァントはマスターに信頼が置けないのでは…?と思ったため、
あくまでも魔力供給の一端を担っているという考えに至り、そのような設定で書いています。
とどのつまり、どのFate軸でもアリということでお願いします。
words from:yu-a
title by:Kiss To Cry
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