step5_(恋人編:アカギ)
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「あれ、もしかしてアカギさん?」
夜の繁華街で声を掛けられたのは意外な人物だった。
アカギさんといっしょ10
「あ…。」
「やっぱり!」
「坂崎さん。」
「こんばんわ!」
「どうも、こんばんわ。」
ぺこりと可愛らしくアカギに向かってお辞儀をしたのは、youとカイジの共通の友達で、
今まで福本荘の面々で何度か一緒に出掛けた事もあるため、アカギも勿論知り得ている坂崎美心その人であった。
アカギは胸ポケットから携帯灰皿を取り出すと、手に持っていた煙草を消して彼女に向き合う。
「何だか珍しいね、アンタがこんな夜の繁華街を歩いてるなんて。」
「ウフフ、そうですよね、うちはパパが凄く厳しいからなかなか夜にお出掛けできなくって。」
「うん、youからそう聞いてる。」
「今日はお友達の結婚式だったんです。二次会まで参加しちゃったんで、こんな時間に。」
「ああ、成程ね。」
確かに、目の前の美心はとてもめかしこんでおり、胸元の空いた、やや丈の短い大人っぽいパーティー用のカクテルドレスに、
可愛らしさ満載のボレロを羽織っており、言われてみれば正に結婚式に参加してきましたといった装いだった。
いつもとは違う印象で、美心の脚線美や豊満な胸など、スタイルの良さが際立っているが、
一度上から下まで様相を確認した上で、男として特に何処にも目がいかないのは恐らくどんな姿でも他に愛すべき対象がいるからだろう…と、アカギは考える。
「もう帰るとこで…そこにいる友達と駅まで戻る最中だったんです。最寄り駅まで帰ればパパが迎えに来てくれるんで…。」
「そう、気を付けてね。」
「はいっ、ありがとうございます!あ、でもアカギさんも早く帰ってくださいね、youちゃんをあまり心配させちゃダメなんだぞっ!」
「ハハ…そうだね、オレももうそろそろ帰るつもり。」
「是非そうしてください!」
流石、youの親友なだけあり、彼女の事をとても大事に思っている事が伝わり、
アカギは坂崎美心という人物に対して、人知れず好感を抱くことになった。
「それじゃあ」と、その場を離れようとしたアカギだったが、美心の大きな「ああっ!」という声に、少し驚いた顔をする。
「どうかしたのか?」
「あのっ、アカギさん……これ、もしよかったら貰ってくれません?とっても恥ずかしい代物なんですが、不肖、坂崎美心……ちょっと処分に困ってて…。」
「?」
そう言うと、美心は徐に手に持った引出物の紙袋の中から、可愛らしい袋に入ったプレゼントのようなものを取り出した。
「何これ…?」
「さっきの二次会のビンゴゲームの景品なんですけど……主催が新郎側の男性陣だったんで、上位賞品以外が下品な感じのものばっかりだったんです……男性同士のノリ?みたいな…。」
「はぁ…?」
「そんなものアカギさんに押し付けるのもどうかなって思うんですけど……このまま美心が持って帰るとパパに見つかってとんでもなく叱られる上に、二次会の主催者達の家にうちの娘にセクハラしたヤツ殺す!とか言って乗り込んじゃいそうで怖くて…。」
「そりゃ……確かにちょっと困るだろうな。」
「そうなんです……要らなかったら捨ててくれても全然いいですし…youちゃんと一緒に使ってもらっても……ってキャッ!美心ったらアカギさんの前ではしたない!しかも親友を売り飛ばすみたいな暴挙…っ!!ああっ!でも……そういうシチュエーションって凄く滾るっていうか……私もカイジくんと…キャァーーーッ!!!」
「・・・。」
「はっ!!すみません!!えーっと、もしyouちゃんと使う場合は嫌がったら止めてあげてくださいね。絶対!美心との約束なんだぞっ☆」
