garb of love.
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「おかえりなさい、カルナ。」
そう呼びかけると、
彼は目を丸くした。
何故だ。
garb of love
ただいまにまつわる
「お前もなかなか奇矯なマスターだ。」
「は?」
「いや、気にするな。」
「あの…。」
「ここまでで、お前の指示が不足したことは無い。存分に使うがいい。」
「ちょ、ちょっと待って…何が??何が奇矯なの??」
突如として、お前は変わり者だと言葉を投げられ、
しかし、マスターとしての役目はきちんと果たしているから問題ないとのたまったカルナ。
自分はただ、パンを買って戻ってきた彼に「おかえり」と挨拶をしただけなのに、だ。
「おかえりなさいって……変?」
「いや…決して変ということではない。」
「普通言わない?帰ってきたら「おかえりなさい」って。」
「ああ、そうだな……すまない。」
「いや、別に謝らなくても…。」
「今までサーヴァントとして現界した際にそのように迎えられたことが無かったから、驚いた。」
「そうなの?!!」
思わず大きな声で反応してしまうyou。
次いで「何それ悲しい!」と、表情を曇らせた。
「現界した事もそう多くはないから、あまり経験が無いというのもあるのだが…。」
「そう…それならいいんだけど…。」
「マスターと顔を合わせないままだったり、部屋から殆ど出ないマスターと契約したり…だったからな。」
「ああっ、よくなかったッツ!!」
驚くべき彼の歴史を耳にし、ガックリとその場に崩れ落ちるyou。
自分がカルナの立場であれば耐えられない、泣いてしまうとボソボソ呟く。
しかしそこは正に全てを赦し、受け入れる聖人君子の大英雄…。
彼は誰の事も恨んだり憎んだりしていないと言う。
英霊の座に戻れば、記憶は記録として残り、そこに感情が残ることは無いのだと聞いた事はあったが、
彼の場合は恐らく現界した時にも恨み言一つ言わず、マスターに全権を委ねていたのだろうと思うこと、これ必須であった。
「わたしは……いや、です…。」
「・・・?」
「わたしはカルナと沢山話をして仲良くなりたいし、カルナと一緒にいろんな場所へ行きたい。」
「…you…。」
「勿論、カルナにとってはサーヴァントとしての役割が凄く大事なんだろうけど、わたしはそれだけじゃない存在になりたい。」
「それだけではない、存在……とは、どういうことだ?」
「うーん……友達っていうか、家族っていうか……違うか?うーん…。」
「そんなに難しい存在なのか…。」
「あ、相棒!パートナー?みたいな。」
「サーヴァントとはそのような存在ではないのか?」
「そうだね…でも、だからこそ……マスターとサーヴァントって、カルナが思っているよりももっと、御互いに信頼し合える存在なんじゃないかな。」
「・・・。」
「カルナはね、もっと感情?思ってること、わたしに言ってくれていいよ。」
youはそれまで掛けていたテーブルセットから移動し、
ベッドサイドに腰掛けて、カルナに隣に座るようにポンポンと傍を叩いた。
その行動に促され、カルナもyouの隣へと着席する…。
「ほら、カルナって口下手だけど、凄く正論言う…というか、常に正しいじゃない?」
「正しいというわけではないだろう……自分なりに公正とはどうか考えているだけなのだから。現にオレはいつもそれで誰かを知らぬうちに傷付けたり、悲しませてしまう結果を残している。」
「うん、でもその導き出す答えは常に正しいよ。ただ、口にしない事が多いから、正しくない結果を出したりするだけ。」
「そう……か……言われてみれば…思い当たることもあるな……だが…うん…きっとそう、なのだな。」
「でも、わたしはそんなの嫌だなぁって。カルナの思ってることも聞きたいよ。例え、決断はどちらかの意に沿わなくても。」
「you……。」
「だから、良い事したら褒めてほしいし、悪い事したら諌めてほしい。」
「・・・。」
「あ、でも、叱る時はちょっと優しい言い回しにしてくれると嬉しいな〜…なんて…。」
「・・・。」
「カルナ…???」
少しずつ言葉が消していったカルナの様子に気付き、youが横を見ると、
彼は大層穏やかな笑みを浮かべて、彼女の髪をひと撫でした。
「矢張り、お前は奇矯なマスターだ、you。」
「えぇ〜〜!」
「こんなオレと、こんなにも向き合ってくれる……今まで言われた事のない言葉が…全て、とてもあたたかい……感謝するぞ。」
「なんだ、そういう……。」
「これからはもっと、思うことがあればお前には伝えていくようにしよう。そうだな…なるべく、優しい言葉を心掛ける。」
「ふふ、うん、お願いね。」
「…ありがとう、you。」
「…うん、どういたしまして。」
ふっと、目を細めて御互いに笑い合う。
「ああ、早速だが伝えたい言葉がある。」
「え?!早速?!何だろう……怖いな…。」
「言ってもいいだろうか?」
「ど、どうぞ…!!」
ぎゅっと目を瞑り、どんな辛辣な言葉も受け入れようと構えたyouの…
その頭上に降ってきた、低い声。
「ただいま、you。」
「・・・!」
予想外の言葉にパッと目を開き、驚きからすぐさま隣のカルナの顔を見上げると、
彼は既にyouの方を向いており、綺麗な笑みを浮かべて待機していた。
「うん!うん!!おかえりなさい、カルナ!」
「2回目だな。」
「いいのっ!」
それは彼が、彼女の元で過ごしているということを
受け入れたくて放った、ありふれた挨拶だった。
これは、そんな「ただいま」にまつわる、お話。
もっと幸せになって
もっと笑ってほしい
words from:yu-a
title by:Kiss To Cry
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