step2_(イベント編)
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「ふわー!凄い人だね!」
一月一日、元旦
実家に帰らなかったyouは、同じく福本荘で正月を過ごしているアカギ、カイジ、零と一緒に初詣に来ていた。
お正月ですよ福本荘!
「youさん、絵馬書こうよ!」
「うん、いいよ。アカギさんたちも書きませんか?」
零とyouは購入者の列に並び、振り返って訪ねる……。
一瞬、アカギとカイジは顔を見合わせ、すぐに結論を出した…。
「「書く。」」
「分かりました。」
youはそれから窓口で絵馬を購入し、
ペンが置いてある願い事を書き込むスペースへと向かった。
沢山の中高生らしき少年少女が熱心に願い事を書き込んでいる…。
おそらくは受験の類での願い事だろう…。
youは感心しながらも、今現在彼らと年の変わらない零が一緒だということを思い出した。
そして当然尋ねる…。
「零くんも受験とかについての願い事なの?」
「はぁ?」
「…「はぁ?」って…。」
「そんな志望校合格なんてどーでもいいこと願わないよ。」
「ぁの…(うわぁ!周囲の少年少女の視線が痛い!)」
「神頼みしたって要は自身の学力の問題でしょ。」
「そ、それはそうだろうけど……。」
「オレはそんなことより叶えたい願いがあるからね。」
「えー、何なに?」
「内緒!」
「ふふっ、じゃぁ私もー!」
顔を見合わせて笑う零とyou。
スラスラと願い事を書き終えて、アカギに終わったのか尋ねた。
「アカギさん、書き終わりましたか?」
「ああ。」
「アカギさんも願い事はやっぱり秘密ですか?」
「知りたいのか?」
「え、そりゃまぁ……教えてくれるんなら。」
「はい。」
そう言って自分の願いを書き込んだ絵馬をyouに渡す。
「ど、どうも…」と、少したじろぎながらも絵馬を受け取り、内容を確認すると…。
「ん、なっ?!///」
「どうした?」
「何ですかこれは!///」
「何って、オレの願い事だけど。」
「こんなの認めなーーいっ!!///」
「いいじゃねぇか、これは正直な男の願いだろ『youとセッ…」
「ぎゃぁああ!!わっしょいどすこい!!」
アカギの破廉恥極まりない願いを大声でかき消したyou。
真っ赤な顔でアカギを見上げ、彼のコートの袖をぎゅっと掴んで後に続く台詞を制止させる…。
「神聖な神社でそんな願い事は却下です!」
「そういう透明なヤツほど汚したくなるんだよ。」
「カイジくーん、終わった?」
と、まぁこんな感じで、youはアカギとの会話に強制終了を掛けた。
そして、呼ばれて驚いたのはカイジ。
まだ書きかけのようで、youたちがそれを覗き込むと
カイジは慌てて絵馬を隠した。
「カイジくんは何て書いたの~?」
「なっ、内緒だッツ!///」
「けちー。」
「ならyouは見せんのか?」
「うーん……見せても問題はないけど…じゃ私も内緒、かな。」
「ならあいこだ!オレも見せない。」
「ふふっ、分かったわかった。」
にこっと笑って、アカギにさきほどの絵馬を破棄するように抗議しにいくyou。
彼女が離れて、ちょっとだけホッとしたような顔になり
カイジは再び絵馬に書き込みを始める…。
「言えるかよ…(youの恋人になりたいとかそんなこと……///)」
「言えないよねー『youの彼氏になりたい』とか。」
「ギャァア?!」
カイジの肩越しにヌッと現れた零。
吃驚し過ぎて、カイジは持っていたペンを取り落としそうになった。
「おまっ、こっ、見…ッツ?!///」
「ん?あぁ、見てないよカイジさんの絵馬なんて。でも予想付くでしょ、普通。」
「・・・じゃぁお前も?」
「当ったり前じゃん!言っとくけど、負ける気ないからね。」
「んなモン、オレもだっ!」
「ふーん……でもカイジさんは恋人より先に職を見つけた方がいいんじゃないの?」
「・・・・。」
カイジに9999のダメージ!
