step5_(恋人編:アカギ)
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それは、晴天だったはずなのに
夕刻になるにつれ雲行きが怪しくなったある日。
アカギさんといっしょ12
市街地に出ていたyouは天気予報を信じて傘を持参していたため、夕刻過ぎに突如として降り出した雨でも事なきを得た。
傘を持たない周りの人々が急に降り出した雨で右往左往し、慌てて屋根を探して駆け回る中、youはふいにアカギのことが脳内を過る。
「(アカギさん、傘持ってってないよね……大丈夫かな…。)」
今日は仕事だったかとは思うが、もう既に就業時間は過ぎているだろうから、
家に戻っているか、もしくはどこかしらの雀荘へ赴いているのかもしれない…。
家にいるなら心配は要らないが、出先の場合は恐らく傘など持って出てはいないだろう…。
自分は市街地にいるため、もし距離が離れていなければ迎えに行って一緒に帰ることも吝かではない…と、
youは鞄から徐に携帯を取り出し、アカギに電話をしようとしたのだが…。
「キャー!ちょっと凄い雨!赤木くん、早くはやくぅ!走ってよぉ!!こっちこっち!!」
傘の中棒を首と肩で支え、スマホを操作するyouの横をカツカツと高いヒールの音を立てながら通り過ぎて行った綺麗な女性。
奇しくも、彼女が発した名前と同じ相手に電話を掛けようとしていたため、
ふいにyouが携帯から目を離して顔を上げると、正面からその当事者が小走りでやってくるではないか。
バッチリお互いの顔を認識し、そして互いに目を丸くする。
「え…。」
「you…!」
雨で滑り気味だったためか1、2歩彼女を通り過ぎたところでアカギは立ち止まり、くるりと後ろを振り返る。
「え、と……あ…。」
「今日は一人で出掛けてたの?もしかして帰り?」
普段と変わらない様子で話し掛けてくるアカギだが、youはというとそれどころではない。
先程通り過ぎて行った綺麗な女性が、後方から尚も高い声で「赤木く~ん?!」と名前を叫んでいるのだから。
はくはくと言葉を出せずに口だけ動かしているyouの様子を意に介さず、アカギは更に話を進めてくる。
「これから帰ろうか雀荘行こうか迷ってたんだけど、youに会えたから帰ることにする。」
「あ、の…。」
「ん?」
「よ…………呼ばれてますけど…。」
そうなのだ。
そこそこな強さの雨が降っていることもあり、屋根のある場所から動きはしないが、
女性は尚もアカギを呼び続けており、youは振り向かずにそちらの方向を指で差し示した…。
「あー……ちょっと一緒に来てくれる?」
「い、イヤです…。」
「・・・。」
「・・・。」
「…分かった、じゃぁちょっとここで待っててくれる?すぐ戻るから。」
そう言って、アカギは屋根の下の女性の元へと走る。
呼び掛け続けた相手がようやく到着し、女性の話はようやく先へと進むことになるのだが、
それはできれば聞きたくなかったと思う程の会話で…。
youはせめてもう少し声の届かない場所で立ち止まればよかった…と激しく後悔した。
「今誰かと話してた??あ、そんな事より傘持ってなかったからびしょ濡れだね~……どうしよっか、出勤まで時間あるし、服乾かしたいからホテル行かない?私、赤木君となら行きた~い。」
「そんなトコ行かないよ、オレはアンタが麻雀打ちたいって言うから付いてきただけ。」
「も~、そんなの赤木君と一緒にいたい口実に決まってるじゃん!じゃなきゃ街で見掛けても、お店来てくれない男の人に声掛けない~、常連さんに連絡して同伴してもらってる~!!」
「そりゃ申し訳ない事したね……オレなんかに時間掛けさせてさ。」
「いいよ、ね、まだ雨止まなそうだし……ホテル、いこ?」
「ハハ…オレ、今断ったよね?聞こえなかった?それに、残念だけど……オレ、他に惚れた女がいるしさ。」
「えー、そんなのバレなきゃいいじゃん?」
「・・・。」
