step5_(恋人編:アカギ)
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「あれ、もしかしてアカギさん?」
二度あることは三度ある…そして今回のこれは好機…
そう思いながらアカギは後ろを振り向いた。
アカギさんといっしょ15
「2度あることは3度ある…。」
「ふふ、こんにちわ!正にその通りでしたねっ!」
「どうも、坂崎さん。今日は何してたの?」
「今日はお買い物です!ちょっと凝ったお料理したくて、近所のスーパーにない食材を探しに。」
「そういえば坂崎さん料理上手だってyouが言ってた。」
「そんな、素人に毛が生えたくらいのモンですよぉ~!」
「フフ…そう謙遜しなくていいじゃない……じゃぁ、今からスーパーに?」
「そうですね……でも、折角市街地来たから何か見ようか、スーパー行ってすぐ帰ろうか悩んでました。」
折角市街地まで交通費を使って来ているのですぐに帰るのは少し勿体ない…と、美心。
すると、意外にもアカギが1つの提案…というか寧ろ相談を彼女へ持ち掛けた。
「もし坂崎さんの時間が空いてるなら、少し相談に乗ってほしいことがあるんだけど…。」
「えっ?!アカギさんが美心に?!」
「うん。」
「youちゃんのことですか?」
「うん、そう。」
「それは…はい、全然……私でよければ。」
「助かる。もし内容聞いて不快だったら相談乗るの断ってもらっていいから。」
「ええっ、何それ…逆にすっごい気になる!!」
「フフ…。」
相談なのに不快になるとはこれ如何に…。
話の内容によっては親友を守る為に彼の悪事を阻止せねば…と、心の中で気合を入れる美心…。
しかし、そんな意気込みは全く不要、寧ろ愉快な話じゃないか!と…。
目を輝かせてアカギの話に耳を傾けることとなったのは、2人が市街地にある適当なカフェで話し始めて数分の事だった…。
「…つまり、アカギさんはその賭けに勝ってyouちゃんにプレゼントを贈ることになった、と。」
「そう。」
「そしてアカギさんとしてはそのプレゼントにyouちゃんに似合う下着を贈りたい、と……そういう事ですね?」
「そう。」
「じゃあ美心に相談したい事って……その下着を一緒に選んでほしいってことですか?」
「そう……やっぱり迷惑?」
「いいえ全然!寧ろウェルカムどんと来い!ですっ!」
「良かった。女性の坂崎さんの方が詳しいだろうと思って。」
「それもあるかもですけど……美心としてはアカギさんがyouちゃんに着てほしいのを選ぶ方がいいと思うんですけど…。」
「オレが選ぶ種類のは……絶対拒否すると思う。」
「あー…(察し)……。」
恐らくは凡そ一般的な思考のyouに対して、
(どのくらい差があるかは分からないが)アカギの望むハードルが高いのだろう…と察する美心。
ただ、どちらかと言うと美心としては好きな相手の事を思えば、相手の趣向に沿いたいと思う方向性にあるようで
「youちゃんに無理強いしないでください!」とアカギを一方的に悪者にはできない様子…。
更に言うなれば、今までの経歴を知っている身としては
奥手過ぎるyouに対しアカギが十分過ぎる程譲歩して、幾度も据え膳を我慢していたであろうことを知り得ているため、
客観的に見て、ややアカギの心境寄りになってしまうのだった。
「あまりハード過ぎず、かと言って普通でもなく…youちゃんの好みで「これなら着れそう」という羞恥心のギリギリのラインのものを探せばいいんですね?!」
「坂崎さん…!」
分かっていらっしゃる…!と、大変珍しく人に対して羨望の眼差しを向けるアカギ…。
否…珍しくどころではなく、恐らく彼の人生初かもしれない…。
そんなアカギの期待に応えるべく、美心は彼も共に確認できるよう、カフェのテーブル上に自分の携帯を置き、
大手の通販サイトで色やタイプのキーワードを元に商品を検索し始めた。
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「じゃぁ、手元に届いたら美心が可愛くラッピングしてアカギさんにお届けしますね!」
「色々ありがとう、本当に助かった。」
購入する商品を決めて、美心がほぼ全てのオンラインショッピングの工程を代行してくれたため、アカギは大いに彼女に感謝を伝える…。
目的を達した2人はカフェの外へ出て、少しだけ話を続ける…。
「いえいえ、私も楽しかったし……あとはyouちゃんが着てくれるかどうかですね…。」
