step5_(恋人編:アカギ)
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「どうかしましたか?」
「どうしたっていうか……youの方こそどうかしたの、その格好…。」
普段と違う姿を見たのなら、反応するのは当然のことで…。
アカギさんといっしょ25
「いつも思ってたけど……本当にいつも可愛いエプロン着てるよね美心さんって!オッシャレー!」
「それ分かる!普段あんまりエプロン使わないけど、見る度にわたしも着たくなっちゃうもん。」
とある休日…。
坂崎邸にて料理上手な美心に料理を教わっていた最中、マミヤの言葉にyouが反応した…。
「あー…美心は料理やお菓子作り趣味だけど、結構ドジっ子☆だから粉散らかしちゃったりするんだよね。」
「そうなんだ?」
「あと、お菓子の時は砂糖を沢山使うから、どうしてもベタついちゃう時が多いし…だからエプロン欠かせないんだよね~。」
「そっかそっか、お菓子のお砂糖ね!」
お菓子を作る機会が多いことと、併せて(自称)ドジっ子属性がある…という理由で普段料理をする際には
エプロンを使うのだと説明した美心…。
理由に納得していると、彼女は2人にとある提案をする…。
「そうだ!そろそろ新しいの欲しいと思ってたし、一緒に買いに行かない?」
「えっ?!わ、わたしも?」
「うん、youちゃんエプロン着たいって言ってくれたじゃん?」
「うーん……そうだね、気に入ったのがあれば買うかもしれないし…行こうかな。」
それは共にエプロンを見に行かないか?という提案…。
youは本当に美心が着用しているエプロンを普段から可愛いと思っており、
機会があれば自分も買って使ってみようかという思いもあったため、コクリと頷く。
「じゃ、マミヤちゃんは?どう?」
「うーん、オレはいいかな。2人のエプロン姿見る専で~。」
「うふふ、何それ…まぁいいけど…じゃあ、新しいの買ったらマミヤちゃんに見せるね☆」
「うん、待ってまーす!」
マミヤは特にはエプロンは不要だということで、スパッと断りを入れたため
次回の休みに美心とyouだけで市街地に赴き、いつも美心が調理器具やエプロンなどを調達する雑貨屋に行くこととなった…。
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「youちゃん、これなんかどうかな?」
「あ、可愛い~!それもいいね……こっちもいいな~と思って見てたんだけど…。」
「あ、確かにそっちも可愛い!!こんな可愛いエプロン姿にきっとアカギさんもメロメロになっちゃうんだ・ぞ!」
バチーン☆とウィンクをしてyouにそう笑いかける美心…。
「…あ、アカギさんは何と言うか…「フーン、悪くないんじゃない」くらいしか反応無さそう…。」
「う……そ、それは凄くイメージできるかも…。」
「でしょ…。」
現時点で一番身近にいるyouの想像するアカギの反応はこう…というものを伝えてみると、
美心も完全に同意だったようで、テンションの上がって口から出た先程の言葉を瞬時に撤回するのであった…。
「えっと…まぁ、でも、服が汚れなくなるし、気に入ったエプロンがあればきっと料理作る時のテンションも上がるから、メリットは沢山あるんだぞっ!」
「そうだね、汚れ防止のために買う事にしよう!ちょっと可愛すぎるから汚したくないけど…。」
「ふふ、分かる~。」
「あっ、見て美心ちゃん、これも可愛くない?!」
「本当だぁ~~!どれにしよう、迷っちゃう~~☆」
そんなこんなで、楽しく2人で迷いながら、youと美心はお揃いで同じエプロンを購入することにする。
その他にも、同じ店で実用性のある便利な調理器具などを美心の紹介でいくつか購入するなどして、
結果的にその日の買い物は大変有意義なものとなった。