「ね?」と、アイメイクばっちりの大きな黒目でアカギを誘うように見つめる姿は華やかで美しく、正しく夜の蝶の名が相応しい。
きっぱり断られても諦めない心意気は天晴なものだが、正直今はそんなことで彼女に感心してる時間さえ惜しいアカギ…。
ハァ…と、大きく溜息を吐くと、言葉の温度を2度程下げて撤退の意思を伝えることにした。
「悪いけど、もう帰るね。」
「ちょっと!え、待ってよ!」
「ゴメン、離してくれる?……アンタも別にオレじゃなくたっていいでしょ、分かってるからさ。」
「そんなこと…。」
「オレはダメ。youじゃなきゃダメだし、他の女じゃ多分勃たないと思う。」
「なっ…?!」
最後に「じゃ、そういうことだから」と告げて、女性に背を向けて屋根の外へと走り出す。
すぐに大きく名前を呼ぶ声が響いたが、全くアカギの耳には届かない…。
距離もほとんど離れていなかったため、すぐにyouのいる場所へ戻ると、アカギはそのまま彼女の手を取って走り出した。
「わわわ、ああ、アカギさんっ?!」
「・・・。」
雨脚はそのまま、だが景色だけは日が沈み、道の全ての街灯に明かりが灯り、街は夜へと姿を変えた。
そんな市街地を2人で暫くの間駆け、掴んでいるyouの手から少し遅れを感じた頃、アカギは立ち止まる…。
「はーっ、はーっ……きつ…。」
「you、体力無さすぎ。」
「だ、だって……普段そんなに走る事……な、い…はぁ、から…ハァ…。」
「あー、全身ずぶ濡れだな……。」
「とりあえず、アカギさん、傘ん中入ってください……まだ雨降ってるし。」
「ああ…。」
「アカギさんが走るから、わたしもほぼずぶ濡れなんですけど……折角傘持ってたのに…意味ない……。」
「you……。」
「え?」
「・・・大丈夫か?」
「・・・。」
それは、体力的な意味合いではないことを、アカギの目が物語っていた。
先程の自分と女性とのやり取りが彼女に聞こえていたのかどうかは分からないが、
女性と2人で街中で行動していた姿は偽りようもなく事実なので、それを見てどうか…という意味だ。
「・・・アカギさんは…何て言ってほしいの…?」
「・・・。」
ある程度息の整った状態には戻ったものの、まだ少しだけ肩で息をするyou。
はぁ…と、苦しそうな呼吸と潤んだ瞳は走り続けた所為なのか、心情を表したものなのか…。
何とも表現し難い切なげな表情で見つめられ、彼女には申し訳なくも下半身が疼いてしまうアカギ…。
「ゴメン……大丈夫じゃないって、言われたい。」
「・・・そう…。」
「言い訳より先に、キスしたい。」
「だめですよこんな……沢山人通って…。」
「傘で見えないって。」
「アカギさ……んぅ…。」
傘はまだyouの手にあったため、程よくアカギが屈んでキ口付けられるくらいの位置。
通り過ぎる人々からは、ちょうど顔の部分が隠され、それを利用してアカギは有言実行、甘い果実を齧るようにyouの唇を奪った。
何度か角度を変えてキスをして、ゆっくりと唇を離す…。
「you…ベッドの上で言い訳させて。」
「言い訳する人が言う台詞じゃないです、それ……反省してないというか…。」
「実際そうだから仕方ない…。オレ自身はyou以外に愛せないから、今までもこれからも言い訳も反省も本当はしなくていいって思ってるんだけど……youはそうもいかないよな…ってくらいだから。」
「ふんだ、そうです、凡夫にはちゃんとした説明が必要です……間違いなく。」
「すぐに終わる言い訳だ………そんなに泣きそうな顔しなくてもいいじゃない…。」
「だって…。」
「ハァ……もうダメ、一刻も早くアンタを抱きたい…。」
「なっ…!?」
「ホテル行こう……オレとセックスして、you。」
「!!!」
人通りも多いのに、何とんでもない台詞言ってるんですか!と、
怒るために口を大きく開きはしたものの、見上げたアカギの表情が続く言葉を全て噤ませた。