「坂崎さんにこんな手間取らせたんだ…着てもらわないと困る。」
「あ、でも…だからと言って絶対ぜったい、無理強いはダメですよ?」
「分かってる。」
「おっ!ちょうどいいくらいの時間!美心はこれから食材買って帰りますね!」
「大荷物になるようなら手伝おうか?」
「いえ、買うのはその特殊な食材だけなんで大丈夫です、気遣ってくれてありがとう、アカギさん。」
「そう、じゃあ、また今度。」
「はい、じゃあまた!」
かくして奇妙な組み合わせの2人の会合は終了し、
あとは美心から荷物の到着の連絡を待つだけとなった…。
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「ということで、はいこれ。プレゼント。」
とある日…。
いつものように食事を終えて、寝る準備を整えてまったりと過ごす時間…。
本日はyouの家ではなくアカギ家の殺風景なリビングでお茶をしていた…。
ふいに、アカギが自分の部屋に一度戻ったかと思えば、可愛らしくピンクのリボンでラッピングされたプレゼントを急に渡してきたので、
思わず目を丸くして、彼女はプレゼントとアカギの顔を交互に見やる…。
「えっ?何?今日何か特別な日でしたっけ…?」
「いや、別に…。」
「どうしたんですか急に……何故プレゼントを…?!」
特に何のイベントも無い日に唐突にプレゼントを贈られ、(当然だが)困惑するyou。
その様子から察するに、恐らく以前スーツを着用して食事に行った日に賭けをした事などは一切忘れてしまっている様子…。
(※『アカギさんといっしょ14』参照)
何も知らずに美心が綺麗にラッピングしてくれたプレゼントを受け取り、
開けていいものかと悩む彼女に、アカギはフフ…と笑みを向ける…。
「開けてみてよ、そしたら何で贈ったのか分かるから。」
「えぇ…そうなんですか…?じゃあ…失礼して、開けますね…?」
「ドウゾ。」
可愛く留められたリボンや固定のテープを丁寧に剥がし、とうとうyouはプレゼントの中身と邂逅を果たす…。
「・・・なにこれ。」
そんな言葉が口を突いて出るのも致し方ない…。
しかし、中に入っていた代物自体が何なのか分からないわけではないため、必然、
彼女はそのプレゼントが「何故」贈られたのかを考える…。
そうすれば行きつく……そのプレゼントが送られた理由…。
「…あの…アカギさん…これは一体…。」
「クク……何しらばっくれてんの?分かったでしょ、プレゼントの中身、どうしてそれが渡されたのか。」
「・・・。」
「オレあの時言ったよね「賭けに勝ったから買うし、絶対使ってもらう」って。」
「っ…!」
どうやら、当時のことを鮮明に思い出したらしい…。
急に羞恥心でカッと顔に熱が集まったようで、youは顔を真っ赤にして俯く…。
「賭けの事、思い出した?」
「・・・本当に買うなんて…。」
「でも、オレもそこまで鬼じゃない。多少の譲歩はしたんだぜ?」
「(どうだか…)」
「何その顔……ガッツリ穴が開てて透けてるダブル役満が良かったの?」
ジト目で睨まれ、思わずブンブンと首を全力で横に振るyou…。
「まぁ、とりあえず見てみてよ……袋に入ったままじゃ全容分からないでしょ。」
「うぅ……開けたくないですぅ…。」
「オレと坂崎さんでyouに似合うのを選んだんだつもりなんだけど?」
「え………何で、美心ちゃん…?」
「この間また街でばったり会った時に、時間もらって一緒に選んでもらった。」
「???!」
「流石だね、youに似合うデザインや色はオレも分かるけど、素材とか着丈とか店とか…オレ全然分かんなかったから凄く助かった。」
「つまりこれは……アカギさんだけでなく…。」
「選んでくれたという点では、坂崎さんからのプレゼントでもあるよね。」
「逃げられない事態ィイイ!!」
ガクッと両手と膝を床に付け、項垂れるyou…。
親友もこの余興に協力しているとなれば、これはもう……全力拒否は不可…。
たった2名により崖っぷちに立たされた彼女には嫌々ながらも享受する以外の選択肢は残されていなかった…。
そう…嫌々ながら………だったはずだった。
「・・・。」
「・・・どう?」
「えっと………………アリ、かも…?」
「そ、良かった。」
そう言ってもらえると思っていたとばかりに、少しだけ口角を上げてふっと軽く笑うアカギ…。
その為に彼女の親友に絶妙なハードルを教えてもらい、モノを選んだのだ…。
こんなところで躓くわけにはいかない…。