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そして…。
「ただいま、you。」
「あれっ、アカギさん?おかえりなさい…今日、雀荘行くんじゃ…。」
「ゴメン、今日雀荘行くって言ってたけど雨降ってきそうだったから急遽止めて帰ってきた。」
「あーそういえば予報で夜から雨かもって…。」
「そういうこと。」
玄関から、聞こえた帰宅を知らせるアカギの声に、youはキッチンから顔を出さずに声だけで返事を返す。
短い廊下を抜けて、キッチンにいるyouに向けて更に声を掛けるアカギだったが、
少し大きめの声ならば、基本的にどこにいても全然聞こえるため、
特にキッチンを覗き込んで彼女に話し掛けることはせず…そのまま居間のローテーブルの前にいつものようにドカリと胡坐を掻いて座った。
「もう飯食った?」
「いえ、ちょうど今ご飯できたところです。」
「お、今日は何?」
「今日はビーフシチュー。」
「いいね、オレもご馳走になっていい?」
「いいですよ。あ、いつものことながら飲み物はご自分で用意してくださいねー。」
「ああ。」
youの言葉に対して頷き、再びその場に立ち上がると、
アカギは彼女の家の冷蔵庫から飲み物を取るべくキッチンへ向かう…。
勝手知ったる何とやら…。
まるで自分の家のようにナチュラルに人の家の冷蔵庫を開こうとしたアカギだったが…。
「…あらら…。」
「どうかしましたか?」
「どうしたっていうか……youの方こそどうかしたの、その格好…。」
「格好……あ、えっと……もしかして…これ…ですか?」
「うん、そう。」
「これ」と言って、youは自身が着用していたエプロンの肩紐部分を指で抓む…。
普段エプロンを着用していないから気になったというのも勿論あるのだが、
それ以上に、その着用しているエプロンのデザインがヒラヒラとした可愛らしいものであったため、余計に目立ったといったところ…。
「えーっと…実はかくかくしかじかで…。」
そうして、youは先日の坂崎家お料理教室(仮)での出来事から始まり、
その後の美心との買い物デートの話をし、その際に便利な調理器具と一緒にエプロンを購入したという経緯を説明…。
「…という経緯で…美心ちゃんとお揃いで買うことになったのです。」
「ふーん…。」
さて、問題はこの後…。
youと美心の予想では、エプロンに対してのアカギの感想は差し障りないもので、
せいぜい「フーン、悪くないんじゃない」くらいの反応だろうと言っていたのだが…しかし…。
「いいね、それ。」
「え?」
「エプロン。似合ってる。」
「え、あ…ありがとうございます…!」
意外や意外にも、彼はフッと優しい笑みで、エプロン姿のyouを褒めてきた…。
当然、予想とは異なったものだったため、彼女は驚いた顔をするのだが、
それを今度は反対にアカギが不思議そうに思い、声を掛ける…。
「なに、変な顔して。」
「や、何というか……もっと淡白な反応を予想していたので、驚いたと言いますか…。」
「淡白な反応…?」
「美心ちゃんもわたしも、てっきりアカギさんは「ふーん、いいんじゃない?」くらいの反応だろうなって言ってたんで。」
「ああ……まぁ、興味無い相手ならそのくらいの反応だろうね。」
相手がどうでもいい関係性の相手であればさもありなん…と、アカギ。
故に、今回それが自分の想い人な時点で反応は自ずと変わってくるに決まっている…とのたまう。
「けど、今は他でもないアンタが着てるんだから…そりゃ可愛いって思うよ。」
「かっ…!?」
それは自分が美心やマミヤ、その他の友人などに対しては言い慣れた…
しかし、自分に対して異性から言ってもらう機会は早々無い誉め言葉…。
しかもそれがあの赤木しげるからというのだから、流石のyouも言葉に詰まる。
「ぁ……ぁりがとうございます…。」
「何照れてんの…。」
「照れるって言うか……欲目って凄いなって…。」