それは熱を帯びた瞳に、愛おしいを通り越して狂おしいものを見つめるような恍惚の表情といった様子で…。
何か僅かなきっかけでもあれば今にも野生の獣の如く襲い掛かりそうな…
ギリギリの理性で人間性を保っているような危ういオーラが醸し出されていた。
当然、youはその様子にビクリと肩を跳ねさせ、一瞬にして戸惑いを見せたのだが、
目を離したくても離せずにいたことで、じわじわとアカギの物言わぬ圧に浸食されていき、次第に顔が、身体が熱くなるのを感じた。
「アカギさん……何かこわい……猛獣みたい。」
「だろうね……自覚ある……今、youが兎にしか見えない。」
「噛んだら半年禁欲。」
「手厳しいな……分かった、噛まない。」
「その他も、だよ?」
「分かってる。」
酷い事はしない…と誓わせてはみたものの、どの行為がそれに当たるのかなど自分でもよく分かっていないyou。
それは勿論アカギも理解しているため、結局のところ許可を出すための口実のようなものに過ぎないとお互い分かっていた。
故に…。
「どこで言い訳、聞かせてくれるんですか?」
「フフ……じゃぁ付いてきて。」
観念したyouがそう言えば、アカギは自然に彼女の手から傘を抜き取り、歩き出す。
隣にいる恋人が雨に濡れないよう、傘のほとんどの部分を彼女の方へと傾けながら暫く歩き、
夜なのに昼間のように明るい界隈を進んでいく。
雨だというのに店の軒下で多くの店員が店の看板を手に持って呼び込みをする様子を
ぼんやりと視界に入れながら歩いていると、いつの間にかアカギは目的の場所へ到着していたようで…。
気付けば、雨を凌げる屋内…。
手に持つ傘のみならず、ほぼ全身から水を滴らせながらホテルの廊下を歩くことに若干申し訳なさを感じつつも、youはアカギに手を引かれて部屋へと入室を果たしていた。
「you、服脱いで。」
「え、嫌ですけど……普通に…。」
「そういうんじゃない……いや、結果的にはそうなんだけど……だって濡れてるだろ、服…。」
「それは……アカギさんもじゃないですか……わたしの方に傘をずっと傾けてくれてたから…。」
「元々結構濡れてたしね。」
アカギの肩口の濡れたシャツに手を伸ばして触れると、かなりしっかり濡れてしまっていることが分かる。
youはアカギの気遣いが有難かった事と、傘をシェアしたのにあまり意味が無かったという事実に少し申し訳なく思ったこともあり、
詫びも兼ねてアカギに何かできることはないかと考えた末に、大変恥ずかしくはあったが自らを据え膳として差し出すことにした。
「アカギさん…。」
「ん?」
「2人して風邪引くのはヤだなって、思う……ので…その……。」
「?」
「お風呂……入ります、か?」
「それは・・・一緒に?」
「あっ、全然……一人でゆっくり入る方がいいならそれで……っ?!」
焦りながら提案を撤回のために発した言葉は最後まで言い終えないうちにアカギに手を掴まれて遮られる。
男はyouに傘も荷物もその場に置き去りにさせたまま、無言で部屋の中へ進むと、
メインのベッドルームに足を踏み入れることなく、そのままバスルームへと直行した。
バスルームの扉を閉めると、間髪入れずに浴槽へ向かい湯を溜め始めるアカギ。
グイグイ引っ張ってきた割には意外と理性的ではないか…などと思ったyouだったが、それは全くの見当違いだったとすぐに判明する。
戻ってきたアカギは正面に向き合い、何も言わないまま急にyouに対して噛み付くようなキスをする…。
次第に深く口付けながら、器用にyouが着ている湿った衣服を脱がせていくので、
一瞬驚いたものの、自分もそうすべきと悟り、彼女もまたアカギのぐっしょりと濡れたシャツのボタンに指を伸ばした…。
それからあっという間に上半身は裸になり、最後に何度かリップ音を立てた後、ゆるりと唇が離される…。
「はぁ…はぁ…。」
「は…。」
肩で息をするyouの身体を抱き寄せ、視線を合わせる。
息が上手くできずに涙目になり、かつ、キスが気持ち良かったようで目を細めて蕩けた表情でアカギを見上げてくるので、
