Little Lark 〜君へ謳う〜 (アカギ)
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らしくない
この執着心が
逆に面白いじゃないか
記憶の欠片
安岡と別れ、滞在先の仰木宅まで戻る途中…。
人ごみの中を歩く中でアカギはyouに言った。
「you、人が多いからはぐれるなよ?」
youはそのアカギの言葉にコクリと頷いた。
そして再び歩き始めたのだが
…その約5分後。
「って……言ってるそばからいなくなるか、普通…。」
見事にはぐれてしまったyouとアカギ。
こんなことならタクシーで帰るんだった…と、アカギは大変後悔した。
とりあえず辺りにいるyouに似た背格好の女性に目を遣り、
探してみるものの、如何せん人通りが多く見つけるのは至難の業。
アカギは舌打ちをしてyou探しを始めた…。
一方のyouはというと…。
「ねぇ、この辺じゃ見かけない子だよね、君。」
「俺たち、この辺詳しいんだよね、よかったら一緒に遊ばない?」
それはもう、ものの見事に絡まれていた。
アカギと同じくらいの年頃の男性2人に声を掛けられ、
言っていることは理解しているものの、何と反応していいのか言葉が出てこずに黙っていた。
ここは五月蝿いので、ということで連れて来られた静かなビルとビルの間で、彼等のyouへの質問が再開される…。
「ねぇ、いい加減名前くらい教えてくんないかなぁ。」
「・・・。」
「警戒しなくてもさ、本当に一緒に遊ぼうと思ってるだけだし…。」
「・・・・。」
「遊ぶにしろナニするにしろ…名前知っとくに越したことないだろ?だから…さ。」
「・・・・・・。」
そう言って囁くようにyouに近づいてくる男の一人。
彼の手がyouの肩に置かれ、その顔が徐々に近づいてきた時…。
路地の入り口からアカギの声が響いた。
「youッ!!」
youを含め、皆一様に声のした方へと振り向き、
見知ったアカギの姿を目にしたyouはパァッと明るい表情を浮かべる。
ズンズンとyouの元へ歩いてきて、2人の男などいない様子で声を掛けた。
「即行で迷子とはいい度胸じゃねぇか、you。」
「あ、か、ぎ!!」
「はいはい、帰るぞ。」
「・・・!!」
—お帰り、you—
youの脳内に誰かの顔が浮かぶ…。
「さ…。」
ぱたぱたと、youの頬から伝い落ちた涙が地面に染み込んだ。
突然泣き出した彼女に驚いた一同はそのまま固まってしまい、
ただ、youが歩き出す姿をじっと見ていた。
youはそのままアカギに抱きつき、そのシャツをぎゅっと握り締める。
「you…?」
「さ、ん。」
「?」
「おかあさん…っ!!」
「・・・・。」
アカギに抱き付いた後、いきなりの「お母さん」発言。
これには流石のアカギも動揺を隠せず、少しだけ恥ずかしさで頬が赤らんだ気がした。
アカギ以上に場の空気に取り残されたナンパ組の2人はというと、
あまり関わりにならない方がいいとおもったらしい、そそくさとその場を去ろうとしている。
「んだよ、彼氏付きかよ。」
「ていうか、いくら可愛くても頭がアレじゃ…ちょっとな。」
「アハハ、確かに!」
youに話し掛けたのは自分等の落ち度なのに、言いたい放題だな…と
苦笑して、寛大にも彼等の背中を見送ってやるアカギ。
そして未だ自分の胸の中で泣いているyouに目を落とす…。
「…母親のことでも思い出したのか、you?」
それにしても何故、今?と、疑問は尽きないが、とりあえずは彼女を見つけることができた安心感に浸りたくて、
しがみついてくるyouをぎゅっと抱きしめ返すアカギなのだった…。
*。゜.*。゜.*。゜.*
忘れてしまうくらい長く
生きることに絶望していたから
見つけた記憶の欠片は
大事なものだった
words from:yu-a
*。゜.*。゜.*。゜.*