アカギ(と美心)が選んだそれは、透け感はあるものの、厭らしいというよりは可愛らしいもので、レースとリボンが多めに施されているベビードールとショーツのセット。
ふんわりと軽そうなシフォンジョーゼットの生地は、勿論彼女の好きな色。
フロントは前開きタイプではあるものの、大き目のリボンで結ばれているためパッと見はワンピースのようで、
一人暮らしであれば暑い日の部屋着でも着用したくなるような代物であった…。
故に…。
「じゃ、着れそう?」
「ど、どうかな……でも、流石美心ちゃんのチョイスって感じ……悔しいけど可愛い…好き。」
「透け感と前開きってところはどう?」
「うん、お気付きでしょうが、一番その辺りに抵抗感あるんですわ。」
youの強めの反論を聞くと、何故かアカギはクク……と肩を震わせ、顔を下ろして笑い出す…。
大方アカギがその部分をチョイスしたのだろうと目を細めて睨んでいたyouだったが、
笑うのを止めて顔を上げて何故おかしかったかを彼女に告げる…。
「逆だよ。」
「え?」
「透け感と前開きは坂崎さんの指定。」
「ウソぉ?!!」
「本当。」
「じゃ、じゃあアカギさんは?!」
「オレはyouが好きそうな感じのデザインとか、着てくれそうな丈の長さとかを選んだ。」
「そんなバカな!」
「本当。」
「裏切ったというのか……美心ちゃん…ッ!!」
「さっきから悪役みたいな台詞吐くね。とりあえず坂崎さんの言い分としては「好きな人相手なら、美心はこういうのが着たいんだぞ」だってさ。」
「それ・・・美心ちゃんの希望だよね…。」
「そうだね。」
真面目に語るアカギの目は嘘は言っておらず、またyou自身も美心がそのような理由で商品を選びそうな気はすると思ってしまうのであった…。
「you。」
「え?は、はい?」
「一人で着替えられる?手伝おうか?」
「手伝いなんて要りません!!」
「クク……じゃ、行ってらっしゃい。」
「ハッ…!」
元より着替えさせないという選択肢は絶対的に無いのだが、
youの発言ミスも相俟って、至極楽しそうに彼女に手を振ってその場を去らせるアカギ…。
その場で着替えるわけにもいかず、アカギ家のバスルームへ向かったyou。
アカギはそれを見届けると、その場を立ち上がり、自室へと入っていった。
それから大体10分くらい経った頃…まるでホラー映画のワンシーンかのように
ギィィイ…と、スローモーションで部屋のドアが開かれ、youの顔だけがぬるりと現れる…。
「おかえり。」
「た、ただ、いま……です…。」
「何で顔だけ……中入りなよ。」
幸いなのはアカギの冷静さ。
テンションを無駄に上げているでも、そわそわ期待しているという様子が微塵も無いため、
お互い気まずかったり、緊張したような雰囲気にはならない点に於いては幸いと言うしかなかった…。
しかし…。
部屋に入室を果たした彼女の姿を見て、今まで冷静でいたアカギの目が見開き、
とりあえず驚いている様子が見て取れた…。
「なにその格好。」
「何って……洗面所にあったアカギさんのシャツをちょいと拝借しましたけど何か……ここアカギさんの家なのでわたしの寝間着無いし…。」
「そういうこと言ってるんじゃない。」
「ええ?」
ベッドの上で寛いでいたアカギが、youの元へズンズンと向かってくる。
何故その反応なのか、何事なのか…と……ドアを閉めたすぐ前で立っていると、
正面に立たれ、両肩に手を置かれた後キスが落とされた。
「ん…っ?!」
本当に何事かと困惑しながらも、何度も丁寧に繰り返される啄むようなキスが次第に心地良くなってしまい、
いつの間にかyouは無気力に下ろしていた両腕をアカギの胸に添えるようにして受け入れる体勢を取っていた。
最後は恐らく態となのだろう……ちゅ、とキスをしていたと聞こえるように音を立てて唇を離したアカギ…。
「ふ……ぁ…。」
「・・・。」
「…あかぎさ……なんで…?」
「ん……どうしてわざわざオレの服なんか着るの……元々着てた自分の服でいいじゃない…。」
「あ……それもそうですね……特に考えてなくて…羽織るのにちょうどいいなと思って…。」
「何か……すごい変な感じ……youがオレの服着てるのって…ムズムズする。」
「着てるのわたしなのに……アカギさんがムズムズするんですか…?」
「うん。何かね……罪悪感?背徳感みたいなヤツだな、これ………。」
「うーん?それは寧ろアカギさんの服を勝手に借りたわたしが抱くものでは??」
「いや、そういうんじゃないな、これは…。」
アカギの不可解な行動や発言に対し、きょとんと不思議そうな顔をして小首を傾げるyou。