「・・・あ、はい…。」
美心の一人問答をずっと眺めていたアカギ…。
前からちょっと(いやかなり)変わった娘だなとは思っていたものの、福本荘の面々やyou、ひいては自分自身も大概なので、
特に何もツッコむこともせずにいたのだが、実際目の当たりにすると割と本気で変わっていたので、思わず敬語が飛び出すアカギであった…。
最後に、中身は未開封だが、一度外袋だけは開封して、今は再度封を閉じている状態であること。
そして今開けられると大変恥ずかしいので、自分がいない場所で確認してほしいと伝えて美心はアカギに別れの挨拶をする。
「それじゃぁ、今度こそ、おやすみなさい、アカギさん!」
「ああ、坂崎さんも。気を付けて。」
ブンブンと手を振って、後ろでアカギとの会話が終わるのを待っていてくれた友人の元へと高いヒールを鳴らして走っていった。
「美心ちゃん、今のイケメン誰?!もしかして彼氏?!」
「何で白髪なの?!あれブリーチしてんのかな、くっそカッコいいんだけど!?」
「ね、彼氏でも彼氏じゃなくても紹介してほしいんだけどぉ~!」
と、まぁ、戻るや否や、友人らから絡まれる美心…。
しかしそこは「大事な親友の彼氏なので、絶対に紹介できないんだぞっ!」と、しっかり断りを入れる、正にパーフェクトな対応。
友人らと、それに反論する美心の声があまりにも大きかったため、その会話内容はその場に立って美心に手を振っていたアカギの耳に全てしっかり入っており、
彼女のその言葉と対応に、アカギの中の美心の株が更に急上昇したのは言うまでもないだろう…。
・
・
・
・
「というワケで何が入ってるのか、分からないままもらってきたモノなんだけど…。」
「はぁ…?」
福本荘へ帰宅後、もう寝る準備をしようとしていたyouの家に上がり込んだアカギ。
あまり詳しい事情は話さずに、簡潔に、端的に「坂崎さんがビンゴの景品で当てたけど、不要だからと渡された」と説明して、
美心にもらったプレゼントをテーブルの上に置いて、代わりにyouに出してもらったお茶を手に取り、口に含む。
「開けてみてもいいですか?」
「ドウゾ。」
「んん……何これ…外国のお菓子か何かですか?」
「お菓子なの?坂崎さんは食べ物とは言ってなかったけど……。」
いや、でも確かに食べ物とも道具とも言っていない。
一緒に使うことのできる下品な食べ物とは一体何なのか、と…。
アカギはyouの手元を覗き込んだ。
「ほら、これ。」
「!!!」
「何これ、分からないから開けてみますね。」
「いや、you……ソイツは…。」
アカギの微かな制止は気に留めず、youは手に持った袋を開封した。
そこから現れたのは半透明のピンク色をした、とてもチャチな電動機器のような物…。
アカギはパッケージの時点で全てを察していたようで、瞬時に美心の言っていたことを悟るに至った。
「何ですこれ……全然食べ物じゃない…。」
「・・・。」
「裏に説明とか書いてる??」
「you、それ何か分かんない?」
「え、逆にアカギさん分かるんですか?」
「分かるけど…。」
「え!何ですかこれ?!」
「電池入れたら震えるヤツだよ、本当に分からないの?」
「あ、なるほど!マッサージ機!」
「そう。」
「そっか…こんな可愛いパッケージである意味が分かりませんけど、成程なるほど。え?でも何でこれ紐みたいなのと丸いの繋がってるんですか?本体が震えるんですよね?丸いのなに??」
「っ…。」
「アカギさん??」
「違う、震えるのは丸い方、丸い方が本体。」
「はぁ?じゃあ、こっちの柄の方は?」
「それは電池入れるだけ、いわばバッテリー部分……。」
「じゃあこの丸いの肩とか腰に当てる?範囲狭!しかも有線?!これなら整体行った方がいいですよね。」