たまらず「ハハ…」と愉悦の笑いが口から零れた。
「さっきの、例によって例の如く、安岡さんと一緒に行ったお店の子……だったみたい。」
「だった、みたい…?」
「雀荘行こうと思って歩いてたら、声掛けられたけど……何かそんなこと言ってた「安岡さんと前来てくれたよね」って。」
「・・・。」
「「そうだっけ?」って言ったけど、流石にそういう仕事してるだけあって凄いね、オレ全然覚えてないのに、向こうは本当に色々覚えてさ……麻雀、丁半、まぁそういう博奕が好きだとか、金が入ったらパーッと使い切る性質とか。」
「はぁ…。」
「今からどこ行くのって聞かれたから雀荘って言ったら、自分も打つから一緒に連れてって言われてさ…。」
「・・・。」
「それで、一緒に歩いてたところに雨降ってきて、走ってたらyouに会ったって感じ。運命だな。」
「聞こえちゃったんですけど……ホテルに誘われてましたよね…。」
「聞こえてたなら断ってたのも分かるデショ。」
「それはそうなんですけど……アカギさん、いつもこんな感じでお誘いがあるんですね…。」
「・・・。」
「仕方ないか……アカギさんモテますし……毎回やきもきしてもキリがないというか……ですよね?」
「・・・。」
「アカギさん…?」
「ん…ごめ……ちょっと……やばい…。」
「え…?」
ふいっとyouから顔を逸らし、一度大きく深呼吸をしたアカギ…。
何がヤバいのかと、youが怪訝な顔で視線を戻してきたアカギを見上げると、
彼は再びあの時の……獣が数日ぶりに極上の肉を捕獲したような恍惚の瞳で彼女を見下ろして言った。
「オレの気持ち信じてくれるのは有難いんだけど……バレないように誘いに乗ったりする事もあるって、考えないの?」
「え……そ、それは、つまり…。」
「アンタ以外の女と…。」
「そういう事……あるんですか……ね?わたし、無いと思って……ま、す…けど……アカギさん、う…裏切らないって言うから……。」
「っ…………クク……無理でしょ、こんな……。」
「っ…わたしは、信じてますけど……信じてます、よ。」
急に飛び出したアカギのとんでもない発言に、youは当然ながら動揺し、息を詰まらせ、視界を滲ませながらも一生懸命に言葉を紡ぐ…。
目の前の恋人の今にも溢れそうな涙を見て、アカギはゾクリと背中を震わせると、
ニヤニヤと笑いながら「ゴメン」と小さく呟いて彼女の額に軽く口付けた。
「はぁ~……悪い。今のはホント、自分の欲のために吐いた冗談……だから……全面的にオレが悪い…。」
「っ…何、どういう…?」
「だって、オレのこと好きすぎて嫉妬して、寛大に見せようと頑張ってるのに目はずっと泣きそうなんだもん……。オレ、ただでさえyouの事が好きなのに、そんな可愛い事されたらさ……たまらないでしょ、そんなの…。」
「う…ぅ…。」
「オレが今みたいに意地悪な事言ったら絶対秒で涙零れたよね絶対……何度泣かせようと思った事か…。」
「そんなこと…!」
「ない?あるでしょ、絶対…今だって。」
「……あるに決まってるじゃないですか……文字通り、死ぬほどアカギさんのこと、すき、なのに……っ。」
アカギのことが好き過ぎる故に、単純に他の女性と一緒にいる場面を見て悲しかったという部分や、
それを見て相手の女性に嫉妬する自分も嫌で、自己嫌悪に陥った部分…。
何より、風に吹かれる木の葉のように無規則に、気紛れに生きる赤木しげるという男には
そのように生きることが正しいと思っているため(勿論、推奨はしていないが)、
できれば触れずに、もし本人から何か言われた時にだけそっと支え、いつもは寄り添う存在でいたい…というのが大きかった。
そのため、そうできなかったという理想と現実に直面し、結果としてアカギの言葉に泣いてしまったワケである。
「欲の為にyouに意地悪した。ゴメン、悪かった。」
「自分でもビックリです……こんなに心が痛いとは…うぅ。」
