Little Lark 〜君へ謳う〜 (アカギ)
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消えていく
忘れていく
何もかも
喪失
鷲巣の姿を目にしないと思うようになったのはいつからだろう。
youはふとそう思った。
昨日からだっただろうか。
一昨日からだったか。
一週間か、一ヶ月か…。
あるいはもっと前からだっただろうか。
SPもいない、ハウスキーパーも来ない。
ぼんやりと、そう考えたのか…それさえ今のyouには分からなかったが、
ただ、先程からグゥーっと大きくお腹が鳴っているのだけは気付いた。
そういえば食事も、食べていない…。
「(気がする。)」
部屋のドアノブを回してみた。
平山が来てから鷲巣の監視が厳しくなり、常に部屋から出られない状態だったyou。
その日から数日でドアノブを回すことをしなくなったが、
今回は何か腹に入れたくて台所へ意識が向いた為、ドアを開けることを試みた。
いつも開かないはずのドアが開き、youは不思議そうな顔をした。
「(いつから、鍵が開いていたのだろう?)」
見つかってどう折檻されようと構わなかった。
youは平山の死を目の当たりにしたあの日から、
物事をぼんやりとしか考えられず、ぼんやりとしか思い出すことができなかった。
今はただ、ぼんやりと、本能的に何か食べたくて台所へ向かう…。
長い廊下を歩いても、誰にも出会うことは無かった。
窓から庭を眺めても誰もおらず、仕舞いには玄関まで足を運ぶ無茶をやってのけたが、
これでもSP一人、自分を部屋に連れ戻しに来なかった。
不思議に思いながらも台所に辿り着き、冷蔵庫を確認するyou。
冷たく冷えた水と何かすぐに食べれそうなものを取り出して、その場でもそもそと食べた。
腹が満たされ、眠くなるまで暫く時間が空くだろう…。
youは本能的にそう考えて、台所を後にする。
折角部屋から出られた上に、今は皆、留守のようなのでyouは屋敷を歩き回ることにし、
少しだけ嬉しそうな表情で色んな場所を見てまわった…。
「(ここ、は…。)」
そして辿り着いた、鷲巣低の遊技場の扉を開く…。
壁に描かれた地獄絵図に臆すことなく(というよりは見ていない)、
youはあの日、平山が死んでいった雀卓へと足を進めた…。
足元にいくつも散らばったガラス牌を一瞥し、その一つを拾い上げる。
「(きれい…。)」
誰にともなく、にっこり微笑んだ。
ガラス牌を片手に雀卓に腰掛けて、口を開いた…。
いつくしみ深き
友なるイェスは
我らの弱きを
知りて憐れむ
悩み悲しみに
沈めるときも
祈りに応えて
慰め給わん
歌う間に頬を流れた涙が、誰を想ってのものなのかさえも
もう・・・
今のyouには分からなかった…。
*。゜.*。゜.*。゜.*
真っ白になる
何もかも
喪失する
あなたのことも
消えていく
words from:yu-a
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