with you. 〜君と僕との永遠性〜 (アカギ)
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たとえ
覚えていなくても
たとえ
忘れてしまっても
その度に
何度でも
キミに恋をする
with you.
~君とボクとの永遠性~
03:知る歌を貴方に
「彼女を連れて行って、再度確認はしたんだが……結局、お前の予測通りだったよ……。
組長がどうしてもお前を連れてこいと言われてね。」
アカギと治を乗せ、川田組へと向かう車の中で石川が言った。
ニセアカギとアカギを対戦させるため、合意の上とはいえ半ば拉致状態にある2人。
勿論アカギはこうなることを知っていて会社を辞め、youを先に川田組に行かせた部分もあり…
車の中、平気な顔で煙草をふかしている。
一方の治は、退職の理由と昨日の神がかり的な博打の真相を聞こうとアカギを追いかけ、
追いついた先で会社の先輩とアカギがいざこざを起こし、更にそれでアカギへの敬虔度が上昇。
気付けばアカギと一緒に闇堅気の商売の方々の車に乗っていた。
とまぁ、そんな状況。
それから10分とかからないうちに一行は川田組の本家に到着した。
石川の案内でひとまず自分達が寛ぐ部屋に通され、
その後、隣の部屋にyouが待っていることを告げられた。
「you、大人しく待ってたか?」
「アカギさんっ!」
数時間ぶりの再会。
しかし置かれた場所が闇家業の組本家。
自分の記憶以外のものは失われていない為、youも流石に怖かったようだ。
アカギの姿を見るなり駆け出して、飛びついた。
「一人でここには居辛かったよぉ…。」
「ごめんごめん。まぁ、ちゃんと迎えに来たんだし。」
「迎えっていうか……対決するんでしょぉ?皆が教えてくれたよ。」
「……何だ、バレてたの。」
「もー!アカギさん?!」
痴話喧嘩……とでも言うべきなのだろうか。
石川がフーっと音の無い溜息を漏らし、
そして……治が叫んだ。
「会社辞めるって……辞めるって……かけおちが原因だったんですかっ?!」
「違う。」
速攻でツッコみ、治をじっと睨むアカギ。
そして、アカギの横から顔を出したyouが言葉を発した。
「アカギさん……この人は…?」
「あ、すいません!いきなり不躾に……俺、アカギさんの同僚で…治っていいます!」
「えっと……私はyou…です。」
ぎこちない二人の自己紹介を見て半ば呆れ顔になるアカギ…。
とりあえずこれからのことを話そうと思ったのだが、
彼より先に石川がその話を始める…。
「今日のニセアカギとアカギの対決、これから5時間か6時間後……といったところ。
時間になったら呼びに来る。それまで自由に休んでてくれていい。」
それじゃぁ、と言って石川は部屋を後にした。
「えーと……どうしましょうか、アカギさん…。」
「治、ちょっとyouと話したい。悪いけど……先に戻って部屋に布団敷いててくれるか?」
「え!まだ日、昇ってますよ!?」
「うん。でも対決は夜だから。」
「あぁ、そ、そうですよね……分かりました!」
アカギの依頼に従順に従う治……。
何の迷いも無く、始めに案内された自分達の部屋へと駆けていった。
*。゜.*。゜.*。゜.*
「アカギさん、話したいことって何?」
「ん?別に無い。」
「ハァッ?!」
「いや、youが寂しかったんじゃないかと思ってね。」
「アカギさん……。」
名を呟いた後、不安そうな表情でアカギを見上げるyou。
何故そんな顔をするのかと問う。
「どうした?」
「勝負はここじゃなくて、どこかのお店って聞いたよ。」
「ふーん、そうなの?」
「また、置いてくの?」
「……行きたいのか?」
「……行きたいっていうか……だって。」
口元だけで笑い、片手でyouの後頭部を引き寄せた。
ポスっと音を立ててアカギの胸中に収まるyouの身体。
顔を赤くさせて、慌てて名を呼ぶ。
「あっ……アカギさん?!」
「クク……俺もえらく懐かれたモンだ。」
「懐くって……そんな、人をペットみたいに…。」
「you、治にも言ったが……俺と一緒にいるとロクな目に遭わないぞ?」
「こんな風にな」と、川田組の一室を見回す。
youは少し悩んだようだったが、覚悟を決めたようにアカギの背に手を回し
ぎゅっと抱きつき、宣言した。
「それでも……行く。」
「この勝負が終わるまで……猶予はある、よく考えろ。
今なら……警察に連れてってやる…知り合いのサツがこの試合に関わってるらしいからな。」
「アカギさんは心臓が両胸にあったら便利って思いますか?」
「は?」
「一個機能しなくなっても、もう一個が残ってる限り……大丈夫だったら。」
「それだと何か、有り難味ねぇな。」
「ふふっ……ですよね。」
それからyouは何も言わずに、腕に力を込めた。
数秒の沈黙ののち、再びyouが口を開く。
「アカギさん、あったかいです。」
「生きてるからな。」
「心音が聞こえます。」
「生きてるからな。」
目を閉じ、アカギの鼓動に耳を傾けながらyouは語りだした。
「素敵な歌を思い出しました。」
「歌かよ。」
「生まれる前、私はどこかの誰かに私自身をオーダーメイドで創ってもらうんです。」
「自分が注文製?」
「うん、でね、口とか目とか鼻とか……外見を創ってもらってね。
次に中身を創るとき、誰かさんは「一番大事な心臓はさ、両胸に付けてあげるからね。いいでしょう?」って聞くの。」
「……それで?有り難味無いからって断るのか?」
youは目を開いて、アカギを真っ直ぐに見据えた。
それから首をふるふると横に振り、唇が柔らかく弧を描いて微笑んだ。
「「僕に大切な人ができて、その子抱きしめる時、はじめて二つの鼓動がちゃんと胸の両側で鳴るのが分かるように。
左は僕ので右は君の。左は君ので右は僕の。一人じゃどこか欠けてるように、一人でなど生きてかないように。」
だからそのために右側の心臓はいりません、って。断るの。」
「それ……本当に歌なのか。」
「ホントだよ~!後で歌ったげる!」
「はいはい。」
「もー!信じてないな?」
「そういうわけじゃないけど……何で急にそんな話をしたのかと思って。」
「あぁ、うん、それはさ……その歌の続きに関係があってね。
「胸が騒がしい、でも懐かしい。こんな想いを何と呼ぶのかい」って続くんだ。
それでこうやって…アカギさんのことぎゅーってして、心音を聞いて、その歌を思い出して……。」
「自分のこと何か思い出せたのか?」
「私……アカギさんを……知ってた気がする。」
「………。」
「「赤木しげる」って名前を聞いた時からだったんですけどね。
こうやってくっついてると…それより3割り増しくらい、スッゴイ胸が騒がしいの。」
「ほぅ。」
「でもね、何か懐かしいの。だから一緒にいたい……何でかなぁ?」
「そりゃぁお前………それは。」
「俺に惚れたからじゃないの?」
耳元でそう囁いて、耳まで赤くなって自分を見つめてくるyou。
彼女のその両腕を掴み
深く
深く
口付けた。
*。゜.*。゜.*。゜.*
(自分のことは何も思い出せないのにね)
(何でかな、素敵な歌と貴方を想う心は覚えてる。)
(拙い歌声だけど、私の記憶の……)
知る歌を貴方に。
*。゜.*。゜.*。゜.*