「関係ねェな、そんなこと……オレはそう思ったってだけの話。それでいいじゃない。」
「う……はい…。」
「…にしても、えらくヒラヒラしたヤツを選んだんだな……ああ、坂崎さんとお揃いって言ってたね。彼女、確かにこういうの買いそうだ。」
普通のシンプルなエプロンと比べて、フリル多めの可愛らしいデザインなので、
どちらかと言うと、大いに友人の意見が採用されたのだろうな、と改めて考えたアカギ。
「あ、はい、そうなんですよ…ちょっと可愛すぎてお料理の時に使うのは勿体ないって感じですけどね…本末転倒か。」
それに関しては間違っていない…と、彼女は頷き、
可愛いというメリットは、実用性から考えるとそのままデメリットにもなるのだが…とアカギに伝えた。
すると、彼はじーっと、上から下までエプロン姿のyouを観察したのち、エプロンの前垂部分をぺらっと捲った。
「あ、アカギさん…?」
「・・・。」
「どうかしました?」
「いや…。」
「…?」
「服脱いでこれだけ着てほしいなって。」
「何言ってんですかアンタ。」
アカギのセクハラ発言を聞き、瞬時にエプロンを掴む彼の手をパシッと叩き落とすyou。
ジロリと怒った顔で見上げてみるも、全く効果は無い様子…。
「そんな格好するわけないでしょ!」
「そう?似合うと思うよ。」
「似合ってたまるか…!」
バックに「ゴゴゴゴゴ…」と背負って、アカギに怒りのオーラを放つものの、暖簾に腕押し何とやら…。
彼女の怒りなど取るに足らないと言わんばかりに、アカギはyouの腕をぐいっと引き寄せ、腕の中に閉じ込める。
「ちょっと、離してください!」
「you、それ脱ごっか。」
「エプロンですか?」
「いや、今着てる服。」
「脱ぎません。」
「ダメ。」
「何が?!」
「脱がす。っていうか引ん剥く。今はそういう気分…。」
「?!!」
何とも自己中心的な台詞を吐いたかと思えば、アカギは腕の中で暴れそうになるyouの行動を制するべく、
すぐさま少し腰を落とし、彼女の身体を軽々と抱き上げた。
絵本やアニメ映画に出てくるような、所謂姫抱きというなかなか無い経験に驚く心境の方が
彼女にとっては大きかったようで、抱き上げられてすぐに口から出た言葉は先程の怒りの続きではなく…。
「アッ、アカギさんッ?!」
「ん?」
「お、下ろしてください!重いですよ!腕が!折れる!多分!」
「折れるわけないだろ……家の中をアンタ1人くらい抱えて歩くなんて全く微塵もワケないよ。」
「けど…っ!」
「全然軽い。」
「っ…!」
勤務先の工場ではもっと重い荷物を持って運んだりすることもあるため、
アカギの口から出た言葉は真実であることに間違いはない。
そんな様子で、本当にそう思っているのだと分かる淡々とした言葉と飄々とした表情を目にして、
思わず口を噤んでしまったyou…。
彼女を抱きかかえたまま、アカギはキッチンを出て、
そのままスタスタと寝室へ向かうので、流石にそこで再びストップの声が掛かった。
「あっ、アカギさんダメ!ご飯!今からご飯!!」
「飯も食いたいけど……今はそっちよりyouがいい。」
「わたし食べ物じゃない!あと、割とわたしお腹空いてるんで!はい!」
「・・・。」
「ご飯食べたい。」
「オレはアンタが食べたい。」
「ご飯!」
「you。」
「・・・。」
「・・・。」
お互い譲らず…。
ただ、youのいう事は実のところアカギにも言えることで…。
そういう気分になったから、彼女をベッドに連れてきてはいるものの、
家に漂うビーフシチューの良い匂いで、お腹も満たしたくはある…。
では、どうするか…と。
「じゃんけんする?」
「じゃんけん…ですか…。」
「youが勝ったら先に飯。オレが勝ったら…まぁ、そういうこと。」
「ん、ちょっと待ってください…そういうことするって、そもそも認めてないですけど?」
「そこは認めてくれないと賭けにならないだろ…。」
