step2_(イベント編)
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「youさーん、海行こう海ー!」
その言葉に反応し、201号と203号の扉が同時に開いたのは必然。
海開きですよ福本荘!
「で…何でアカギさんとカイジさんがここにいるんですか。」
「何でってお前…オレとアカギがyouの家に遊びに来ちゃ悪いのかよ。」
「・・・。」
現在youの家の居間。
カイジと零とアカギが小さなテーブルを囲むようにして座っている。
しばらくしてキッチンから冷たい麦茶を用意したyouが遣ってきて、一同にそれを配り、着席した。
「それで…今日は何でまた皆揃ってるの??」
「揃って来たわけじゃないよ。勝手にカイジさん達が付いてきたのー。」
「零くんに??」
「オレはyouさんと2人で話をしたかったのに。」
「私と?」
「そう。」
「どうして??」
「っと……それは…。」
言い渋る零にyouが不思議そうな目を向ければ、すかさずカイジが会話に参加してきた。
「零はyouを海に誘おうと思ったんだと。」
「海?ああ、もう夏だもんねぇ。」
「それで、たまたま零がそう言ってたのをオレとアカギが聞いてて、よかったら皆で行かないかなーって。」
「確かに…皆で行った方が楽しいもんねぇ。」
「だろ?」
同意を示す言葉を強調して放ち「してやったり!」という表情でチラリと零を見遣る。
(零にカイジに対しての殺意が湧いたことは言うまでも無いだろう)
結局、零の「youと2人きりで海に行く」計画は大人気ないアカギとカイジらに阻止され、
更には彼等だけでなく、youから、他にも誘いたいと言い出されてしまうこととなった。
日にちを決め、当日そこに集まった人数は合計8名。
「youはカナヅチ?」
アカギ。
「あ、ある程度ちゃんと泳げますよ!」
you。
「どうして…何でこんなことに…。」
カイジ。
「カイジ君と海に行けるなんて美心し・あ・わ・せ!」
美心
「うわー、カイジさんモテモテで羨ましいなぁー!あはっ!」
零
「へー…カイジはてっきりyouが好きなんだとばかり思ってたんだが…意外だなぁ、森田。」
銀二
「ぎ…銀さんそれ本気で言ってるんですか?」
森田
「伊藤…魂が抜けかけてるな…。」
平山
美心に腕を絡ませられ、青白い顔で天を仰ぐカイジを哀れむように見つめる平山と森田。
銀二は我関せずを貫き、零は楽しそうに笑っている。
「それじゃあ、嬢ちゃん…そろそろ行くかい?」
「はい!じゃぁ銀さん、平山さん、お願いします!」
「了解。」
今回は平山と銀二が車持ちのため、海までは2人の車で向かう。
銀二は声を掛けてきたyouにふっと微笑み、その肩を引き寄せた。
「ぎ、銀さん?」
「森田が行きたがったとはいえ、このオレをガキのお守りにしたのは高くつくぞ、嬢ちゃん。」
「ええ!?そんな今更~!」
「そうだな……嬢ちゃんが助手席、で手を打とう。」
「銀さんの車に?」
「そう。」
「そんなんでいいんですか?」
「そんなん以上に何かやってくれるのか?ん?」
「で、できないですー!//」
「じゃ、決まりだな。」
「はい!」
銀二の車にyouが乗ることが決まり、その他の座席争奪戦が勃発する…。
「じゃぁ、オレはyouさんと一緒に銀二さんの車がいいー!」
「オレも。」
零とアカギが挙手したところで、カイジもすかさず挙手をした。
「おっ、オレも!」
「カイジさんは、美心さんと乗ってあげなよ。」
「んな!何で!!何言い出すんだ零!!」
「だって、銀二さんの車は後ろ2人乗りだし、カイジさんと美心さんが乗ったらオレ達乗れないもん。」
「だから何でオレがコイツと…!」
零とカイジがもめる中、そこに森田が入ってくる。
「そうそう、それと…銀さんの車にはオレが乗るんだから、零とアカギさんもジャンケンしてね!」
「「なんだって?!」」
予想外…否、予想はしていたが、いざその事実に直面すると大変困る状況に陥り、零とアカギが同時に声を発した。
森田が銀二の車に乗る予想はしていたが、実際残りの席が1つとなると…。
もう一人は平山の車…しかも後部座席は美心(とカイジ)のパラディソ。
「「(絶対無理だろ!)」」
恐ろしい情景を2人…思い浮かべ、アカギが得意な運否天賦を味方に付けようとしたのを察し、零が先手を打った…。
「零…ここはジャンケ…。」
「アカギさん、平山さんの車行ってもらえます?」
「なんだと?」
「オレ、平山さんとは顔見知り程度だし…それなら付き合い長いアカギさんの方がいいですよね?」
「別に仲がいいわけじゃな…。」
「ね、平山さん?(頷かないと呪い殺すよ?)」
内から暗黒大魔王並みのオーラを醸し出し、表ではキラキラと爽やかな笑顔を平山に向ける零…。
残念ながら頷くしかない。
零の邪気に中てられて顔面蒼白な平山が恐る恐る頷いたところで、
零はにっこり笑って銀二の車へ乗り込み、アカギは悪鬼のようなオーラで平山の肩を掴んだ。
「・・・運転よろしく…凡夫。」
「凡夫って言うな!っていうか絶対オレの所為じゃないだろッツ!」
「誰が原因なんて…どうでもいいこと…。」
「それ八つ当たぃいだだだあああ!肩っ!肩痛ぃからぁああ!!」
