Little Lark 〜君へ謳う〜 (アカギ)
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熱が冷めやらない
というのは
こういうことかと
改めて思った
夢の跡
「2週間、いや3週間ぶり…か?流石にまだ何も変わってないな。」
そう言って鷲巣邸を見上げたのは平山と同じ、白髪とも銀髪とも思える髪をした長身の男。
名は赤木しげる。
数週間前、この屋敷で命を賭けた麻雀勝負をして、生き残った男…。
否、鷲巣巌が果てるまで続く栄光の道を破壊、終焉に追いやった男と言った方がある意味で正しい。
生というのは死を感じる時にこそ、そこに在ると感じられると…彼は思う。
だから鷲巣との戦いは「本当に楽しかった」と…屋敷を眺めてニィ、と笑った。
「思い出に浸るなんて…らしくないな。」
クククと一人、笑いながら鷲巣邸の門を潜った。
SPに案内されて入った玄関には、もう誰一人として迎える者は無く、
少しだけ埃を被った飾り棚やその上に置かれたオブジェだけがアカギの前に佇んでいた。
初めて訪れた際は真夜中で、しかも雷鳴轟く嵐の日だった。
アカギはその薄暗い屋敷に少しの灯りで照らされていた廊下や個々の部屋を思い出したが、今はまるで別物。
暖かな陽の光が整列した窓から差込み、惜しみなく自然の電飾を施している…。
主の居なくなった屋敷は無防備にも鍵は掛かっておらず、
家主がもう戻らないと覚悟して屋敷を出たか、はたまた海外へ逃げおおせたか…。
もしくはどちらも叶わず、全ての悪行が白日の下に晒され、塀の中の住人となったのか…。
そういったifを様々、想像させる状態で、ただ、すんなりとアカギを勝負の間へと迎え入れた…。
鷲巣麻雀が行われた扉の前で、アカギはふと立ち止まる…。
「歌…?」
一体誰が…と、しかし特に疑問を抱くこともなく、アカギはドアを開いた…。
いつくしみ深き
友なるイェスは
変わらぬ愛もて
導き給う
世の友我らを
捨て去るときも
祈りに応えて
労り給わん
地獄絵図の中心、あの神懸かった悪運の魔物のような老人と対峙した場所に座り、
神への賛歌を歌う女を見て、アカギは目を見開いた…。
彼女はアカギに気付くことなく賛美歌を最後まで歌いきり、ふっと微笑んだのだが、
どうしてか、その頬には涙が伝っていた。
これには流石のアカギも首を傾げ、その真意と彼女の素性を確認しようと近づき尋ねた。
「なぁ、アンタ誰だ?ココで何してる?」
「・・・?」
「この屋敷の奴か?」
「・・・!」
「・・・?」
何も答えない彼女に目を細めて怪訝な視線を向けたアカギ…。
しかし、逆に彼女の目は大きく見開き、そしてゆっくり口を開いた。
「 ゆ き 。」
確かにそう呟いたかと思えば、頬にもう一度涙が伝い、そのままアカギに抱きついた。
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ここは何処だった?
確か命賭けの勝負の場
そして夢の跡
ここはそんな場所だった
words from:yu-a
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