「~~~っ……違…。」
「アカギさん…?」
何故かその場にうずくまってしまったアカギ…。
よく見ればその身体は小刻みに震えており、少々呼吸が苦しそうな様子…。
youは恐る恐る彼の背に手を伸ばし、ポンポンと軽く叩いた。
「あの…アカギさ…。」
「はぁ~~苦し……色んな意味で。」
「わぁ、ビックリした!」
彼女に肩を叩かれてすぐにガバッと身体を起こしたアカギ…。
大変珍しく、涙目になっているのは十中八九、あまりの衝撃に対して笑いを堪えられなかったからだろう…。
はぁ~ッと大きく深呼吸をして、アカギは「最高だな」と愉快そうに笑った。
「ちょっと違う……訂正箇所ありだな。」
「え、違うんですか?」
「そう…丸い部分…それは使う場所が違う。」
「わ?!」
言うや否や、アカギはyouをその場に押し倒し、顔を近付けると、
片手を床に付き、もう片方の腕を彼女のスカートの中に差し入れた。
当然驚き、顔を赤くして「何するんですか?!」と喚き始めたyouだったが、
アカギの手が止まることなく彼女の秘部をぐに…と突いたので、言葉ではなく、ただの悲鳴に変わってしまった。
「ひゃ…っ?!!」
「此処……ココに使うんだよ、その玩具は。」
「お……おもちゃ………あ、あ…あああああ!!」
言われて、すぐに合点がいく…。
実物は見たり、使用したことも無かったものの、確かにそういった商品の存在は彼女も知っている、知識として知り得ている。
某大型ディスカウントストアなどでよく見かける成人向けのコーナーにある代物の1つで「大人の玩具」と称され、
悪ふざけやノリでビンゴなどの景品として用いられることもある、と耳にしたこともある。
そう、彼女がパッケージで菓子と勘違いしたソレは、所謂ローター等と称される代物であった。
全くの無知であればどんなに良かっただろうか…。
ピンとこなかったとはいえ、なまじその用途を理解していると逆に自身で気付いてしまったが故に、
知識ゼロよりも遥かに重い羞恥心が彼女を襲う…。
「・・・死にたい…恥ずか死ぬ……わたしは貝になりたい。」
「クク……何もそこまで言わなくてもいいじゃない…。」
「だって!だって!!ああああ……いい年した大人が…。」
「無茶苦茶面白……可愛かったよ。」
「今面白かったって言いかけましたよね!!」
「そんな事ない。」
「ああもう……分かりました、察しました、理解しました…。」
「フフ…。」
「じゃぁ、はい……なので、退いていただいてもよろしいですか?」
「はぁ?何言ってるの……退くわけない…っていうか、今の経緯で使わないワケがないでしょ。」
「デスヨネー……でも絶対嫌です!断固拒否です!」
アカギの下でブンブンと首を横に振って、拒否を示すyou。
が、しかし、今回に至っては自分に襲い掛かる羞恥心も、アカギをその気にさせたのも、全て彼女の無知が招いた結果である。
故に、どんなに拒否して嫌がろうとも結果は変わらず…。
アカギは一度身体を起こすと、未だローターを手に握りしめたままのyouの身体に腕を差し入れ、いとも簡単にひょいっと抱き上げた。
「わわわ?!何っ…?!!」
「強制執行しようかと。」
「何で?!イヤですよ!!お、下ろして!」
「ダメ。」
「ちょっと、アカギさん!!」
「でもさ、よく考えてみてよ。」
「え…?」
話しながらもyouの寝室まで移動し、器用にリビングの電気を消したアカギ。
彼女の寝室に入り、その身をふわりと丁寧にベッドに下ろし、さりげなく自身の身体もベッドの上に上がり込み、向かい合って話し合う。
「知らない事を知ったり、新しい経験するって悪いばっかじゃなくない?」
「いや、尤もらしい事言ってますけど、それって趣味とか勉強とかに挑戦するときに使う台詞ですよ。」
「じゃあこれ、坂崎さんにもらったけど、使わずに捨てちゃう?」