「またそんな事言う……風呂入る前に勃つからやめて、ていうかもう本当ヤバいから。」
「ご、ごめんなさい……。」
「とりあえず、オレの言い訳は納得してもらえたか?」
「ん、しました。」
「悲しませてごめん、今からたっぷり埋め合わせする。」
「う…何か……全部アカギさんのいいように流されてる気がするんですけど…。」
「じゃぁ、要らない?」
小首を傾げて小動物のように可愛く尋ねられても、内に潜む獣の気配が微塵も消せていませんよ…と、
そんなツッコミを入れるべきか悩んだものの、
結局のところyou自身もアカギから「信じていい」確証が欲しくて、首をゆるりと横に振るのだった。
「ほしいです…。」
「だよな。」
「でも…わたし、多分、絶対これからもきっと嫉妬します…。」
「じゃぁオレがその度に安心させてあげる。欲しければ全部説明するし、要らなくてもこうやって……まぁ、そこは言わなくても分かるよな、流石に。」
「む…。」
「……まぁ、極力そういう場面にならないよう、避けようとは思うけどね。それに、言わせてもらうとアンタだって他の男……いや、うん……やっぱ何でもない、どうせ同じこと…。」
「??」
「オレはアンタしか見えてないし、アンタもオレだけしか見えてないだろ?」
「…うん。」
「喧嘩すらしてないけどさ……仲直りってやつ、しようよ。」
「それは……ちょっと……アカギさん、かわいいですよ…。」
「フフ…。」
「でも賛成です……もやもやせずに一緒にいたいですから。」
「そう…じゃぁ…。」
アカギの提案がらしくなく爽やかであったため、先程の涙もすっかり落ち着いたyouはニコリと頷いた。
のだが…。
「オレが他の誰かに靡くわけないって、しっかり身体に言い聞かせて、身体で理解させるから、安心して。」
「ちょっと待って聞いてない。」
「だめ、オレはもう十分待ったから。」
「解放させて」と、問答の最後に一言告げてアカギはyouと自分の衣服を引っぺがし、
もう十分に湯の張られたバスルームに連れ込むのだった。
そもそもお互いしか見えてないのに
嫉妬する方が馬鹿げてるでしょ
(でも嬉しすぎたから今後も是非、だな)
(ただいま。)
(ん……おかえりなさい……今日は遅かったんですね。)
(ゴメン、寝てた?)
(うたた寝しちゃってたみたいです……すみません……お茶でも淹れますか?)
(ううん、もう風呂入ったら、歯磨きして(youの布団で一緒に)寝るから、先に寝てていいよ。)
(そうですか……アカギさん、ハグしていいかな。)
(ああ、うん、どうぞ。)
(おかえりなさい。)
(フフ…ただいま。)
(・・・。)
(・・・。)
(アカギさん……何か香水の匂いする…。)
(え、そぉ?)
(なるほど……だから今日は遅かったんですね…。)
(いや、これは……。)
(これはだめですね、嫉妬モード発動ですね、今日はご自宅でお休みください、では。)
(クク……まぁた可愛い事を…。)
(わたしも明日には冷静になるので、今日はもうおやすみします。)
(いいけど、youはオレのことが好き過ぎて銀二さんにも嫉妬してましたって、今度本人に言っていい?)
(は?何で銀さん…。)
(今日は銀二さんと飲んでたからね。この香水、多分銀二さんのだよ。)
(うそ。)
(本当。)
(・・・。)
(この間、嫉妬なんてしなくていいってあれ程言ったのに……まだ分かってないみたいだな。)
(やばいやばいやばいやばい…!!!)
(あれ程身体に教え込んだのに……それともあれくらいじゃ理解するのに足りなかった?)
(そんなこと無いです!そんなこと無い!)
(大人しくベッドで待ってて、追加の補習授業ってヤツだ。寝たらどうなるか分かってるよな?)
(お、おお…どうかお慈悲をぉお!!)
(却下。)
words from:yu-a
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