彼女のそんな反応を見て、アカギは「ぁ」と小さく声を零し、はた…と気付いてしまう。
常識から逸脱した異端者のような自分が着ていた服を、極めて常識的で何者をも受け入れる彼女が着ることにより、
その身体を汚してしまった気がして、そういう気持ちになったのだと。
「多分、オレが着てた所為だな。」
「別に汗臭くとかないですよ?」
「ハハ、そう?でもそういうんじゃないんだよね……うん…。」
「ちょっと煙草の匂いがするかな……あとアカギさんの匂い。わたしは好き。」
「っ……?!」
「そういう意味で言うと、いいですねこれ……アカギさんがずっと傍にいるみたいで。」
ふふ、と小さく笑うと、すぐにもう一度アカギから落とされたキス。
今度はすぐに唇を離され、驚いた顔をするyouにアカギが堪え切れないと本音を漏らす。
「…you、それ、もう脱ごっか。」
「…急ですね…。」
「ゴメン、でももう限界でさ……脱がないとこのままでシたくなる。今日は折角着てくれたんだから、中身の方見たいかな。」
「うん?よく分かりませんけど…とりあえず脱がなきゃ危険ということは伝わりましたので……脱がなきゃ。」
それは、いつぞや見た事のある、獲物を狙う肉食動物のような……野生的な目つきのアカギだったので、
youはまごつきながらも上から着ているアカギのシャツを脱いで腕に抱えた。
「ぬぎました。」
「ごめん・・・脱いでもヤバかった…。」
「えぇっ?!」
にやける口元を手で覆い隠し、一呼吸…。
落ち着いたところで、手を離し、彼女の髪を一撫でした。
「似合ってるって言ったら怒るかもだけど、可愛い、似合ってる。」
「複雑ですが…ありがたいと受け取っておきます…。」
「すぐ正面の紐解きたいけど…勿体ない気もする……オレも複雑…。」
「本当、この正面のリボンがかわいいですよね。解いちゃだめですよ。」
「フゥン……じゃぁ、解かずに触れって事ね。」
「いや、そういう事言ってるんじゃな……っん…!?」
「捲ったらほぼ裸じゃない……やっぱりそういう下着なんだね、これ。」
一見すると短めのワンピースのように見えるが、中央のリボンで結束されているだけの前開きタイプなので、
ひらりと布地を捲ればすぐに胸からお腹あたりまで素肌が露見してしまう。
感心したようにベビードールの感想を述べながらも、手はすぐに彼女の腹を上へと伝い、
辿り着いた胸部でわやわやと胸を揉みしだくアカギ。
「ひぁっ?!し、知りません、分かりません……っぁ…や、アカギさ…っ!」
「見てyou、透けてるからオレの手がアンタの胸弄ってるとこ見えるよ。」
「っ、何で言うの……ぉ!」
「何を今更……エッチなyouが見たいからに決まってるじゃない……。」
「な、ひど……んっ…!」
「無理、you、ゴメン……もうこのままさせて……ベッドまでの数メートルも我慢できない。」
「そんな……っぁん!!」
ハプニングにも等しいが、所謂彼シャツと、自分がプレゼントした下着を着用してもらったことで、
普段より強めに性欲に火が付いてしまった様子のアカギ…。
その結果、七、八割自分の所為であると気付かぬまま、
初めて、立ったまま身体を暴かれるという経験をすることになるyouなのであった…。
総じて賭け事ってのは
こういう結果にも繋がるから
やめられないんだよね
(坂崎さん、この間は協力してくれてありがとう。)
(アカギさん!どうでした?選んだ下着…youちゃんに拒否されなかった…?)
(着てくれたよ。)
(キャー!良かった!安心した!色々聞きたいですけど、それは野暮ってモンですよね……美心、我慢がまん!)
(フフ……とりあえず最高だったとだけ。)
(きゃぁああ!!)
(ああ、そうだ……今日はこれを渡そうと思って、お礼。)
(えっ?!いいですよお礼なんて!!)
(大したもんじゃなくて悪いんだけど……カイジさんとでも行ってきたらどう?)
(えっ?!カイジくんと?!あっ!映画のチケットー!えっ?いいんですか?!)
(寧ろそんなもので悪いけど…。)
(嬉しい~~!!ありがとうございますアカギさん!)
(どういたしまして。)
(そうと決まれば早速デートの申し込み☆美心……出陣じゃああああ!!!いざ、カイジくんの元へぇええッツ!!)
(すご……(カイジさん、まるで攻め入られる弱小大名みてェだな……。))
words from:yu-a
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