かくして(カイジにとっては地獄の)海水浴がはじまった…。
*。゜.*。゜.*。゜.*
「きれーい!海ひろーい!」
「ハハ、気に入ったか、you?」
「はいっ、凄く!」
「そりゃよかった……ちょっと遠出した甲斐があったかな。」
車を止めて、眼前に広がる海を見て感嘆の声を上げたyouに銀二が軽く笑う。
それにつられて同じように微笑み、youは彼に労いの言葉を告げた。
「銀さん運転お疲れ様でした。」
「ああ、大したことないさ。」
「でもそのお陰!ここ、凄い場所ですね!」
「まぁ…普段人が入れないようになってる場所だから。」
「それって、何か入ったら危ないとかですか?」
「いや……そういうんじゃない。色々な。」
「そうなんですか……でもホント綺麗!一日だけじゃ遊び足りないかも!」
「何なら今度は2人っきりで来るか?」
「え?!え!??//」
「ハハ、冗談だ……でも、まぁ…来たくなったら言ってくれ。」
「は、はい!是非!」
くしゃりとyouの髪を撫で、優しい顔で銀二に微笑まれる。
再び笑顔で返しはしたが、内心は今しがたの会話で心臓がバクバク鳴っているyouだった。
先に到着した銀二に続き、暫くした後で平山の車も到着。
助手席でアカギのイライラのオーラを直に受けて怯えきった平山。
零との攻防戦で不可抗力とはいえ珍しく大敗したことで不満爆発の顔のアカギ。
後部座席でカイジに密着できて満面の笑みで降りてきた美心。
もはや廃人のカイジ……が、車から降りてきた。
「平山さん、運転お疲れ様でした!」
youが駆け寄って笑顔を向ければ、徐々に色を取り戻していく平山。
「大分お疲れみたいですね、大丈夫ですか??」
「あ…ああ…ありがとう…大丈夫。」
「そっか、じゃあ私達の日頃のストレスを発散させるためにも、いっぱい楽しみましょうねっ!」
「ハハ、そういえばオレ達「ストレス仲間」だったな。」
「そうですよ!」
「じゃぁそういうことにするか。」
「はい!」
お互いに笑い合い、上がったテンションでハイタッチを決めた。
そこにはアカギがやって来そうな雰囲気だったが、意外にも来たのは美心。
「youちゃんっ!」
「あ、美心ちゃんもお疲れさまー!」
「うん、車の中楽しかった~!さっ、早速水着に着替えよう!」
「あ、う…うん。」
美心がyouの腕を引っ張り、銀二の元へと向かう。
「どうした?」という顔をする銀二に美心が着替えの場所を尋ねれば、
彼は近くにある別荘のような家を指差し、その家の鍵を美心に渡した。
美心と同様に驚いた顔をして、今度はyouが銀二に尋ねる。
「ぎ、銀さん、これ…。」
「着替えとトイレはそこを好きに使っていいから。」
「あちらの家、銀さんの別荘…なんですか?」
「いや、俺のじゃない。」
「知り合いの方の?」
「まぁ…そんなところだ。」
「…す、凄いんですね。」
youの言う「凄い」は別荘自体のことであったり、それを所有する銀二の知人のことだったり、
何よりも別荘所有者を友人に持つ銀二自体への驚きを表していた。
それを悟りながらも、妙な距離感を築かせないように銀二は「大したこと無い」と笑い、
優しくyouの背中を押すのだった。
はしゃぎながら美心とyouが別荘へ向かい、着替えをし始めた頃、
銀二が森田に「さて、俺達も着替えに向かうか」と歩き出す。
「お疲れ様、カイジさん、アカギさん!」
「「零…。」」
「よかったですね、美心さん楽しそうで!」
「テメ…!」
満面の笑みを浮かべて現れた零に食って掛かりたいカイジだったが、
長距離車に乗っていて疲れたのと、美心に中てられて息も絶え絶え…という状況下では上手く騒げず…。
悲しいかな「やっぱもう、いい」と根を上げた。
「ありゃりゃ…思った以上に重症だ。」
「そりゃぁ…車ん中、色々あったからな…。」
「い、色々?!」
「ああ…色々だ。」
そう言って零の肩を軽く叩き、前を歩き出すアカギ。
平山も同じように「本当に色々あったんだぜ」と告げて横を通り抜ける。
零にとってカイジはいわばライバルの一人なわけだが、
それを抜きにしても大変不幸で可哀想なオーラが漂っている状況で…。
同情せざるを得ない後姿に零は手を合わせた。
それから・・・
youと美心が丁度別荘で着替えを終えたところで、タイミングよく玄関のインターホンが鳴らされた。
長めのパーカーを羽織り、前を全て止めた状態でyouが扉を開けば、
先頭の銀二から森田、零……と、別荘の中に入ってくる。
「もう着替え終わったのか?」
「あ、はい…一応。」
「そうか、じゃぁ向こうのリビングで待っててくれ。俺たちは二階で着替えてくるから。」
「はい、分かりました!」
銀二に指示され、youと美心はリビングへと向かい、
男性陣はぞろぞろと二階へ上がっていった。
流石に女性と違って、ただ着替えるだけなので、彼等の準備は早々に整った様子。
ものの10分程度で皆リビングに現れた。
「それじゃ、海へ行こうか!」
零がにっこり笑ってyouの手を取ったところで、海での戦いの火蓋が切って落とされた・・・。
*。゜.*。゜.*。゜.*
誰と遊ぼう・・・。
●アカギ
●カイジ
●零 Please wait
●平山 Please wait
●銀二
●森田
*。゜.*。゜.*。゜.*