「美心ちゃんの名前を出ーすーなー!」
「……ぶっちゃけ、純粋に使いたい。折角あるんだし?」
「もういよいよオブラート包む事もしなくなった?!」
「ていうか……。」
「ていうか…?」
「ずっとこの先も一緒にいるんだし、色んなことしていきたいと思った。」
「えっと…。」
「旅行の行先とか、観る映画とか……遊んだ内容と同じようにさ。」
「う、む……む…。」
「youと繋がる時もさ、こういうことも経験したよな、って……そういうの、いくつ増えたってよくない?」
「~~っ!!」
恐らく、その言葉が彼の本心だという事は分かる。
ただ、その経験する内容が甘い言葉と乖離しすぎているのだ、根本的に…。
アカギの言うことは確かに理解できるし、大いに賛同するところではあるが、それはあくまで彼が最初に言った
「旅行の行先とか、観る映画とか……遊んだ内容」に於いてだけ。
自分としてはイマイチ最後の点には賛同出来兼ねる…と、youが暫く唸り続けていると、
凡その彼女の思考を察したアカギは、その逃げを許しはせず…。
「you。」
「はいっ?!」
「怖がんなくていいよ……全部オレが教えるから。」
「ひぇ…。」
「youが知らないことは、全部…。」
いつの間にか、アカギに身体を抱き寄せられており、耳元で囁かれるyou。
実のところアカギの冷たいようで穏やかな声はyouの弱点でもあったりする…。
それを知ってか知らずか(恐らく察してはいる)、ここぞという時にそれを行使するため、大概彼女は誘惑に負ける、寧ろ大敗。
ビクンと背中を反らせた後、ふにゃりと腰が砕け、アカギに寄りかかる…。
「あの……は…はじめてなので……お、お手柔らかにお願いします…。」
「ああ、うん、勿論……。」
凄い台詞だな、と思うと同時に、もし今後他の道具を用いる事になった場合、
毎回このような反応をしてくれるのかと思うとたまらない…と、邪な考えを巡らせるアカギ…。
近いうちにyouを無理にでも某ディスカウントストアの成人向けコーナーに引っ張って行こう…そう思うのであった。
買わなくても
反応を見たい欲があるワケです。
(あ、アカギさんどうしてこんなトコ入るんですか?!)
(ん、興味本位。あ、ホラ、これじゃない?こないだyouがお菓子と間違えたローター。)
(言わないで!!)
(ねぇ、遠隔操作なんてものもあるよ。)
(だから何ですか・・・もう出ていいですか?洗剤買って帰るだけなんで。)
(見てこのバイブ、エグイね。)
(アカギさんっ!怒りますよ!もうやや怒ってるけど!)
(凄い下着もあるよ……でもこれ、坂崎さんの方が体型的に似合いそう。)
(!!)
(じゃない?)
(美心ちゃんをヤラシイ目で見ないでください!それ一番イヤです!あと、わたしは確かに美心ちゃんと比べて圧倒的残念体型…っ、そ、それだけは認めます…っ、認めざるを得ないッ…!)
(フフ…オレが坂崎さんを?見るわけないでしょ、youしか見てないんだからさ。だから別に残念体型とか思わない。)
(な…じゃぁ……。)
(ちょっとでも嫉妬してくれたら軽々にこういうの着てくれるかと思って…。)
(そんなもん軽々に着てたまるか!!)
(半分冗談だよ。)
(半分本気じゃないか…。)
(こういう凄いのは坂崎さんかもだけど、こっちのヒラヒラしたやつとかは可愛いんじゃない?youに似合うと思うけど。)
(あ、本当だ~、ベビードールってかわいいですよね~!)
(白?黒?)
(んー……白かなぁ…でも黒の方が痩せて見え……ハッ!………買いませんよ?!着ませんよ?!)
(チッ…)
words from:yu-a
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