「だから、賭ける必要なく、これからご飯食べてTV見て、健全に寝ればいいじゃないですか。」
「話にならないな…。」
「交渉決裂ですね。」
「やっぱり無理矢理引ん剥くしかねェな。今日スカートだからパンツからいくか…。」
「ごめんなさいジャンケンしたいです、ジャンケンさせてください。」
ベッドの上に座すyouの肩を掴み、もう片方の手でスカートの中に手を差し入れようとするアカギ…。
それを制止すべく取れる措置といえば、最初の提案を飲む事以外に無く…。
結局、youは半泣きになりながらジャンケンに備え、片腕を上げるのであった…。
「は、ハンデください!」
「じゃんけんにハンデって…。」
「アカギさんにはジャンケンでも勝てる気がしない…。」
「それは流石に買被り過ぎじゃない?」
「3回勝負で…!」
「まぁ、別にいいけど…。」
「よーし、じゃぁ…いきますよ……せーの…最初はグー!じゃんけん…!!!」
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「あ、アカギさんワインありますよ、ビーフシチューにはワイン合うかなと思って買ってきたんです。」
「いいね、もらえる?」
「はーい。」
見事接戦(と言っても3回戦だけだが)を制して勝ちを掴み取ったyou…。
希望通り先に夕飯を摂る事になり、ニコニコと嬉しそうに食事の準備をして、
アカギにビーフシチューとワインを振る舞う。
「うん、ワイン合う。美味い。」
「ちなみにこのビーフシチューはこないだマミヤちゃんと一緒に美心ちゃんに教えてもらったレシピです。」
「そうなんだ?」
「美味しくできてるなら良かった、一安心です。」
「美味しいよ、凄く。いつもご馳走になって悪いな。」
「こちらこそ、食費ほとんど負担してもらってありがとうございます。」
お互いギブアンドテイクの関係で、それを良しとしているため、特にモメることもなく…。
その後も、ビーフシチューの隠し味は何かや、今日の出来事などの他愛も無い会話を繰り広げ、
先程の攻防戦が嘘のようにほのぼのとした夕飯の時間を過ごした2人。
その後も、食事が終わった後の片付けや風呂、歯磨きなどの寝る準備を普通に整えるに至ったため、
もしかすると先程の賭けのことは美味しい夕飯とお酒で相殺してくれたのかもしれない、と…。
youが少しほっこりした気持ちで、無理強いを諦めてくれた様子のアカギにお礼の一つでも言おうとした刹那…。
「そろそろ、ベッド行こうか。オレの家で寝よう。」
「あ、分かりました。じゃあ鍵持ってかなきゃ。」
「あと、それもね。」
「え?それ??」
寝る準備は整えており、youは寝間着も既に着用している状態のため、自室の鍵以外持っていくものは無いはずなのだが、
アカギは他にも必要な物があるでしょ、と言わんばかりにビッと長い指をとある物体に向けた。
「うっ…?!」
「エプロン。持ってかないことには始まらない…。」
「いや、始めない!」
「往生際が悪いぜ、アンタ……もう観念しなって。」
「や、やだ…やだ!!」
「ほら、行くぞ。」
「やだーー!!」
必死で抵抗するyouだったが、今度は姫抱きのときめきなど微塵も無い俵抱きで抱えられてしまう…。
そうして、アカギは空いた片手でしっかりとエプロンを掴むと、
彼女の部屋の鍵を持って、意気揚々と201号の自宅へ向かうのだった…。
You look different today!
(ん……ぅ…。)
(おはよう、you。)
(う…おは、よう…ございます…。)
(結局エプロンは着せたまま最後までしちまったな…。)
(ハッ……本当だ…!)
(・・・。)
(・・・。)
(・・・。)
(ひゃん?!!!)
(あらら、柔らかい。)
(尻鷲掴むなぁああ!!)
words from:yu-a
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