(精神的な意味で)
若干項垂れ気味のカイジと罪悪感など微塵も感じていない飄々とした零の元に
youとアカギが戻ってきた。
覇気の無いカイジの様子に気付いて心配するyou…。
「カイジくん、何か顔色悪いけど大丈夫?人に酔っちゃったとか?」
「あぁ、いや、うん……大丈夫…ちょっと心が痛いだけ。」
「そ、そう?心臓って意味じゃないよね、大丈夫?」
「大丈夫だ、オレは負けん。」
「うん?そ、そう…じゃぁ、絵馬掛けに行こうか?」
「おう!」
4人で並んで絵馬を掛ける場所に移動する…。
既に沢山の絵馬が掛けてあり、神社の参拝客が多いことを物語っていた。
「凄いね」と驚きながらも、自分たちの絵馬を好きな場所に掛けにいくことに…。
カイジと零は願い事を人には「内緒」と公言したこともあって、
各々離れた場所に掛けに行く。
一方のアカギは結局内容を訂正しないままyouの隣を付いて回る…。
「あの…。」
「ん?」
「アカギさんも早く好きなとこに絵馬掛けたらどうですか?」
「オレはyouの隣に掛けるから。」
「止めてくださいよ!フルネームじゃないにしろ名前書いてるのに!!隣とかにあったらあらぬ想像をされそうじゃないですか!」
「…じゃぁ、一緒のトコ。」
「へ?」
「同じ列なら、どちらかが隠れるからいいでしょ。」
「……いい、けど……何か可愛いですよ、アカギさん///」
「?」
「何でもないです。」
ほんのり頬をピンクに染めて、youは一箇所に絵馬を掛けようと手を伸ばした…。
が、一端止めてアカギに声を掛けた。
「アカギさん、先にどうぞ。」
「いいの?オレが先に掛けたらyouの願い事オレ、見るよ?」
「卑猥な願いが書かれた絵馬が最前列に並ぶよりいいかと。」
「ふーん。」
そう軽く納得しながら、一番上段に絵馬を掛ける。
おみくじを結ぶのとは違って、絵馬はわりと平均身長に合わせた高さ。
youも何の苦もなく同じ上段の列、アカギの手前に絵馬を掛けた…。
そして宣言通り彼女の絵馬に書かれた願い事を読むアカギ。
「別に面白くなんてないでしょー!そんなにまじまじと見ないでくださいよ///」
「フフ……いいんじゃない、youらしい願い事だ。」
「そうかなぁ?極々一般的だと。」
「それがいいんでしょ、youは凡夫でも可愛いと思えるよ。」
「…何かムカつくかも。」
「ははっ、要は好きってこと。」
「ま、またそんな……もう!///……ホラ、参拝も終わったし、おみくじ引いて屋台で食べ歩いて帰りますよっ!!」
「ハイハイ。」
アカギに背を向け、絵馬を掛け終わったカイジと零の元へと歩き出すyou。
「『今年も皆と仲良く元気で過ごせますように』か…。」
youの背中を眺め、アカギは絵馬に書かれた彼女の願い事を思い返し微笑むのだった…。
今年もよろしく!
(大吉…と。)
(いいなーアカギさん…私、中吉だよ…。)
(オレの吉と交換してあげよっか、youさん?)
(それじゃ意味ないでしょ、零くん……カイジくんは?)
(……。)
(カイジくん?)
(………凶。)
(えぇえええ!!?)
(マジでッ?!見せて見せて!オレ凶なんて初めて見るよ!?)
(カイジサン……アンタ、ある意味で本ッ当外さないよな…。)
*。゜.*。゜.*。゜.*