step1_(ご挨拶編)
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「きゃ…!」
「っと…!」
ドン…
という人と人がぶつかる音が薄暗い道端に響き、
youはその場に尻餅をついた。
隣マンション1階の平山幸雄さん。
「すまん、大丈夫か?」
「あ、はい……平気で……酢!?」
驚きに目を丸くさせ、ぶつかった男を見上げるyou。
そして更に大きな声を放つ。
「アカギさんっ?!」
「あぁ"?!」
「ごごごっごゴメンなさい!!神に誓ってワザとぶつかったわけじゃないんですぅう!!
ゆゆゆ許してください!!だからもうセクハラは止めて下さいぃい!!」
「お…おい、落ち着け!!」
「お願いだから朝起きた時に隣にいないでぇえ!!」
「アイツ…普段そんなことしてんのかよ…。」
「え…「アイツ」?」
「おぅ、「アイツ」。」
「アカギさん?」
「そう、アカギ。」
「赤木しげる?」
「そう、赤木しげる。」
「あなた?」
「いや、俺じゃない。」
「貴方は?」
「平山幸雄。」
「アカギさんじゃない?」
「YES。」
長い言葉の遣り取りを終え、やっとテンションが落ち着いたyou。
半泣き状態で起き上がり、スカートに付いた砂埃を手で払う…。
そして、とりあえずの自己紹介。
「え…っと…私は…そこの「福本荘」に最近越してきたyouと申します。」
「ヘェ、福本荘に女がねぇ……あぁ、俺はその隣のマンション、一階に住んでるんだ。よろしくな。」
「は、はい!……お隣のマンションっていうとあの…高いマンションですよね…(色んな意味で)。」
「何だ?日が当たらないっていう苦情か?」
「いえいえ!そちら側が当たらないだけで、後の3方からはバッチリ当たりますから、大丈夫ですよ!」
あはは、と無邪気に笑いながら答えるyou。
元気を取り戻した様子の彼女にホッとする平山。
まともな会話が成立するようになったところで、ちゃんとした会話(?)を始めた。
「「you」って呼んでも?」
「はい!じゃぁ私は……「平りん」?」
「オイ、それマジで言ってんの?」
「……じゃぁ「ゆっきー」。」
「若干良くなったけど、それも止めてくれる?」
「意外と我侭ですね、ゆっきーは…。」
「(定着しとる!!)待て待て待てぃ!!」
「アカギさんも「アカギさん」だし、じゃぁもう「平山さん」でいいかぁ。」
「何その理不尽な諦め…。」
溜息を吐くyouに対して、溜息を吐きたい平山であった。
それから、急に顔を上げて思い出したようにyouは平山に尋ねた。
「そういえば、平山さんはアカギさんとお知り合いなんですか?」
「………あぁ…まぁ、な。」
「?」
言葉に詰まったような反応をする平山。
youは不思議そうに顔を覗き込んだ。
そんな彼女の行動に苦笑しつつ、話を続ける…。
「腐れ縁っつーか……寧ろ腐ってるっていうか。」
「はぁ…。」
「アイツに似てる所為で何度被害を被ったか…ッツ!!」
「(ありうる!!)」
「夜道を歩けば不良やチンピラに囲まれるわ、
ソレな界隈では「ヤ」の付く自由業の方々に追いかけられるわ、
アイツ…いつか本気で首を絞めたいわ、マジで。」
「あわわわ……!!」
関係性の説明だったはずが、何時の間にか不幸自慢になっていく会話。
自分も同じように被害を被ってはいるが、
彼ほどではないと思い……同情するyouであった…。
「ひ、平山さん!!」
「あ?」
「……これから飲みに行きましょうッツ!!」
「……なん…。」
「私も色々愚痴りたいことあるんで…彼に関して。」
「…youッツ!!」
ガシッツ!
と、手を握って結束を交わす2人。
暗黙で同盟が誕生した瞬間であった…。
隣マンション一階には同士がいた!
(何で勝手に私の家に入れるの?って感じ!)
(アカギのヤツに合鍵とか渡してんのか?)
(まさか!そんなワケないじゃないですか!!)
(だよなぁ……大家脅して鍵奪ってたりしてな。アハハ!!)
(もーヤダァ!平山さんてば!そんなことあるわけ…)
((…………!!))
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