with you. 〜君と僕との永遠性〜 (アカギ)
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まだ私を覚えてる?
まだ私を想ってる?
with you.
~君とボクとの永遠性~
08:決意
東京に戻ったアカギとyou。
彼らは、今回の勝負を持ち掛けた刑事、安岡の知り合いの元に身を寄せていた。
その知り合いというのが仰木という稲田組の若頭であり、
今回の死闘の相手である「鷲巣巌」という男とコンタクトを取れる唯一の人物であった…。
まだ対戦の手はずがまるで整っておらず、交渉はこれから。
すぐに鷲巣と対戦というわけにはいかない状況なのだ。
アカギはとりあえず待つしかない…
安岡と仰木の鷲巣へのアプローチ…交渉が成立するのを…。
「アカギさーん、雨だよ。」
「んー…。」
「何か考え事かな?」
「まぁね。」
「聞いてもいい?」
畳の部屋にゴロリと寝転がって、煙草をふかすアカギの元に
youが雨戸を閉めてから近寄り、座り込んだ。
「考えてた。今回の対戦相手「鷲巣巌」のことを。」
「ふんふん。」
「随分と性質の悪そうな相手だ…。」
「そうなんだ……困ったね。」
「俺と同じ匂いがする……はぐれ者、狂人…理解されぬ者…。」
「………。」
「何もかも手にしたから満ち足りず、己が死から目を背けて生きている。」
「うん…。」
「そして成功の毒に犯された…。」
「どく…?」
「自分より劣る人生を歩む人間が、自分より長生きすることが許せない。
だから殺す。」
「違法なギャンブルでな」と、最後に付け加えて煙草の煙を吐き出した。
youはというと、アカギの話を聞いてしょんぼりと俯いて下を向いている。
そんな殺人鬼相手に勝負をすることにやはり抵抗があるのかと思い、
アカギはyouに声を掛けようとしたのだが……逆にyouに話しかけられた。
「私…アカギさんのこと…やっぱりまだ理解できてないかな…。」
思いがけない彼女の台詞に、一瞬戸惑うアカギ。
対戦相手の鷲巣のことではなく、彼女はあくまで自分の想う相手のことしか頭にないようだ。
そう考えると、その質問には合点がいき、また嬉しくもなる…。
アカギは煙草の火を消し、灰皿に捨て置いてyouに言った。
「そうだな…オレの考えは一生かかっても理解できないかもなぁ。」
「そんな…。」
「いいんだよ、お前はそれで。」
「えー……やだなぁ。」
「そうか?一生傍にいたら分かるかも、ってことにもなるんだぞ?」
「……じゃぁ、それでいいっ!!」
勢い良くアカギに飛びつくyou。
アカギはyouを抱きとめ、頭を撫でた。
「アカギさん……あのね…あの…一つお願いがあるんだ…。」
「ん?」
「この……今回の戦いなんだけどね…全然確信なんて無いんだけどね…私の…。」
「記憶に関係がありそうなんだろう?」
「……うん…そんな感じ。いやいや、うん……そんなこと無いと思うんだけどね。」
「………。」
「だって「鷲巣巌」って聞いても全然ピンとこないし、ね。」
「そうか…。」
「で、ね……あの……その……もし…。」
先ほどの嬉しそうな顔は何処へやら……
今度は不安に駆られたような表情で下を向いて、言葉を噤んだ。
短い期間ながらも、youの人物像をしっかり掴んでいるアカギは
抱きしめている腕の力を強めて言った……。
「お前の好きにしろよ……傍に居たければいればいい。」
「…ぇ…。」
「いや、その言い方は止めとくか。」
「ぇーと…。」
「要するに、記憶が戻っても傍にいたいんだろ?」
「ぅ……うん…うん!!」
少しだけ身体を離して、お互いに視線を合わせる…。
「奇遇だな、オレもそう思ってた。」
まるでアカギに引力が働いているかのように、
それはもう一瞬で…自動的ともいえるくらい無意識に……
youは再びアカギの広い胸に顔を埋めた。
*。゜.*。゜.*。゜.*
「はい……はいっ…!私が仰木です!!」
雨降りしきる8月31日。
稲田組に一本の電話が鳴った…。
アカギが稲田組に身を寄せ、2週間程過ぎた頃…。
その電話がついに対決の刻を告げた…。
この日、午後9時…
稲田組から3台の車が連なって鷲巣邸へ向かう。
後ろ2台には今回の勝負を成立させるための武力…稲田組の組員が武装して乗り、
先頭を行く1台にアカギたちが乗る…。
「……仰木さん……。」
「ん…?」
「一ヵ所寄っちゃいただけませんか……?」
「寄る……?」
「ええ……。」
そう言ってアカギが仰木に頼んで寄り道してもらった場所…それは病院だった。
誰もが皆、例の倉田組との一件で受けた刀傷の心配をしていたのだが…。
「大丈夫なのか…?腕……。」
「ああ…これはもう問題ありません。あそこに寄ったのは……この腕のことっていうより…。」
仰木の質問に対し、物を見せて答えに応じるアカギ。
薬が入っていると誰もが思っていたビニールの中身を確認させる。
中にはドリンクの栄養剤が幾本も入っていた。
疑問に思う仰木はそのままの言葉で質問をする。
「…?ドリンク類……?」
「フフ…水分が取れれば何でも良かった……ともかく今夜は…
向こうが出すものはお茶一杯口にしたくない……!」
「あ…す…すまんっ……!そういうことはこっちが気を回さにゃいかんのに…。」
「ククク…最初はともかく追いつめられてきたら……敵は…一服盛るくらい平気でやってくる…
なんせ……5億をふんだくろうって麻雀……注意しすぎるってことはない……。」
煙草に火をつけ、覚悟を決めたような顔をするアカギ…。
youはそんな彼に何も進言しようとはしなかったが、
内心はやはり、そのような危険な人間を相手にしてほしくないと……そう思っていた…。
そして午後10時
アカギたちは遂に究極の敵が待つ鷲巣邸に到着した…。
*。゜.*。゜.*。゜.*
(youの記憶がこの戦いにあるなら)
(初めて自分以外の為に戦おう)
(それが、オレのただ唯一の…)
決意。
*。゜.*。゜.*。゜.*